【トルコ・シリア大地震】トルコからの越境(クロスボーダー)の支援が地震発生以来中断、再開に向けた取り組み続く(2023年2月8日)

アレッポ県バーブ・ハワー通行所広報局長のマーズィン・アッルーシュ氏はイナブ・バラディー(2月8日付)の取材に対して、同通行所が人道支援物資、救援物資のシリアへの搬入態勢を整えていると発表したにもかかわらず、6日の大規模地震以降、8日現在にいたるまで、国際機関、あるいは慈善団体からのいかなる越境(クロスボーダー)での支援も通過していないことを明らかにした。

アッルーシュ氏によると、通行所は負傷者、旅行者、商用の貨物の通過を規制する一方で、シリア北西部に家族や親戚がいる犠牲者の遺体のトルコからの移送は認めており、これまでに90体の遺体を受け取ったと付言した。

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国連のステファン・ドゥジャリク事務総長付報道官は記者会見で、地震の影響でバーブ・ハワー通行所(アレッポ県)にいたるトルコ側の街道が被害を受けており、シャーム解放機構の支配下にある反体制派支配地への人道支援物資の搬入が一時的に中断していると発表した。

 

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国連地域人道調整官(シリア危機担当)のムハンナド・ハーディー氏はジャズィーラ・チャンネル(2月8日付)に対して、シリア北部への人道支援搬入の準備が整ったことを明らかにした。

ハーディー氏は、「我々は明日(2月9日)、シリア北部の被災地に支援を搬入することができる」と述べるとともに、バーブ・ハワー通行所がシリア北部の反体制派支配地域に支援を行うことができる唯一の経路であることを強調した。

AFP, February 8, 2023、Aljazeera, February 8, 2023、ANHA, February 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 8, 2023、Reuters, February 8, 2023、SANA, February 8, 2023、SOHR, February 8, 2023などをもとに作成。

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