ロシアはシナイ半島でのロシア旅客機墜落事件をテロと断定、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)などの国際テロ組織に戦闘爆撃機を投入し、127回にわたる爆撃を実施(2015年11月17日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、エジプトのシナイ半島で10月31日に起きたロシア旅客機墜落事件について「原因は爆弾テロ」と断定したと発表、ダーイシュ(イスラーム国)掃討のためのシリア領内での空爆をこれまで以上に強化する考えを明言した。

大統領府によると、プーチン大統領は16日深夜、治安、国防担当の閣僚らによる緊急会議を招集し、この場で連邦保安局長官から、ロシア旅客機墜落事件に関して、飛行中の旅客機内で手製の爆弾が爆発し、機体が空中分解したことから、テロと明言できる、との報告を受けたという。

同長官は、テロと断定した根拠として、外国で作られた爆発物の痕跡が確認されたことなどを挙げたという。

この報告を受け、プーチン大統領はセルゲイ・ショイグ国防大臣に対し、ダーイシュ掃討を目的としたシリア空爆を強化するよう指示したという。

mil.ru, November 17, 2015
mil.ru, November 17, 2015
mil.ru, November 17, 2015
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mil.ru, November 17, 2015

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ロシア国防省によると、ロシア軍参謀総長の命令を受け、ロシア空軍のTu-160、Tu-95MS、Tu-22M3長距離爆撃機が早朝、計34発の巡航ミサイルを発射し、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

長距離爆撃機によると攻撃はラッカ県、ダイル・ザウル県のダーイシュの施設、アレッポ県、イドリブ県に対して行われ、大規模武器弾薬庫、壕、教練キャンプなどの重要施設14カ所を破壊した。

また、ラタキア県フマイミーム航空基地に配備されているロシア軍戦闘機も65回の出撃を行い、36の施設(司令拠点6カ所、武器弾薬庫8カ所、教練キャンプ12カ所、ロケット弾・地雷製造工場4カ所、燃料貯蔵庫6カ所)を破壊した。

16日の作戦は、初日(16日)だけで出撃回数127回で、206の施設の破壊を目的とし、実際の空爆では倍以上の施設を破壊することに成功したという。

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なお、タス通信(11月17日付)によると、セルゲイ・ショイグ国防大臣はプーチン大統領に、シリア領内での空爆を倍増させたことを報告した。

またヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長がプーチン大統領に報告したところによると、ロシア軍によるシリア空爆は過去48時間で出撃回数が2,300回近くにおよび、また大統領の支持を受け、フマイミーム航空基地に戦闘機37機を増援することを決定したという。

AFP, November 17, 2015、AP, November 17, 2015、ARA News, November 17, 2015、Champress, November 17, 2015、al-Hayat, November 18, 2015、Iraqi News, November 17, 2015、Kull-na Shuraka’, November 17, 2015、al-Mada Press, November 17, 2015、Naharnet, November 17, 2015、NNA, November 17, 2015、Reuters, November 17, 2015、SANA, November 17, 2015、TASS, November 17, 2015、UPI, November 17, 2015などをもとに作成。

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有志連合がダイル・ザウル県のタナク油田に対して降下作戦を実施(2015年11月16日)

ARA News(11月17日付)は、有志連合戦闘機4機がタナク油田一帯を空爆するなか、地上部隊が降下作戦を行い、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦後、撤収した、と伝えた。

この降下作戦の目的は不明だという。

AFP, November 17, 2015、AP, November 17, 2015、ARA News, November 17, 2015、Champress, November 17, 2015、al-Hayat, November 18, 2015、Iraqi News, November 17, 2015、Kull-na Shuraka’, November 17, 2015、al-Mada Press, November 17, 2015、Naharnet, November 17, 2015、NNA, November 17, 2015、Reuters, November 17, 2015、SANA, November 17, 2015、UPI, November 17, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で8回の爆撃を実施(2015年11月16日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月16日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して48回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回、フール町近郊(8回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 17, 2015をもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によって実効支配されるアフリーン市に至るすべての街道を封鎖、民間人40人を拉致(2015年11月16日)

アレッポ県では、ARA News(11月16日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動をはじめとするジハード主義武装集団は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が実効支配するアフリーン市に至るすべての街道を封鎖した。

街道封鎖は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、シャーム自由人イスラーム運動やヌスラ戦線の戦闘員多数を逮捕したことを受けた動きだという。

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またARA News(11月17日付)によると、アレッポ市・アフリーン市街道で、バス2台が武装集団の襲撃を受け、乗っていたクルド人住民40人が拉致された。

これに関して、同サイトはアフリーン市の複数の消息筋の話として、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が西クルディスタン移行期民政局の当局に対して捕虜交換を求めていると伝えた。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、November 17, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線はレバノン人人質解放の条件としてダマスカス郊外県の2カ村の割譲と女性囚人5人の釈放を要求(2015年11月16日)

アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線のカラムーン地方司令官(アミール)のアブー・マーリク・タッリー氏はトルコのアナトリア通信(11月16日付)の取材に応じ、2014年8月にベカーア県バアルベック郡アルサール村でダーイシュ(イスラーム国)とともに拉致したレバノン軍兵士・内務治安軍総局隊員の解放の条件として、レバノンの刑務所に収監されている女性5人の釈放と、シリア領内のフライタ村とマアッラ村の割譲を要求した。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、Anadolu Ajansı, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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ケリー米国務長官はシリア革命連合代表と、ロシア外務副大臣は変革解放人民戦線代表とそれぞれ会談(2015年11月16日)

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ議長は米国を訪問し、ワシントンDCでジョン・ケリー米国務長官と会談、ウィーン3会議での合意への対応などについて協議した。

一方、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副首相は、モスクワで変革解放人民戦線のカドリー・ジャミール代表(駐ロシア)と会談し、ウィーン3会議での合意への対応などについて協議した。

『ハヤート』(11月17日付)が伝えた。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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G20参加国のシリア情勢をめぐる主な言動(5):フランスのファビウス外相「シリアへの地上部隊の派遣には反対」(2015年11月16日)

G20に参加するためにトルコのアンタルヤを訪問中のフランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」に、フランスが地上部隊の派遣に反対している、と述べた。

ファビウス外務大臣はその理由として、「地上部隊を派遣すれば、占領軍となってしまい、我々が実現しようとしているのとは逆の結果をもたらしてしまう」と述べた。

ARA News(11月16日付)が伝えた。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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G20参加国のシリア情勢をめぐる主な言動(4):キャメロン英首相「ロシアとの亀裂は縮まった…。シリア領内での爆撃に向け下院を説得する」(2015年11月16日)

