ファトフ軍所属の武装集団が、ヌスラ戦線にアル=カーイダへの忠誠撤回と離脱を求めて圧力(2015年8月29日)

クウェートの日刊紙『ラアユ』は、ジハード主義者消息筋の話として、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が、イドリブ県で攻勢を続けるファトフ軍所属の他の武装集団(そのほとんどはジハード主義武装集団)から、アル=カーイダの指導者であるアイマン・ザワーリヒー氏への忠誠を撤回するよう圧力を受けている、と伝えた。

同消息筋によると、ヌスラ戦線の諮問評議会は忠誠撤回とアル=カーイダからの離脱をめぐる問題を検討中だという。

また、近いサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏(ジハード布教者センター代表)が、ヌスラ戦線とファトフ軍の他の武装集団との連絡調整や仲介を行っており、同消息筋は「忠誠撤回の目的はファトフ軍の大衆基盤を拡大し、アル=カーイダに慎重な態度を示しているシリアの巷でファトフ軍を売り込むことにある」と述べている。

また「ジャウラーニー氏がザワーヒリー氏への忠誠を撤回すれば、ダーイシュ(イスラーム国)に対する戦闘員の戦列強化にもなるだろう」と付言している。

AFP, August 29, 2015、AP, August 29, 2015、ARA News, August 29, 2015、Champress, August 29, 2015、al-Hayat, August 30, 2015、Iraqi News, August 29, 2015、Kull-na Shuraka’, August 29, 2015、al-Mada Press, August 29, 2015、Naharnet, August 29, 2015、NNA, August 29, 2015、al-Ra’y, August 29, 2015、Reuters, August 29, 2015、SANA, August 29, 2015、UPI, August 29, 2015などをもとに作成。

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シリア人権監視団:ダーイシュ(イスラーム国)は11ヶ月で91人を斬首、3,156人をそれ以外の方法で処刑(2015年8月29日)

シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)が「カリフ制」を樹立した2014年6月29日から2015年8月29日までの14ヶ月間、シリア国内の支配地域で斬首刑に処した人数が91人に達していると発表した。

このうち民間人は18歳未満の女児2人を含む32人、ダーイシュ・メンバーが39人、ジハード主義武装集団戦闘員が11人、シリア軍兵士・国防隊隊員が9人。

処刑は、神の冒涜、外国勢力への内通、ヌサイリー派体制(シリア政府)への協力、「覚醒評議会」(反体制武装集団)への所属などだという。

またこの期間にシリア国内で、斬首以外の方法でダーイシュによって殺害された人数は3,156人に及ぶという。

内訳は、民間人が1,841人(うち子供が76人、女性が95人)、236人が反体制武装集団戦闘員、シリア軍兵士・国防隊隊員が897人だという。

AFP, August 29, 2015、AP, August 29, 2015、ARA News, August 29, 2015、Champress, August 29, 2015、al-Hayat, August 30, 2015、Iraqi News, August 29, 2015、Kull-na Shuraka’, August 29, 2015、al-Mada Press, August 29, 2015、Naharnet, August 29, 2015、NNA, August 29, 2015、Reuters, August 29, 2015、SANA, August 29, 2015、UPI, August 29, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がイドリブ県のシリア軍の牙城アブー・ズフール軍事基地の正面玄関を完全制圧(2015年8月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺で、シリア軍、国防隊とシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団との交戦が続き、シリア軍が同地一帯に対して空爆を行った。

ARA News(8月28日付)によると、この攻勢によりヌスラ戦線は、アブー・ズフール航空基地正面玄関を完全制圧した。

シリア人権監視団によると、26日に激化したアブー・ズフール航空基地をめぐる攻防戦で、シリア軍兵士16人、反体制武装集団戦闘員28人(うち1人はヌスラ戦線司令官)が死亡しているという。

一方、シリア軍は、ビダーマー町、バーラ村、カンスフラ村を「樽爆弾」などでも空爆を続けた。

またサラーキブ市では巨大な爆発が発生、原因に関しては「爆弾を積んだ車が爆発した」、「武器庫が爆発した」といった情報が錯綜している。

他方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール航空基地周辺を空爆、また地上部隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、ハシール村一帯、マジャース村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、アバティーター村、バシーリーヤ村、ハミーディーヤ村などを空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフワイズ村を激しく空爆した。

一方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍が国防隊などとともに、ヒルバト・ナークース村、タッル・ワースィト村のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などファトフ軍の拠点に対して特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、マンスーラ村、カストゥーン村、マシーク村、カルクール村、新ザイズーン村、ジャズラム丘、サルマーニーヤ村、タンジャラ村、カーヒラ村、アンカーウィー村で、反体制武装集団と交戦し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市一帯、キースィーン村一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦、シリア軍が同地を砲撃した。

一方、SANA(8月28日付)によると、ラスタン市、ガントゥー市、キースィーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市ラーシディーン地区を地対地ミサイルと思われる砲弾5発で攻撃、同地区の科学研究センター一帯で、国防隊、人民諸委員会などとともに、山地の鷹旅団、ヌールッディーン・ザンキー運動、イスラーム自由運動と交戦した。

シリア軍、国防隊はまた、アレッポ市サイフ・ダウラ地区一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月28日付)によると、バーシュカウィー村、ハンダラート・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ドゥーリーン村でシリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、またシリア軍がクルド山やトルクメン山(ラビーア町一帯)を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市での一時停戦が継続される一方、バラダー渓谷のバスィーマ町一帯に対してシリア軍が攻撃を強め、シリア軍が撃った迫撃砲弾2発が町に着弾した。

シリア軍はまた、ダーライヤー市に「樽爆弾」30発を投下する一方、ドゥーマー市を3回にわたり空爆、マディーラー市、アイン・タルマー村、タイバ村一帯に対しても砲撃を加えた。

これに対して反体制武装集団はダマスカス・ヒムス街道で燃料を輸送するトレーラーを襲撃した。

一方、SANA(8月28日付)によると、ザーキヤ町・タイバ村間で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がアブー・ルンマーナ地区、ウマウィーイーン広場、サーリヒーヤ区、ティジャーラ地区に着弾した。

