イドリブ県で「イランの民兵」所属と思われる自爆式ドローンが爆発、アレッポ県では「決戦」作戦司令室の攻撃でシリア軍兵士2人死亡(2022年2月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、14日深夜から15日未明にかけて、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村で、イランの民兵」所属と思われる自爆式の無人航空機(ドローン)の爆破が発生した。

またシリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、バイニーン村、ファッティーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にある県西部のカフル・ヌーラーン村を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にある第46中隊基地近くでシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

また、ミーズナーズ村近郊でもシリア軍兵士1人が殺害された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町、マンスーラ村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、東ガーリヤ町で正体不明の武装集団が、ブスラー・シャーム市の病院に勤務する看護師が乗った車を襲撃、この看護師を含む2人を殺害した。

またアドワーン・ダム近くでは、頭を銃で撃たれて殺害されたと見られる男性の遺体が発見された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 15, 2022、ANHA, February 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 15, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 15, 2022、Reuters, February 15, 2022、SANA, February 15, 2022、SOHR, February 15, 2022などをもとに作成。

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