英国のデヴィッド・キャメロン首相は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領との会談後BBC(11月16日付)に対して、アサド大統領の処遇をめぐるロシアとの「亀裂が縮まった」と述べた。

キャメロン首相は「我々は、アサドがただちに去らねばならないと考えているが、プーチン大統領らは彼を支援し続けている。しかし私は亀裂は縮まったと思う。我々は亀裂を打破できると考えているが、双方の間で妥協が必要となろう」と述べた。

一方、キャメロン首相は、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)への空爆に参加したいとの意向を改めて示し、そのために英国下院を説得する必要があると述べた。

キャメロン首相は「ダーイシュはイラク・シリア国境を承認していない。我々もこの組織を承認してはならないが、彼らが国境を認めていないことを踏まえておく必要がある。私は議会にこのことを伝え、また多くの人々を説得するつもりだ」と述べ、シリア領内でのダーイシュ空爆をめざす意思を改めて表明した。

キャメロン首相は2013年8月にダマスカス郊外県で化学兵器使用事件が発生した際、米国、フランスとともにシリア政府への懲罰目的の限定的空爆の実施を企図したが、下院の否決を受け、これを断念している。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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G20参加国のシリア情勢をめぐる主な言動(3):トルコのエルドアン大統領「シリアの未来にアサドの居場所はない」(2015年11月16日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「シリアの未来にアサドの居場所はない」と述べ、従来通りの姿勢を繰り返した。

また、フェリドゥン・シニルリオール外務大臣は「アサド大統領は移行期に樹立されるであろう移行政府に全権限を移譲することになろう」としたうえで、次期大統領選挙にアサド大統領は出馬しないだろう、と付言した。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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G20参加国のシリア情勢をめぐる主な言動(2):ロシアのプーチン大統領「アサド大統領退陣要求はパリをテロ攻撃から守ったか?」(2015年11月16日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はG20閉幕時に以下のように述べ、フランスに対シリア政策の変更を呼びかけた。

「フランスは、アサド大統領個人の退陣をめぐって強硬な態度を取ってきた国の一つだ。我々は、フランスの友人たちが、政治的変革に際して前提条件を設定して問題を解決すべきだと言うのを何度も耳にしてきた…。しかし、こうした姿勢によってパリをテロの攻撃から守ることはできたのだろうか? そんなことは決してない」。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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G20参加国のシリア情勢をめぐる主な言動(1):オバマ米大統領「アサドの将来については依然として合意はなされていない」(2015年11月16日)

バラク・オバマ米大統領はトルコのアンタルヤで開かれていたG20閉幕時に、シリア情勢について触れ「シリア危機の解決に向けて相応の前進が見られた。ウィーンでの会議は共通理解に達し、シリア政府と反体制派の交渉を国連の仲介のもとに実施し、政治的移行、代議的政府の樹立、新憲法制定、選挙実施、さらに政治プロセスと並行した停戦といった行程を策定した…。これは意欲的な目標だ」と述べる一方、「アサドの将来については依然として合意はなされなかった。我々は、未来のシリアにおいて彼に役割があるとは考えていない」と改めて強調した。

しかしオバマ大統領は「すべての国がはじめて、政治プロセスについて合意し、戦争を終わらせねばならないと考えるようになった」と付言し、ウィーン・プロセスの成果を高く評価した。

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アラブ連盟のアラビー事務総長「シリアの資格停止処分解除を受け入れない加盟国がある」(2015年11月16日)

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、14日のウィーン3会議で参加国が停戦・移行プロセスに合意したことに関連して、2011年末、シリアの加盟国資格処分を解除するかとの質問に対し、「この問題はまだ提起されていない」としたうえで、「このこと(シリアの復帰)を受け入れない加盟国がある」と答えた。

アラビー事務総長は、ウィーン3会議での合意に従って開催が見込まれているシリア政府と反体制派の代表との協議内容を踏まえたうえで、「シリアは復帰することになるだろう」と付言した。

『ハヤート』(11月17日付)などが伝えた。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、ロシア軍がアレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)への攻撃を続ける(2015年11月16日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ダイル・ハーフィル村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

一方、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がアークーラ村、シャルバア村、アッラーン村、シャマーウィヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、タッル・イスタブル村、シュワイリフ村、ナッジャーラ村でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(11月17日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市南部郊外を2度にわたって攻撃した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマヒーン町一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ロシア軍と思われる戦闘機が同町を空爆した。

またマサール・プレス(11月16日付)によると、ロシア軍戦闘機がダーイシュの支配下にあるタドムル市、カルヤタイン市、マヒーン町に燃料気化爆弾を投下し、2人が死亡した。

同サイトによると、シリア軍がマヒーン町に突入しようとしたが、ダーイシュはこれを阻止したという。

一方、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がフワーリーン村、フーシュ・アブー・ファラジュ村、マヒーン町およびその周辺一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた国防隊とともにハドス村、タドムル市西部郊外でダーイシュ拠点を攻撃し、で、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がウカイリバート町郊外のサルバー村のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

またイスリヤー村郊外では、シリア軍とダーイシュが交戦した。

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スワイダー県では、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がサアド遺跡、ワーディー・ガビーブ一帯で、ダーイシュ(イシュラーム国)を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がフール町郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、アイン・ザカル村一帯でダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦した。

マサール・プレス(11月16日付)によると、アブー・アリー・バリーディー氏暗殺を受け、戦闘を一時中断していたヤルムーク殉教者旅団は、ヨルダン人のアブー・ウバイダ・カフターン氏を新司令官に擁立し、ヌスラ戦線との戦闘を再開したという。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、November 17, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Masar Press Agency, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がラタキア県のダグマシュリーヤ村、ダイル・ハンナー村方面に進軍し、同地一帯を制圧(2015年11月16日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がガマーム村回廊一帯で、反体制武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、ダグマシュリーヤ村、ダイル・ハンナー村方面に進軍し、反体制武装集団と交戦、同地の大部分を制圧した。

一方、SANA(11月16日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団との反体制武装集団と交戦の末、ダイル・ハンナー村、ダグマシュリーヤ村、バイト・アイヤーシュ村、ガマーム村郊外(給水所地区)を制圧した。

