トルコのチャヴシュオール外務大臣「YPGは夏までにマンビジュ市から撤退し、トルコ軍と米軍が同地を支配する」(2018年5月30日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ハベルトゥルク(5月30日付)とのインタビューで、米国主導の有志連合が支援する西クルディスタン移行期民政局の実効支配下にあるマンビジュ市(アレッポ県)の処遇に関して、米国と合意に達したことを明らかにした。

インタビューのなかで、チャヴシュオール外務大臣は「マンビジュ市に新たな自治体制が確立したら、トルコ軍と米軍がマンビジュを支配することになるとの理解に達した…。米国と(正式に)合意がなされれば、人民防衛隊(YPG)は夏の終わりには撤退するだろう」と述べた。

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アナトリア通信(5月30日付)は、複数の消息筋の話として、両国の合意は、6月4日に予定されているトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣とマイク・ポンペオ米国務長官との会談で正式に発表されると伝えた。

同通信によると、合意では、①第1段階として、PYDがマンビジュ市からアイン・アラブ(コバネ)市を経て、ラッカ県アイン・イーサー市に撤退すること、②第2段階として、トルコと米国の部隊と諜報機関が合意締結から45日以内に進駐し、同市の監視にあたること、③第3段階として、合意締結から60日以内に、同地の自治政体を樹立することなどが決定されたという。

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しかし、米国務省のヘザー・ナウアート報道官は29日、「マンビジュ市の処遇に関してトルコと協議中で…合意に果たしていない」と述べ、これを否定している。

また、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下にあるマンビジュ軍事評議会のシャルファーン・ダルウィーシュ報道官は、「有志連合との連携は継続される。マンビジュ市からマンビジュ軍事評議会が撤退するとの話には根拠がない」と述べた。

ANHA(5月30日付)が伝えた。

AFP, May 30, 2018、Anadolu Ajansı, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、Haberturk, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構はメンバーにダルアー県へのシリア軍の進攻に備えるよう指示(2018年5月30日)

ダルアー県では、「堅固な建造物」作戦司令室を主導し、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構のダルアー県の総司令官アブー・ジャービル・シャーミー氏が声明を出し、「シリア軍とその同盟者による攻撃に対抗するため備えよ」と指示した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)が伝えた。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)によると、シャーム解放機構の治安部隊がダーナー市にあるレストラン近くに爆弾を仕掛け爆発させようとしたダーイシュ(イスラーム国)のメンバー2人を殺害した。

爆弾を爆発させようとしていたメンバーのうち3人は逃走したという。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(5月31日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がスバイハーン市近郊の砂漠地帯にあるシリア軍および親民兵の拠点を襲撃した。

AFP, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「すべての外国人部隊がシリア南西部の緊張緩和地帯から退去しなければならない」(2018年5月30日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでのプリマコフ読書国際フォーラムで演説し、「すべての外国人部隊がシリア南西部の緊張緩和地帯から退去しなければならない」と述べ、イラン・イスラーム革命防衛隊、その支援を受ける外国人民兵、そしてレバノンのヒズブッラーにダルアー県、クナイトラ県からの撤退を迫った。

ラブロフ外務大臣はまた「シリア南西部の緊張緩和地帯について周知の合意がある。それはロシア、米国、そしてヨルダンが至った合意だ」と強調、「それ(外国人部隊の撤退)を早急に実施する必要がある。我々は今そのためにヨルダンや米国とともに行動している」と付言した。

リア・ノヴォースチ通信(5月30日付)などが伝えた。

AFP, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、RIA Novosti, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ支配下のラッカ市各所で若者の徴兵や住民の恣意的対する抗議デモが発生(2018年5月30日)

ラッカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)によると、ラッカ市の、アビー・ブン・カアブ通り、マシュラブ地区、ルマイラ地区などで、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の退去を求めるデモが発生した。

デモは、シリア民主軍への若者の徴兵や住民の恣意的逮捕に抗議するもので、参加者は軍用車の窓ガラスを割るなどして怒りを露わにした。

これに対して、アサーイシュはデモ発生地域で厳戒態勢を敷き、参加者複数人を拘束した。

AFP, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下にあるバーブ市で東部自由人連合と自由警察が、アフリーン市でスルターン・ムラード師団と東部軍が交戦(2018年5月30日)

