人民議会はイスラエルによる占領下ゴラン高原での入植者倍増計画をもっとも厳しい表現で非難(2021年12月28日)

人民議会は声明を出し、イスラエルが占領下のゴラン高原での入植地拡大させる計画を閣議決定したに関して「もっとも厳しい表現で非難する」と表明、国連安保理決議第497号(1981年)などを初めとする一連の決議や国際法に違反していると指弾した。

声明ではまた、占領下ゴラン高原の住民に対するイスラエルの犯罪行為を激しく非難・拒否、同地が完全解放されるまであらゆる手段で彼らに寄り添うと強調した。

SANA(12月28日付)が伝えた。

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イスラエルのナフタリ・ベネット首相は12月26日、ゴラン高原の入植地メボハマで閣議を開き、占領下のゴラン高原の入植者人口を倍増させる計画を閣議決定していた。

同計画は、今後5年間で入植者住宅7,300戸を建設、インフラを整備し、約2万3000人の新規入植を目指すもので、10億シェケル(約360億円)が拠出される見込み。

ゴラン高原は1967年の第3次中東戦争でイスラエルがシリアから占領し、1981年12月14日に併合を宣言した。

現在、イスラエル人入植者約25,000人と、併合後も同地に残ったシリア人23,000人が暮らしている。

国際社会はイスラエルによる併合を認めていないが、米国は2019年、ドナルド・トランプ前米政権がゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めている。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

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