シリア軍はまた、ズワイク村、ラビーア町一帯を空爆し、反体制武装集団の拠点を破壊した。

このほか、SANA(11月16日付)によると、ヒズブッラー戦闘員の従軍記者としてアレッポ県で取材活動を行っていたムハンマド・マフムード・ナザル氏が戦闘に巻き込まれて死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区、アーミリーヤ地区、ラーシディーン地区一帯、ハーディル村一帯、アイス村一帯で、シリア軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

またシリア軍が、アレッポ市カルム・タッラーブ地区、マイサル地区を空爆し、2人が死亡したほか、ロシア軍機と思われる戦闘機がハーディル村一帯を空爆した。

これに対して、ジハード主義武装集団は米国製TOW対戦車ミサイルなどを駆使してタッル・ハディーヤ村一帯でシリア軍に応戦した。

一方、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がマンスーラ村、バーシュカウィー北部でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市ラーシディーン地区、サラーフッディーン地区、アーミリーユア地区、カフルハムラ村、タッル・ムサイビーン村、マンスーラ村、ハーン・アサル村などでジハード主義武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、マサール・プレス(11月16日付)によると、シリア軍がタルビーサ市南部前線のムルーク検問所で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がタルビーサ市、ザアフラーナ村、ティールマアッラ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサラミーヤ市西部郊外を空爆した。

一方、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がアトシャーン村、ムーリク市、タマーニア町、カサービーヤ村、カフルズィーター市、サイヤード丘北西部でファトフ軍の拠点を破壊し、戦闘員60人以上を殲滅、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市でジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍兵士1人が死亡した。

両者はまた東カラク村、ラフム村、インヒル市、ダルアー市ダム街道地区などでも交戦した。

マサール・プレス(11月16日付)によると、この戦闘で反体制武装集団はシャイフ・マスキーン市の一部を奪還、カルファー村、イズラア市の第12旅団基地、インヒル市の第15旅団基地を砲撃した。

一方、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区東部、難民キャンプ地区一帯、ハマーディーン地区、アトマーン村、東カラク村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月16日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン航空基地一帯、マルジュ・スルターン村、ラフバ村一帯、アーリヤ農場、ドゥーマー市でシャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍などのジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Masar Press Agency, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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米国はウィーン3会議(14日)で戦略を持たずにロシアの解決案に迎合(2015年11月16日)

『ハヤート』(11月16日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、14日にオーストリアの首都ウィーンで開かれたウィーン3会議での各国の協議の内幕に関して、米国が、サウジアラビア、トルコ、カタールなどアサド政権の退陣に固執する「シリアの友」の主導国としてではなく、参加各国の仲介者として振る舞い、これらの国に圧力をかけて合意に至った、と報じた。

それによると、米国は、ロシアとは対象的に戦略を持っておらず、アサド大統領の進退をめぐって意見を異にしていたもの、ロシアが提示した解決案に追随しようとしたという。

また、13日のパリでの同時多発テロ事件を受けるかたちで、参加各国は「テロとの戦い」や政治プロセスに向け歩み寄っていったという。

会議では、テロ組織と戦うすべての武装勢力の間で包括的な停戦を実現したうえで政治プロセスに着手すべきだとするロシア、イランをはじめとする国々と、移行プロセスを優先させ、アサド大統領の進退問題を決着すべきだとする諸外国(サウジアラビア、トルコ、カタールなどと思われる)が対立した。

これに対して、米国は後者を主導するのではなく、「仲介者」として振る舞い、国連の仲介のもとでのシリア政府と反体制派の対話開始と合わせて、停戦を実施する、との妥協案を示したという。

一方、シリア政府との交渉にあたる反体制派の統一代表団をめぐっては、米国が主要アラブ諸国(サウジアラビア、カタールなど)が参加したかたちで反体制派の拡大会合を開くことを主張、これらアラブ諸国やトルコは、シリア革命反体制勢力国民連立の主導のもとに統一代表団が設置されることを条件とすべきだと主張し、慎重な態度を示した。

また、イランは主要アラブ諸国の出席に異議を唱えたという。

移行プロセスをめぐっては、反体制派を支援する諸国は、国連安保決議によって期限を定めることを求めるなか、ジュネーブ合意(2012年)そのものを受諾していないイランをロシアが説得し、閉幕声明に移行期についての文言を含めることを認めさせた。

これを受け、米国は、アサド大統領の進退についての言及がなければ、行程すらも拒否しようとしたアラブ諸国(サウジアラビア、カタールなど)を説得し、この問題を先送りにしたという。

テロ組織の定義をめぐっては、ロシアとイランがシャームの民のヌスラ戦線を明記するよう強く求めたのに対し、アラブ諸国(サウジアラビア、カタールなど)は、組織としてのヌスラ戦線と、そのなかのシリア人メンバーを区別すべきだとしたうえで、「テロリストと目されるようなムハージリーン(外国人戦闘員)はヌスラ戦線においては少数派で、大多数のメンバーはシリア人であって、彼らはテロリストではなく、シリア政府の暴力を前にヌスラ戦線以外の選択肢がない」と主張した。

だが、最終的には、国連安保理が定める国際テロ組織のブラックリストに従い、ダーイシュに加えてヌスラ戦線の名も閉幕声明には明記されることになった。

AFP, November 15, 2015、AP, November 15, 2015、ARA News, November 15, 2015、Champress, November 15, 2015、al-Hayat, November 16, 2015、Iraqi News, November 15, 2015、Kull-na Shuraka’, November 15, 2015、al-Mada Press, November 15, 2015、Naharnet, November 15, 2015、NNA, November 15, 2015、Reuters, November 15, 2015、SANA, November 15, 2015、UPI, November 15, 2015などをもとに作成。

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デンマーク外相は、有志連合での活動再開とシリア領内への爆撃範囲拡大を主唱(2015年11月15日)

デンマークのクリスチャン・イエンセン外務大臣は、13日のパリでの同時多発テロ事件を受け、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)空爆に参加していたデンマーク空軍の活動を再開し、空爆範囲をシリア領内にも拡大すべきだと述べた。

デンマークは2014年8月に米国主導の有志連合がイラクでの空爆を開始した際、F-16戦闘機7機を作戦に参加させてきたが、今年9月、メンテナンスを理由に戦闘機を撤収していた。

ARA News(11月16日付)が伝えた。


AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で10回の爆撃を実施(2015年11月15日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月15日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は10回、ブーカマール市近郊(1回)、ハサカ市近郊(1回)、フール町近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、アイン・イーサー市(3回)、タドムル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 16, 2015をもとに作成。

