アサド大統領はロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、「西側諸国のヒステリー」を非難(2022年2月25日)

アサド大統領はロシアのヴラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行い、ウクライナ情勢とドンバス地方の民間人の保護を目的としたロシア軍の特殊軍事作戦について意見を交わした。

会談のなかでアサド大統領は、現在起きているのは、世界における歴史の修正とソビエト連邦崩壊後に失われた均衡の是正であるとしたうえで、西側諸国のヒステリーは、歴史を誤ったままにとどめ、法律に違反する者以外の誰も望んでいない混乱をもたらそうとするものだと述べた。

また、ロシアは今日、自国のみならず世界、正義や人道といった原理を防衛していると評価した。

アサド大統領は、西側諸国に混乱と流血の責任があり、それは諸国民を支配しようとする西側諸国の政策の結果だと非難、これらの国はシリアのテロリスト、ウクライナなど世界のさまざまな場所のナチスを支援するための汚い戦術をとっていると述べた。

そのうえで、シリアは、正しい姿勢をとるとの信念に基づいて、ロシアに寄り添うと強調、世界的な脅威となり、世界の安定に打撃を与えようとする西側諸国の無責任な政策を実現するための道具となったNATOの拡大に対抗することは、ロシアの権利であると断じた。

アサド大統領はさらに、シリア、ロシア両軍が対峙している敵は一つで、シリアにおいてそれは過激派、ウクライナにおいてはナチスだとの見方を示すとともに、大国は軍事力だけでなく、法律、崇高なる道徳、そして人道主義の原則を尊重することで初めて大国たり得るという教訓をロシアが世界に示すことになるだろうと述べた。

これに対して、プーチン大統領は、ドンバス地方での特殊軍事作戦が安定回復と、この8年間にわたって現地住民が苛まれてきた苦しみを止めることを目的とていると明言、ロシアが過去数年にわたって対話と外交に依拠し、武力行使の決定は、西側の主人の支援を受けるウクライナ当局がロシア、ウクライナ両国の議会で承認された一連の合意を遵守せず、ドネツク、ルガンスク両共和国が軍事支援を要請したことを受けてなされたと述べた。

また、ロシア軍は雄々しく勇敢に戦い、眼前の目標すべてを実現するだろうと強調した。

SANA(2月25日付)が伝えた。

AFP, February 25, 2022、ANHA, February 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2022、Reuters, February 25, 2022、SANA, February 25, 2022、SOHR, February 25, 2022などをもとに作成。

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