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ダルアー県では、SANA(8月28日付)によると、ダーイル町、ズィムリーン村をシリア軍が空爆し、複数のシャームの民のヌスラ戦線を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ムザイリーブ町、タファス市、ダーイル町、ハーッラ丘で、反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月28日付)によると、ハミーディーヤ村、ウーワーニヤー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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シリア北部の「安全保障地帯」でダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団の攻防続く(2015年8月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の戦闘が続き、ダーイシュは、マーリア市に近いカフラ村で、爆弾を爆破、またマーリア市一帯では、ダーイシュと反体制武装集団が交戦を続け、双方に数十人の死者が出た。

ARA News(8月28日付)によると、有志連合がマーリア市近郊のマスカナ市のダーイシュ拠点を空爆し、戦闘員10人が死亡、多数が負傷したという。

マスカナ市はダーイシュの支配下にある。

また、ARA News(8月28日付)は、シャーム戦線が、カフル村近郊でダーイシュの車輌を爆破し、アブドゥッラー・アブドゥッラヒーム・バクリー・ハミードゥーというシリア国籍のダーイシュ司令官を殺害したと発表している、と伝えた。

「安全地帯」に対する最近のダーイシュの攻勢に関して、ヌールッディーン・ザンキー運動のアブー・バシーラ・マアーッラ司令官は、クッルナー・シュラカー(8月28日付)に対し、ダーイシュによりマーリア市郊外のタラーリーン村、ハルジャラ村、ウンム・フーシュ村が制圧されたことを認める一方、マーリア市一帯からの撤退を否定、ダーイシュが「安全地帯」設置を阻止するべく攻勢をかけていると主張した。

一方、シャーム自由人イスラーム運動はツイッターを通じて声明を出し、マーリア市近郊のサンダフ村でほかの反体制武装集団とともにダーイシュ(イスラーム国)の「浄化」を完了したと発表した。

他方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍が航空士官学校一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル・トゥズバフ・ビ・サムト(8月28日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州(ダイル・ザウル県一帯のこと)の福祉局が、支配地域内の商店主に対して店舗の賃貸料を米ドルで支払うよう命じる通達を出したと報じた。

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ヒムス県では、SANA(8月28日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市およびその周辺、タドムル市および同市西部の三角地帯、ジャズル・ガス採掘所東部一帯、ワーディー・ザカーラ一に対して集中攻撃を加え、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、Dayr al-Zawr Tudhbah bi-Samt, August 29, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市でダーイシュ(イスラーム国)が放棄した防毒マスクが発見される(2015年8月28日)

ハサカ県では、SANA(8月28日付)によると、人民防衛集団(国防隊、バアス大隊などの総称)が、ハサカ市グワイラーン地区を占拠中のダーイシュ(イスラーム国)が掘削したと思われる近トンネルから、複数の防毒マスクを発見、押収した。

SANA, August 28, 2015
SANA, August 28, 2015


AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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オブライエン国連事務次長「シリア政府から人道支援活動を行う国連職員47人への入国査証発給を認めるとの連絡を受けた」(2015年8月28日)

ステファン・オブライエン国連人道問題担当事務次長は、シリア政府から人道支援活動を行う国連職員47人への入国査証発給を認めるとの連絡を受けたことを明らかにした。

入国査証発給は、オブライエン事務次長が8月半ばにシリアを訪問した際にシリア政府に対して要請していたもの。

AFP(8月28日付)が伝えた。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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潘国連事務総長がシリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構組織案を安保理に提示(2015年8月28日)

国連の潘基文事務総長は、シリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構を創設することを定めた決議第2235号採択を受け、同機構の組織案を具体的に記した書簡を安保理に提出した。

この書簡において、潘事務総長は、①合同査察機構を無所属の調査官3人が統括すること、②政務局(本部ニューヨーク)、調査局(本部ラハイ)、ロジ支援局(本部ニューヨーク)の三つの部署を設け、3人の調査官の活動を支援すること、などが提案されている、という。

複数の外交筋によると、安保理が近日中に、この書簡で示されている案を審議するという。

『ハヤート』(8月29日付)が伝えた。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ラトニー米国務省シリア問題担当特使がロシアを訪問する一方、国務省はアサド大統領の退陣の必要を強調(2015年8月28日)

『ハヤート』(8月29日付)によると、マイケル・ラトニー米国務省シリア問題担当特使がロシアを訪問、モスクワでミハイル・ボクダノフ外務副大臣と会談した。

ロシア外務省報道官によると、会談ではシリア問題が集中的に議論されたという。

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一方、米国務省は声明を出し、シリア情勢に関して、「アサド政権の存続は地域の過激化と緊張を高めるだけ」としたうえで、「暴力を抑止するため、アサドを排除するかたちで、対話に基づく真の政治的移行を実現するために関与を続ける」との意思を表明した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)幹部の妻が「ヌスラ戦線戦闘員の妻を姦婦とみなす」とするファトワーを発出(2015年8月28日)

ヨルダン日刊紙『ガド』(8月28日付)は、ヨルダンのサラフィー主義潮流の複数の消息筋の七誌として、ダーイシュ(イスラーム国)のシャリーア法務責任者であるトゥルキー・ブン・アリー氏の妻が、「シャームの民のヌスラ戦線の「ムジャーヒディーンの妻たち」が夫たちと離縁しない場合、彼女らを「姦婦」とみなす」とするファトワーを発したと伝えた。

このファトハーの発出は、ダーイシュを離反し、ヨルダン国内に戻り、当局に投降したヨルダン人戦闘員の1人が明らかにしたのだという。

トゥルキー・ブン・アリー(トゥルキー・ブン・ムバーラク・ブン・アブドゥッラー・アフマド・ムバーラク・アール・アリー)氏はバーレーン人で、ヨルダンのサラフィー主義潮流のイデオローグであるアブー・ムハンマド・マクディスィー氏に師事していたとされる。

「アブー・スフヤーン・スィルミー」、「ハマーム・ブン・バクル・アサリー」、「アブー・フザイファ・バハライニー」などの名でも知られている。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Ghad, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県・イドリブ県の県境でアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線と西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊が交戦(2015年8月28日)

アレッポ県では、ARA News(8月28日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線が、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の支配下にあるジンディールス町に近いダイル・バッルート村、ディーユー村を砲撃し、住民多数が負傷した。

これに対して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は反撃を行い、イドリブ県アティマ村近郊のヌスラ戦線拠点複数カ所を攻撃したという。