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フランス軍がパリ同時テロ事件の報復としてダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市およびその周辺一帯を爆撃(2015年11月15日)

フランス国防省は声明を出し、フランス軍戦闘爆撃機10機を含む12機が15日夜、ダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市に爆弾20発を投下した、と発表した。

航空機12機はUAE、ヨルダンの基地から出撃し、ダーイシュの司令部、戦闘員教練キャンプ、武器弾薬庫を破壊したという。

この空爆作戦は、有志連合を主導する米軍との調整のもとに行われ、フランス軍が行った偵察活動によってあらかじめ標的が設定されていたという。

フランスは、欧州へのシリア移民・難民流入問題への関心の高まりを受けるかたちで、2015年9月にシリア領内での空爆を開始、今回の空爆を含めてこれまでに4回の空爆を実施している。

13日のパリでの同時テロ事件発生以降、フランス軍がシリア領内での空爆を実施するのはこれが初めてで、フランス政府はこの事件がダーイシュ(イスラーム国)による犯行だと断じている。

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これに関して、シリア人権監視団は、フランス軍と思われる戦闘機によるラッカ市への空爆により、15日深夜から16日未明にかけて、36回の爆発が起きたと発表した。

この爆発は、フランス軍が市内のダーイシュの武器弾薬庫を空爆したことによると見られるという。

フランス軍によると思われる空爆はまた、ラッカ市北部および南部の郊外に対しても行われた。

同監視団によると、フランス軍の空爆による人的・物的被害の詳細は不明だという。

一方、クッルナー・シュラカー(11月16日付)は、ラッカ市内での空爆は、タッル・アブヤド通り、バースィル通り、ハッジャーナ地区、スィヤーサ地区、医療センター、フルースィーヤ地区、市南部入り口に対して行われたと伝えた。

また同サイトによると、フランス軍の空爆が第17師団基地、野営キャンプ、ラッカ市郊外畜産農場地区に及んだ。

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なお、フランス政府は、13日のパリ同時テロ事件に関して、14日の段階で、フランソワ・オランド米大統領がダーイシュの犯行と断じ、また16日にはパリ郊外のヴェルサイユ宮殿に上下両院の議員を招集して演説を行い、「シリアで決定・計画され、ベルギーで準備・組織され、フランス国籍を持つ共犯者らと共にわが国で実行された」と述べた。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

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シリア軍およびロシア軍機と思われる戦闘機がイドリブ県各所を爆撃し、多数が死傷(2015年11月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市を砲撃し、20人が死傷した。

またロシア機と思われる戦闘機がサラーキブ市を空爆し、子供2人を含む3人が死亡した。

ロシア軍と思われる戦闘機はまた、シリア軍が砲撃を加えるマアッラト・ヌウマーン市に対しても空爆を行い、少なくとも15人が負傷した。

一方、SANA(11月15日付)によると、シリア軍がサラーキブ市、タマーニア町、マアッラト・ヌウウマーン市、アブー・ズフール町でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊とジハード主義武装集団がハラスター市一帯、マルジュ・スルターン村一帯、ウーターヤー町、ドゥーマー市各所で交戦、ドゥーマー市ではシリア軍の砲撃により子供1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(11月15日付)によると、シリア軍が東カラムーン地方無人地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と反体制武装集団がシャイフ・マスキーン市、アトマーン村各所で交戦、シリア軍が東ガーリヤ村、タイバ町を空爆・砲撃した。

一方、SANA(11月15日付)によると、シリア軍が東ガーリヤ村、ガズラーン農場でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、ハーディル村、アイス村一帯、アレッポ市ラーシディーン地区などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

またロシア機と思われる戦闘機がラトヤーン村各所を空爆した。

一方、SANA(11月15日付)によると、シリア軍がアレッポ市北部のラトヤーン村・バーシュカウィー村回廊で反体制武装集団の車列20台を攻撃、破壊した。

シリア軍はまた、バーシュカウィー村、タッル・ムサイビーン村、サイファート村、ドゥワイル・ザイトゥーン村、カフルハムラ村、バルクーム村、ハーン・トゥーマーン村、タッル・ハディーヤ村一帯、ズィルバ村、マンスーラ村、アレッポ市ラームーサ地区、シャイフ・サイード地区、旧市街、ブスターン・バーシャー地区、マイサルーン地区、バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、ラーシディーン地区でシャームの民のヌスラ戦線などの反体制武装集団拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(11月15日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、アブー・リーシャ村、カトフ・サーウール村および同地一帯の丘陵地帯(ルワイサト・イスカンダルなど)を制圧した。

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ハマー県では、SANA(11月15日付)によると、シリア軍がマアルカバ村、ラハーヤー村、ムーリク市でファトフ軍、ジュンド・アクサー機構の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月15日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、マヒーン町一帯、シャンダーヒーヤ村などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 15, 2015、AP, November 15, 2015、ARA News, November 15, 2015、Champress, November 15, 2015、al-Hayat, November 16, 2015、Iraqi News, November 15, 2015、Kull-na Shuraka’, November 15, 2015、al-Mada Press, November 15, 2015、Naharnet, November 15, 2015、NNA, November 15, 2015、Reuters, November 15, 2015、SANA, November 15, 2015、UPI, November 15, 2015などをもとに作成。

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有志連合と思われる戦闘機がアレッポ市各所のダーイシュ(イスラーム国)拠点を爆撃(2015年11月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市を砲撃した。

一方、ダービク村一帯では、戦闘機(所属不明)が空爆を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官1人が妻および子供4人とともに死亡した。

他方、SANA(11月15日付)によると、シリア軍がダイル・ハーフィル市、シュワイリフ村、ラスム・アブド村、シャルバア村、カスキース村、ハミーミーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市各所を空爆し、3人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月15日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市工業地区でダーイシュ(イスラーム国)の地下トンネルを破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

シリア軍はまた、ダイル・ザウル航空基地東部のカルーマ丘でダーイシュの拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(11月15日付)によると、シリア軍がシャアフ丘東部を移動中のダーイシュ(イスラーム国)の車列を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村で、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとするジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦し、「おじさん」の愛称で知られる同旅団の司令官アブー・アリー・バリーディー氏を含む幹部3人を殺害した。

