ロシア軍がシャーム解放機構などの支配下にあるイドリブ県、ラタキア県を爆撃し、子ども1人と女性1人を含む一家6人が死亡(2019年11月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるカフルサジュナ村、ジャバーラー村、ラカーヤー村、ハーッス村、マアッラト・ヌウマーン市、タフターヤー村を爆撃した。

この爆撃により、ジャバーラー村で子ども1人と女性1人を含む一家6人が死亡した。

シリア軍も地上部隊が、ジャバーラー村、カフルサジュナ村、ラカーヤー村、ウービーン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカッバーナ村一帯およびユーヌスィーヤ村一帯を爆撃した。

これに対してシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が、キンサッバー町一帯、トゥーバール砦一帯、トゥッファーヒーヤ村一帯、カッバーナ村一帯を砲撃、シリア軍も地上部隊がカッバーナ村一帯、ハッダーダ村、フドル丘を砲撃、カッバーナ村一帯では反体制武装集団とシリア軍地上部隊が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がジャズラーヤー村一帯を砲撃した。

シリア軍はまた、トルコ占領地に近い県北部のフライターン市、アナダーン市一帯を激しく砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、アレッポ市を砲撃、ナイル通り地区に砲弾複数発が着弾し、子ども1人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がハークーラ村近郊でシリア軍兵士1人を射殺した。

これに対して、シリア軍は地上部隊がサルマーニーヤ村、ズィヤーラ町一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(イドリブ県7件、ラタキア県7件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を26件(イドリブ県6件、ラタキア県14件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認した。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから171人、ヨルダンから568人の難民が帰国、避難民4人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年11月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月2日付)を公開し、11月1日に難民739人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは171人(うち女性51人、子供88人)、ヨルダンから帰国したのは568人(うち女性170人、子供290人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は453,992人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者144,805人(うち女性43,823人、子ども74,150人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者309,187人(うち女性92,795人、子ども157,675人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,657,484人(うち女性1,997,245人、子供3,395,317人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 683,272人(うち女性205,276人、子供348,747人)となった。

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一方、国内避難民4人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは4人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した4人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,309人(うち女性11,218人、子供16,491人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,905人(うち女性393,777人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 2, 2019をもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「ダーイシュのバグダーディー殺害を確認していないが、殺害されたとするなら、米国は米国は自らが生み出した人物を抹殺したことになる」(2019年11月1日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はロシア24の報道番組のインタビュー(11月1日付)に応じ、そのなかで米軍によるダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者の暗殺作戦に関して、「ロシアはバグダーディーが抹殺されたことを確認していない。殺害されたのであれば、彼が米国に生み出されていたことになる」と述べた。

ラブロフ外務大臣は「ダーイシュは、イラクへの米国の違法な侵略、イラクの国家としての衰退、そして過激派の釈放を経て成長した。過激派は米国によって拘置されていたが、その後に釈放された。だから、米国は自らが生み出した人物を抹殺したということになる。実際にそうしたことが起きているのなら」と述べた。

また「ロシア国防省はバグダーディーの問題について発表を行ったが、さらなる情報が必要だ。発表は正式に、そして体系的に行われたが、我が軍は今も、さらなる事実を検討している。米国が発表したことの多くをロシア軍はまだ確認していない」と付言した。

AFP, November 2, 2019、ANHA, November 2, 2019、AP, November 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2019、Reuters, November 2, 2019、Russia 24, November 1, 2019、SANA, November 2, 2019、SOHR, November 2, 2019、UPI, November 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア外務省のザハロワ報道官「ホワイト・ヘルメットは化学兵器使用ねつ造を準備している」「米国は毎月3000ドル以上の石油をシリアから持ち出している」(2019年11月1日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、記者会見で、ホワイト・ヘルメットが反体制武装集団とともに、シリア軍による化学兵器使用をねつ造する陽動作戦の準備をしている、と述べた。

シリア南東部の油田地帯への支配を強めている米国に関して、月3000ドル以上の石油を持ち出している、と述べた。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

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トランプ米大統領「我々はダーイシュの新指導者が誰かを正確に知っている」(2019年11月1日)

