ロシア国防省はトルコ軍がイドリブ県ザーウィヤ山地方でロシアに事前に通告せずにテロ集団とともにいたためにシリア軍の攻撃を受け、兵士33人の死亡を招いたと主張(2020年2月28日)

ロシア国防省は声明を出し、イドリブ県ザーウィヤ山地方に対する27日の爆撃でトルコ軍兵士33人が死亡したことに関して、ロシア軍による攻撃ではないと主張した。

声明において、ロシア国防省は「シリア軍の爆撃で標的となったトルコ軍兵士は、テロ集団の部隊のなかにいたため…、シリア軍の発砲を受けた。トルコ政府はこの部隊(トルコ軍部隊)の拠点に関してロシア政府に事前に通告はしていなかった。そこに部隊が駐留しているなどとは想定し得なかった」と主張した。

そのうえで「ロシア側はトルコ軍兵士が負傷したとの情報を得て、直ちにシリア軍からの攻撃を停止するための必要なあらゆる措置を講じ、死傷者のトルコへの搬送の安全を確保した」と付言した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県、アレッポ県に対して報復攻撃を行い、シリア軍兵士45人を殺害(2020年2月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタフタナーズ市およびマアーッラト・ナアサーン村の一帯に設置されているトルコ軍の拠点複数カ所を砲撃、トルコ軍兵士2人が死亡、6人が負傷した。

これに対して、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が、アレッポ県東部のズィルバ村、イドリブ県のサラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市近郊などM5高速道路沿線に展開するシリア軍と「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃し、シリア軍兵士45人とレバノンのヒズブッラーの司令官4人が死亡した。

一方、トルコ国防省は、トルコ軍がシリア軍部隊、戦車、拠点などをピンポイント攻撃した映像を公開した。

映像の日付は27日となっており、攻撃で、シリア軍兵士数十人が死傷、戦車・装甲車多数、パーンツィリS1地対空ミサイル1基を破壊したという。

 

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構と国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコの砲撃支援を受け、アレッポ県との境に位置するトゥライハ村を攻撃、シリア軍と激しく交戦した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(2月28日付)は、「決戦」作戦司令室の軍事筋の話として、トゥライハ村で60人以上、マルディーフ村で45人以上のシリア軍兵士と「イランの民兵」が死亡したと伝えた。

一方、SANA(2月28日付)が軍情報筋の話として伝えたところによると、シリア軍がサラーキブ市一帯で、トルコから直接支援を受ける「武装テロ組織」の攻撃に対して徹底抗戦を続け、「決戦」作戦司令室の拠点を重点的に砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市および同市一帯、タルナバ村、ザーウィヤ山地方のバイルーン村を爆撃し、サラーキブ市で民間人3人、バイルーン村で女性1人と子ども2人を含む4人が死亡した。

サラーキブ市は26日に「決戦」作戦司令室が奪還を発表していた。

ロシア軍戦闘機はこのほかにも、トルコ軍監視所が設置されているイシュタブリク村、サルマーニーヤ村を爆撃、シリア軍戦闘機もサラーキブ市、サルミーン市、アリーハー市を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がアレッポ市東のサフィーラ市近郊にある科学研究センターを地対地ミサイルで攻撃した。

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ハマー県では、SANA(2月28日付)によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室との戦闘の末、イドリブ県との県境に位置するマンスーラ村、ズィヤーラ町、ヒルバト・ナークース村、タッル・ワースィル村、ザイズーン・ジャディーダ村を制圧した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月28日付)によると、「決戦」作戦司令室は27日にシリア軍によって制圧されたクーフキーン村を奪還した。

また、シリア人権監視団によると、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)、中国新疆ウィグル自治区出身者を主体とするトルキスタン・イスラーム党の増援部隊、新興のアル=カーイダ系組織のアンサール・タウヒードが、26日にシリア軍によって制圧されたハマー県北西部地域奪還のために合同増援部隊を同地に派遣した。