サフム・ジャウラーン村一帯では、数日前からヌスラ戦線らとヤルムーク殉教者旅団との戦闘が激化し、双方合わせて30人以上が死亡している。

AFP, November 15, 2015、AP, November 15, 2015、ARA News, November 15, 2015、Champress, November 15, 2015、al-Hayat, November 16, 2015、Iraqi News, November 15, 2015、Kull-na Shuraka’, November 15, 2015、al-Mada Press, November 15, 2015、Naharnet, November 15, 2015、NNA, November 15, 2015、Reuters, November 15, 2015、SANA, November 15, 2015、UPI, November 15, 2015などをもとに作成。

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シリアの反体制派は14日のウィーン3会議での合意をめぐり賛否両論(2015年11月15日)

シリア国内などで活動する民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーズ代表は、14日のウィーン3会議で参加国が合意した停戦・移行プロセスに関して、「政治的解決に向けた道」に沿ったものだとしたうえで、「ウィーンで行われていることに我々は同意している」と支持を表明した。

これに対し、トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のサミール・ナッシャール氏は、14日のウィーン3会議で参加国が合意した停戦・移行プロセスに関して、「失望に値するもので非現実的」だとしたうえで、「シリア国民の願望に沿っていないために多くの困難に直面するだろう」と述べた。

『ハヤート』(11月16日付)が伝えた。

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一方、シリア国外で活動するシリア国民建設潮流は声明を出し、14日のウィーン3会議で参加国が合意した停戦・移行プロセスに関してに歓迎の意を表した。

AFP, November 15, 2015、AP, November 15, 2015、ARA News, November 15, 2015、Champress, November 15, 2015、al-Hayat, November 16, 2015、Iraqi News, November 15, 2015、Kull-na Shuraka’, November 15, 2015、al-Mada Press, November 15, 2015、Naharnet, November 15, 2015、NNA, November 15, 2015、Reuters, November 15, 2015、SANA, November 15, 2015、UPI, November 15, 2015などをもとに作成。

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シリアのハイダル国民和解担当国務大臣は「シリア政府の友人であれ、敵であれ、シリア国内の和平実現計画に期限を設けることは許されない」と述べ、14日のウィーン3会議での合意を批判(2015年11月15日)

アリー・ハイダル国民和解担当国務大臣はダマスカスで、4日のウィーン3会議で参加国が合意した停戦・移行プロセスに関して、「シリア政府の友人であれ、敵であれ、シリア国内の和平実現計画に期限を設けることは許されない」としたうえで、「これはシリア人のみに与えられている権利だ」と批判した。

ハイダル国務大臣はまた、「(ウィーン3会議で)検討が求められていた唯一の論点は、テロ、テロリスト、テロ組織、とそうでないものを定義することだ…。しかしこの問題は検討されなかった。ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線…そして多くの組織が、テロ組織のブラックリストに含まれねばならない。我々はテロ組織のリストにこうした組織が含まれることを強く主張している」と述べた。

そのうえで「変革の仕組み、変革の構造に立ち入ることは、シリア人だけの責任によるもので、他の誰かが日程を定めることは許されない。友人であろうが、敵であろうが、シリアの構造やしくみがいかに変革され、あるいはいかに変革するかについてについて発言してはならない。ウィーン会議、そしてそれ以外の国際会議は、シリア人どうしの対話を保証することだけを求められている。それ以外のことはシリア人の権利にかかわり、シリア人にとってのみの義務だ」と強調した。

AFP, November 15, 2015、AP, November 15, 2015、ARA News, November 15, 2015、Champress, November 15, 2015、al-Hayat, November 16, 2015、Iraqi News, November 15, 2015、Kull-na Shuraka’, November 15, 2015、al-Mada Press, November 15, 2015、Naharnet, November 15, 2015、NNA, November 15, 2015、Reuters, November 15, 2015、SANA, November 15, 2015、UPI, November 15, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で6回の爆撃を実施(2015年11月14日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月14日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回、ハサカ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、フール町近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 15, 2015をもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市が戦闘機(所属不明)の爆撃を受ける(2015年11月14日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市内各所を空爆した。

また、ARA News(11月14日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がタッル・アブヤド市に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクワイリス航空基地一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を砲撃し、ダーイシュと交戦した。

一方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにラスム・アッブード村、ICARDA周辺の農場地帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

シリア軍はまた、ダーイシュの拠点都市の一つバーブ市一帯で、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がハサカ県西部のアブドゥルアズィーズ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地の3カ村を制圧した。

またハサカ市東部郊外では、人民防衛隊主体のシリア民主軍がダーイシュとの戦闘を続けた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、サフム・ジャウラーン村一帯でアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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スワイダー県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がシャアフ丘東部、カスル村、アシュハイブ丘でダーイシュ(イスラーム国)に対して特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がビイル・カスブ地区で、ダーイシュ(イスラーム国)の車列を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がマヒーン町一帯に進軍し、ダーイシュ(イスラーム国)に対して攻撃を行い、同町西部で支配地域を拡大した。

シリア軍はまた、カルヤタイン市、フワーリーン村、マヒーン町南部のダーイシュ拠点を空爆するとともに、シャーイル・ガス採掘所一帯でも作戦を実施し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がハトラ村、マリーイーヤ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル、ラサーファ地区でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。

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シリア軍はダルアー県シャイフ・マスキーン市に進攻(2015年11月14日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がシャイフ・マスキーン市一帯に進攻し、ジハード主義武装集団と激しく交戦した。

シリア軍はこの進攻でシャイフ・マスキーン市の一部を制圧し、また同市各所を「樽爆弾」などで空爆・砲撃し続けているという。

一方、ジハード主義武装集団はダルアー市西方のヤードゥーダ村、カフルシャムス町南部のシリア軍拠点を攻撃した。

他方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン町一帯で反体制武装集団と交戦の末、同町北部各所と町内の住宅地区、畜産農場地区、水資源地区を制圧した。

シリア軍はまた、アトマーン村、ガズラーン農場、東ガーリヤ村、ダルアー市ダム街道一帯、マンシヤ地区、警察住宅南部でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がマルジュ・スルターン村一帯、ナシャービーヤ町でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ハラスター市農場地帯を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍の武器弾薬庫などを破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラターミナ町、ラハーヤー村を「樽爆弾」で空爆した。

またロシア軍と思われる戦闘機がムーリク市各所を空爆するなか、同地近郊およびスーラーン市一帯で、シリア軍、国防隊がジュンド・アクサー機構などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市南部のズィルバ村、ハーン・トゥーマーン村、ハルサ村、ザイターン村、タッル・ハディーヤ村、ブルカ村一帯に対して50回にわたる空爆を行った。

