イスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス一帯の複数カ所をミサイル攻撃、兵士多数死傷(2022年7月22日)

シリア軍筋は声明を出し、イスラエル軍戦闘機が22日午前0時32分、占領下のゴラン高原上空から首都ダマスカス一帯の複数カ所に対して多数のミサイルを発射、シリア軍防空部隊がそのほとんどを撃破したが、一部が着弾し、兵士3人が死亡、7人が負傷、若干の物的被害が出た。

SANA(7月22日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、攻撃により、ダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町近郊に設置されているイラン製無人航空機(ドローン)製造所で外国人3人とレバノンのヒズブッラーの協力者2人の5人が、ダマスカス県のマッザ航空基地近くの軍事拠点と地対空ミサイル発射施設でシリア軍兵士3人が死亡した。

ミサイル攻撃は、マッザ航空基地の空軍情報部事務所、上級士官用事務所、車輌、検問所近く、マッザ・オートストラード地区(以上ダマスカス県)、サイイダ・ザイナブ町近くのイラン製ドローンの製造施設(ダマスカス郊外県)が狙われた。

アラビーヤ(7月22日付)によると、シリア人3人を含む6人が死亡、10人が負傷した。

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外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、イスラエル軍戦闘機の新たなミサイル攻撃について「犯罪的航空攻撃」と報告、国際法と国連憲章が認める適切な手段での報復権を保留するとしつつ、延滞なき非難などの責任ある行動をとるよう改めて要請した。

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イラン外務省のナーセル・カナアーニー報道官は、イスラエル軍戦闘機によるシリア領内への新たなミサイル攻撃に関して、シリアの主権、領土の一体性、国際法へのあからさまな侵犯だと批判したうえで、責任ある国際帰還や人権擁護者の沈黙に驚き、遺憾に感じていると表明した。

AFP, July 22, 2022、ANHA, July 22, 2022、Alarabia, July 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, July 22, 2022、Reuters, July 22, 2022、SANA, July 22, 2022、SOHR, July 22, 2022などをもとに作成。

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