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターのアカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/)で、ダーイシュ(イスラーム国)が10月26日に死亡したアブー・バクル・バグダーディー指導者の後任として、アブー・イブラーヒーム・クラシーなる人物を新たなカリフに任命したと発表したことに関して、「ISISは新たな指導者を任命した。我々は彼が誰かを正確に知っている!」と綴った。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

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制憲委員会(憲法委員会)全体会合は、行動規範を決定、小委員会メンバーを選出(2019年11月1日)

スイスのジュネーブで10月30日に開幕した制憲委員会(憲法委員会)の全体会合は、3日間の日程を終え閉幕した。

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、3日間の成果に関して「議題については合意に至らなかったが、我々は今回の会合、そして今後の会合の審議にかかる行動規範について合意した」と述べた。

ペデルセン特別代表はまた、現行憲法の再検討、ないしは新憲法起草の実務にあたる小委員会のメンバー45人についても合意したと付言、11月4日に会合が行われることを明らかにした。

シリア政府代表団のアフマド・クズバリー団長は、小委員会に関して、11月4日から1週間会合を重ねる予定であることを明らかにした。

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RT(11月2日付)によると、小委員会メンバーは以下の通り:

シリア政府代表
1. アフマド・ファールーク・ムハンマド・アルヌース
2. アフマド・ナビール・ムハンマド・ラフィーク・クズバリー
3. アシュワーク・アイユーブ・アッバース
4. アムジャド・ヤースィーン・イーサー
5. アマル・フアード・ヤーズジー
6. ジャマール・アブドゥッラッザーク・カーディリー
7. ジャミーラ・ムスリム・シュルバジー
8. ダーリーン・アブドゥッサラーム・スライマーン
9. リヤード・アリー・ターウーズ
10. アブドゥッラー・ムハンマド・サイイド
11. ムハンマド・アクラム・タイスィール・アジュラーニー
12. ムハンマド・ハイル・アフマド・アッカーム
13. ムハンマド・イサーム・アフマド・ハズィーミー
14. ニザール・アリー・スカイフ
15. ハイサム・ハサン・ターッス
反体制派代表
1. アフマド・イスラーウィー
2. バスマ・カドマーニー
3. ハサン・ハリーリー
4. ハサン・ウバイド
5. ディーマー・ムーサー
6. サフワーン・アッカーシュ
7. ターリク・クルディー
8. アワド・アリー
9. カースィム・ダルウィーシュ
10. カーミーラーン・ハーッジュー
11. ムハンマド・ヌーリー・アフマド
12. ジャマール・スライマーン
13. ムハンナド・ドゥライカーン
14. ハーディー・バフラ
15. ハイサム・ラフマ
市民社会代表
1. アナス・ガッサーン・ズライウ
2. イーラーフ・ヤースィーン
3. イーマーン・シャッフード
4. ハーリド・アドワーン・フルウ
5. ラグダー・ザイダーン
6. サマル・ジョルジュ・ダイユーブ
7. スバーフ・ハッラーク
8. スーニヤー・ムハンマド・サイード・ハラビー
9. イサーム・ザイバク
10. アリー・アフマド・アッバース
11. ウマル・アブドゥルアズィーズ・ハッラージュ
12. マーズィン・グライバ
13. マーヒル・マランディー
14. ムーサー・ハリール・ミトリー
15. マイス・ナーイフ・クライディー

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、RT, November 2, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

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トルコ国防省は声明を出し、シリア北部での地雷の爆発でトルコ軍兵士1人が死亡、6人が負傷したと発表(2019年11月1日)

トルコ国防省は声明を出し、シリア北部での地雷の爆発でトルコ軍兵士1人が死亡、6人が負傷したと発表した。

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ハサカ県では、ANHA(11月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊やアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のタッル・ムハンマド村、アイン・フルワ村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(11月1日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるシャワーリガ村、シャワーリガ砦、マーリキーヤ村がトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍の砲撃を受けた。

トルコ軍と国民軍はまた、マンナグ村、バイルーニーヤ村、アイン・ダクナに対しても砲撃を行った。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア・トルコ軍はハサカ県国境地帯での合同パトロールを開始、住民がトルコ軍部隊に投石(2019年11月1日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が10月30日に一時撤退していたラアス・アイン市近郊のカスラ村に再展開した。