ヌスラ戦線に近い複数の報道筋によると、この砲撃によりアティマ村の小児病院に迫撃砲弾が着弾したという。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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シリア軍とファトフ軍がイドリブ県・ハマー県・ラタキア県境一帯で攻防を続ける(2015年8月27日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原のヒルバト・ナークース村一帯で、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルキスターン・イスラーム党などと交戦、またシリア軍はズィヤーラ町、タッル・ワースィト村、マンスーラ村、ヒルバト・ナークース村、アンカーウィー村、ザジュラム丘、カーヒラ村、マシーク村一帯を20回にわたり空爆した。

これに対して、ヌスラ戦線側は、ハークーラ村などシリア政府支配下の村に対して砲撃を行った。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍が、サルマーニーヤ村、カストゥーン村、ザイズーン村、タンジャラ村、カーヒラ村、ザイズーン発電所一帯、マンスーラ村、アンカーウィー村、クライドゥーン村、ザジュラム丘を空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフバイト村、ジューズィフ村を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がハミーディーヤ村、ハシール村、ウンム・ジャリーン村、マジャース村、トゥルア村、カルア・ガザール村、アブー・ズフール町、カンスフラ村、ジャドラーヤー村、ムハムバル村、サフン村、フライカ村、砂糖工場(ジスル・シュグール市郊外)で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥワイル・アクラード村(ハマー県)に面する県境一帯、ナビー・ユーヌス峰一帯を空爆し、国防隊とともにジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍が国防隊など非正規部隊とともに県北部のジュッブ・アフマル村制圧に向けて、同村に近いルワイサト・ジャウラト・タンブール丘一帯で反体制武装集団と交戦、戦闘員らを殲滅し、同地を制圧した。

シリア軍はまた、サルマー町、バルザ村、アラーフィート村、トゥウーマ村、アブー・リーシャ村などで反体制武装集団と交戦する一方、ドゥワイル・アクラード村(ハマー県)に接する県境一帯を空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がバスラー・シャーム市西部地区に対して正確に空爆を行い、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・イブラーヒーム地区、ジュッバ地区、バーブ・トゥーマー区、ウマウィーイーン広場、アッシュ・ウルール地区(バルザ区)に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、住民8人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハラスター市一帯を2度にわたり空爆、また車輌局一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月27日付)によると、ドゥーマー市、シャイフーニーヤ村近郊、タッル・クルディー町、ザマルカー町、サクバー市・ジスリーン町間で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハラーリーヤ村、ウンム・シャルシューフ村一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、またシリア軍はフーシュ・ハッジュー村、キースィーン村を砲撃した。

一方、SANA(8月27日付)によると、キースィーン村、イッズッディーン町、クナイトラート村、南マシュジャル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦、ジハード主義武装集団側が同地区、ハーリディーヤ地区などシリア政府支配地域に対して砲撃を行った。

またサーフール地区では、反体制武装集団が掘削した地下トンネルをシリア軍が爆破したと思われる大きな爆音が聞こえた。

一方、アレッポ市郊外のラトヤーン村には、シリア軍が撃ったと思われる地対地ミサイル2発が着弾した。

他方、SANA(8月27日付)によると、アレッポ市サイイド・アリー地区で、シリア軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、戦闘員46人を殲滅、装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市ラーシディーン地区、バーブ・ハディード地区、カースティールー地区、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・バーシャー地区、ブスターン・カスル地区、スライマーン・ハラビー地区、タッル・ムサイビーン村、バヤーヌーン町、ハイヤーン町、フライターン市、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村一帯、ラトヤーン村、ハーン・アサル村で反体制武装集団と交戦し、シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スワイダー市内で爆発が発生した。

爆発の原因は不明だが、前日のヒムス市での爆発と同様、燃料トレーラーの爆発、迫撃砲弾着弾といった情報が錯綜しているという。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)は「安全保障地帯」における反体制派の拠点マーリア市をほぼ完全包囲か(2015年8月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市周辺地域およびハルジャラ村、ダルハ村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義者を含む反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が交戦した。

『ハヤート』(8月28日付)などによると、戦闘は、ダーイシュがマーリア市周辺各所で爆弾を爆発させたことをきっかけに激化し、戦闘ではダーイシュ戦闘員12人、反体制武装集団戦闘員40人が死亡、また多くの住民がマーリア市西方に避難した。

これに関して、反体制武装集団側は、戦闘の末に、反体制武装集団はハルジャラ村、ダルハ村を制圧したと発表した。

しかし、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州は、ダフラ村、ハルジャラ村、ハルバル村、サンダフ村を制圧したと発表した。

ロイター通信(8月27日付)、ARA News(8月26日付)は、ダーイシュが同地の3カ村を制圧し、反体制武装集団の拠点であるマーリア市をほぼ完全に包囲したと発表したと伝えた。

また、複数の活動家は、国境なき医師団の25日の声明を受けるかたちで、ダーイシュがこの戦闘で有毒ガスを使用したと主張、また戦闘では有志連合と思われる戦闘機がダーイシュの拠点に対して空爆を行ったことを明らかにした。

マーリア市、ハルジャラ村、ダルハ村はいずれも、米トルコ政府が設置合意したとされる「安全地帯」内に位置し、このうちハルジャラ村、ダルハ村は、シャームの民のヌスラ戦線からスルターン・ムラード旅団などに移譲された直後に、ダーイシュによって制圧されていた。

他方、SANA(8月27日付)によると、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

ARA News, August 27, 2015
ARA News, August 27, 2015

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ハミース市近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点複数カ所に対して砲撃を行う一方、ハサカ市南西部郊外で両者が交戦した。

またARA News(8月27日付)によると、有志連合が、人民防衛隊を援護するため、シャッダーディー市近郊、フール町近郊などのダーイシュ拠点を空爆した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がラッカ市郊外でダーイシュ(イスラーム国)の車輌に対して空爆を行い、戦闘員2人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市郊外を空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がワーディー・マースィク、シューマリーヤ山東部一帯を空爆する一方、ジャズル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回におよび、ハサカ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、August 28, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)、フーア市(イドリブ県)などで2度目の停戦が発効、ザバダーニー市からのシャーム自由人イスラーム運動の「安全な退去」とフーア市などからの住民の避難が争点に(2015年8月27日)

『ハヤート』(8月28日付)などは、ダマスカス郊外県ザバダーニー市とイドリブ県フーア市、カファルヤー町で戦闘を続けるシリア軍、ヒズブッラー戦闘員とシャーム自由人イスラーム運動など反体制武装集団が、48時間の一時停戦に合意した。

