イドリブ県内のトルコ軍検問所が武装集団の攻撃を受け、1人死亡、戦闘員と住民多数負傷(2020年8月28日)

イドリブ県では、シャーム・ネットワーク(8月28日付)によると、M4高速道路沿線のジスル・シュグール市の南に位置するサッラト・ズフール村にあるトルコ軍の拠点近くで爆弾が仕掛けられていたオートバイが爆発し、拠点の警備に当たっていた守衛1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、死亡したのは守衛ではなく住民で、爆弾が仕掛けられていたのはオートバイではなく車。

拠点は村の中学校を転用したもの。

拠点に駐留するトルコ軍兵士と護衛戦闘員が、オートバイの接近を確認し、これを破壊したが、その際の爆発で1人が死亡した。

オートバイでの攻撃を試みた武装集団は、護衛にあたっていた国民解放戦線に所属するシャーム軍団と交戦、これにより、シャーム軍団の戦闘員複数が負傷した。

また、武装集団に対するトルコ軍の無差別発砲の巻き添えとなって、住民多数が負傷した。

事件を受けて、トルコ軍はM4高速道路沿線のイシュタブリク村からナフラヤー村にいたる地域で厳戒態勢を敷き、無人偵察機(ドローン)を投入して偵察活動を強化した。

一方、シリア人権監視団によると、ダイル・サンバル村で、国民解放戦線に所属するハムザ師団の本部が正体不明の武装集団の襲撃を受け、戦闘員複数が負傷した。

AFP, August 28, 2020、ANHA, August 28, 2020、AP, August 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 28, 2020、Reuters, August 28, 2020、SANA, August 28, 2020、SOHR, August 28, 2020、UPI, August 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民472人と国内避難民(IDPs)15人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は592,438人、2019年以降帰還したIDPsは66,236人に(2020年8月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月28日付)を公開し、8月27日に難民472人(うち女性142人、子供240人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民472人(うち女性142人、子供240人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は592,438人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者197,190人(うち女性59,297人、子ども100,295人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,701,266人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は821,718人(うち女性246,573人、子供418,786人)となった。

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一方、国内避難民15人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは13人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した15人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は15人(うち女性4人、子供9人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,236人(うち女性23,090人、子供27,262人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,832人(うち女性405,649人、子供671,028人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 28, 2020をもとに作成。

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制憲委員会(憲法委員会)小委員会会合(第3ラウンド)が開会(2020年8月27日)

制憲委員会(憲法委員会)の小委員会の会合(第3ラウンド)がスイスのジュネーブにある国連本部で開催された。

小委員会は、シリア政府代表15人、反体制派代表15人、市民社会代表15人の合計45人からなり、会合は午後2時から約3時間にわたって行われた。

小委員会の会合は、8月24日に開催される予定だったが、直前にシリアから参加を予定していた委員4人の新型コロナウイルスの感染が確認されたため、延期されていた。

感染確認の検査はシリア出国前とスイス入国後の2度に行われていたが、どの段階で感染されたか、シリア政府、反体制派、市民社会のどの代表団のメンバーが感染していたかは明らかにされていない。

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シリア政府代表団の団長を務めるアフマド・クズバリー人民議会議員は、シリア・チャンネルの電話インタビューに応え、そのなかでジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使が反体制派や市民社会の代表団との会談を行ったことに関して、西側諸国の干渉を拒否すると述べた。

一方、会合については、前回の会合でシリア政府代表団が提示した「愛国的共通項」(「テロとの戦い」いかかる非公式資料、https://syriaarabspring.info/?p=61776)について協議を行う必要を強調したが、反体制派と市民社会の代表団がこの原則から逸脱し、憲法の構成や文言などについて議論しようとするものがいたと非難、数ヶ月に及ぶ休会を経て憲法について議論することは時期尚早だとの見方を示した。

SANA(8月27日付)が伝えた。

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一方、ジャズィーラ・チャンネル(8月27日付)によると、反体制派代表団の団長を務めるハーディー・バフラ・シリア革命反体制勢力国民連立元代表は、反体制派が施行をめざしている新憲法に関して、民主主義、市民の平等と権利の保障、法の前の平等をめざす国民の意思に沿ったものとなるべきだと述べた。