これを受け、ロシア軍戦闘機はガーブ平原各所を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県13件、ラタキア県11件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を22件(イドリブ県19件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民887人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は564,703人に(2020年2月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月28日付)を公開し、2月27日に難民887人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは263人(うち女性79人、子供135人)、ヨルダンから帰国したのは624人(うち女性187人、子供318人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は564,703人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者178,582人(うち女性53,972人、子ども91,375人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者386,121人(うち女性115,880人、子ども196,914人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は793,983人(うち女性238,510人、子供405,211人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 28, 2020をもとに作成。

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トルコ政府はシリア難民の欧州への移動を阻止しないことを決定(2020年2月27日)

ロイター通信(2月27日付)は、トルコの匿名高官の話として、シリア難民が陸路や海路で欧州に渡ることをトルコは阻止しないことを決定したと伝えた。

この匿名高官は、憲兵隊、海岸警備隊、国境警備隊に対して、欧州に渡ることを希望するシリア難民の移動を阻止しないよう命令が発出されたと明かした。

決定は、イドリブ県ザーウィヤ山地方に対する爆撃でトルコ軍兵士33人が死亡したことへの対応を協議するため、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領によって招集された国家安全保障会議を受けた動き。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍がクナイトラ県を無人航空機とヘリコプターで攻撃、ヒズブッラーの対外作戦責任者を暗殺(2020年2月27日)

SANA(2月28日付)は、クナイトラ県ハドル村近郊でイスラエル軍の無人航空機(ドローン)が車を攻撃、市民1人が死亡したと伝えた。

シリア人権監視団によると、攻撃を受けたのはゴラン解放シリア抵抗のメンバーの車で、死亡したのも、このメンバー。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月27日付)などによると、この「市民」は、その後、レバノンのヒズブッラーの対外作戦責任者のイマード・タウィール氏であることが確認された。

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SANA(2月28日付)は、イスラエル軍戦闘機複数機が27日深夜から28日未明にかけて、クナイトラ県のカフターニーヤ町、フッリーヤ村、クナイトラ市をミサイル攻撃し、兵士3人が軽傷を負ったと速報で伝えた。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、February 28, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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トルコの公正発展党報道官「トルコ軍はイドリブ県でのシリア軍に対する軍事作戦の準備を完了した」(2020年2月27日)

トルコの与党公正発展党(AKP)のオメル・チェリック報道官は報道向け声明を出し、トルコ軍はイドリブ県でのシリア軍に対する軍事作戦の準備を完了したと述べた。

チェリック報道官は「トルコはシリア政府が、制圧地域からの撤退を拒否し、現実を押しつけようとするのを受け入れない。ロシアもソチでの合意に反して、これを受け入れてはいけない」としたうえで、「準備は完了した。指定された境界線に撤退するためにシリア政府に与えていた猶予期間が終われば、我が軍は任務を実行する」と述べた。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領は、イドリブ県ザーウィヤ山での爆撃でトルコ軍兵士30人以上が死亡したことを受けて緊急国家安全保障会議を招集(2020年2月27日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イドリブ県ザーウィヤ山での爆撃でトルコ軍兵士30人以上が死亡したことを受けて、緊急国家安全保障会議を招集した。

会議にはフルシ・アカル国防大臣、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、ハカーン・フィダン国家諜報機構(MİT)長官、ヤシャル・ギュレル参謀総長が出席した。

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トルコ大統領府は会議後に声明を出し、「我が軍に対して武器を向けたシリアの政権に対しては同様の報復を行う。我が軍兵士の血は無に帰することはなく、シリア領内での我々の軍事活動は継続される…。イドリブ県で起きていることを我々はこれまでも、そしてこれからも傍観はしない。それはルワンダ、ボスニア・ヘルツェゴビナで起きていることと何ら変わらない」と発表した。

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会議と前後して、チャヴシュオール外務大臣がNATO(北大西洋条約機構)のヤンス・ストルテンベルグ事務総長と、アカル国防大臣がマーク・エスパー米国防長官とそれぞれ電話会談を行った。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県ザーウィヤ山地方に対するロシア軍(あるいはシリア軍)の爆撃でトルコ軍兵士30人以上が死亡(2020年2月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がザーウィヤ山地方のバーラ村およびバイルーン村一帯に配置されているトルコ軍の拠点を爆撃、トルコ軍兵士少なくとも34人が死亡、多数が負傷した。

