SANA(8月31日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機が午後8時頃、アレッポ国際空港に対してミサイル攻撃を行い、若干の物的被害が出た。
イスラエル軍はまた、午後9時18分頃、パレスチナ北部のティベリアス湖(ガリラヤ湖)上空方面から首都ダマスカス南東の複数ヵ所に対して多数のミサイルを発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃、その一部を撃破したが、若干の物的被害が出たと伝えた。
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シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港に対する攻撃では4発のミサイルが発射され、うち3発は空港周辺に展開する「イランの民兵」の武器弾薬庫複数ヵ所を標的とし、1発は空港ターミナルに着弾した。
滑走路は被害を受けなかったが、「イランの民兵」の武器弾薬庫などに物的被害が出た。
シリア人権監視団が複数筋から得た情報によると、アレッポ国際空港に駐留するロシア軍部隊は、シーア派(12イマーム派)聖地巡礼を目的としてイランからの巡礼観光客が空路で訪れるようになるなか、イラン側が同空港を軍事目的で利用するのを阻止してきたという。
また同筋によると、空港に駐留するロシア軍部隊は、ミサイル攻撃を10分前に察知し、警戒態勢をとっていたという。
オリエント・ニュース(8月31日付)は、複数筋の話として、イスラエル軍はイランの航空機がアレッポ国際空港に着陸するのを阻止するためにミサイル攻撃を行ったが、同機が進路を変えてダマスカス国際空港に着陸しようとしたため、首都南東部にミサイル攻撃を行ったと伝えた。
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一方、シリア人権監視団によると、首都ダマスカス南東に対するミサイル攻撃では、ダマスカス郊外県キスワ市一帯が狙われた。
AFP, August 31, 2022、ANHA, August 31, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2022、Orient News, August 31, 2022、Reuters, August 31, 2022、SANA, August 31, 2022、SOHR, August 31, 2022などをもとに作成。
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