停戦合意は8月12日の合意に次いで2度目で、8月12日に発効した1度目の停戦は、反体制武装集団側の負傷者らのザバダーニー市からの搬送、フーア市、カファルヤー町住民の避難などをめぐって決裂していた。

シリア人権監視団によると、一時停戦の期間は、8月28日午前5時から30日午前5時までの48時間で、戦闘停止地域からは、ザバダーニー市に隣接するマダーヤー町は除外されており、同市では、シリア軍ヘリコプターによる攻撃で、女性1人、子供3人を含む5人が死亡したが、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町では今のところ目立った戦闘は起きていないという。

また2度目となる停戦交渉期間中、ザバダーニー市およびマダーヤー町からの反体制武装集団の「安全な退去」、フーア市とカファルヤー町からの住民約1,000人の避難、4市町への人道支援物資の搬入と負傷者の搬送についての協議が行われるという。

これに関して、停戦交渉を仲介を行っているという野党の団結党(シリア・アラブ団結党)のムハンマド・アブー・カースィム書記長は、AFP(8月27日付)に対し、停戦合意の「第1の項目は三つの地域(ザバダーニー市、マダーヤー町、フーア市・カファルヤー町)での発砲停止でありこれは達成された。現在、それ以外の項目について協議が続けられており、そのなかでもっとも重要な問題は、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員のザバダーニー市からの退去」であると述べた。

またカースィム書記長は、「交渉はトルコでイランの使節団とシャーム自由人イスラーム運動の使節団が直接行っており、団結党代表も同席している」と付言した。

一方、ロイター通信(8月27日付)は、シリア政府に近い消息筋の話として、負傷者の搬送が28日に開始されるが、ザバダーニー市からの戦闘員の退去、フーア市、カファルヤー町からの民間人避難などについてはまだ協議されていないと伝えた。

なお『ハヤート』(8月28日付)によると、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町での攻防に参加している反体制武装集団メンバーのほとんどはシャーム自由人イスラーム運動だという。

ARA News, August 27, 2015
ARA News, August 27, 2015

 

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビアが「飛行禁止空域」設置を求めるシリア国民連合の書簡を国連安保理に提出、シリア国連代表は安保理会合で、サウジアラビア、トルコ、カタールが支援するアル=カーイダ系組織が無差別砲撃を行っていると非難(2015年8月27日)

国連安保理(米ニューヨーク)で、安保理決議第2193号、第2165号、第2191号の実施状況を報告するための定例会合が開催された。

SANA(8月27日付)によると、会合では、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が、「シリア政府は国連と協力し、すべての被災者に対する人道支援を継続する用意がある」と表明する一方、「シリアの悲惨な人道状況は、外国の政治的、軍事的、経済的な干渉を背景と切り離して対処することはできない」と強調した。

そのうえで、西側において「穏健な反体制派」という呼称によって、アル=カーイダに忠誠を誓っている組織の活動が是認されていると批判するとともに、サウジアラビアが支援するイスラーム軍やトルコ、カタールとつながりがあるファトフ軍がダマスカス県、アレッポ市、イドリブ県各地に無差別砲撃を行っていると糾弾した。

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一方、『ハヤート』(8月28日付)は、サウジアラビアが国連安保理に対して、シリア領内に「飛行禁止空域」の設置を求めるシリア革命反体制勢力国民連立の書簡を提出した。

シリア革命反体制勢力国民連立の書簡では、国連安保理決議第2139号、第2165号、第2191号に基づき、シリア国内で人道支援を必要としているすべての人への緊急支援を行えるよう「飛行禁止空域」の設定が求められている。

またこの書簡において、シリア革命反体制勢力国民連立は、シリア領内で1429回にわたり有毒ガスが使用され、14万人が犠牲になったと指摘、国際刑事裁判所への提訴を改めて安保理に要請、この提訴が不可能な場合は、特別法廷を設置すべきだと主唱した。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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シリアでの米軍無人戦闘機の爆撃で、「カリフ電子軍」リーダーと目されてきた英国人死亡(2015年8月26日)

ロイター通信(8月26日付)は、シリア情勢に精通した米消息筋の話として、米軍の無人戦闘機がシリア領内のラッカ市近郊で25日行われた空爆により、欧米諸国高官からダーイシュ(イスラーム国)における「top cyber expert」と目されていた英国人ジュナイド・フサイン(ジュネイド・フセイン)氏が死亡したと伝えた。

フサイン氏は元英国バーミンガム在住の英国人で、2013年にシリアに潜入で、米国防総省のサイト(2015年1月)やシリア人権監視団のサイト(7月)へのサイバー攻撃を行ったダーイシュ支持者からなる「カリフ電子軍」のリーダーだと目されてきた。

ただし、フサイン氏自身がこうしたサイバー攻撃に直接関与していたかどうかは定かではないという。

Kull-na Shuraka', August 27, 2015
Kull-na Shuraka’, August 27, 2015

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なお、米国防総省は29日、フサイン氏の死亡を確認した、と発表した。

AFP, August 27, 2015、August 29, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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ハマー県北部ガーブ平原でファトフ軍が再び優勢、アレッポ県バーシュカウィー村ではシャーム戦線の内部対立に乗じてシリア軍が反転攻勢(2015年8月26日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原一帯、ドゥワイル・アクラード村(クルド山)で、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルキスターン・イスラーム党などジハード主義武装集団とシリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が交戦、ヌスラ戦線側が、タッル・ワースィト村、ズィヤーラ町を再び制圧した。

シリア軍はこれに対して、戦闘機で同地一帯への空爆を強化したが、戦闘により兵士14人が死亡した。

一方、SANA(8月26日付)によると、シリア軍がガーブ平原のマシーク村、カストゥーン村、アンカーウィー村、タッル・ワースィト村、マンスーラ村、ジャズラム丘、ズィヤーラ町、ハークーラ村のファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまたラターミナ町一帯で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地に対するシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の攻勢も続き、シリア軍兵士複数が死亡した。

マサール・プレス(8月26日付)によると、ヌスラ戦線らは、アブー・ズフール航空基地正面玄関を制圧し、同飛行場内に迫っているという。

対するシリア軍は、ジスル・シュグール市南部のカルクール村と周辺の丘陵地帯への攻撃を強めたが、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などファトフ軍がこれを撃退したという。

またシリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市で地雷に触れた男性1人が死亡した。

一方、SANA(8月26日付)によると、シリア軍がタッル・サラムー村、ブワイティー村、アブー・ズフール航空基地一帯、アブー・ズフール町、イフスィム町、ムウタリム村、カルクール村、ズィヤーディーヤ村、マアッラト・シャマーリーン村を空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がワーディー・バースール村一帯を空爆した。

同監視団によると、イドリブ県との県境で激化したシリア軍と反体制武装集団との戦闘で、シリア軍兵士・国防隊隊員少なくとも26人が死亡しているという。

一方、SANA(8月26日付)によると、シリア軍がマッルーハ峰、カトフ・ハリーク村、ジュッブ・アフマル村、サマクーファ村、マルカシュリーヤ村などにあるシャームの民のヌスラ戦線拠点を集中的に空爆し、戦闘員70人以上を殺害、40人以上を負傷させた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市インシャーアート地区の燃料給油所地区で爆発が発生し、少なくとも4人が死亡、約40人が負傷した。

爆発の原因については、「トレーラーが爆発した」、「迫撃砲弾が着弾した」といった情報が錯綜している。

一方、SANA(8月26日付)によると、ウンム・シャルシューフ村をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ラスタン・ダムに進攻しようとしたシャームの民のヌスラ戦線を撃退したほか、フーシュ・ザバーディー村のヌスラ戦線拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、シリア軍はカルマス村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザバダーニー市内各所を「樽爆弾」などで空爆した。

シリア軍はまた、マダーヤー町、ザマルカー町各所、アルバイン市を空爆し、男性2人が死亡した。

こうしたなか、ザバダーニー市で戦闘を続ける反体制武装集団のハムザ・ブン・アブドゥルムトリブ大隊のアブー・アドナーン・ザイトゥーン司令官は声明を出し、同市およびイドリブ県フーア市、カファルヤー町をめぐるイランとシャーム自由人イスラーム運動の「停戦交渉は進行中で、近々決着するだろう」と発表した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バグダード通りに反体制武装集団が撃ったと思われる迫撃砲弾1発が着弾した。

またルクン・ディーン区では、治安当局が男性2人を拘束、連行した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市カルム・タッラーブ地区(ナイラブ航空基地近郊)で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、ジハード主義武装集団と交戦した。

またアレッポ市ハーリディーヤ地区、サラーフッディーン地区では、シリア軍、国防隊がアレッポ・ファトフ作戦司令室と交戦した。

さらに、アレッポ市科学研究センター一帯、ライラムーン地区、ザフラー協会地区裁判所一帯などで、山地の鷹旅団、ヌールッディーン・ザンキー運動、イスラーム自由旅団がシリア軍、人民諸委員会、ヒズブッラー戦闘員と交戦し、ザフラー協会地区大使徒モスク一帯でも、アンサール・シャリーア作戦司令室、アレッポ・ファトフ作戦司令室がシリア軍、国防隊と交戦した。

このほか、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村、サイファート村、ドゥワイル・ザイトゥーン村では、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などからなるジハード主義武装集団がシリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員と交戦した。

なおバーシュカウィー村一帯での戦闘に関して、ARA News(8月26日付)は、シリア軍が反体制武装集団との数時間におよぶ戦闘の末に、バーシュカウィー村の複数カ所を奪還したと伝えた。

この奪還に関して、イマード・ハラビーを名乗る人物(身元を明かさず)は、ARA Newsに対して、「シリア軍は、シャーム戦線の司令官たちが、機関砲23門、迫撃砲57基、戦車3輌などの捕獲した武器弾薬の分配をめぐって対立していたのに乗じて」、バーシュカウィー村で反撃に転じたと証言した。

一方、SANA(8月26日付)によると、タッル・ムサイビーン村、アルド・マッラーフ地区農場地帯で、シリア軍がシャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ハーン・アサル村を集中的に攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がイブタア町、東ガーリヤ村、東カラク村を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(8月26日付)によると、シャイフ・フサイン丘、東カラク村、ウンム・ワラド村、ヒルバト・ガザーラ町南部、ダルアー市電力会社北東部一帯、カラク地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月26日付)によると、ビイル・アジャム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Masar Press Agency. August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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ダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域の包囲解除をめぐって、シリア政府とダーイシュ(イスラーム国)が交渉か?(2015年8月26日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(8月26日付)が、複数の消息筋の話として、ダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域(ジャウラ地区、クスール地区)に対してダーイシュ(イスラーム国)が行っている包囲の解除に向けた交渉がシリア政府とダーイシュの間で行われていると伝えた。

それによると、ダーイシュによる包囲を解除し、食糧品の搬入を認める「見返り」として、ダーイシュはCONOCOガス工場の設備の取得を求めているという。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合に所属すると思われる戦闘機がラッカ市の西部周辺一帯を空爆した。

なお同監視団によると、有志連合に所属すると思われる戦闘機は25日にもラッカ県アブー・ハイフ・ガソリン・スタンド一帯を空爆している。

空爆はダーイシュの地元司令官を狙ったものだという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市一帯をシリア軍が空爆、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(8月26日付)によると、ウンム・ジャーミア村、マクサル・ヒサーン村、ラジャム・カスル村、ラジャム・アーリー村、ヒンダーウィー村一帯、ウンク・ハワー村で、シリア軍が住民とともにダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ジャズル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市、タドムル市一帯、タフハ村、ムシャイリファ村、ワーディー・アブヤド・ダム一帯、ワーディー・ザカーラ一帯のダーイシュ拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、マサール・プレス(8月26日付)によると、タッル・ハミース市一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、有志連合戦闘機が前者を支援するため空爆を行った。

しかし、有志連合は、タッル・ブラーク町郊外の人民防衛隊拠点複数カ所を誤爆、隊員およい施設に被害が出たという。

一方、マサール・プレス(8月26日付)は、ダーイシュが、シャッダーディー市東部のダシーシャ村で、有志連合に所属すると思われる集団が、通信機器を携帯し、ダーイシュの拠点の位置を報告していることを発見したと伝えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市に近いブカイン市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団とシリア軍が交戦し、シリア軍兵士複数が死亡した。