シリア軍はまた、これに先立ってバーラ村・カンスフラ村を移動中のトルコ軍の車列を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月27日付)は、爆撃を行ったのがロシア軍の戦闘機だとしたうえで、トルコ軍兵士34人が死亡、数十人が負傷者したと伝えた。

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これに関して、トルコ国防省はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)を通じて声明を出し、イドリブ県内に展開するトルコ軍部隊が爆撃を受けて、兵士2人が死亡、2人が負傷したと発表した。

これに対して、トルコ軍はただちに報復を行い、シリア軍兵士114人戦車3輌を無力化したと付言した。

一方、トルコのハタイ県知事は報道向け声明を出し、シリア軍戦闘機の爆撃でトルコ軍兵士9人が死亡したと発表した。

アナトリア通信(2月27日付)が伝えた。

トルコ政府は28日、爆撃での戦死者・戦傷者に33人死亡、32人が負傷したと発表した。

AFP, February 27, 2020、Anadolu Ajansı, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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ロシア・トルコの軍・治安・外交関係高官会合が再び物別れに(2020年2月27日)

トルコ外務省は声明を出し、25日にから首都アンカラで行われていたロシア・トルコの軍・治安・外交関係高官会合に関して、トルコ側がイドリブ県での即時停戦と2018年9月に交わされた非武装地帯設置合意の遵守を求めたことを改めて強調した。

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これに対して、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターも声明を出し、トルコ側は非武装地帯設置合意への違反を続け、シリア軍への攻撃を行う武装集団を支援していると批判した。

また、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は電話による記者団との会見で、「ロシアとトルコはイドリブ県情勢をめぐって専門家レベルでの連絡はとっている」としたうえで、「ヴラジミール・プーチン大統領の日程になかに、今のところ3月5日に予定されているエルドアン大統領との会談は含まれてない」と述べた。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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ラッカ県北部、アレッポ県北西部へのトルコ軍・国民軍の砲撃でシリア軍士官が負傷(2020年2月27日)

ラッカ県では、ANHA(2月27日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のアフダクー村、サールーンジュ村、クーリーク村を砲撃、アフダクー村でシリア軍士官1人が負傷した。

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アレッポ県では、ANHA(2月27日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のシャフバー・ダム、スムーカ村、ハリーサ村、タッル・マディーク村、ワルディーヤ村、ナーイフ山、ハスィーヤ村、ハルバル村、ウンム・フーシュ村、カフル・ナーヤー村、シャイフ・イーサー村、マルアナーズ村、マーリキーヤ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、バーブ市近郊のアブー・サイダーン通行所で、シリア軍とトルコの支援を受ける国民軍が捕虜交換を行った。

シリア軍側は拘束中の女性と子ども2人を、国民軍側は最近の戦闘で戦死した兵士の遺体1体をそれぞれ引き渡した。

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ハサカ県では、ANHA(2月27日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町西の国境地帯で合同パトロールを実施した。

合同パトロールが実施されたのは、ザフル・アラブ村、カイラワーン村、カルカンド村、タアラク村、ハーッジ・ウーグリー村、カルマーニーヤ村、シーリーク村。

一方、タッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村をトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が砲撃した。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県北西部の8町村、イドリブ県シャフシャブー山を制圧、トルキスタン・イスラーム党の本拠地ジスル・シュグール市に迫る(2020年2月27日)

ハマー県では、SANA(2月27日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、県北西部のハウワーシュ村、フワイジャ村、タンジャラ村、アンカーウィー村、アムキーヤ町、シール・マガール村、アリーマ村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまたザクーム村を制圧した。

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イドリブ県では、SANA(2月27日付)によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室との戦闘の末、ハマー県との境に位置する、シャフシャブー山を制圧した。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍はまたザーウィヤ山地方のハルーバ村、クーフイーン村を制圧した。