AFP, August 27, 2020、Aljazeera, August 27, 2020、ANHA, August 27, 2020、AP, August 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2020、Reuters, August 27, 2020、SANA, August 27, 2020、SOHR, August 27, 2020、UPI, August 27, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県知事はトルコ軍と国民軍が止水していたアルーク村の揚水場から水道水の供給が再開されたと正式に発表(2020年8月27日)

ハサカ県では、SANA(8月27日付)によると、ガッサーン・ハリール県知事が報道声明を出し、27日晩にトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍によって止水されていたアルーク村の揚水場から水道水の供給が再開されたと正式に発表した。

声明によると、25日にシリア政府のハサカ水利機構の技術チームが現地に入り、井戸とポンプの修理・保守点検を行い、30本ある井戸のうち、17本の井戸で、4基のポンプが稼働を再開し、現在は残る井戸・ポンプの再開に向けた作業が続けられているという。

トルコと国民軍は、8月13日に水道水の供給を停止、その後22日に供給が再開されたと報じられていた。

AFP, August 27, 2020、ANHA, August 27, 2020、AP, August 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2020、Reuters, August 27, 2020、SANA, August 27, 2020、SOHR, August 27, 2020、UPI, August 27, 2020などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるラアス・アイン市での爆弾で住民2人死亡(2020年8月27日)

ハサカ県では、SANA(8月27日付)によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市で、オートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民2人が死亡、複数が負傷した。

AFP, August 27, 2020、ANHA, August 27, 2020、AP, August 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2020、Reuters, August 27, 2020、SANA, August 27, 2020、SOHR, August 27, 2020、UPI, August 27, 2020などをもとに作成。

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米軍の装甲車4輌からなる部隊がマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊の国境地帯でパトロールを実施(2020年8月27日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍の装甲車4輌からなる部隊が、マーリキーヤ(ダイリーク)市近郊の国境地帯でパトロールを実施した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるアブー・ハマーム市で抗議デモが行われ、デモ参加者は、インフラの整備やダーイシュ(イスラーム国)によって殺害されたシュアイタート部族の遺族への支援を求めた。

AFP, August 27, 2020、ANHA, August 27, 2020、AP, August 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2020、Reuters, August 27, 2020、SANA, August 27, 2020、SOHR, August 27, 2020、UPI, August 27, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民413人と国内避難民(IDPs)13人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は591,966人、2019年以降帰還したIDPsは66,221人に(2020年8月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月27日付)を公開し、8月26日に難民413人(うち女性124人、子供210人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民413人(うち女性124人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は591,966人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者196,718人(うち女性59,155人、子ども100,055人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,701,266人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は821,256人(うち女性246,431人、子供418,546人)となった。

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一方、国内避難民13人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは13人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した13人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は13人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,221人(うち女性23,086人、子供27,253人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,817人(うち女性405,645人、子供671,019人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 27, 2020をもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「軍事的解決策を通じて、アサド政権がシリアの国土を新たに奪還することはできない」(2020年8月26日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は、訪問先のトルコの首都アンカラで記者団に対して、軍事的解決策を通じて、アサド政権がシリアの国土を新たに奪還することはできない、と述べた。

ジェフリー特使は「シリアの危機における軍事的段階は終わらねばならない…。政権は交渉のテーブルに戻り、国際社会と協力しなければならない…。シリアの当事者を軍事的解決から遠ざけ、交渉のテーブルにつかせることが最優先課題だ。トルコの首脳のこのことについて話すことになる」と述べた。

AFP, August 27, 2020、ANHA, August 27, 2020、AP, August 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2020、Reuters, August 27, 2020、SANA, August 27, 2020、SOHR, August 27, 2020、UPI, August 27, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍がレバノン領内をヘリコプターなどで攻撃(2020年8月26日)

レバノン軍は声明を出し、8月25日深夜から26日未明にかけて、イスラエル軍がレバノン領内のナバティーヤ県マルジャアユーン郡マイス・ジャバル村、フーラー村、ビント・ジュベイル郡のマールーン・ラース村、アイタルーン市一帯などにミサイル13発、照明弾117発、砲弾100発を打ち込んだと発表した。

声明によると、イスラエル軍のヘリコプター複数機は環境NGOの「国境なき緑」(Green Without Borders)の拠点複数カ所を爆撃、その後、ミサイル13発、照明弾117発、砲弾100発を領内に発射したという。