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スワイダー県では、SANA(8月26日付)によると、アーバール・ラシーダ集合住宅地区、ブサイナ丘で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月26日付)によると、シリア軍はバーブ市内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信は、ダーイシュが包囲を続けるクワイリス航空基地近くで、シリア軍戦闘機1機を撃墜したと発表した。

撃墜方法については明らかにしなかった。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)ユーフラテス州(ブーカマール市およびイラクのカーイム市一帯)のヒスバ(宗教警察)は、男性が「恥部が明らかになるようなタイトな洋服」(ズボンなど)を着用することを禁止、商店主に対して20日以内に街頭する衣服の販売を停止するよう通達した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(3回)、アイン・アラブ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

 

AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、Deirezzor24, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Masar Press Agency. August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」ガーブの鷹の司令官がトルコのアンタキア市で爆殺(2015年8月26日)

アナトリア通信(8月26日付)などによると、トルコのハタイ県アンタキア市で、ガーブの鷹連合のジャミール・ラアドゥーン司令官が、自宅前に駐車していた車に仕掛けられた爆弾の爆発により重傷を負い、搬送先の病院で死亡した。

ラアドゥーン司令官は2012年初めに離反したシリア軍の元中佐で、ガーブの鷹連合の司令官としてジスル・シュグール市、アリーハー市、アレッポ県などでの戦闘に参加した経歴を持っていた。

「自由シリア軍報道官」「自由シリア軍司令部付顧問」を名乗るウサーマ・アブー・ザイド氏はロイター通信(8月26日付)の取材に対し、ガーブの鷹連合がアレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)、シリア政府との戦闘に参加しており、欧米諸国から「穏健な反体制派」として分類されているとしたうえで、トルコ領内での米国による軍事教練は受けていなかったと述べた。

ARA News(8月26日付)によると、ラアドゥーン元司令官の暗殺は、シリアの反体制武装集団間の対立によるものとの見方が強い。

ラアドゥーン司令官は2015年4月にも同様の暗殺未遂に遭っていた。

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なお、クッルナー・シュラカー(8月27日付)によると、ガーブの鷹連合はラアドゥーン氏の後任として、アブドゥルカリーム・サイード氏(アブー・サイード)を新司令官に任命した。

Kull-na Shuraka', August 26, 2015
Kull-na Shuraka’, August 26, 2015
Kull-na Shuraka', August 26, 2015
Kull-na Shuraka’, August 26, 2015

AFP, August 26, 2015、Anadolu Ajansı, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、August 27, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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YPGと共闘してきたラッカ革命家旅団(自由シリア軍)がタッル・アブヤド市の西クルディスタン移行期民政局コバネへの編入を拒否(2015年8月26日)

ラッカ革命家旅団は声明を出し、ラッカ県タッル・アブヤド市の西クルディスタン移行期民政局コバネへの編入を拒否すると発表した。

声明において、ラッカ革命家旅団は「タッル・アブヤド(中央)区は、行政上ラッカ県に帰属し続け、我々はラッカ県の行政区画の修正も、県内のいかなる地区の帰属変更も受け入れない」と主張した。

また「タッル・アブヤド区の行政上の帰属に関する提案を議論することは、地元評議会などいかなる評議会、委員会の専権事項ではなく、変更は法律、そして法律を制定する立法委員会(の決定)を必要とする。我々は、例外的な状況下においても、境界線や区の帰属を変更する決定を下すことはできない」と強調した。

ラッカ革命家旅団は、いわゆる「自由シリア軍」に分類される組織で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山作戦司令室に参加し、アイン・アラブ市、タッル・アブヤド市などでのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘に参加していた。

Kull-na Shuraka', August 26, 2015
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AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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国連の調査チームがシリア軍の包囲するヒムス市ワアル地区に初めて入る(2015年8月25日)

クッルナー・シュラカー(8月26日付)によると、国連の調査チームが、シリア軍による包囲が続くヒムス市ワアル地区内に初めて入り、地区内の状況を調査した。

ムハンマド・ヒムスィーを名乗る同地の活動家によると、調査チームは、ワアル地区ないの野戦病院、教会などで医療状況の実態などについての調査を行ったという。

Kull-na Shuraka', August 26, 2015
Kull-na Shuraka’, August 26, 2015

 

AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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国境なき医師団:ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続けるアレッポ北部の「安全保障地帯」で化学兵器使用の可能性を指摘(2015年8月25日)

国境なき医師団は声明を出し、アレッポ県北部での戦闘でのダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続ける地域で、攻撃に巻き込まれ負傷した患者4人が、化学兵器を使用した際に表れる症状を発症していたと発表した。

治療にあたった国境なき医師団のスタッフによると、症状が見られたのは、成人男女各1人、3歳の女児、生後5日の女の子で4人は家族だという。

彼らは、攻撃を受けた1時間後に、病院に搬送されたが、その際、呼吸困難、皮膚の炎症、目の充血、結膜炎を発症しており、その後、皮膚の炎症と呼吸困難の症状が悪化した。

この一家4人は、アレッポ県アアザーズ市郊外のマーリア市出身で、同地では、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」内に位置しており、シャームの民のヌスラ戦線の撤退以降、ダーイシュが攻勢を激化させ、反体制武装集団との戦闘が続いていた。

患者(両親)によると、迫撃砲が8月21日朝7時半頃に自宅に着弾し、爆発後に黄色いガスが部屋に充満したという。

近所の住民が4人を救出したが、症状が悪化したために、国境なき医師団の病院に搬送されたという。

シリアでのオペレーション・マネージャーを務めるパブロ・マルコ氏は「これらの症状の原因を特定する証拠はない」としつつ、「しかし、症状の発言と経過、そして中毒作用についての両親の証言のすべてが、科学物質に曝されたことを示している」と述べている。

AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領がヒズブッラー系TV局の単独インタビューに応じる:「シリアのテロリストは今日、イスラエルにとってもっとも重要な攻撃のツールとなっている」(2015年8月25日)

レバノンのヒズブッラーが運営する衛星テレビ局マナール・チャンネルは、アサド大統領への単独インタビューを行い、8月25日に放映した(https://www.youtube.com/watch?v=iAEwExmUQQU)。