これにより、中国新疆ウィグル自治区出身者を主体とするトルキスタン・イスラーム党の本拠地であるM4高速道路沿線のジスル・シュグール市まで17キロの距離に到達した。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダが主導する反体制派はトルコの支援を受けてサラーキブ市近郊のトルコ軍拠点4カ所を解囲、同市を三方から包囲(2020年2月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコ軍の砲撃支援を受けてM4高速道路沿線での東進を続け、サラーキブ市近郊のダーディーフ村、カフルバッティーフ村、ジャウバース村を新たに奪還した。

これにより「決戦」作戦司令室は、サラーキブ市近郊に設置されていたトルコ軍の拠点4カ所を解囲するとともに、同市を三方から包囲することに成功した。

一方、「決戦」作戦司令室は、サラーキブ市を制圧したと発表した。

これに対して、SANA(2月27日付)は、シリア軍がサラーキブ市一帯で進軍を続ける「決戦」作戦司令室と交戦したと報じた。

SANAによると、「決戦」作戦司令室がトルコ軍の砲撃支援を受けるなか、特攻戦闘員数十人が自爆攻撃を行う一方、シリア軍はこれに集中砲火を浴びせるなどして応戦した。

また、シリア軍消息筋によると、トルコから直接支援を受ける「テロリスト」がイドリブ県サラーキブ市一帯での戦闘で、シリア・ロシア軍航空機に対して米国製の携帯式ミサイルを使用しているという。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機はイドリブ市一帯を爆撃し、カフルナブル市から避難してきた国内避難民(IDPs)の子ども1人が死亡、またシリア軍戦闘機もシャラフ村を爆撃し、女性3人と子ども1人が死亡した。

さらにシリア軍地上部隊は、イドリブ市、ビンニシュ市を砲撃し、イドリブ市では女性1人と子ども2人を含む4人が、ビンニシュ市では2人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県9件、ラタキア県10件、アレッポ県4件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を29件(イドリブ県21件、ラタキア県0件、アレッポ県6件、ハマー県2件)確認した。

AFP, February 27, 2020、ANHA, February 27, 2020、AP, February 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 27, 2020、Reuters, February 27, 2020、SANA, February 27, 2020、SOHR, February 27, 2020、UPI, February 27, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民872人と国内避難民(IDPs)1,368人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は563,816人、2019年以降帰還したIDPsは793,096人に(2020年2月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月27日付)を公開し、2月26日に難民872人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは245人(うち女性73人、子供125人)、ヨルダンから帰国したのは627人(うち女性188人、子供320人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は563,816人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者178,319人(うち女性53,893人、子ども91,240人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者385,497人(うち女性115,693人、子ども196,596人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は793,096人(うち女性238,244人、子供404,758人)となった。

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一方、国内避難民1,368人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したの1,368人(うち女性612人、子ども413人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は57,694人(うち女性19,589人、子供24,360人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,326,290人(うち女性402,148人、子供668,126人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 27, 2020をもとに作成。

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「爆撃が落ちたら笑おう」のサルワちゃんが家族とともにトルコに無事脱出(2020年2月26日)

トルコ国営のアナトリア通信(2月26日付)は、アブドゥッラー・ムハンマドさんと娘のサルワちゃんが無事にイドリブ県からトルコへと脱出したと伝えた。

ムハンマドさんは、サルワちゃんを安心させるためとして、「爆撃が落ちたら笑おう」というゲームを考え、サルワちゃんが爆音が聞こえる度に声を出して笑っている映像を21日にネットで公開した。

https://www.youtube.com/watch?v=3JslIpS150M

映像はSNSを通じて拡散され、欧米メディアも取り上げていた。

ムハンマドさん一家はサラーキブ市を追われて、サルマダー市の友人宅に身を寄せていた。

だが、アナトリア通信は「彼女(サルワちゃん)が「安全で安心に暮らせるようトルコに連れられてきました」としたうえで、一家がトルコで新生活を始めたと伝えた。

トルコはイドリブ県での戦闘を逃れて、国境地帯に殺到しているシリア人を難民として受け入れることを拒否し、国境を閉ざしているなか、ムハンマドさん一家がどのようにトルコに入国できたのかは不明。