また、アームーダー市からダルバースィーヤ市にいたる国境地帯では、ロシア軍とトルコ軍が合同パトロールを実施した。

トルコ国防省によると、合同パトロールには無人航空機(ドローン)も参加、部隊を空撮したという。

https://www.facebook.com/syriahro/videos/1012085192467532/

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10158237277518115

ANHA(11月1日付)は、ロシア軍部隊に後続するトルコ軍部隊が、住民の投石を受けたと伝ええ、その映像を公開した。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

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トルコ当局はダーイシュの幹部3人を含む11人を国内で逮捕(2019年11月1日)

トルコ国営のアナトリア通信(11月1日付)は、チャンクル県で、当局がダーイシュ(イスラーム国)のメンバー11人を逮捕したと伝えた。

逮捕された11人のなかには、10月26日に死亡したとされるアブー・バクル・バグダーディー前指導者の世話係1人、アミール(司令官)2人が含まれているという。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構などがラタキア県北東部で侵攻を強め、ロシア軍戦闘機が同地を爆撃、またロシア海軍フリゲート艦がイドリブ県を巡航ミサイルで攻撃(2019年11月1日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がクルド山のカッバーナ村一帯に進軍し、シリア軍の戦略拠点7カ所を制圧、シリア軍兵士23人を殺害した。

戦闘では、反体制武装集団戦闘員11人も死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)によると、反体制武装集団はまたシリア軍兵士20人を捕捉した。

これに対してロシア軍戦闘機がカッバーナ村一帯に対して爆撃を行った。

シリア軍も地上部隊が、クルド山、トルコマン山一帯に対して砲撃を行った。

こうした反撃を受けて、反体制武装集団は、制圧した拠点から撤退した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア沖の地中海上に展開するロシア海軍のフリゲート艦が、シャーム解放機構などの支配下にあるジスル・シュグール市一帯に巡航ミサイルを発射した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(イドリブ県4件、ラタキア県6件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を18件(イドリブ県10件、ラタキア県3件、アレッポ県4件、ハマー県4件)確認した。

AFP, November 1, 2019、ANHA, November 1, 2019、AP, November 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 1, 2019、Reuters, November 1, 2019、SANA, November 1, 2019、SOHR, November 1, 2019、UPI, November 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから157人、ヨルダンから776人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年11月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(11月1日付)を公開し、10月31日に難民933人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは157人(うち女性47人、子供80人)、ヨルダンから帰国したのは776人(うち女性233人、子供396人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は453,253人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者144,634人(うち女性43,772人、子ども74,062人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者308,619人(うち女性92,625人、子ども157,385人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,657,484人(うち女性1,997,245人、子供3,395,317人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 682,533人(うち女性205,055人、子供348,369人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,293人(うち女性11,218人、子供16,491人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,901人(うち女性393,777人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 1, 2019をもとに作成。

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シリア南東部の油田地帯にとどまる米軍は約900人になる見込み(2019年10月31日)

『ニューヨーク・タイムズ』(10月31日付)は、複数の消息筋の話として、シリア南東部の油田地帯にとどまる米軍の規模が約900人に達する見込みだと伝えた。

同紙によると、ダイル・ザウル県の油田地帯に残留する米軍は約750人、そのほかにヒムス県のタンフ国境地帯一帯地域(55キロ地帯)にも部隊は駐留を続けるという。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、The New York Times, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

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制憲委員会(憲法委員会)が非公式会合を開催(2019年10月31日)

制憲委員会(憲法委員会)は、30日の開幕会合に続いて、31日に第1回会合を開いた。

会合は非公式のかたちで行われた。

SANA(10月31日付)が伝えた。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

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米軍部隊がシリア軍の検問所前を悠然と通過してアレッポ県スィッリーン町の基地から撤退(2019年10月31日)

シリア人権監視団によると、アレッポ県スィッリーン町の基地に駐留していた米軍部隊が、車輌150輌からなる車列を編成し、ラッカ県のアイン・イーサー市を経由して、ハサカ県、そしてイラクに向かった。

SNSなどでは、米軍装甲車がハサカ県タッル・タムル町近郊に設置されているシリア軍の検問所前を悠然と通過する写真が拡散された。

撤退に際して、米軍の航空機が上空を旋回、また、米軍装甲車5輌からなる偵察部隊が、ハサカ県北東部のカフターニーヤ市一帯でパトロール活動を行った。

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一方、有志連合のマイルズ・コギンズ(Myles Caggins)報道官(米軍大佐)は、M2 ブラッドレー歩兵戦闘車からなる最初の部隊がダイル・ザウル県に派遣されたと発表した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