シリア軍もまたドゥワイル・ザイトゥーン村、ラトヤーン村、バヤーヌーン町、マーイル町などアレッポ市北部一帯を砲撃した。

このほか、戦闘機(所属不明)がフライターン市各所を空爆した。

さらに、ARA News(11月14日付)によると、シャーム戦線はバーシュカウィー村のシリア軍拠点に対して攻撃を加えた。

これに対し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、アレッポ市南部での戦闘に参加していたとされるヒズブッラーの戦闘員3人をアレッポ市北部で捕捉したと発表した。

一方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍はマンスーラ村、バルクーム村、カラースィー村、フワイズ村、シュワイフナ村、アレッポ市カルム・マイサル地区、スッカリー地区、サーフール地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、イランのアーラム・チャンネルはツイッターの公式アカウントを通じて、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官が、シリア軍によって制圧されたハーディル村を訪問し、イラク人の民兵組織「ヌジャバー運動」の戦闘員を前に演説する写真を公開した。

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ヒムス県では、SANA(11月14日付)によると、シリア郡がジャワーリク村、タルビーサ市、ティールマアッラ村、カフルナーン村などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ラトミーン町、ムーリク市、ラターミナ町でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆するとともに、またアブー・ズフール町一帯で特殊作戦を実施し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領はパリでの同時多発テロの犠牲者に弔意を示すとともに、フランス政府に「テロとの戦いに真剣に取り組み、国民のために行動せよ」と忠告(2015年11月14日)

アサド大統領は、シリアを訪問中のフランス議員・有識者・記者の使節団(ティエリー・マリアーニー議員が代表)とダマスカスで会談し、シリア情勢などへの欧米諸国の対応などについて意見を交わした。

SANA(11月13日付)によると、会談冒頭、アサド大統領は、13日にパリで発生した同時多発テロの犠牲者に対して弔意を示した。

そのうえで、「この事件はレバノンの首都ベイルート南部郊外で12日に発生した連続自爆テロや、シリアをはじめとする中東諸国で過去5年間にわたって続いている一連の出来事と分けることはできず、テロが世界のなかで一体的な拡がりをもって生じており、テロ組織は国境を認めていない」との見方を示した。

アサド大統領はまた、「欧米諸国、とりわけフランスが我々の地域において起きていることに対してとってきた誤った政策、そしてフランスの同盟国の一部によるテロリスト支援を黙認してきたことが、テロ拡大をもたらしてしまった…。テロ支援を兵站面、そして政治面で食い止めるための新たな政策の採用と実質的な措置の実施が重要となっており、それによってテロを根絶しなければならない」と強調した。

これに対して、フランス使節団は、「テロとの戦い」に向け、国際社会、そして中東地域全体が一丸となって努力する必要があると応えるとともに、「テロとの戦い」におけるシリア国民の苦難に同情の意を示した。

SANA, November 14, 2015
SANA, November 14, 2015

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フランス使節団との会談後、アサド大統領は記者団を前に、パリでの連続テロ事件の犠牲者の遺族に弔意を示したうえで、以下のように述べた(https://youtu.be/AS9paY8iGp8):

「昨日(13日)にフランスで起きた事件は、2日前にベイルートで起きた事件と不可分だ。なぜならテロそのものだからだ。我々はテロがどこで置きようと、それを注視せねばならない。シリア、イエメン、リビア、フランスのどこで置きようと、テロとは世界全体に拡がっているからだ」。

「我々は事件について何らの情報も持っていない。だが、問題は実行犯の名前や出身地とは関係ない。我々は3年前から欧州で事件が起きると警鐘を鳴らしてきた…。しかし西欧の高官らは我々が言うことに関心を示さず、我々は脅迫していると主張した。彼らはまた、今年初めのシャルリー・エブド事件からも何も学ばなかった。テロに反対しているという声明を出しても何の意味もない。彼らはテロと戦わねばならず、正しい政策を実施しなければならない」。

(フランスの治安当局がシリアの治安当局にテロとの戦いでの支援を求めてきたか、との問いに対して)「彼ら(フランス)は真剣に対処しさえすれば、我々には彼らとともにテロとの戦いを行う用意がある。我々は、テロとの戦いを真剣に行う者であれば誰とでも協力する用意がある。しかし、フランス政府は今のところ真剣だとは言えない」。

「(フランソワ・オランド大統領は)、自国民の利益のために行動すべきだ。すべてのフランス国民が今日彼に投げかけている質問とは次のようなものだ。過去5年間のフランスの政策はフランス国民に何か良い結果をもたらしたのか? 答えは「いいえ」だ。私が彼に何か頼むとしたら、それはフランス国民のために行動せよ、ということだ。彼がそれを望むのなら、政策を転換しなければならない」。

「(フランスとの)政治的協力関係が行われる前に、治安機関との協力について話すことはできない。フランス政府の政策がテロ支援という枠組みのなかで行われている限り、テロとの戦いに向けた治安機関との協力について話すことはできない」。

SANA, November 14, 2015
SANA, November 14, 2015

 

AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。

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米、ロシア、トルコ、サウジアラビア、イランなどの外相はウィーン3会議で、シリア紛争における停戦プロセスと移行プロセスに関して合意:アサド大統領の進退には触れず、18カ月を目処とする移行プロセスを支援、ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線を停戦プロセスから除外し、その根絶をめざす(2015年11月14日)

オーストリアの首都ウィーンで、シリア紛争解決に向けた米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イランなど「国際シリア支援グループ」(International Syria Support Group (ISSG))の3回目となる会合(ウィーン3会議)が開催され、シリア紛争における停戦プロセスと移行プロセスに関して合意に達した。

会合には、米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イラン、中国、エジプト、フランス、ドイツ、イラク、イタリア、ヨルダン、レバノン、オマーン、カタール、UAE、英国の外相、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表、EU外相、アラブ連盟代表が出席した。

会合後に発表された共同声明によると、会合では、冒頭、パリでの同時多発テロ(13日)、レバノンのベイルート南部郊外での連続自爆テロ(12日)、エジプト・シナイ半島でのロシア旅客機の墜落(10月31日)、トルコのアンカラでの同時爆破テロ(10月10日)の犠牲者に対して黙祷が捧げられるとともに、全参加国がもっとも強い調子でパリでのテロへの非難の意を表明した。