AFP, February 26, 2020、Anadolu Ajansı, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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駐シリア米国大使館はサウジアラビアとともにシリアの反体制派を支援すると表明(2020年2月26日)

駐シリア米国大使館はツイッターのアカウント(https://twitter.com/usembassysyria)を通じて、サウジアラビアとともにシリアの反体制派を支援すると英語とアラビア語で表明した。

ツイッターの書き込みは以下の通り:

「我々はサウジアラビアのパートナーとの生産的な会合を終えた。我々は、米国とサウジのパートナーシップ、そしてシリア反体制派の支援、国連安保理決議第2254号が定めるシリア紛争の政治的解決のために密接に協力することを議論した」。

https://twitter.com/USEmbassySyria/status/1232674659482640385

https://twitter.com/USEmbassySyria/status/1232681029237911552

 

AFP, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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シリア民間航空公社のマンスール総裁「イラン便欠航の必要はない」(2020年2月26日)

シリア民間航空公社のバースィム・マンスール総裁は、新型コロナウイルス感染者が急増しているイラン各地とシリアを結ぶ航空便を欠航する必要はない、と述べた。

イランのアーラム・チャンネル(2月26日付)が伝えたところによると、マンスール総裁は「イラン便の欠航は検討されず、保健当局が予防措置を講じるため、医療センターに施設が設置された」としたうえで、「(イランからの)渡航者のなかに感染者は確認されていない。感染の疑いがあれば、(ダマスカス県の)イブン・ナフィース病院に直接搬送する」と述べた。

AFP, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Qanat al-‘AlamFebruary 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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シリア人権監視団:イドリブ県でシリア軍の爆撃によるトルコ軍兵士4人が新たに死傷(2020年2月26日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の爆撃でトルコ軍兵士2人が死亡、2人が負傷したと発表した。

トルコ軍兵士が死傷した場所は不明。

これに対して、トルコ軍は、軍用車両約90輌からなる増援部隊を、ヒルバト・ジャウズ村に違法に設置された通行所からシリア領内に進入させたという。

増援部隊は、射程8キロの短距離防空ミサイル、12.7ミリ銃機関銃などを装備、イドリブ県内の戦闘地域に向かったという。

AFP, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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ロシアとトルコのロシアとトルコの軍・治安・外交関係高官会合再開(2020年2月26日)

ANHA(2月26日付)によると、トルコの首都アンカラで、ロシアとトルコのロシアとトルコの軍・治安・外交関係高官会合が再開され、イドリブ県情勢への対応が協議された。

会合は2月17~18日に次ぐもので、27日まで行われる予定。

AFP, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県のシリア軍拠点を砲撃し、士官1人を殺害(2020年2月26日)

ラッカ県では、ANHA(2月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市近郊のアフダクー村にあるシリア軍の拠点複数カ所を砲撃、シリア軍士官1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、死亡したのはシリア軍中佐。

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アレッポ県では、ANHA(2月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、マイヤーサ村、シャイフ・イーサー村を砲撃し、シャイフ・イーサー村で民間人2人が負傷した。

トルコ軍と国民軍はまた、バーブ市近郊のジャブラト・ハムラー村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍はこのほかにも、アキーバ村を砲撃し、女性1人と子ども2人を含む4人が死亡した。

この4人は家族で、トルコ軍のアフリーン郡占領(2018年3月)を避けてアキーバ村に逃れた国内避難民(IDPs)。

AFP, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県南部の複数市村を新たに制圧、反転攻勢をかける反体制派はサラーキブ市に迫る(2020年2月26日)

イドリブ県では、SANA(2月26日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、カフルナブル市、カフル・ウワイド村、シャンシャラーフ村、トゥラムラー村、ダイル・サンバル村、マアッラト・マハス村、ブライジュ村、ルバイバダ村、ハッサーナ村、ファッティーラ村、カルサア村、フィキーア村、ミラージャ村、スフーフン村、カフル・ムーサー村、フライフィル村、カウカバ村を制圧、イドリブ県、ラタキア県の県境に位置するガーブ平原を射程圏内に収めた。

