国連人権高等弁務官事務所は、2011年3月1日から2021年3月31日までの間にシリアで30万6887人の民間人が死亡したとする報告書を発表(2022年6月28日)

国連人権高等弁務官事務所は、2011年3月にシリアに「アラブの春」が波及して以降の同国における民間人の犠牲者に関する報告書(A/HRC/50/68)を第50回国連人権理事会に提出した。

報告書は2022年6月13日から7月8日にかけて作成され、2011年3月1日から2021年3月31日までの間に、推計で30万6887人の民間人が死亡したとしている。

このうち、14万3350人については、氏名、死亡日、死亡場所などの詳細情報がさまざまな情報源に基づいて特定されているという。

また情報の欠落を補うための代入法や推算法を駆使し、16万3573人が死亡したと推計、死者総数を30万6887人と算定した。

死者総数はあくまでも戦闘による直接の犠牲者の数であり、医療ケア、食料、飲料水などの不足による死者は含まれていないという。

30万6887人という数は、シリアの人口の1.5%にあたり、1日平均83人が死亡していたことになる。
AFP, June 28, 2022、ANHA, June 28, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2022、Reuters, June 28, 2022、SANA, June 28, 2022、SOHR, June 28, 2022などをもとに作成。

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