このうちミサイルは3発がビント・ジュベイル郡のラーミヤ村郊外、8発がアイター・ジャバル村郊外、2発がラーヒブ丘一帯に着弾した。

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これに関して、イスラエル軍報道官は、安全保障事案が発生し、国境に近い軍の拠点1カ所に対して発砲があったと発表した。

この発砲による死傷者はなかったが、メナラの入植地一帯に展開するイスラエル軍がレバノン国境に向けて軽火器を発砲したと付言した。

イスラエル軍はまた、同地の道路を封鎖、住民に自宅にとどまるよう指示を出した。

また、休暇でイスラエル北部のホテルに滞在していたベンヤミン・ネタニヤフ首相は、現場に近い北部の基地に駆けつけた。

ネタニヤフ首相は「レバノン領内で発生することの責任はレバノン政府にある」と非難した。

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ANHA(8月26日付)などによると、イスラエル軍はマナーラ入植地の有刺鉄線を撤去、軍部隊が同地で大規模な掃討を実施、国境地帯に白リン弾20発以上を発射した。

また、ヘリコプター複数機が国境地帯でヒズブッラーの監視拠点複数カ所に対する爆撃を行った。

AFP, August 26, 2020、ANHA, August 26, 2020、AP, August 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 26, 2020、Reuters, August 26, 2020、SANA, August 26, 2020、SOHR, August 26, 2020、UPI, August 26, 2020などをもとに作成。

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ラッカ県アイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線でトルコ軍と国民軍が住民1人を殺害(2020年8月26日)

ラッカ県では、ANHA(8月26日付)によると、アイン・イーサー市近郊のM4高速道路の沿線に位置するシャイフ・ハサン村でトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が住民1人を殺害した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市に近いタッル・ハラフ村で国民軍に所属する武装集団どうしが交戦した。

交戦したのは、東部自由人連合と、グワイラーン自由人大隊。

グワイラーン自由人大隊はかつてダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓っていた。

AFP, August 26, 2020、ANHA, August 26, 2020、AP, August 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 26, 2020、Reuters, August 26, 2020、SANA, August 26, 2020、SOHR, August 26, 2020、UPI, August 26, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領はイラクのファイヤード内閣国家安全保障担当顧問と会談(2020年8月26日)

アサド大統領は、シリアを訪問中のイラクのファーリフ・ファイヤード内閣国家安全保障担当顧問兼人民動員評議会議長と首都ダマスカスで会談した。

ファイヤード顧問は、ムスタファー・カーズィミー首相のメッセージをアサド大統領に口頭で伝えた。

SANA(8月26日付)によると、会談では、政治・安全保障状況への対応、ダーイシュ(イスラーム国)をはじめとするテロ組織に対する「テロとの戦い」への取り組みにおける協議と連携の継続について意見を交わした。


AFP, August 26, 2020、ANHA, August 26, 2020、AP, August 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 26, 2020、Reuters, August 26, 2020、SANA, August 26, 2020、SOHR, August 26, 2020、UPI, August 26, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県北東部の農地でロシア軍と米軍が激しいカーチェイスを繰り広げ、米軍兵士複数が負傷(2020年8月25日)

ハサカ県では、シリア人権監視団、RT(8月26日付)、スプートニク・ニュース(8月26日付)などによると、米国の勢力下にあるマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊の農地で、ロシア軍と米軍が激しいカーチェイスを繰り広げ、米軍兵士に負傷者が出た。

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スプートニク・ニュースは、ロシア軍部隊がイラクとトルコの国境に近いマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊で通常のパトロール任務を行おうとしたが、米軍が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともに検問所を設置して、これに立ちはだかったために、今回の事件が発生したと伝えた。

RTによると、ロシア軍部隊は、米軍の合同検問所を突破し、牧草地でカーチェイスを繰り広げた。

最終的には、ロシア軍部隊を護衛していたロシア軍のヘリコプター複数機が、検問所一帯を低空で旋回し、カーチェイスを収束させた。

米軍部隊は、ロシア軍の進行阻止を断念、ロシア軍部隊は、上アルウール村、タッル・ズィヤーダート村近郊、タッル・アダス採油所(ルマイラーン油田局が管理)にいたる街道でパトロールを実施し、マーリキーヤ市とカーミシュリー市を結ぶ街道を経由して、カーミシュリー国際空港に設置されている基地に帰着した。