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国民軍が29日に捕捉したシリア軍兵士18人の身柄をトルコがシリア軍に引き渡す一方、トルコ・ロシア軍が国境地帯での合同パトロールに向けて初会合(2019年10月31日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、29日にトルコの支援を受ける国民軍がアブー・ラースィーン町一帯での戦闘で捕捉したシリア軍将兵18人の身柄を、トルコ軍がダルバースィーヤ市の国境通行所でシリア軍に引き渡した。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10158234292963115

また、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市の国境通行所で初会合を開き、合同パトロールの仕組みを調整するために協議した。

このほか、シリア軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の増援部隊がタッル・タムル町に到着、展開した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部各所で相次いで爆発が発生し、少なくとも10人が死亡(2019年10月31日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市の野菜市場で車に仕掛けられた爆弾が仕掛けられていた車が爆発し、10人が死亡した(ANHA(10月31日付)によると死者は9人)。

また、アアザーズ市近郊のサジュー村でシャーム戦線の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、複数人が死傷した。

このほか、ラーイー村近郊のタッル・ハワー村にあるスルターン・ムラード師団の拠点近く、アフリーン市近郊のシャッラーン町でも爆弾が仕掛けられた車やオートバイが爆発した。

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ラッカ県では、ANHA(10月31日付)によると、ハマーム・トゥルクマーン村で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

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シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地が無人航空機(ドローン)を撃破する一方、ロシア軍がシャーム解放機構支配下のイドリブ県各所を爆撃(2019年10月31日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地(バースィル・アサド空港)近くで少なくとも4回にわたり爆発が発生した。

爆発は、ロシア軍の防空部隊が所属不明の無人航空機(ドローン)を迎撃したことによるもの。

これに対して、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるカッバーナ村一帯を爆撃した。

シリア軍も地上部隊が同地を砲撃し、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月31日付)によると、トルコの支援を受ける国民軍がトルコマン山のワーディー・サルールにあるシリア軍拠点を襲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるスフーフン村、カフルナブル市、ハーッス村、ファッティーラ村、ラッファ村、ブライサ村、ラカーヤー村、ハザーリーン村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月31日付)によると、カフルナブル市に対する爆撃では、子ども2人を含む3人が死亡した。

また、シリア軍も地上部隊が、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、ウライニバ村、マウカ村、タフターヤー村、ウンム・ジャラール村を砲撃した。

一方、シャーム解放機構が管理するダルクーシュ町の武器弾薬庫で爆発が発生した。

爆発の原因は、何者かがダルクーシュ町西のドゥワイサート村に近郊にあるトルキスタン・イスターム党の拠点を狙ったことによって生じたもので、子ども2人を含む住民4人が巻き添えとなって死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がジスル・バイト・ラース村、マナーラ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がマアーッラト・アルティーク村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(イドリブ県4件、ラタキア県7件、アレッポ県4件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を34件(イドリブ県17件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県4件)確認した。

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

AFP, October 31, 2019、ANHA, October 31, 2019、AP, October 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2019、Reuters, October 31, 2019、SANA, October 31, 2019、SOHR, October 31, 2019、UPI, October 31, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから185人、ヨルダンから679人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年10月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月31日付)を公開し、10月30日に難民864人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは185人(うち女性55人、子供95人)、ヨルダンから帰国したのは679人(うち女性204人、子供346人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は452,320人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者144,477人(うち女性43,725人、子ども73,982人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者307,843人(うち女性92,392人、子ども156,989人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,657,484人(うち女性1,997,245人、子供3,395,317人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 681,600人(うち女性204,775人、子供347,893人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,292人(うち女性11,218人、子供16,491人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,900人(うち女性393,777人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 31, 2019をもとに作成。

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米国防総省はダーイシュのバグダーディー指導者に対する暗殺作戦の映像を公開(2019年10月30日)

米国防総省は、イドリブ県で26日に米軍が実施したダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者に対する暗殺作戦の映像を公開した。