このうちカフルナブル市については、シリア人権監視団などが25日にシリア軍によって制圧されたと発表していた。

また同監視団によると、シリア軍はウンム・ニール村、シャリカ村も制圧する一方、「決戦」作戦司令室はカフル・ウワイド村にあるシリア軍拠点に反撃を加え、同村を奪還したという。

https://youtu.be/IC3juzri5tg

また、シリア軍武装部隊総司令部は、ラカーヤー・サジュナ村、マアッラト・マウカス村、カフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、マアッルズィーター村、ハーッス村、マアッラト・ハルマ村、カフルナブル市、バアルブー村、ダール・カビーラ村、シャンシャラーフ遺跡、ダイル・サンバル村、ハザーリーン村を制圧したと発表した。

一方、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコ軍の砲撃支援を受けて、M4高速道路沿線を東進、M4高速道路とM5高速道路が合流するサラーキブ市北西のサーリヒーヤ村、ムジャイリズ村、アーフィス村を奪還した。

これにより、M5高速道路から3キロの地点に到達、街道沿線を射程圏内に収めた。

このほか、ロシア軍戦闘機が、ザーウィヤ山一帯、シャフシャブー山一帯を爆撃し、アルナバ村では女性1人を含む4人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月26日付)によると、ロシア軍戦闘機はまた、ビンニシュ市、ナイラブ村、イブリーン村、アブディーター村、バーラ村に対しても爆撃を加えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアリーマ村を制圧した。

シリア・ロシア軍戦闘機がガーブ平原、サルマーニーヤ村を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県0件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(イドリブ県9件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民862人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は562,944人に(2020年2月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月26日付)を公開し、2月25日に難民862人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは281人(うち女性85人、子供143人)、ヨルダンから帰国したのは581人(うち女性174人、子供296人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は562,944人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者178,074人(うち女性53,820人、子ども91,115人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者384,870人(うち女性115,505人、子ども196,276人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は792,224人(うち女性237,983人、子供404,313人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 26, 2020をもとに作成。

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トランプ米大統領「我々は石油を手に入れた、イスラーム国との戦いはロシア、アサド政権、イラン、イラクが行うべき」(2020年2月25日)

ドナルド・トランプ米大統領は、訪問先のインドの首都ニューデリーでの記者会見で、シリア情勢について言及、そのなかで「石油を手に入れた」としたうえで、「イスラーム国との戦いは、ロシア、アサド政権、イラン、イラクが行うべき」と述べた。

トランプ大統領は「我々は石油を手に入れた。そこ(シリア)にいる我が軍の兵士がこれを守っている。我々には石油がある。これこそが我々が手にしているものだ…。中東でイスラーム国と戦うために自分以上に多くのことをした者はいない…。ロシア、イラン、イラク、シリアがそれを行わねばならない。イランがイスラーム国を憎んでいるのなら、それをしなければならない」と述べた。

AFP, February 26, 2020、ANHA, February 26, 2020、AP, February 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2020、Reuters, February 26, 2020、SANA, February 26, 2020、SOHR, February 26, 2020、UPI, February 26, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍・国民軍がアレッポ県、ラッカ県を砲撃(2020年2月25日)

アレッポ県では、ANHA(2月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のアルカミーヤ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、マルアナーズ村、マンナグ航空基地、スムーカ村、スーガーニカ村、アキーバ村、ダイル・ジャマール村を砲撃した。

一方、アフリーン解放戦線は声明を出し、24日にトルコ占領下のアフリーン郡のブルジュ・ハイダル村近郊でトルコ軍に対して、爆弾を積んだ車で攻撃を加え、兵士2人を殺害、4人を負傷させたと発表した。

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ラッカ県では、ANHA(2月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のアリーダ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍の軍用車輌約40輌からなる車列が、ラッカ市近郊のタルファーウィー村に入り、同地で新たな拠点を設置した。

