民主的変革諸勢力国民調整委員会がジュネーブ2会議に参加する使節団メンバーを確定し公表、アサド大統領が大統領令を出しジャミール経済問題担当副首相を解任(2013年10月29日)

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反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はダマスカスで声明を出し、ジュネーブ2会議に参加する使節団メンバーの氏名を発表した。

同委員会使節団メンバーは以下の通り:

ハサン・アブドゥルアズィーム(使節団長)

ハイサム・マンナーア在外局長

ラジャー・ナースィル書記長

アブドゥルアズィーズ・ハイイル(当局により身柄拘束中)

ムンズィル・ハッダーム広報官

ジャマール・マフムード・ムッラー

アーリフ・ダリーラ

リヤード・ダッラール

ムハンマド・アブドゥルマジード・マンジューナ

サフワーン・アッカーシュ

ターリク・アブー・ハサン

アブドゥルアズィーム代表によると、民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首がクルド最高委員会の代表に選ばれなかった場合、同党首も使節団に加えると付言した。

またこれと併せて、アブドゥルアズィーム代表は、①委員会が「愛国的民主勢力を最大限に代表した組織として正式に招聘」されること、②「それ以外の組織以上の比重と影響力を代表し、(政権との)交渉を行う使節団メンバーを指名する権限を唯一有する」こと、という2点をジュネーブ2会議参加の条件として明示した。

さらに、ジュネーブ2会議への参加を検討しているすべての「愛国的(反体制)組織」に対して、交渉における姿勢や政策の統一化を図るための協議を呼びかけた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、『ラアユ』(10月29日付)に、ダマスカスで予定されているアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表との会談に関して、ダマスカス郊外県グータ地方への人道支援のために行動するよう求める意向だと述べた。

またジュネーブ2会議への参加拒否を表明した一部の反体制武装集団に関して「数十年にわたり、我々は政権の弾圧を受け、多くのメンバーが長年投獄されている。現在も、アブドゥルアズィーム・ハイイル氏をはじめとする60人以上の活動家が逮捕されたままだ。にもかかわらず、我々が国内で暮らしていることを奇妙だと考えている者がおり、彼らは我々が政権と協力していると疑っている。最近では、体制だけでなく、武装集団からも我々は脅迫を受け、私自身も何度も脅迫を受けている。(ジュネーブ2会議拒否の)声明はこうした脅迫の一例に過ぎない」と述べた。

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ダマスカス訪問中のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、30日のアサド大統領との会談に先立って、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーズ代表とシェラトン・ホテルで会談した。

会談で、アブドゥルアズィーズ代表は、2012年6月のジュネーブ合意に基づき、暴力停止、逮捕者・拉致者釈放、救援物資配給、全権を委託された移行期政府樹立を起点として政治的交渉を行うことを前提として、ジュネーブ2会議への出席を受け入れる旨、伝えたという。

またアサド大統領の進退については、2012年6月のジュネーブ合意が、シリア国民の意思に基づき、現体制を転換する行程を定めているとしつつ、進退そのものについては交渉の議題の一つであって、交渉参加の条件ではない、との立場を示したという。

なおアブドゥルアズィーズ代表との会談後、ブラーヒーミー共同特別代表は、シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表、アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣と個別に会談した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のサミール・ナッシャール氏は『シャルク・アウサト』(10月29日付)に対して、シリア国民評議会が書簡により、11月3日開催予定のアラブ連盟緊急外相会議(ジュネーブ2会議への対応を協議予定)でのアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表解任を審議するよう要請したことを明らかにした。

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シリア革命反体制勢力国民連立のファーイズ・サーラ氏は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長に関して「アサド政権の発言や嘘を繰り返しているだけの犯罪者だ」と非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、『ジュン・アフリーク』誌でのアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の発言に関して、「アサド政権こそが問題の根本であり、問題の原因が解決策の一部をなすことはあり得ない」と非難した。

