2013年10月22日のシリア情勢

反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官はAKI(10月22日付)に「国際社会がシリア革命を導いているジュネーブへの道は、戦争犯罪者をシリア社会の支配に復帰させる道だ」と述べ、ジュネーブ2会議を非難する一方、「シリア人は今後、過激派、テロ非難の名目に行われる革命と革命家への非難を耳にすることになろう」と危機感を表明、抗議デモなどを通じた平和的な反体制運動を推進する必要があるとの見方を示した。

シリア政府の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連安保理で「カタール、サウジアラビア、トルコ、そして一部の西側諸国の政府は、シリア情勢を誤ったかたちで解釈、対処しており、こうした行為は明らかに国連憲章、国際法の諸原則、平和的な紛争解決の原則に反している」と非難した。

またジャアファリー国連代表は「イスラエルは半世紀以上にわたり、国際人道法と人権法に体系的に違反し、その行為は戦争犯罪、人道犯罪の域に達している」と述べ、その占領政策を指弾する一方、イスラエルが占領下のゴラン高原から「テロ集団への支援を行っている」と指摘した。

一方、核兵器、化学兵器など大量破壊兵器の拡散防止に関して、ジャアファリー国連代表は「イスラエルは、化学兵器など大量破壊兵器拡散防止に関するいかなる同盟、合意にも参加していない」と追求し、中東地域における唯一の核兵器保有国のイスラエルに対して、国際社会が圧力をかけ、その廃絶をめざすべきだと主張した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(10月22日付)によると、ジャルマーナー市に迫撃砲弾約20発が着弾、うち3発は小学校と中学校の敷地内に着弾、子供1人が死亡、14人が負傷した。

一方、SANA(10月22日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市、ドゥーマー市、ムライハ市(TAMICO周辺)、アーリヤ農場、マアルーラー市周辺地域で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(10月22日付)によると、ラッカ市郊外のファフーハ村近くで、活動家のマフナド・ハーッジ・ウバイド氏が遺体で発見された。

ラッカ市はイラク・シャーム・イスラーム国によって占拠されているが、ファフーハ村はアサド政権支持者が多いことで知られているという。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(10月22日付)によると、イスラーム軍が「首都南部戦線で政府軍の兵士40人を捕捉した」と発表した。

一方、SANA(10月22日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月22日付)によると、カビール村、スーダー村、ザーヒー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月22日付)によると、マヒーン村、フワーリーン村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ワアル地区、クスール地区、カラービース地区、ダール・カビーラ村、ムシュリファ市、タッルドゥー市、タッル・ザハビーヤ農場、バーリダ地区、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(10月22日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ジュダイダ地区、ムスリミーヤ村回廊、ジャンドゥール・カースティールー回廊、クワイリス村、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(10月22日付)によると、ジャンナ村、サラーキブ市周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月22日付)によると、ジャースィム市・ナマル町間街道、タッル・マハッス村、アーリヤ村、カフルシャムス町、アクラバー村、アトマーン村周辺、タファス市北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(10月22日付)は、過去3ヶ月の間に、イラク・クルディスタン地域やトルコに避難していたクルド人住民26万8000人以上がシリア国内に帰国したと報じた。

レバノンの動き

サミール・ムクビル副首相は、2013年4月にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教と面談した。

ムクビル副首相は『ハヤート』(10月23日付)に、2人とも健康は良好で、安全な場所に拘束されているとしたうえで、「近く、非常によい知らせを耳にするだろう」と述べた。

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マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教は、カタールのタミーム・ビン・ハマド首長の招待でドーハを訪問した。

ナハールネット(10月22日付)などによると、ラーイー総大司教は出発前にベイルートのラフィーク・ハリーリー国際空港で、2013年4月にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教の釈放に向けて、カタール首脳が影響力を行使するだろうと述べた。

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NNA(10月22日付)などによると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で、武装集団どうしが前日に引き続き交戦、軍兵士4人と市民8人が負傷した。

諸外国の動き

シリアの化学兵器廃棄の査察・検証を行う化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同派遣団のスィグリッド・カーグ特別調整官は、ダマスカスで「現在までのところ、シリア政府は調査団の活動を支援するため完全に協力してくれている」と述べた。

al-Hayat, October 23, 2013

al-Hayat, October 23, 2013

AFP(10月22日付)が報じた。

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AP(10月22日付)は、シリアの化学兵器廃棄の査察・検証を行う化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同派遣団に、米国が車輌10台を提供したと報じた。