なお、現地の複数の情報筋によると、ロシア軍ヘリコプターがこの地域でのパトロールに参加したのは今回が初めて。

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RTやスプートニク・ニュースは、負傷者は複数に達したと伝え、またABCニュース(8月26日付)は4人が負傷したと伝えた。

一方、ロイター通信(8月26日付)は、米国の複数の高官の話として、負傷者は2人だったとしたうえで、いずれも軽傷だとしたうえで、撃ち合いにはならなかったと強調した。

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米国家安全保障会議(NSC)のジョン・ウリヨット報道官は、「シリア時間の午前10時頃、有志連合のパトロール部隊がマーリキーヤ(ダイリーク)市付近で、ロシア軍のパトロール部隊に遭遇した」としたうえで、「ロシア軍の車輌が有志連合の耐地雷・伏撃防護装甲車(M-ATV)1輌に衝突し、乗員が負傷した」ことを明らかにし、ロシア軍の行動を「無謀な行動」と非難した。

ウリヨット報道官はまた、「米軍車輌は交戦に発展することを回避するために、現場から退去した」と述べるとともに、「安全でなく、プロ意識を欠いたこうした行為は、交戦を禁じために、2019年12月に米国とロシアによって承認された議定書に違反するものである」と非難、「いかなる事態の悪化も望んでいないが…、米軍は自衛権を有している」と警告した。

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その後、米統合参謀本部のデディー・ハーフフィル報道官(大佐)は、マーク・ミリー同参謀総長がロシア軍のヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長と電話会談を行い、「過去の慣例に従い、双方は会談の詳細を内密にすることで合意した」と発表した。

https://www.youtube.com/watch?v=rw3Ju0nQ-bo

 

https://www.youtube.com/watch?v=aHwhwtb4Rpw&feature=emb_title

 

ABC News, August 26, 2020、AFP, August 26, 2020、ANHA, August 26, 2020、AP, August 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 26, 2020、Reuters, August 26, 2020、RT, August 26, 2020、SANA, August 26, 2020、Sputnik News, August 26, 2020、SOHR, August 26, 2020、UPI, August 26, 2020などをもとに作成。

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シリア国民連合と米国務省高官がクルド民族主義者の処遇をめぐって対立(2020年8月26日)

トルコの支援を受けるシリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)のナスル・ハリーリー代表らは、イスタンブールでジョエル・レイバーン米国務省シリア問題担当副特使と会談した。

だが、アラビー21(8月26日付)が複数の情報筋の話と伝えたところによると、会談は緊張感に包まれたという。

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同情報筋によると、両者の緊張は、ハリーリー代表が、シリア革命反体制勢力国民連立の傘下で活動を続けるシリア・クルド国民評議会と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の対話について話そうとしたのをレイバーン副特使が遮ったことがきっかけに高まった。

ハリーリー代表は「クルド人どうしの対話はうまくいかない。我々連立には、シリア・クルド評議会を除名することもできたが、善意でこうした対話に沈黙してきた。結論に至ることができないことはあらかじめ分かっていたが、我々は結果が出るまで静観することを選んだ」と述べ、クルド民族主義勢力のこれまでの言動に不快感を示した。

これに対して、レイバーン副特使が、「先方(シリア民主軍)と会うと、反体制派への批判を耳にし、反体制派と会うと、シリア民主軍に対して同じことを耳にする。なぜ、アサドについて話さないのか?」と非難したという。

これに対して、ハリーリー代表も「反体制派第1の目的はアサドの打倒だ…。米国の優先事項はアサド打倒なのか? ちなみに、米国の支援を受けるシリア民主軍は体制の同盟者とみなされていて、分離主義計画がある」とやり返した。

これに対して、レイバーン副特使は「シリア民主軍の計画は分離主義とはない」と反論、持っていたペンを投げて不快感を露わにしたという。

その後も、ハリーリー代表は、米国側に対して、シリア民主軍が、アラブ人(部族)の地域を「占領」している、米国はシリア政策の優先事項を変更したなどと非難を続けたという。

そのうえで、ハリーリー代表は、ハサカ県への訪問の是非について問いただすと、レイバーン特使は、「可能だ。なぜなら、米国の目的は反体制派とシリア民主軍を合わせて、アサドに対する強力な同盟勢力を作り出すことにあるからだ」と答えたという。