シリア政府の動き

アサド大統領は大統領令を発し、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相を解任した。

大統領令は、解任の理由として、事前の許可を得ずに執務室を不在にし、経済問題担当の職務を行ったためとしている。

ジャミール前副首相はマヤーディーン(10月29日付)に対して、自らの解任を、モスクワでのロシア・トゥデイとのインタビューの最中にテレビのニュースを通じて知らされたと明かした。

また「そのこと(解任)をさして奇異だとは思っていない。なぜなら、政治的解決に至るに合意すれば、いずれは政府と(国民意思)党との間にある種の矛盾が生じていたからだ」と述べた。

さらに「入閣する前、我々は野党だった。我々は野党のまま、入閣した。政府を去っても野党であり続ける」と述べ、今後は副首相としてではなく、自身が率いる変革解放人民戦線の代表として外遊を続ける意思を示した。

一方、ジュネーブで予定されている米国高官との会談に関して、「ジュネーブ2会議に参加しようとする者が対話の主催者との会談に憤慨するとは思えない。政権との意見の不一致は、原則に関わるものでもなければ、深いものでもない」と強調した。

なおジュネーブ2会議の議題に関して、ジャミール前副首相は「バッシャール・アサド大統領の退任問題は提起されない。退任という条件を設けることは、事態を麻痺させる要求だからだ」と述べた。

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、シリア・アラブ・テレビ(10月29日付)で、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相の解任に関して、「ジャミール前首相は国内で自由に活動する愛国的な野党を代表しており、今後もシリアに害を与えない限り政治活動を続けることになる」と述べた。

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ダマスカス訪問中のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談し、ジュネーブ2会議などについて協議した。

SANA(10月29日付)によると、会談でムアッリム外務在外居住者大臣は、シリア政府がシリア国民の権利を代表して、ジュネーブ2会議に参加すると述べる一方、ロンドンでのシリアの友連絡グループ外相会合での声明については、対話の結果をあらかじめ決めつけるものと非難、拒否する姿勢を示した。

また両氏は、暴力とテロの停止、主権の尊重、国土保全がジュネーブ2会議の成功につながるとの共通の認識にいたったことを強調した。

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アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は「民主的・平和的変革諸政党・勢力」の代表として、ダマスカス訪問中のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

会談後、ハイダル国務大臣は「ワシントンはシリアとのチャンネルを開くべく真剣に検討していると思う。しかし、このことについて話すのは時期尚早だ。なぜなら、アメリカは(在外の反体制勢力への)政治、情報面での支援を止めておらず、武器供与、資金提供、教練について云々することも止めていないからだ…。米国の姿勢の変化が形式的なものでなく、真の変化であることを願っている」と述べた。

またハイダル国務大臣は、ジュネーブ2会議に関して「前提条件を示す者は政治プロセスに入ることを望んでいない」と述べ、シリア革命反体制勢力国民連立、シリア国民評議会を暗に批判した。

さらに「反体制勢力を統一することは不可能だ…。我々はシリア革命反体制勢力国民連立の傘下で(ジュネーブ2会議に)傘下することはない。なぜなら、根本的に意見が異なっているからだ」と述べた。

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アサド大統領は2013年政令第70号を発し、2013年10月29日以前に犯された軍刑法、兵役法などへの違反(国外逃亡法、国内逃亡法)に対する恩赦を決定した。

SANA(10月29日付)が報じた。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線などの追撃を続け、サファー村、カルフーフ村、ユースフィーヤ村、ジュナイビーヤ村、アブー・ハジャル村およびこれらの村の周辺一帯、ジュワーディーヤ市郊外一帯を制圧した。

人民防衛隊は現在、ジュワーディーヤ市郊外のタウヒード・ワ・ジハード旅団の拠点を包囲中だという。

また、リハーブ・ニュース(10月29日付)によると、ハサカ県グワイラーン地区で、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と軍が交戦した。

戦闘は同地区にあるユーフラテス大学分校キャンパス内におよび、男女学生2人が死亡した。

一方、民主統一党人民防衛隊消息筋が、クッルナー・シュラカー(10月29日付)に明らかにしたところによると、軍が未明からカーミシュリー市南部郊外に対する砲撃を激化させた。