また、SANAはインタビュー全文をHP(http://www.sana.sy/?p=257883)で公開した。

SANA, August 25, 2015
SANA, August 25, 2015

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「我々は何よりもまず、国民を頼りにしている。もちろんアッラーの次ではあるが…。国民の支持がなければ、持ちこたえることなどできなかった。国民の支持がなければ、大統領、高官、あるいは国家が採用する政治的方針には何の価値もない…。次いで我々はシリアに寄り添ってくれる友人を頼りにしている」。

「この問題の本質は外国の干渉にある。シリアに資金、武器、そしてテロリストを送り込んでいる…。シリアに対して陰謀と流血をもたらしている国々が…テロ支援を止めれば、我々は(紛争終結の)最後の15分が来たと言える。なぜなら、政治的解決、政治的プロセスなど…といった細目はそのときにそれ自体価値のない容易いものとなるからだ…。外国の支援がなくなれば、テロリストとの戦いはきわめて容易なものになる。しかし現在、我々はそうした段階にはいたっていない」。

「私は「政治的解決」という言葉は使いたくない。私は「政治的プロセス」という言葉を用いたい。解決とは「問題」解決のことだ…。現下の危機の原因は政治的なものだとの主張がある。しかしこれは正しい主張とは言えない。主因は外国の干渉にある」。

「我々は何の躊躇もなく、(対立する)政治勢力と対話する用意がある。これこそがいわゆる政治プロセスだ。しかし現実において、政治プロセスが影響力を発揮するには、対話が、シリア国民に属し、シリアに根ざし、(外国勢力から)独立したシリアの政治勢力の間でなされる必要がある」。

(ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が訪問したオマーンに関して)「オマーンはこの地域における緊張に対処し、デタントや問題解決をもたらすにあたって重要な役割を果たしている」。

「数十年前のレバノンの経験に立ち返ると…、一部のレバノン人が外国と結託し、そのなかにはイスラエルと結託する者がいた。彼らは様々なかたちで外国の干渉をもたらした…。同じことはシリアについても言える。イスラエルという敵と協力を受け入れ、それ以外の敵に対峙しようとするシリア人集団がいれば、彼らはイスラエルに介入するよう求めることになる」。

「シリアにいるテロリストは今日、イスラエルが攻撃を行う際のもっとも重要な真のツールとなっている…。もし我々がイスラエルに立ち向かいたいと考えるのなら、我々はまず、シリア国内でイスラエルのツールに立ち向かわなければならない。国内に敵がいるなかで、国外の敵に立ち向かうことなどできない」。

「我々とイスラエルの国境には現在、イスラエルの手先がいる。彼らはかつてのアントワーン・ラフドやサアド・ハッダードの軍(南レバノン軍)に似ている。まずはこの問題に対処しなければならない」。

「私が先日(7月の演説で)、一部の地域での後退について話した時、こうした後退が起きたということを確認したが、その後で、シリア軍による進軍があったことにも触れた。現段階においては、1ヶ月という短い期間のうちに、同じ場所で、後退と進軍が起こっている。こうしたことは、あらゆる戦争において…当然起こり得ることだ…。しかし、私がここで注目しておきたいのは、軍に参加、従軍しようとする若者の動きが増進するという効果が生じているということだ」。

「祖国防衛とは、銃を持つことに限られるものではない…。祖国防衛とは必要とされる目標に沿ってなされるものだ…。日常生活を送っているすべての人、従業員、承認、そして患者の手当てにあたる医師、貧しい人を支援する人、愛国的価値観や道徳を広めようとしている人。彼らはみな祖国を守っている。祖国に暮らしていない人がいるかもしれない…が、自分たちの立場や能力に応じてシリアを守ろうとしている人もいる」。

(スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表に関して)「米国や西側から中立的な人物が合意を得ることは困難だ。中立的だったら、派遣されなかったろう。我々は現在、非中立的な発言を目の当たりにするようになっている。彼はテロリストのなかに死者が出ていると話す。もちろん彼ら(デミストゥラ氏ら)にとって、死者とはみな無垢の民間人であり、テロリストなど存在せず、武器も持っていないような話をする。しかし、ダマスカス、アレッポなどでテロリストの砲撃で民間人が死亡しても、我々は同じような発言を耳にしない。こうした発言をすることが彼ら(デミストゥラ氏ら)の役割なはずなのに、彼らはその役割を果たしていない…。彼らが我々にとってふさわしい提案をせず、国民和解にふさわしい提案をしなければ、我々が彼らを支援することはないし、ともに歩むこともない」。

「ある高官が言ったことが数日後に別の高官によって覆される…。これが米国の政策の特徴の一つだ。同盟国を無視し、友好国を無視し、裏切りが特徴だ…。一方、ロシアの政策は原則に則った一貫したもので…、シリアの主権、国民の自決を支援しようとしている…。我々はロシアを大いに信頼している…。我々は、ロシアがさまざまな政治勢力を戦争への道を絶つための対話に向けさせようとしていると考えている」。

(紛争解決に向けたイニシアチブに関して)「シリアの主権、国土保全、国民の自決…、テロとの戦いが、あらゆるイニシアチブの基礎…をなす…。国際監視下での選挙は受け入れられない。なぜなら主権への干渉になるからだ」。

「西側諸国は、あらゆる手段、方法で、イランに、シリアの問題が核開発問題の一部をなしていると説得し、そのうえで、この問題でイランが欲しいものを与える代わりに、シリアへの支援などをイランに譲歩させようとしてきた。しかしこの点におけるイランの姿勢は確固たるもので、核開発問題と他の問題がひとくくりにされること…を断固として拒否した…。もちろん、こうした決定は正しく、客観的で、堅実だと言える」。

「イランの力はシリアの力にも反映し、シリアの勝利はイランの勝利に反映するだろう…。我々が(イランに)より接近していると言うのではない。我々はもともと近い関係にあり、似た視座に立ち、共通の原則を持ってきた。我々は同じ勢力を支援しており、一つの枢軸、抵抗枢軸をなしている。一部の戦術、そして現場での成果に変化が生じているかもしれないが、この基本原則は変わっていない」。

「ウルーバ(アラブ性)とは、我々になくてはならない自我である…。誰も自身の自我から逸脱することなどできない。アラブとしての自我は選択肢ではない。特定の宗教に帰属し、特定の民族に帰属することが自我だ…。我々が自我を拒否すること。これこそが敵が望んでいることだ。今日の問題の本質、そして戦争状態は、体制打倒をめざすものではない。それは一つの段階に過ぎない。一つのツールに過ぎない。また国を破壊し、経済を破綻させることもめざしていない。これらはすべて手段に過ぎない。最終的な目標は自我の破壊にある。我々が先にこうした背信に至ってしまえば、我々は敵に無償で贈り物を与えてしまうようなものだ」。