AFP, August 27, 2020、ANHA, August 27, 2020、AP, August 27, 2020、Arabi 21, August 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2020、Reuters, August 27, 2020、SANA, August 27, 2020、SOHR, August 27, 2020、UPI, August 27, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県のM4高速道路で「ハッターブ・シーシャーニー大隊」を名乗るグループがロシア軍を攻撃(2020年8月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で、ロシア軍とトルコ軍が合同パトロールを実施した。

だが、両軍合同部隊がアウラム・ジャウズ村近郊を通過する際、RPG弾による攻撃を受け、ロシア軍装甲車1輌が大破、兵士2人が負傷した。

この攻撃に関して、「ハッターブ・シーシャーニー大隊」を名乗るグループが犯行声明を出した。

合同部隊の襲撃を受けて、ロシア軍戦闘機複数機と偵察機複数機が上空を旋回し、警戒活動にあたった。

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これに関して、ロシア国防省は声明を出し、「武装集団がシリアのイドリブ県を通るM4高速道路で、ロシア・トルコ軍パトロール部隊を擲弾発射器で狙い、ロシア軍兵士2人が軽傷を負った」と発表した。

AFP, August 25, 2020、ANHA, August 25, 2020、AP, August 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2020、Reuters, August 25, 2020、SANA, August 25, 2020、SOHR, August 25, 2020、UPI, August 25, 2020などをもとに作成。

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パレスチナ人民兵組織のクドス旅団がダイル・ザウル市西の砂漠地帯でダーイシュに対する掃討作戦を実施(2020年8月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、パレスチナ人民兵組織のクドス旅団がダイル・ザウル市西の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を実施した。

AFP, August 25, 2020、ANHA, August 25, 2020、AP, August 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2020、Reuters, August 25, 2020、SANA, August 25, 2020、SOHR, August 25, 2020、UPI, August 25, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民358人と国内避難民(IDPs)1人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は591,189人、2019年以降帰還したIDPsは66,197人に(2020年8月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月25日付)を公開し、8月23日に難民358人(うち女性183人、子供183人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民358人(うち女性183人、子供183人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は591,189人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者195,941人(うち女性58,922人、子ども99,660人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,701,266人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は820,469人(うち女性246,198人、子供418,151人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は5人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,197人(うち女性23,078人、子供27,239人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,793人(うち女性405,637人、子供671,005人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 25, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍がハサカ県カフターニーヤ市近郊でロシア軍のパトロール部隊の進行を阻止(2020年8月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍のパトロール部隊が、同軍ヘリコプター2機の護衛を受けて、米軍の勢力下にあるカフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市近郊に入ろうとしたが、米軍部隊がこれを阻止した。

AFP, August 24, 2020、ANHA, August 24, 2020、AP, August 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2020、Reuters, August 24, 2020、SANA, August 24, 2020、SOHR, August 24, 2020、UPI, August 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市で抗議デモ(2020年8月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市で抗議デモが発生した。

参加した住民は数十人で、電気、水道水、公共サービスの充実、国民軍に所属するハムザ師団寄りの国境通行所局長任命の撤回、任命に抗議して活動を呈している地元評議会の打倒を訴えた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市で国民軍の憲兵隊に抗議するデモが行われた。

デモに参加した住民は、23日に憲兵隊が市内の住居で強制捜査を行った際に、女性に暴行を加えたことに抗議した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍の第3軍団が、所属するすべての武装集団に対して、1週間以内にアフリーン市内に設置している本部・拠点を市街に撤去するよう指示した。

AFP, August 24, 2020、ANHA, August 24, 2020、AP, August 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2020、Reuters, August 24, 2020、SANA, August 24, 2020、SOHR, August 24, 2020、UPI, August 24, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2020年8月24日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから171日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がザーウィヤ山地方のバイニーン村近郊の森林地帯でシリア軍兵士1人を射殺した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

「決戦」作戦司令室がザーウィヤ山地方のルワイハ村一帯に展開しているシリア軍の拠点を砲撃し、兵士多数が負傷した。

これに対して、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方一帯を砲撃した。

なお、これに先立ち、シリア軍は未明にファッティーラ村一帯で「決戦」作戦司令室に所属する国民解放戦線と交戦した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