同消息筋によると、軍、国防隊、人民防衛隊は、ヤアルビーヤ町に続いて、カーミシュリー市郊外のシャームの民のヌスラ戦線の拠点などの制圧を準備しているという。

他方、SANA(10月29日付)によると、反体制武装集団が石油精製に使用していた手製の精製器35器と原油の密輸に使用していたタンカー・トラック5台を軍が破壊した。

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ダマスカス郊外県では、社会問題省筋の話によると、軍が包囲を続けるムウダミーヤト・シャーム市からの住民約1,800人の避難が、シリア政府と反体制武装集団の調整のもとに行われた。

ロイター通信(10月29日付)が伝えた。

一方、SANA(10月29日付)によると、アルバイン市、バハーリーヤ市郊外、ビラーリーヤ・ナシャービーヤ回廊、フタイタト・トゥルクマーン市郊外、TAMICO周辺、シャイフーニーヤ村西部、アドラー市南部、ダイル・アティーヤ市東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥーマー市では、住民が武装集団の退去とテロ活動の停止を求めるデモを行ったという。

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ダイル・ザウル県では、シャーム・ネットワーク(10月29日付)によると、ダイル・ザウル市内各所で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(10月29日付)などによると、アラビーヤ・チャンネルのムハンマド・サイード特派員が取材先のフライターン市の床屋で何者かに銃で撃たれ、暗殺された。

またシャーム・ネットワーク(10月29日付)によると、ヌッブル市、ザフラーム村を「イスラーム主義部隊と自由シリア軍」が攻撃し、「シャッビーハとヒズブッラー戦闘員」15人を殺害した。

さらにサフィーラ市南部でも軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行ったという。

一方、SANA(10月29日付)によると、ドゥワイリーナ村東部、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、フライターン市、カフルハムラ村、ナッカーリーン街道、カースティールー街道、アナダーン市、アルバイド村、クワイリス村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シャーム・ネットワーク(10月29日付)によると、ラスタン市に対して軍が砲撃を行った。

一方、SANA(10月29日付)によると、ラッカ村、ダール・カビーラ村、キースィーン村、ガースィビーヤト・ナイーム村、アイン・フサイン村、ハタムルー村、バイト・マスウード村郊外、ドゥワイル村、ガジャル村、ガントゥー市、ヒムス市ワアル地区、カラービース地区、ワルシャ地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シャーム・ネットワーク(10月29日付)によると、アトマーン村で反体制武装集団が軍の戦車1輌を含む車両2輌を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(10月29日付)によると、カーブーン区、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月29日付)によると、ムーリク市入り口で、軍が反体制武装集団と交戦し、クウェート人、エジプト人戦闘員ら20人を殲滅した。

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ダルアー県では、SANA(10月29日付)によると、ダルアー市各所、アトマーン村、インヒル市、ナワー市、タファス市、タッル・サマン周辺、フラーク市、ムライハ市、ワーリダート村、ブスラー・シャーム市、ジャースィム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(10月29日付)によると、アブー・ズフール軍事基地周辺、ジャフタルク村、カフルルーマー村、ザアラーナ村、ハーッジ・ハンムード村、ラーミー村、アルバイーン山周辺、タッル・サラムー村、バラーギースィー村、ウンム・ジャリーン村、カラア・ガザール村、ワティー・キークーン村、カンスフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

スーマリーヤ・ニュース(10月30日付)は、イラク・アンバール県の対シリア国境の警備にあたる第2警察師団の司令官からの情報として、自爆ベルトを着用し、シリアからイラク領内に潜入しようとした戦闘員27人を国境警備隊が殺害した、と報じた。

AFP, October 29, 2013、Alsumariya.tv, October 30, 2013、al-Hayat, October 30, 2013, October 31, 2013、Kull-na Shuraka’, October 29, 2013,
October 30, 2013、al-Mayadeen, October 29, 2013、Naharnet, October 29, 2013、al-Ra’y, October 29, 2013、Reuters, October 29, 2013、Rihab News, October 29, 2013、SANA,
October 29, 2013、al-Sharq al-Awsat, October 29, 2013、UPI, October 29, 2013などをもとに作成。

 

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