ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月11日付)が、複数の目撃者の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がイラク国内で捕獲したイラク軍の車輌や装備多数をハサカ県のヤアルビーヤ国境通行所を経由してシリア国内に搬入していると報じた。
目撃者らによると、弾薬を積んだイラク軍車輌3輌がタッル・ハミース町で目撃され、ダーイシュに近い複数のインターネットサイトでは、武器搬入を指導するアブー・ウマル・シーシャーニー氏の写真が公開された。
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マダー・プレス(6月11日付)は、信頼できる消息筋の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がサラーフッディーン県のティクリート市、同市東部のダウラ郡を「無血開城」し制圧した。
同消息筋によると、ティクリート市に本部を置いていたイラク軍第4師団司令部は南部のアウジャ村に撤退した。
だが、合同作戦司令部筋によると、アウジャ村でのダーイシュとの戦闘で、イラク軍第4師団のナズィール・アースィム司令官を含む6人が殺害された。
一方、ミシュアーン・ジャッブーリー前国民議会議員(インサーフ戦線)はフェイスブックで、ティクリート市を制圧したダーイシュ戦闘員は、「アッラーの他に神なし」と書かれた黒旗ではなく、イラク・バアス党のイッザト・イブラーヒーム・ドゥーリー書記長の写真を掲げたと綴った。
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AFP(6月11日付)によると、モスル市を制圧したダーイシュは同市のトルコ領事館を占拠し、オズトゥルク・ユルマズ領事と同領事館職員20人を拉致した。
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マダー・プレス(6月11日付)は、治安高官筋の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がキルクーク県のリヤード地区にある検問所複数を襲撃し、任務を放棄し逃走しようとした治安部隊隊員6人を含む隊員10人を処刑したと報じた。
またダーイシュはターリキーヤ検問所を襲撃し、イラク軍兵士3人、覚醒評議会メンバー2人を殺害した。
このほか、フワイジャ郡、アッバースィー地区、ザーブ地区、ラシャード地区の政府関連施設を焼き討った。
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イラーキーヤ・チャンネル(6月11日付)は、イラク軍戦闘機がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が制圧していたバグダード・アズィーム街道を空爆し、複数の戦闘員を殺害した。
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ヌーリー・マーリキー首相は週次定例声明でニナワ県、キルクーク県、サラーフッディーン県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢に関して、志願者からなる予備軍を設置すると発表、各県の部族、市民、政党に対して志願を呼びかけた。
AFP, June 11, 2014、AP, June 11, 2014、ARA News, June 11, 2014、Champress, June 11, 2014、al-Hayat, June 12, 2014、al-Iraqiya Channel, June 11, 2014、Kull-na Shuraka’, June 11, 2014、al-Mada Press, June 11, 2014、Naharnet, June 11, 2014、NNA, June 11, 2014、Reuters, June 11, 2014、SANA, June 11, 2014、UPI, June 11, 2014などをもとに作成。
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