AFP, August 24, 2020、ANHA, August 24, 2020、AP, August 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2020、Reuters, August 24, 2020、SANA, August 24, 2020、SOHR, August 24, 2020、UPI, August 24, 2020などをもとに作成。

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制憲委員会の会合は出席予定者の新型コロナウイルス感染が確認され延期(2020年8月24日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は声明を出し、新型コロナウイルス感染拡大を受けて開催が中止され、8月24日に再開が予定されていた制憲委員会(憲法委員会)の小委員会の会合を再び延期すると発表した。

参加予定者のなかに新型コロナウイルスの感染者が確認されたのが延期の理由。

複数の情報筋によると、感染が確認されたのは参加予定者3人。

SANA(8月24日付)が伝えた。

なお、感染者数はその後国連の発表により4人に修正された。

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ANHA(8月24日付)によると、感染が確認されたのは、シリアからジュネーブ入りした参加予定者。

シリア政府、反体制派、市民社会のいずれの代表メンバーかは明らかでない。

AFP, August 24, 2020、ANHA, August 24, 2020、AP, August 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2020、Reuters, August 24, 2020、SANA, August 24, 2020、SOHR, August 24, 2020、UPI, August 24, 2020などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「ダマスカス郊外県での爆破はほぼ確実にダーイシュの攻撃」(2020年8月24日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は、ダマスカス郊外県でのガス・パイプライン爆破に関して、制憲委員会(憲法委員会)再開に合わせて現地入りしていたスイスのジュネーブで記者団に対し「我々は今も事態について検討中だ。だが、ほぼ確実にISIS(ダーイシュ(イスラーム国))の攻撃だった」と述べた。

AFP, August 24, 2020、ANHA, August 24, 2020、AP, August 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2020、Reuters, August 24, 2020、SANA, August 24, 2020、SOHR, August 24, 2020、UPI, August 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ日刊紙はアサド大統領の娘がトルコで目撃されたとのフェイク・ニュースを拡散(2020年8月23日)

トルコ日刊紙『サバフ』(8月23日付)は、アサド大統領の娘のザイン・バッシャール・アサド氏(16歳)がトルコ国内で目撃され、その写真が数日前からインターネット上で拡散されていると伝えた。

同紙によると、ザイン氏が目撃されたのはボドルム市。

イスタンブールの親戚を訪問した後、ボドルム市を観光していたという。

ザイン氏、そして彼女とともにボドルムを訪れた友人たちは、いずれも身元を隠し、市内で6台の高級車をレンタルした後、クルーザーでクルージングを楽しんだという。

ただし、『サバフ』が公開した写真からは、どの女性がザイン氏なのかは確認できない。

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『サバフ』の報道に関して、アラビーヤ・チャンネル(8月23日付)は、写真に写っている女性2人が、アサド大統領のおじのジャミール・アサド元人民議会議員の娘のファラク氏の娘と、クサイ・アルスラーン少将の娘で、ザイン氏ではない、と伝えた。

レバノンのネット新聞『ムドン』(8月23日付)も、ザイン氏のトルコ入国は不可能だとしたうえで、ザイン氏とされる写真がジャミール・アサド元人民議会議員の孫娘だと伝えた。

AFP, August 23, 2020、ANHA, August 23, 2020、AP, August 23, 2020、Alarabia, August 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2020、al-Mudun, August 23, 2020、Reuters, August 23, 2020、Sabah, August 23, 2020、SANA, August 23, 2020、SOHR, August 23, 2020、UPI, August 23, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍がダルアー県内のシリア軍基地をミサイル攻撃(2020年8月23日)

反体制系サイトのバラディー・ニュース(8月23日付)は、イスラエル軍が占領下のゴラン高原からダルアー県ジャービーヤ丘のシリア軍第61旅団基地本部を地対地ミサイルで攻撃したと伝えた。

AFP, August 23, 2020、ANHA, August 23, 2020、AP, August 23, 2020、Baladi, August 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2020、Reuters, August 23, 2020、SANA, August 23, 2020、SOHR, August 23, 2020、UPI, August 23, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、ヒムス県東部、ラッカ県南部、ダイル・ザウル県西部のダーイシュ潜伏地域を爆撃(2020年8月23日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ヒムス県東部、ラッカ県南部、ダイル・ザウル県西部のダーイシュ(イスラーム国)潜伏地域に対して爆撃を実施した。