参加国はそのうえで、シリアの紛争解決に向け協議を行い、以下の点を合意した。

1. 2012年6月のジュネーブ合意に沿った停戦と政治プロセスの実現。
2. シリア政府と反体制派が国連の仲介のもとで移行プロセスが開始され次第、参加国はシリア国内での停戦に向けて支援、行動を行う。
3. 国連安保理常任理事国は、国連による停戦監視活動の実施とジュネーブ合意に基づく政治的移行プロセスの支援を定めた決議採択への支援を誓約する。
4. すべての参加国は、自らが支援、ないしは影響力を行使している当事者を停戦させるために可能な措置を講じることを誓約する。
5. 停戦は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そして参加国がテロリストとみなす組織への攻撃・自衛活動には適応されない。
6. 国連の仲介のもと、シリア政府と反体制派の代表による公式な交渉を、2016年1月1日を目処に開催する。
7. 参加国は、6ヶ月以内(2016年5月)を目処に、シリア国内での停戦と、「信頼できる包括的・非宗派主義的な政府を樹立し、新憲法制定の工程を確定」するためのシリア人による移行プロセス開始を実現するための支援を行う。そのうえで、新憲法の規定に従った自由で公正な選挙を18ヶ月以内(2017年5月)を目処に実施する。この選挙は国連の監視下で行われ、犯民を含むすべてのシリア人が参加しなければならない。
8. ヨルダンは、テロリストと認定される集団、個人に関する共通の理解を醸成するための支援を行う。
9. 参加国は、停戦や政治プロセス開始に向けた準備の進捗を確認するため、1ヶ月以内に会合を開く。

なお参加国はこのほかにも、国連安保理決議第2165号に沿ったかたちでシリア国内全土での人道支援の実施について審議するとともに、国連安保理決議第2199号が定めた石油などの違法取引摘発の重要性を確認した。

会合後に発表された共同声明は以下の通り:

Meeting in Vienna on November 14, 2015 as the International Syria Support Group (ISSG), the Arab League, China, Egypt, the EU, France, Germany, Iran, Iraq, Italy, Jordan, Lebanon, Oman, Qatar, Russia, Saudi Arabia, Turkey, United Arab Emirates, the United Kingdom, the United Nations, and the United States to discuss how to accelerate an end to the Syrian conflict. The participants began with a moment of silence for the victims of the heinous terrorist attacks of November 13 in Paris and the recent attacks in Beirut, Iraq, Ankara, and Egypt. The members unanimously condemned in the strongest terms these brutal attacks against innocent civilians and stood with the people of France.

Subsequently, the participants engaged in a constructive dialogue to build upon the progress made in the October 30 gathering. The members of the ISSG expressed a unanimous sense of urgency to end the suffering of the Syrian people, the physical destruction of Syria, the destabilization of the region, and the resulting increase in terrorists drawn to the fighting in Syria.

The ISSG acknowledged the close linkage between a ceasefire and a parallel political process pursuant to the 2012 Geneva Communique, and that both initiatives should move ahead expeditiously. They stated their commitment to ensure a Syrian-led and Syrian-owned political transition based on the Geneva Communique in its entirety. The group reached a common understanding on several key issues.

The group agreed to support and work to implement a nationwide ceasefire in Syria to come into effect as soon as the representatives of the Syrian government and the opposition have begun initial steps towards the transition under UN auspices on the basis of the Geneva Communique. The five Permanent Members of the UN Security Council pledged to support a UNSC resolution to empower a UN-endorsed ceasefire monitoring mission in those parts of the country where monitors would not come under threat of attacks from terrorists, and to support a political transition process in accordance with the Geneva Communique.
All members of the ISSG also pledged as individual countries and supporters of various belligerents to take all possible steps to require adherence to the ceasefire by these groups or individuals they support, supply or influence. The ceasefire would not apply to offensive or defensive actions against Da’esh or Nusra or any other group the ISSG agrees to deem terrorist

The participants welcomed UN Secretary General Ban’s statement that he has ordered the UN to accelerate planning for supporting the implementation of a nationwide ceasefire. The group agreed that the UN should lead the effort, in consultation with interested parties, to determine the requirements and modalities of a ceasefire.

The ISSG expressed willingness to take immediate steps to encourage confidence-building measures that would contribute to the viability of the political process and to pave the way for the nationwide ceasefire. In this context, and pursuant to clause 5 of the Vienna Communique, the ISSG discussed the need to take steps to ensure expeditious humanitarian access throughout the territory of Syria pursuant to UNSCR 2165 and called for the granting of the UN’s pending requests for humanitarian deliveries. The ISSG expressed concern for the plight of refugees and internally displaced persons and the imperative of building conditions for their safe return in accordance with the norms of international humanitarian law and taking into account the interests of host countries. The resolution of the refugee issue is important to the final settlement of the Syrian conflict. The ISSG also reaffirmed the devastating effects of the use of indiscriminate weapons on the civilian population and humanitarian access, as stated in UNSCR 2139. The ISSG agreed to press the parties to end immediately any use of such indiscriminate weapons.

The ISSG reaffirmed the importance of abiding by all relevant UN Security Council resolutions, including UNSCR 2199 on stopping the illegal trade in oil, antiquities and hostages, from which terrorists benefit.
Pursuant to the 2012 Geneva Communique, incorporated by reference in the Vienna statement of October 30, and in U.N. Security Council Resolution 2118, the ISSG agreed on the need to convene Syrian government and opposition representatives in formal negotiations under UN auspices, as soon as possible, with a target date of January 1. The group welcomed efforts, working with United Nations Special Envoy for Syria Staffan de Mistura and others, to bring together the broadest possible spectrum of the opposition, chosen by Syrians, who will decide their negotiating representatives and define their negotiating positions, so as to enable the political process to begin. All the parties to the political process should adhere to the guiding principles identified at the October 30 meeting, including a commitment to Syria’s unity, independence, territorial integrity, and non-sectarian character; to ensuring that State institutions remain intact; and to protecting the rights of all Syrians, regardless of ethnicity or religious denomination. ISSG members agreed that these principles are fundamental.

The ISSG members reaffirmed their support for the transition process contained in the 2012 Geneva Communique. In this respect they affirmed their support for a ceasefire as described above and for a Syrian-led process that will, within a target of six months, establish credible, inclusive and non-sectarian governance, and set a schedule and process for drafting a new constitution. Free and fair elections would be held pursuant to the new constitution within 18 months. These elections must be administered under UN supervision to the satisfaction of the governance and to the highest international standards of transparency and accountability, with all Syrians, including the diaspora, eligible to participate.