アレッポ県では、ANHA(5月30日付)によると、トルコが実質占領下に置くバーブ市の中心街で、東部自由人連合と自由警察が交戦した。

自由警察のメンバーが東部自由人連合の暴行を受けたのがきっかけで、戦闘により住民複数が巻き添えとなり負傷した。

ANHA, May 30, 2018

一方、アフリーン市では、スルターン・ムラード師団と東部軍が教会の敷地、建物、略奪品の分配をめぐって対立し、交戦した。

戦闘は、東部軍が教会の礼拝施設を、スルターン・ムラード師団が居住用施設をそれぞれ占拠することで終息した。

AFP, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは1件の停戦違反を、トルコ側は1件の違反を確認(2018年5月30日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月30日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(ラタキア県)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも1件(アレッポ県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 30, 2018をもとに作成。

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バッビーラー町、バイト・サフム市、ヤルダー市(ダマスカス郊外県)で活動していた反体制武装集団の元戦闘員約800人が投降し放免となる(2018年5月29日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月29日付)によると、シリア政府の支配下に復帰したバービッラー市、バイト・サフム市、ヤルダー市で活動を続けていた反体制武装集団の元戦闘員約800人が26~28日までの3日間で当局に投降し、武器を引き渡し、免罪続手続きを経て、放免となった。

投降した800人の多くは、兵役忌避罪などに問われていた。

SANA, May 29, 2018

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県の反体制派幹部はヨルダンとの国境通行所の運営をめぐるアサド政権との交渉に前向きな姿勢(2018年5月29日)

ダルアー県で活動する反体制武装集団の一つ革命軍のバッシャール・ズウビー政治局長(最高交渉委員会メンバー)は、『クドス・アラビー』(5月29日付)に対して、同県およびクナイトラ県の処遇をめぐる米国、ロシア、ヨルダン、イスラエル、イラン、そしてシリア政府の折衝に関して、「ロシアとヨルダンの監督のもと」反体制武装集団が掌握しているナスィーブ国境通行所をアサド政権と共同運営するための交渉を行うことに「何の問題もない」と述べた。

ズウビー政治局長は「(ナスィーブ)国境通行所の警備や収益配分の仕組みをめぐってアサド政権と行うことは、反体制派にとって何ら問題ではない」と述べた。

al-Quds al-‘Arabi, May 29, 2018

AFP, May 31, 2018、ANHA, May 31, 2018、AP, May 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2018、al-Hayat, June 1, 2018、al-Quds al-‘Arabi, May 31, 2018、Reuters, May 31, 2018、SANA, May 31, 2018、UPI, May 31, 2018などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は「シリアをイランとイスラエルの戦場とすることを阻止する」ことで一致(2018年5月29日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は電話会談を行い、シリア情勢について意見を交わした。

『ハヤート』(5月30日付)によると、この会談で両首脳は、「シリアをイランとイスラエルの戦場とすることを阻止する」ことで一致した。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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シリア軍第4機甲師団とパレスチナ人民兵のクドス旅団がシリア南部での掃討戦に向けてクナイトラ県に展開(2018年5月29日)

ディマシュク・アーン(5月29日付)は、28日にパレスチナ人の民兵組織クドス旅団がクナイトラ県に展開したのに続き、シリア軍の第4機甲師団の部隊も同地に入ったと伝え、写真や画像(https://www.facebook.com/dimashq.now/videos/1660348924090713/)を公開した。

クドス旅団と第4師団の展開は、シリア南部での掃討作戦に向けたものだという。

Dimashq al-An, May 30, 2018

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一方、英日刊紙『デイリー・テレグラフ』(5月29日付)は、シリア政府が、イスラエルによる度重なる爆撃を回避するため、国内の軍事基地からイランの部隊(イラン・イスラーム革命防衛隊)を排除する措置を開始したと伝えた。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、The Daily Telegraph, May 29, 2018、Dimashq al-An, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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イスラエルはロシアの説得を受け「条件付き」でシリア南部へのシリア軍の展開に同意(2018年5月29日)

イスラエルの民放テレビ局チャンネル2(5月29日付)は、同国高官筋の話として、ベンヤミン・ネタニヤフ内閣が、「条件付き」で占領下ゴラン高原に隣接するシリア南部(ダルアー県、クナイトラ県)へのシリア軍の展開に同意したと伝えた。

同消息筋によると、同意はロシアの説得を受けたもので、イスラエルはシリア軍がイスラエルとの境界一帯に展開する一方、ロシアはイラン人とヒズブッラーが同地に進駐しないことを約束したという。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、Channel 2, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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イスラエルの複数メディアはイスラエル軍戦闘機がヒムス県のヒズブッラーの拠点を爆撃、これに対してロシア軍戦闘機がレバノン上空でイスラエル軍機を迎撃したと伝える(2018年5月29日)