AFP, February 25, 2020、ANHA, February 25, 2020、AP, February 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2020、Reuters, February 25, 2020、SANA, February 25, 2020、SOHR, February 25, 2020、UPI, February 25, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はカフルナブル市などを新たに制圧、「決戦」作戦司令室も1カ村を奪還、シリア軍はイドリブ市などを爆撃し20人死亡、トルコ軍のドローンを撃墜(2020年2月25日)

イドリブ県では、SANA(2月25日付)によると、シリア軍が、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、マアッラト・マーティル村、マアッラト・スィーン村、バアルブー村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室との戦闘の末、カフルナブル市、バスカラー村、ハーッス村を制圧した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、トルコ軍の砲撃支援を受けて、M4高速道路沿線をサラーキブ市に向けて進軍、24日のナイラブ村奪還に続いて、ジャウバース村を奪還した。


一方、SANAによると、シリア軍は、トルコ軍所属の米国製無人航空機(ドローン)をサラーキブ市近郊のダーディーフ村上空で撃墜した。

ドローンは、同地一帯でシリア軍と交戦状態にある「決戦」作戦司令室のために偵察活動を行っていたものと見られる。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機と地上部隊が、イドリブ市内各所を爆撃・砲撃した。

爆撃・砲撃では、ザーヒル・ビーブルス学校、バラーイム学校、イッズ・ブン・アブドゥッサラーム学校、自由高等学校、ハーリド・シャッアール学校、マナーヒル幼稚園、バラーイム幼稚園、投石病院、パン製造工場などがなった。

シリア軍は、国内避難民(IDPs)を収容しているマアッラトミスリーン市、ビンニシュ市内の学校などに対しても爆撃・砲撃を加えた。

この攻撃により、イドリブ市で女子生徒1人と教員2人を含む4人が、イドリブ市で住民2人が、マアッラトミスリーン市で子ども6人と女性1人を含む10人が、ビンニシュ市で女性2人と子ども2人が死亡した。

シリア軍はこのほかにも、ザーウィヤ山、サルミーン市、クマイナース村、マストゥーマ村、ムサイビーン村、24日に「決戦」作戦司令室が奪還したナイラブ村、マアーッラト・ウルヤー村、そしてトルコ軍の拠点が設置されているタフタナーズ航空基地を爆撃した。

ロシア軍戦闘機もザーウィヤ山、サラーキブ市西方各所を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカッバーナ村一帯を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県13件、ラタキア県14件、アレッポ県5件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(イドリブ県11件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 25, 2020、ANHA, February 25, 2020、AP, February 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 25, 2020、Reuters, February 25, 2020、SANA, February 25, 2020、SOHR, February 25, 2020、UPI, February 25, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民972人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は562,082人に(2020年2月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月25日付)を公開し、2月24日に難民972人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは342人(うち女性103人、子供175人)、ヨルダンから帰国したのは630人(うち女性189人、子供321人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は562,082人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者177,793人(うち女性53,735人、子ども90,972人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者384,289人(うち女性115,331人、子ども195,980人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は791,362人(うち女性237,724人、子供403,874人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 25, 2020をもとに作成。

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ハサカ県北部を占領するトルコはハサカ市への飲料水供給を停止(2020年2月24日)

SANA(2月24日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市一帯を占領下に置くトルコとその支援を受ける国民軍が、ハサカ市にいたる水路を封鎖、飲料水の供給が停止されていると伝えた。

AFP, February 24, 2020、ANHA, February 24, 2020、AP, February 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2020、Reuters, February 24, 2020、SANA, February 24, 2020、SOHR, February 24, 2020、UPI, February 24, 2020などをもとに作成。

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所属不明の無人航空機がダイル・ザウル南東部砂漠地帯に展開するファーティミーユーン旅団の拠点を爆撃(2020年2月24日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(2月24日付)によると、所属不明の無人航空機(ドローン)が、ブーカマール市近郊の砂漠地帯に展開するファーティミーユーン旅団の拠点複数カ所に対して爆撃を行った。