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シリアの友連絡グループ外相級会合がロンドンで開かれ、米英仏独伊、エジプト、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、トルコ、UAEの外相とシリア革命反体制勢力国民連立代表が参加、反体制勢力の支援、ジュネーブ2会議開催準備について協議した。

シリア革命反体制勢力の代表は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、ファールーク・タイフール副議長(シリア・ムスリム同胞団)、スハイル・アタースィー副議長、サーリム・ムスラト副議長から構成されていた。

シリアの友連絡グループは閉幕声明で、「アサドと自らの手を血で汚したその側近たちには、シリアで何らの役割もない…。この紛争で犯した行為への処罰が不可避である」との点で合意したと発表した。

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会合後の記者会見で、ジョン・ケリー米国務長官は「11カ国は交渉のテーブルにつく試みが必要との点でコンセンサスに達した。交渉による解決が図られなければ、虐殺は続き、激化するだろう」と述べた。

そのうえで、ジュネーブ2会議の交渉を有効に進めるため「可能な限り反体制勢力を支援する」と強調した。

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ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は、シリアの友連絡グループが「アサドに将来の政府においていかなる役割も担わせるべきでない」との点で合意した」と述べた。

al-Hayat, October 23, 2013

al-Hayat, October 23, 2013

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、会合について「反体制勢力にとって前向きなものだった」と高い評価を下した。

また「我々はジュネーブ2会議が開催されることを願っている。なぜなら唯一の解決策とは政治的なものだからだ。しかし、大会開催のため、穏健な反体制勢力と政権内の勢力(の参加)が不可避だが、バッシャール・アサドがいてはならない。こうしたことが起こらなければ、結果はアサド政権と過激派の際限のない紛争になろう」と述べた。

そのうえで「論理的な人のなかに、アサドが残留して政治的解決がなされると想像している者などいない」と強調した。

またイランの大会への参加の条件として、ファビウス外務大臣は「ジュネーブ合意を受諾し、アサドからすべての権限を奪う移行期政府を認めること」と述べた。

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しかし、シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長は、会合後の記者会見で「シリア革命は国際社会に辟易している」と述べ、シリアの友連絡グループの姿勢を批判した。

ジャルバー議長はまた、数日中にジュネーブ2会議への参加の是非を決定すると述べる一方、大会への参加の意思を示しているイランが、ヒズブッラー、アブー・ファドル・アッバース旅団とともにアサド政権を支援していると非難、「イランの支援がなければ、アサド政権は崩壊していただろう」と主張し、異議を唱えた。

さらに「我々は(ジュネーブ2会議に向かって)歩めば、我らが国民は我々を信用しなくなるだろう。ジュネーブ2賛成と言えば、革命と革命家への裏切りとなる…。我々は西側に航空禁止空域の設置、血塗られた体制への一撃を要求しているだけだ。どのように彼らは我々が参加することを望むというのだ…。率直に言おう。人道的に負い目を感じている国々は…我々の5つの「ラー」(No)に耳を傾けて欲しい:交渉するな、和解するな、承認するな、後退するな、無能な国際社会に反対。一方、権力移譲後の犯罪者の退任と戦争犯罪者処罰が目的であるのなら…ジュネーブ2を歓迎する…。我々の原則は明白だ。それは条件ではない。それなしにジュネーブ2が成功し得ない原則だ。すなわち、交渉開始に先立った、東グータ地方、ダマスカス南部、ヒムス市旧市街などへの人道回廊の保障、女性、子供ら収監社の釈放である。また政権移譲と殺人者の退任がなければ、我々の側からの交渉はない。また交渉の期限の設定、国連憲章第7章に基づく実施条件の設定(も必要だ)」と主張した。

そのうえで、「ジュネーブ2は(全権を有する移行期政府の樹立などを骨子とする)ジュネーブ1(2012年6月のジュネーブ合意)を意味する」と強調、「我々はアサド劇場の演者になることはできない…そのことを今日、外相らに伝えた…。今日起きたことは前向きなことだ。初めて、(シリアの友グループ)諸国は、ジュネーブ2会議の明確なビジョンをめぐって合意に達したからだ」と付言した。

AFP, October 22, 2013、AKI, October 22, 2013、AP, October 22, 2013、al-Hayat, October 23, 2013、Kull-na Shuraka’, October 22, 2013、Naharnet, October
22, 2013、Reuters, October 22, 2013、Rihab News, October 22, 2013、SANA, October
22, 2013、UPI, October 22, 2013などをもとに作成。

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