映像は、米中央軍のケネス・マッケンジー司令官の記者会見で公開されたもの。

マッケンジー司令官は、作戦が施設内に子どもがいることを踏まえて立案されたとしたうえで、「バグダーディーを捕捉、ないしは殺害するために作戦は3段階から構成された…。バグダーディーの遺体の残骸は海に投棄された」と述べた。

なお、作戦終了後にバグダーディー指導者が潜伏していた施設は爆破されたという。

フッラ・チャンネル(10月30日付)が伝えた。

AFP, October 30, 2019、Alhurra, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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ジュネーブで制憲委員会(憲法委員会)開幕:ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は「危機の政治的解決に向けた重要なステップ」と賞賛(2019年10月30日)

スイスのジュネーブで制憲委員会(憲法委員会)が開幕した。

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、150人の委員会メンバー(シリア政府代表50人、反体制派代表50人、市民社会代表50人)が出席した開会式で基調演説を行い、そのなかで委員会の開会が、「国連安保理決議第2254号に基づき、シリアの危機に対する持続的政治解決をもたらすための重要なステップ」であると表明、委員会で起草される予定の「憲法はシリア国民のみのものだ」と強調した。

また、委員会がシリアの主権、統一、独立、領土保全、国連憲章および安保理諸決議を遵守することを基本原則としているとしたうえで、「シリア国民のみが国の未来を決定する」と付言した。

また、委員会の議事に関しては、2012年に施行された憲法の修正、ないしは新憲法の起草を審議し、最終的にはこれが国民投票にかけられることになると述べた。

国連の役割はこうした議事進行を促すことに限定されるという。

AFP, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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制憲委員会(憲法委員会)開会に合わせてロシア、イラン、トルコ外相がジュネーブで会談(2019年10月30日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が、制憲委員会(憲法委員会)の開会に合わせてスイスのジュネーブで会談した。

会談後の共同声明で、三カ国の外務大臣は、シリアの領土の統一性と保全の維持、テロ根絶に向けた「テロとの戦い」、分離主義的アジェンダの拒否を改めて強調した。

三カ国の外務大臣はまた、制憲委員会の開会を歓迎し、その活動に外国の干渉や期限の押しつけがなされないようにすべきだと表明するとともに、アスタナ会議の保障国として、シリアにおける危機に軍事的解決はなく、政治的解決を追求すべきであることを確認した。

そのうえで、国際社会に対して、すべてのシリア人への無条件の支援増を訴えた。

SANA(10月30日付)などが伝えた。

AFP, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はトルコ国境地帯への部隊駐留を続ける(2019年10月30日)

ハサカ県では、SANA(10月30日付)によると、ロシア仲介のシリア政府と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の合意に基づき、シリア軍地上部隊がトルコ国境地帯への展開を続け、ウンム・ハムドゥーン村一帯に新たに進駐した。

一方、ユーフラテス・ポスト(10月30日付)によると、ロシア軍憲兵隊が、カーミシュリー市空港からダルバースィーヤ市にいたる国境地帯で初となるパトロール活動を実施した。

AFP, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Euphrates Post, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍・国民軍の猛攻を受け、シリア軍はハサカ県北東部の前線から撤退(2019年10月30日)

ハサカ県では、シリア人権監視団が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の複数の司令官筋の話として伝えたところによると、シリア軍が、ダルバースィーヤ市西方からトルコ占領下のラアス・アイン市にいたる国境地帯全域、タッル・タムル町近郊の前線の村々、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町から撤退した。

撤退は、トルコの支援を受ける国民軍の激しい攻撃を受けたもので、これによりアリーシャ町などの住民400世帯以上がタッル・タムル町方面に避難した。


SANA(10月30日付)も、シリア軍がラアス・アイン市南東に位置するタッル・ワルド村、タッル・タムル町近郊の牧草地帯でトルコ軍およびその支援を受ける国民軍と激しく交戦、トルコ軍・国民軍が同地の民家などを激しく砲撃、住民が避難を余儀なくされたと伝えた。

一方、タッル・タマル町同地で予定されていたロシア軍憲兵隊のパトロール任務も延期された。

ロシア軍憲兵隊のパトロール任務の撤退は、シリア国防省がシリア民主軍に対して行ったシリア軍への合流の呼びかけにシリア民主軍を応じさせるための圧力をかける動きだと思われる。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北部のマルアナーズ村一帯でシリア民主軍とトルコの支援を受ける国民軍が交戦した。