Regarding the fight against terrorism, and pursuant to clause 6 of the Vienna Communique, the ISSG reiterated that Da’esh, Nusra, and other terrorist groups, as designated by the UN Security Council, and further, as agreed by the participants and endorsed by the UN Security Council, must be defeated. The Hashemite Kingdom of Jordan agreed to help develop among intelligence and military community representatives a common understanding of groups and individuals for possible determination as terrorists, with a target of completion by the beginning of the political process under UN auspices.

The participants expect to meet in approximately one month in order to review progress towards implementation of a ceasefire and the beginning of the political process.

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なおウィーン3会議に先立って、フランスのフランソワ・オランド外務大臣は、13日夜のパリでの同時多発テロ事件を受けるかたちで「ウィーン会議の目的の一つは、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための国際的な協調関係をいかに強化するかを具体的に検討することにある」と述べ、同テロを実行したとされるダーイシュに対する「テロとの戦い」の必要を強調した。

また、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ウィーン3会議に先立って行われたジョン・ケリー米国務長官との会談後、「ダーイシュやシャームの民のヌスラ戦線を打ち負かすために我々がさらなる措置を講じないことは正当化し得ない」と述べた。

ケリー国務長官も、「我々がこれらの者たち(ダーイシュ)に言うことができるのは、彼らがやることによって、我々はみな、彼らとの戦いや制裁への決意を強めている、ということだ」と述べた。

さらに、欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、パリでの同時多発テロ事件によって「ウィーン3会議は別の意味を持つにいたった」と述べるとともに、ベイルートでの12日のテロ、シナイ半島でのロシア機墜落、アンカラでの爆破テロなどにより、「過去数週間で我々みなが痛み、恐怖、衝撃に苛まれている」と弔意を示した。

一方、イランのハサン・ロウハーニー大統領の西欧諸国歴訪に同行するとの理由で、ウィーン3会議への出席を見合わせていたモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、ロウハーニー大統領のフランス訪問の中止を受けるかたちで、ウィーン3会議に参加することを決定した。

また、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、13日に米国との間で、シリアでの紛争における「テロ組織」を認定するためのリスト案を交わしたことを明らかにした。

『ハヤート』(11月15日付)などが伝えた。

AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はシリア領内で7回の爆撃を実施(2015年11月13日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月13日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回、フール町近郊(4回)、ラッカ市近郊(2回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 14, 2015をもとに作成。

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ロシア軍戦闘機は過去2日間で107回出撃、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点など289カ所を破壊(2015年11月13日)

ロシア国防省は、ロシア軍が過去2日間(11、12日)で107回出撃し、アレッポ県、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ラタキア県、ハマー県、ヒムス県、ダルアー県、ダイル・ザウル県で、ダーイシュ(イスラーム国)など国際テロ組織の施設289カ所を破壊したと発表した。

この空爆で、司令拠点34カ所、武器弾薬庫16カ所、爆発物製造工場2カ所、教練キャンプ3カ所、拠点50カ所、壕184カ所を破壊した。

イドリブ県では、Su-34戦闘爆撃機がマアッラト・ヌウマーン市近郊でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を空爆した。

アレッポ県では、ロシア軍はラスム・アッブード村近郊でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を空爆した。

ダルアー県では、Su-34戦闘爆撃機がジャースィム市でダーイシュの武器弾薬庫を空爆した。

ダマスカス郊外県では、ロシア軍はムガール山近郊でダーイシュの武器弾薬庫などを空爆した。

ヒムス県では、Su-24M戦闘機がタニーヤト・ルジュマ回廊でダーイシュの拠点を空爆した。

ハマー県では、Su-34戦闘爆撃機が、ラターミナ町郊外でヌスラ戦線の武器弾薬庫などを破壊した。

ラタキア県では、ロシア軍は、カディーン村郊外でヌスラ戦線の司令拠点などを破壊した。

ダイル・ザウル県では、Su-34戦闘機が、マヤーディーン市近郊で、原油を積んだダーイシュのタンクローリー車列などを空爆した。

AFP, November 13, 2015、AP, November 13, 2015、ARA News, November 13, 2015、Champress, November 13, 2015、al-Hayat, November 14, 2015、Iraqi News, November 13, 2015、Kull-na Shuraka’, November 13, 2015、al-Mada Press, November 13, 2015、Naharnet, November 13, 2015、NNA, November 13, 2015、Reuters, November 13, 2015、SANA, November 13, 2015、UPI, November 13, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン移行期民政局を主導するシリアの民主統一党はイラク・クルディスタン民主党がイラク・スィンジャール地方解放を自らの成果にしようとしていると批判したうえで、ヤズィード教徒に自治政府の樹立を呼びかける(2015年11月13日)

西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党は声明を出し、イラクのスィンジャール地方がダーイシュ(イスラーム国)から解放されたと発表、同地から避難していたヤズィード教徒に対して帰宅と自治政府の樹立を呼びかけた。

また同じ声明で、民主統一党は、ダーイシュによるスィンジャール地方蹂躙が「突如として撤退し、自らの義務を行った…イラクのクルディスタン民主党のペシュメルガにある」と批判、また「スィンジャール地方を解放したのは、有志連合の航空支援を受けた西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)、女性防衛部隊(YPJ)、人民防衛隊(HPG)、スィンジャール抵抗部隊、スィンジャール女性防衛部隊、クルディスターン人民防衛隊、自由女性防衛部隊」だと主張した。

そのうえで、「イラク・クルディスタン民主党は、この勝利が自分たちのものであるかように振る舞おうとしている」と非難し、ヤズィード教徒住民に対して、「自らの町に戻り、自治政府を宣言」するよう呼びかけた。

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これに先立ち、イラク・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領は、イラクのニナワ県スィンジャール町郊外の山岳地帯を視察訪問し、同地で記者会見を開き、スィンジャール地方が解放されたと正式に発表した。

ARA News, November 14, 2015
ARA News, November 14, 2015

ARA News(11月13日付)などが伝えた。

AFP, November 13, 2015、AP, November 13, 2015、ARA News, November 13, 2015、Champress, November 13, 2015、al-Hayat, November 14, 2015、Iraqi News, November 13, 2015、Kull-na Shuraka’, November 13, 2015、al-Mada Press, November 13, 2015、Naharnet, November 13, 2015、NNA, November 13, 2015、Reuters, November 13, 2015、SANA, November 13, 2015、UPI, November 13, 2015などをもとに作成。

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