イスラエルの複数メディアやアナトリア通信(5月29日付)は、イスラエル軍戦闘機が28日午前2時頃、レバノン国境に近いヒムス県西部にあるヒズブッラーの拠点複数カ所を爆撃し、複数人が死傷したと伝えた。

同サイトによると、イスラエル軍戦闘機はミサイル4発を発射し、クサイル市に近いガッサーニーヤ村近郊にあるヒズブッラーの武器弾薬庫複数カ所を攻撃し、火災が発生したという。

一方、ロシア国防省は、ロシア軍のSu-34がレバノン領空でイスラエル空軍のF-16戦闘機2機を迎撃したとのイスラエル・メディアの報道を否定した。

AFP, May 29, 2018、Anadolu Ajansı, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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イラン外務省報道官「イランとイスラエルが秘密交渉を行っているとのサウジの報道はウソでフェイク」(2018年5月29日)

イラン外務省のブラハーム・カーセミー報道官は、ヨルダンでイランとイスラエルがシリア南部での戦闘への対応をめぐって秘密交渉を行っているとしたサウジアラビア日刊紙『イーラーフ』(5月28日付)の報道に関して、「ウソでフェイク」と一蹴、「イランはシオニスト・テロ政体をそもそも承認していない」」と述べた。

IRNA(5月29日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、IRNA, May 29, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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シリアが議長国を務めるUNIDIR軍事フォーラムから米国が退席(2018年5月29日)

国連軍縮研究所(UNIDIR)の軍縮フォーラムで、シリアが議長国を務める初会合が開かれ、フサームッディーン・アーラー駐ジュネーブ・シリア大使が議事進行を務めた。

だが、アーラー大使が議事を開始すると、米国の代表を務めるロバート・ウッド駐ジュネーブ米大使は、「シリアが議長を務めることは受け入れられない…。シリアには道義的権威も信頼もない…。茶番だ」として、退席した。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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ハサカ県南東部でイラク軍とYPG主体のシリア民主軍がダーイシュ掃討戦を続けるなか、ダーイシュはダイル・ザウル県南東部のシリア軍拠点を攻撃(2018年5月29日)

ハサカ県では、『ハヤート』(5月30日付)によると、イラク軍と合同作戦司令室を設置し、イラク国境地帯でのダーイシュ(イスラーム国)掃討を進める西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、県南東部のダシーシャ地区を制圧、イラク国境に到達した。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(5月30日付)によると、県南東部のユーフラテス川右岸(西岸)の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍を2度にわたり攻撃、シリア軍兵士8人が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(5月29日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団支配下のカッバースィーン村(バーブ市近郊)で爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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ジョージア(グルジア)がシリア政府と外交関係停止に向けた措置を始動(2018年5月29日)

ジョージア(グルジア)外務省は声明を出し、シリアとの外交関係停止に向けて必要な措置を開始したと発表した。

この措置は、ジョージアが自国への帰属を主張しているアブバシアや南オセチアの独立をシリアが承認したのを受けたものだという。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月29日付)が伝えた。

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SANA(5月29日付)によると、シリアの外務在外居住者省は、アブバシア、南オセチアと、両国を承認し、外交関係を樹立、大使館を交換する、と発表した。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは2件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年5月29日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月29日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(アレッポ県1件、ラタキア県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(アレッポ県4件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 29, 2018をもとに作成。

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欧州理事会は対シリア制裁を2019年6月まで延長(2018年5月28日)

欧州理事会は、シリアのアサド政権の首脳や関係者・機関に対する資産凍結や渡航禁止といった制裁を2019年6月1日まで延長することを決定した。

欧州理事会また、制裁対象となっている個人・機関のデータを更新、死去した2名を制裁リストから削除した。

これにより、制裁対象は259人、67機関となった。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア紙:ダイル・ザウル県でのロシア軍顧問4人の殺害に米国が支援する「穏健な反体制派」が関与(2018年5月28日)

ロシア日刊紙『コメルサント』(5月28日付)は、ダイル・ザウル県南東部のシリア軍拠点に対するテロ集団の攻撃によって、ロシア軍顧問4人が死亡した事件(27日にロシア国防省が発表)に関して、ロシア軍消息筋の話として、「ロシアの複数の軍関係者が「穏健な反体制派」が攻撃に参加していたという話を証言している」と伝えた。