AFP, February 24, 2020、ANHA, February 24, 2020、AP, February 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2020、Euphrates Post, February 24, 2020、Reuters, February 24, 2020、SANA, February 24, 2020、SOHR, February 24, 2020、UPI, February 24, 2020などをもとに作成。

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シリア軍増援部隊がラッカ県アイン・イーサー市近郊のトルコ占領地境界地帯に展開(2020年2月24日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の装甲車、戦車など120輌からなる増援部隊が、シリア政府の支配下にあるアイン・イーサー市近郊に派遣され、トルコ占領地の境界地帯に展開した。

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アレッポ県では、ANHA(2月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にアルタッル・リフアト市近郊のカイルータ村、ブルジュ・カース村、クーワンダ・マザン村、ダイル・ジュマイイル村を砲撃し、女性1人が市棒、男性1人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市で車に仕掛けられいた爆弾が爆発した。

このほか、ロシア軍とトルコ軍は、アイン・アラブー市一帯の国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, February 24, 2020、ANHA, February 24, 2020、AP, February 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2020、Reuters, February 24, 2020、SANA, February 24, 2020、SOHR, February 24, 2020、UPI, February 24, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県の10カ村を制圧、反体制派はナイラブ村を奪還、ロシア軍はトルコ軍拠点を爆撃し10人を殺傷(2020年2月24日)

イドリブ県では、SANA(2月24日付)によると、シリア軍地上部隊がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、タッル・ナール村、シャイフ・ムスタファー村、ナキール村、カフルサジュナ村、ウライニバ村、ストゥーフ・ダイル村、マアッラト・ハルマ村、マアッルズィーター村、ジャバーラー村を制圧した。

シリア・ロシア軍戦闘機がシリア軍地上部隊の進軍を航空支援し、各所を爆撃した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、ウンム・スィール村、マアッラト・スィーン村も制圧した。

一方、トルコ軍がナイラブ村一帯に対して激しい砲撃を加えるなか、「決戦」作戦司令室が再び攻勢をかけ、シリア軍との戦闘の末にナイラブ村とその周辺のマアーッラト・ウルヤー村、サーリヒーヤ村、サーン村を奪還した。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など約100輌からなる増援部隊をカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所からシリア領内に進入させ、イフスィム町、カンスフラ村近郊、カンスフラ村・バーッラ村間、バサーミス村近郊に新たな拠点を設置した。

これに対して、シリア軍戦闘機がカンスフラ村に設置されているトルコ軍拠点を爆撃し、シリア人権監視団などによると兵士10人が死傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月24日付)によると、爆撃を受けたのは、カンスフラ村・バーッラ村に設置されたばかりのトルコ軍の拠点で、シリア軍ではなく、ロシア軍戦闘機が攻撃したという。

ロシア軍戦闘機はまた、ファティーラ村を爆撃し、住民3人が死亡したという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、フマイミーム航空基地一帯を地対地ミサイルで攻撃、ロシア軍防空部隊がこれを撃破した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘で、シリア軍兵士11人、「決戦」作戦司令室戦闘員26人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を26件(イドリブ県14件、ラタキア県8件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(イドリブ県16件、ラタキア県0件、アレッポ県5件、ハマー県2件)確認した。

AFP, February 24, 2020、ANHA, February 24, 2020、AP, February 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 24, 2020、Reuters, February 24, 2020、SANA, February 24, 2020、SOHR, February 24, 2020、UPI, February 24, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民805人と国内避難民(IDPs)1,457人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は561,110人、2019年以降帰還したIDPsは790,390人に(2020年2月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月24日付)を公開し、2月23日に難民805人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは258人(うち女性78人、子供132人)、ヨルダンから帰国したのは547人(うち女性164人、子供279人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は561,110人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者177,451人(うち女性53,632人、子ども90,797人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者383,659人(うち女性115,142人、子ども195,659人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は790,390人(うち女性237,432人、子供403,378人)となった。

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一方、国内避難民1,457人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したの1,457人(うち女性604人、子ども489人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は56,326人(うち女性18,977人、子供23,947人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,324,922人(うち女性401,536人、子供667,613人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 24, 2020をもとに作成。

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