AFP, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍はシャーム解放機構などの支配下にあるイドリブ県各所への爆撃を続ける(2019年10月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市、カフルナブル市、マアッラト・ハルマ村、ナキール村、ウンム・スィール村、フィキーア村、ジャバーラー村、シャイフ・ムスタファー村、カルサア村、ラカーヤー村、マアッルズィーター村に対して28回の爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊はマアッルズィーター村、ヒーシュ村、カフルナブル市、ハザーリーン村、ラジャム・ハイヤ農場、アブー・ズフール町一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がバーブ市近郊のシャフルナーズ村、アリーマ町、ジュッブ・スライマーン村、バドリーヤ村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦、同地を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(イドリブ県2件、ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を25件(イドリブ県11件、ラタキア県9件、アレッポ県0件、ハマー県5件)確認した。

AFP, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから215人、ヨルダンから448人の難民が帰国、避難民4人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年10月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月30日付)を公開し、10月29日に難民663人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは215人(うち女性65人、子供110人)、ヨルダンから帰国したのは448人(うち女性134人、子供228人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は451,456人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者144,292人(うち女性43,670人、子ども73,887人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者307,164人(うち女性92,188人、子ども156,643人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,657,484人(うち女性1,997,245人、子供3,395,317人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 680,736人(うち女性204,516人、子供347,452人)となった。

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一方、国内避難民4人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは4人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した4人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,303人(うち女性11,218人、子供16,491人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,899人(うち女性393,777人、子供660,257人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 30, 2019をもとに作成。

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シリア駐留ロシア軍司令部の当事者和解調整センターはシリア民主軍を北東部国境地帯から撤退させたと発表(2019年10月30日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのユリ・エフトシェンコ代表は、声明を出し、22日のロシア・トルコ首脳会談での合意に従い、シリア北東部の国境地帯から人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を完全撤退させたと発表した。

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのユリ・エフトシェンコ代表は「ロシア側は2019年10月22日にロシアとシリアが合意した了解覚書が規定する措置を完全に実施した…。10月29日18:00までに、YPGに所属する68部隊、3万4000人が撤退、またトルコ軍武装部隊との交戦地から30キロ以内の地域から武器装備3,000個以上を撤収っせた」と述べた。

また「シリア軍がトルコ国境に前哨地84カ所を設置した。うち60カ所はカーミシュリー市一帯、24カ所はアレッポ県北のアイン・アラブ市一帯に設置された。一方、ロシア軍憲兵隊はジャラーブルス市(アレッポ県)・クーラーン村間、カーミシュリー市・ファキーラ村間、カーミシュリー市・スィーマルカー国境通行所間で10月23日からパトロールを行っている」と付言した。

AFP, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「シリア民主軍撤退の猶予期間は終了し、ロシア側から退去の通知を受けた」(2019年10月29日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ロシアのソチでのヴラジミール・プーチン大統領での会談で合意した、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍撤退の猶予期間が終了したと発表した。

エルドアン大統領は「米国、ロシアと設定していた120時間の猶予(ドナルド・トランプ米大統領と合意していたシリア民主軍撤退の猶予期間)も150時間の猶予も終わった。水曜日(30日)にシリアでの「安全地帯」にいて協議が行われることになろう」と述べた。

エルドアン大統領はまた、ロシア側が指定された地域から「テロ組織」(シリア民主軍)を完全に退去させた旨通知してきたと付言した。

アナトリア通信(10月30日付)が伝えた。

AFP, October 30, 2019、Anadolu Ajansı, October 30, 2019、ANHA, October 30, 2019、AP, October 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2019、Reuters, October 30, 2019、SANA, October 30, 2019、SOHR, October 30, 2019、UPI, October 30, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダの元幹部でサウジアラビア人説教師のムハイスィニー師「バグダーディーが殺されていようがいまいが、結果は同じで、西側は今後もバグダーディーを創り出す」(2019年10月29日)

サウジアラビア人説教師で、シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構の元幹部アブドゥッラー・ムハイスィニー師は、テレグラムのアカウント(https://t.me/mhesneee)を通じて、「待望されしカリフの破滅の教訓」と題されたビデオ・メッセージを配信し、26日の米軍によるダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者殺害へのコメントを発表した。