「穏健な反体制派」は、米国などが違法に占領を続けるヒムス県のタンフ国境通行所に設置された有志連合の基地一帯から、事件発生の2日前にダイル・ザウル県に移送されてきた、という。

ロシア軍顧問が犠牲となった戦闘は先週、マヤーディーン市で発生した。

マヤーディーン市では、ロシア軍顧問10人が、シリア軍兵士を教練する任務にあたっており、フマイミーム航空基地を経て、まもなくロシアに帰国する予定だったという。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Kommersant, May 28, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア、米国、ヨルダンはシリア南部での戦闘に備え、イラン排除に向けて協力(2018年5月28日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「シリア軍のみがシリア南部国境地帯に駐留すべきだ」と述べ、シリア南部(ダルアー県、占領下ゴラン高原一帯)で活動を続けるイラン・イスラーム革命防衛隊を撤退させたいとの意向を示した。

発言は、米主導の有志連合が違法占拠を続けるヒムス県のタンフ国境地帯一帯からの撤退を決定したとの報道が一部でなされたことを受けたもので、ロシア・シリア両軍がダルアー県の解放に向けた軍事攻勢の準備を進めているとされるなか、米国、ヨルダンは同地へのシリア軍の進攻に警戒感を示すとともに、イラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受けるヒズブッラーなどの同地での活動への批判を強めていた。

スプートニク・ニュース(5月28日付)が伝えた。

なお『ハアレツ』(5月28日付)は、ロシアが占領下ゴラン高原に面する地域からイラン・イスラーム革命防衛隊を撤退させようとしていると伝えた。

この動きは、シリア領内のイラン・イスラーム革命防衛隊拠点に対するイスラエル軍の再三にわたる爆撃・ミサイル攻撃を受けたものだという。

イスラエルは2017年半ば頃から、首都ダマスカスとスワイダー市を結ぶ幹線道路の西側(占領したゴラン高原から60~70キロ)からイラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受ける民兵を撤退させるようロシアに要請してきた。

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ロイター通信(5月28日付)は、ヨルダンの匿名高官の話として、米国、ロシア、そしてヨルダンの三カ国がシリア南部での緊張緩和地帯を維持することで合意したと伝えた。

この匿名高官は合意内容の詳細については言及しなかったが、これにより同地での停戦は維持されるという。

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反体制系のザマーン・ワスル(5月28日付)は、シリア空軍(アフマド・バッルール司令官)が、イラン・イスラーム革命防衛隊とヒズブッラーによるシリア軍航空基地内の格納庫の使用を禁止することを決定したと伝えた。

この決定は、ロシアの要請に応えるとともに、イスラエル軍戦闘機による爆撃を回避するための措置だという。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、Haaretz, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、Sputnik News, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018、Zaman al-Wasl, May 28, 2018などをもとに作成。

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サウジ日刊紙:イランとイスラエルが秘密交渉、シリア南部での戦争が発生した場合、イラン・イスラーム革命防衛隊やヒズブッラーを参戦させないことで合意(2018年5月28日)

サウジアラビア日刊紙『イーラーフ』(5月28日付)は、イランとイスラエルがシリア南部での戦闘発生時の対応について秘密交渉を行っていたと伝えた。

同紙によると、秘密交渉はヨルダンの首都アンマンにあるホテルで行われ、ホテル内の一室に在ヨルダン・イラン大使が、別の一室にイスラエル治安関係者が待機、仲介者となるヨルダン政府関係者が、両室を往復し、文書でやりとりを行ったという。

その結果、シリア南部のダルアー県やクナイトラ県で(シリア軍と反体制派の)戦闘が発生した場合、イラン・イスラーム革命防衛隊とその支援を受ける民兵、さらにレバノンのヒズブッラーを参戦させないことで合意がなされたという。

なお、ロシア政府もこの交渉を注視、合意の保障国となったという。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Ilaf, May 28, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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トルコが支援するシャーム軍団、アル=カーイダと共闘する自由イドリブ軍など11組織が新たな武装組織「国民解放戦線」を結成(2018年5月28日)

シリア北部で活動する反体制武装集団11組織が共同声明を出し、新たな武装組織「国民解放戦線」の結成を宣言した。

参加したのは、トルコが支援するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、シャーム解放機構と共闘してきた自由イドリブ軍、第1沿岸師団、第2沿岸師団、第1歩兵師団、第2軍、精鋭軍、ナスル軍、ダーライヤー・イスラーム殉教者、自由旅団、第23師団。

