反体制系サイトのイナブ・バラディー(2月14日付)などによると、国連人道問題調整事務所(OCHA)をはじめとする国連各機関の代表らからなる使節団が、バーブ・ハワー国境通行所を経由して、シャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部のいわゆる「解放区」に入った。
使節団は、イドリブ県およびアレッポ県内の被災地を視察する予定だが、詳細は明らかではないという。
また、国連の人道支援物資を積んだ大型車輌26輌が、バーブ・ハワー国境通行所を経由して「解放区」に入った。
合わせて、シリアの反体制系NGOやトルコのNGOが、食料品、衣服、穀物、暖房、毛布、絨毯、衣料品などを同通行所を通じて「解放区」内に搬入した。
これに関して、シリア人権監視団は、カタールからの物資を積んだ車列がシリアに入ったと発表した。
さらに、米国在住のシリア人医師14人が、負傷者を支援するため、バーブ・ハワー国境通行所を経由して「解放区」に入った。
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アレッポ県では、イナブ・バラディー(2月14日付)などによると、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が13日に、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域とトルコの境界にあるバーブ・サラーマ国境通行所とラーイー村北の通行所の通行にシリア政府が同意したと発表したのを受け、食糧物資を積んだ国連の車輌8輌(シリア人権監視団によると11輌)からなる車列がバーブ・サラーマ国境通行所から「ユーフラテスの盾」地域に入った。
シリア人権監視団によると、このほかにも、トルコのNGOなどが集めた食料物資などを積んだ貨物車輌4輌からなる車列がバーブ・サラーマ国境通行所を経由してシリアに入った。
AFP, February 14, 2023、ANHA, February 14, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 14, 2023‘Inab Baladi, February 14, 2023、Reuters, February 14, 2023、SANA, February 14, 2023、SOHR, February 14, 2023などをもとに作成。
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