ビデオメッセージのなかで、ムハイスィニー師は「我々は、米国の手によってバグダーディーが殺害されないことをどれほど願ってきたか。なぜなら、米国がそもそもバグダーディーの思想を育んだからだ。我々はスンナ派の手によって殺されることを願ってきた。屈辱を味わってきたのはスンナの民だからで、スンナ派が彼の思想を根絶することを願ってきた」と述べた。

また「我々はバグダーディー個人の話をしているわけではない。アッラーは彼を破滅させ、彼は死んだ。我々が話しているのは、この邪悪で行き過ぎた思想、イスラーム教徒に対するタクフィールのことだ。これらはバグダーディーが死んだからといって終わらない…。ハワーリジュ派の思想は続く。バグダーディーの後に、さまざまな名前、色を持つ幾多のバグダーディーたちが現れ、イスラーム教徒に背教宣告を下し、彼らに血を流させ、隊列を分断し、イスラームの若者たちを欺くだろう…それゆえに、我々は今、イスラームの若者たちに免罪させねばならない…。ウンマの若者を救済せよ。こうした思想の種を根絶し、彼らの言い訳と戦うことで」と強調した。

そのうえで「彼の死に関する報道の信憑性をめぐっては大いに曖昧な点が残る。彼は大きな被害をもたらした作戦のなかで殺されたのか、それ以前に殺されたのか。作戦は(ドナルド・)トランプ(米大統領)が国内の問題を隠蔽するために行われたのではないか。しかし、こうした疑問は大きな影響をもたらすまい。たとえ、彼が殺されていなかったとしても、結果は同じだ。西側が1,000人のバグダーディーを今後も創り出すということだ。そうすることがムスリム人民を破滅させる唯一の好機だからだ」と締めくくった。

https://youtu.be/x6BEL1xkMNk

 

AFP, October 29, 2019、ANHA, October 29, 2019、AP, October 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2019、Reuters, October 29, 2019、SANA, October 29, 2019、SOHR, October 29, 2019、UPI, October 29, 2019などをもとに作成。

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米国務省匿名高官はダーイシュのムハージル報道官の殺害を認める(2019年10月29日)

米国務省の匿名高官は、27日に人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によってダーイシュ(イスラーム国)のアブー・ハサン・ムハージル報道官が殺害されたとの情報・報道に関して、これを認めた。

フォックス・ニュース(10月29日付)が伝えた。

AFP, October 29, 2019、ANHA, October 29, 2019、AP, October 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2019、Fox News, October 29, 2019、Reuters, October 29, 2019、SANA, October 29, 2019、SOHR, October 29, 2019、UPI, October 29, 2019などをもとに作成。

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トルコ匿名消息筋「イスラーム国のバグダーディー指導者はシリア難民に紛れて家族をトルコに密入国させようとしていた」(2019年10月29日)

『クドス・アラビー』(10月29日付)は、トルコの匿名消息筋の情報として、26日に米軍の攻撃を受けて爆死したダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者に関して、トルコ領内に家族を潜入させようとしていたと伝えた。

この匿名消息筋は、トルコの治安機関が得た情報がバグダーディー指導者の潜伏場所の特定に寄与したとしたうえで、同指導者が、シリアからトルコに難民を違法に移送する業者を通じて、家族をトルコ領内に密入国させようとしていたと明かした。

また、トルコが米国による暗殺作戦において大きな役割を果たしたが、その全貌、そして詳細についてトルコ政府は発表を望んでいないという。

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『ニューヨーク・タイムズ』(10月29日付)は、複数の米政府高官の話しをもとに、26日に米軍によるダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者殺害にいたる経緯の内幕を明らかにした。

それによると、CIAと米軍特殊部隊は、過去数ヶ月にわたり、バグダーディー指導者の潜伏場所を突き止める活動を行っていたが、ドナルド・トランプ米大統領が突如(10月6日)(、シリア領内からの米軍撤退を決定、これを実行に移したため、国防総省は軍事作戦の実施を早め、バグダーディー指導者を殺害したという。

AFP, October 29, 2019、ANHA, October 29, 2019、AP, October 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2019、The New York Times, October 29, 2019、al-Quds al-‘Arabi, October 29, 2019、Reuters, October 29, 2019、SANA, October 29, 2019、SOHR, October 29, 2019、UPI, October 29, 2019などをもとに作成。

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