司令官はファドルッラー・ハッジー大佐が、副司令官はスハイブ・ルユーシュ中佐が、参謀長はムハンマド・マンスール少佐が、報道官はナージー・ムスタファー大尉がそれぞれ務める。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、国民解放戦線に参加する11組織は、それ以外の武装連合体に所属しないという。

al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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バーブ市で東部自由人連合とワーキー家が和解、東部自由人連合はバーブ市通行などを禁じられる(2018年5月28日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、トルコの実質占領下にあるバーブ市で5月6日に発生した東部自由人連合とワーキー家の衝突に関して、9項目からなる和解合意が結ばれた。

和解合意は、①東部自由人連合幹部のアブー・ジャンムー氏のバーブ市からの追放、②東部自由人連合が接収したバーブ市内の民家、農地の返還、③東部自由人連合の車列のバーブ市内の通行禁止、③東部自由人連合戦闘員とワーキー家子息の今後の個人的な紛争に連合およびワーキー家は関与しない、といった点を骨子とする。

al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はシリア政府から制憲委員会メンバー候補名簿を受け取る(2018年5月28日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の事務所は、国連がシリア政府から制憲委員会メンバー候補名簿を受け取ったと発表した。

スプートニク・ニュース(5月28日付)が伝えた。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、Sputnik News, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ヤルダー市、バッビーラー町、バイト・サフム市で解放を祝いシリア国旗が掲揚される(2018年5月28日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月28日付)によると、反体制武装集団が退去したヤルダー市、バービッラー市、バイト・サフム市が11日にシリア政府支配下に復帰したことを記念して、同地中心街の広場にシリア国旗が掲揚、住民らが同地の解放を改めて祝った。

SANA, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは4件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年5月28日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(アレッポ県2件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ハマー県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 28, 2018をもとに作成。

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ラッカ市内でYPGとラッカ革命家旅団が交戦、米軍が介入しYPGを市外に撤退させる(2018年5月27日)

ラッカ県では、DPA(5月28日付)、『ハヤート』(5月29日付)、ロイター通信(5月28日付)などによると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)とラッカ革命家旅団が27日晩、ラッカ市内で交戦し、民家などが巻き添えとなり被弾した。

ロジャヴァの治安部隊であるアサーイシュがラッカ市ラムラ地区バザーリー交差点近くにあるラッカ革命家旅団司令官のアブー・アウワード氏の自宅に対して強制捜査を行ったことに、同地区の若者が反発、アサーイシュとYPGが増援部隊を派遣し、ラッカ革命家旅団の本部を包囲し、ラッカ市からの退去を迫ったことで、戦闘に発展したという。

事態を受けて、有志連合を主導する米軍が介入し、YPGをラッカ市西の本営に撤退させた。

YPGとラッカ革命家旅団はこれまでにもラッカ市内で度々小競り合いを繰り返してきた。

YPGとラッカ革命家旅団はともにシリア民主軍に参加しており、ラッカ革命家旅団はシリア民主軍における最大のアラブ人民兵と目されている。

al-Hayat, May 29, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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イランのシャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長はシリア駐留継続を改めて強調(2018年5月27日)

イランのアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長は「シリアの治安がテロによって脅かされ、シリア政府が要請を続ける限り、イラン・イスラーム革命防衛隊のシリア進駐を続ける意思を示した。

IRNA(5月27日付)が伝えた。

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、IRNA, May 27, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相はイランによるレバノンへの武器供与、シリア進駐を改めて拒否(2018年5月27日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は定例閣議で「レバノンに殺戮兵器を持ち込んだり、同地で生産しようとするイランのいかなる試みにも対抗する…。我々はイランによる核兵器保有を阻止するために行動するとともに、テヘランがシリア国内で我々に対する軍事拠点することに対抗する…。イランの敵対行為に対する戦いは終わっていないどころか、いまだに戦いの最中にある」と述べた。

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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ドゥラル・シャーミーヤ:シリア北部とトルコ領内にシリア軍の「自爆無人偵察機」2機が墜落か?(2018年5月27日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)は、シリア軍の「自爆無人偵察機」2機が、イドリブ県西部のハムブーシーヤ村近郊と、トルコ領内で自爆したと伝え、その破片を写したとされる写真を掲載した。

2機の自爆による被害はなかったという。

複数の地元消息筋によると、「イランの民兵が、この手の「自爆航空機」で解放区を狙うようになっている」のだという。

al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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