ロシア軍による爆撃は3日連続。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、アレッポ県、ラッカ県との県境に近いイスリヤー村近郊の砂漠地帯でシリア軍部隊を要撃し、兵士7人を殺傷した。

AFP, August 23, 2020、ANHA, August 23, 2020、AP, August 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2020、Reuters, August 23, 2020、SANA, August 23, 2020、SOHR, August 23, 2020、UPI, August 23, 2020などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県で交戦(2020年8月23日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから170日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のサラーキブ市南からマアッラト・ヌウマーン市にいたるM5高速道路沿線を激しく砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村、サラーキブ市近郊のカフルバッティーフ村県南部のマアッルバリート村、カドゥーラ村などを砲撃した。

シリア軍また、これに先立ち、「決戦」作戦司令室の支配下にあるハザーリーン村を熱誘導ミサイルで攻撃し、戦闘員6人を殺傷した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約70輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, August 23, 2020、ANHA, August 23, 2020、AP, August 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2020、Reuters, August 23, 2020、SANA, August 23, 2020、SOHR, August 23, 2020、UPI, August 23, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民414人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は590,435人に(2020年8月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月23日付)を公開し、8月22日に難民414人(うち女性211人、子供124人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民414人(うち女性211人、子供124人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は590,435人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者195,187人(うち女性58,696人、子ども99,275人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,701,266人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は819,715人(うち女性245,972人、子供417,766人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2020をもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がヒムス県東部、ラッカ県南部および西部でダーイシュに対する爆撃を実施(2020年8月22日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がヒムス県東部、ラッカ県南部および西部でダーイシュ(イスラーム国)に対する爆撃を実施した。

AFP, August 22, 2020、ANHA, August 22, 2020、AP, August 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2020、Reuters, August 22, 2020、SANA, August 22, 2020、SOHR, August 22, 2020、UPI, August 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県ラアス・アイン国境通行所局長の人事をめぐる混乱続く(2020年8月22日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍に所属する東部自由人連合が、ラアス・アイン市近郊のマスバガ村に増援部隊を派遣した。

ハムザ師団に対抗するのが目的。

一方、マスバガ村に近いトルコ軍基地からトルコ人使節団が現地に派遣され、地元のシャイフや名士らと、ラアス・アイン国境通行所局長の人事をめぐる混乱の収拾に向けて協議した。

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アレッポ県では、ANHA(8月21日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市およびその一帯(シャフバー地区)を砲撃した。

AFP, August 22, 2020、ANHA, August 22, 2020、AP, August 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2020、Reuters, August 22, 2020、SANA, August 22, 2020、SOHR, August 22, 2020、UPI, August 22, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県で、シリア民主軍が正体不明の武装集団の襲撃を受け、兵士多数が負傷(2020年8月22日)

ダイル・ザウル県では、SANA(8月22日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるハワーイジュ村、ジュダイド・アカイダート村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が正体不明の武装集団の襲撃を受け、兵士多数が負傷した。

武装集団は、ハワーイジュ村のターフーナ検問所と、ジュダイド・アカイダート村にあるシリア民主軍所属の「自衛部隊」の拠点を襲撃したという。

一方、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合とシリア民主軍は、北・東シリア自治局の支配下のブサイラ市で仕事を得て働いていたザッル村出身のダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーを拘束した。

AFP, August 22, 2020、ANHA, August 22, 2020、AP, August 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2020、Reuters, August 22, 2020、SANA, August 22, 2020、SOHR, August 22, 2020、UPI, August 22, 2020などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるラアス・アイン市近郊のアルーク村の揚水所が10日ぶりに水道水の供給を再開(2020年8月22日)

ハサカ県では、SANA(8月22日付)によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市近郊のアルーク村の揚水所が、10日ぶりに水道水の供給を再開した。

トルコ軍およびその支援を受ける国民軍は、保守点検を口実に8月13日から揚水所の水道水供給を停止し、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市とその周辺の農村地帯では深刻な水不足に見舞われていた。

AFP, August 22, 2020、ANHA, August 22, 2020、AP, August 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2020、Reuters, August 22, 2020、SANA, August 22, 2020、SOHR, August 22, 2020、UPI, August 22, 2020などをもとに作成。

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