「レバノンのヒズブッラーと我々が行っているように、我々(シリアとイラク)が一つになって戦いを行えば…、より少ない犠牲で、しかも短時間で、より良い成果を得ることができよう」。

「ヒズブッラーとそれ以外の外国人戦闘員の違いは正統性にある…。ヒズブッラーはシリアという国家の合意に基づいてやって来た。シリアという国家は正統な国家であり、シリア国民を代表している。選挙によって選ばれた国家であり、シリア国民の大多数の支持を得ている。シリアという国家には、シリア国民を守るための勢力を呼び込む権利がある。一方、それ以外の勢力はテロリストであり、シリア国民を殺すためにやって来た。シリア国民、そしてシリア国民を代表する国家の意思を無視してやって来た」。

(ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長との関係について)「誠実さと率直さが特徴だ。なぜなら彼(ナスルッラー書記長)は誠実で、率直だからだ…。彼との関係は抵抗を続ける国家と、レバノン防衛のために息子を殉教者として捧げた真の抵抗者の関係だ」。

「いかなる同盟、行動、施策、対話であっても、それがシリア人の流血を止めるものであるのなら、我々にとっての最優先事項としなければならず、そのために躊躇してはならない」。

「(サウジアラビアの)メディアによる(シリア)批判には意味はない…。実際に重要なのは、この国家(サウジアラビア)が実際に行っていることだ。この国はそもそも、テロを支援してきたからだ…。メディアでの批判を強めようと強めまいと、サウジアラビアという国はシリアのテロリストを支援している。これは皆が知っている事実だ」。

「対話は愛国的な者、なかでも影響力を行使し得る者となされなければならない…。しかし、より大きな問題は、我々が対話を行っている者の大部分は愛国的ではないということだ。これは、シリアでテロを支援し、対話の問題に介入する諸外国が強いた結果でもある。これらの国は、シリア国民ではなく、自分たちの国を代表する人物(との対話)を強いている」。

(米国による「穏健な反体制派」への軍事教練について)「シリアに対してさまざまなかたちで続けられている計略の一環をなしている。こうした計略がこの危機においてなくなることはないだろう。今回(米国による軍事教練)もシリアにおけるテロの文脈ではこれまでと変わりはない。なぜなら、米国が彼らを教練しなかったとしても、テロを支援し、武器や資金を送り込んでいる別の国が別の誰かを教練していたからだ。より深刻で懸念すべきは、米国をはじめとする西側諸国の間でテロへの危険が認識されていないことだ…。我々の地域でテロが勝利すれば、事態はシリアだけでは収まらないのだ」。

「(レジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)には大きな夢があるのだ。首領になる、そして同胞団的スルターンになることだ。彼は、スルターン制の経験とムスリム同胞団の経験を融合しようと考え、エジプトやチュニジアでの出来事に当初は大きな期待を寄せた。しかし、その後、この夢が現実のなかで打ち砕かれると、主人(欧米諸国)が自分の要望に応えてくれるという願望だけが残った。エルドアンとその下僕の(アフメト・)ダウトオール(首相)は…「干渉地帯」(安全地帯のこと)という夢を追うだけの人形になり下がった。これまでの夢のすべてがシリアで打ち砕かれた後に残った最後の夢が「干渉地帯」であり、NATO、ないしは米国がその設置の合図が出るのを待ち望んでいる…。しかし、彼らは、自分たちの主人がこうした夢に向かう合図を出してくれなければ、進むことさえできないのだ」。

「シリア、エジプト、そしてイラクの関係には特別な意味がある。なぜなら、これらの国はアラブ文明の基礎をなしており…、アラブの歴史を通じて政治的な原動力となってきたからだ。それゆえ、我々はエジプトとの関係構築を強くの望んでいる」。

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダマスカス郊外県での爆撃を続ける一方、ファトフ軍はイドリブ県、ハマー県、アレッポ県で攻勢(2015年8月25日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアルバイン市、ハラスター市を14回にわたって空爆した。

同監視団によると、8月半ばに激化した東グータ地方(ドゥーマー市、ハラスター市など)でのシリア軍の空爆により、子供50人を含む247人が死亡、1,000人以上が負傷しているという。

ハラスター市ではまた、車輌局一帯(シリア政府支配地域)でシリア軍とシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団が交戦した。

Kull-na Shuraka', August 25, 2015
Kull-na Shuraka’, August 25, 2015

シリア軍はまたザバダーニー市に「樽爆弾」10発を投下するとともに、砲撃を続け、また市内ではシリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍がジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月25日付)によると、バイト・ジン村農場地帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員30人を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ハムーリーヤ市、サクバー市、ドゥーマー市、ハラスター市で、反体制武装集団と交戦し、イスラーム軍、ヌスラ戦線、イスラーム旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにザバダーニー市内でも、レバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに作戦を継続し、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と交戦し、ザバダーニー駅交差点一帯およびシャリーフ・イドリースィー学校周辺の建物群複数カ所を制圧した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャワーリガ村を空爆、またアレッポ市ハーリディーヤ地区(シーハーン交差点一帯、マルハブ兵舎近く)でシリア軍、国防隊がアレッポ・ファトフ作戦司令室と交戦した。

また、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村、サイファート村、ドゥワイル・ザイトゥーン村一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

なお、ARA News(8月25日付)によると、シャーム戦線が24日晩、バーシュカウィー村を制圧していたという。

一方、SANA(8月25日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、ラーシディーン第4区、科学研究センター施設一帯、マンスーラ村、バーシュカウィー村、ドゥワイル・ザイトゥーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団による包囲が続くアブー・ズフール航空基地周辺地域を空爆した。

またカルクール村一帯では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルキスターン・イスラーム党などと交戦した。

なお、ARA News(8月25日付)によると、ファトフ軍はマシーク村を制圧、またバフサ村に突入したという。

一方、SANA(8月25日付)によると、アブー・ズフール町一帯、ジスル・シュグール市をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(8月25日付)によると、南部戦線(自由シリア軍)のウマリー旅団がシリア軍兵士の遺体11人をシリア当局に引き渡し、その代償としてシリア治安当局は逮捕者45人を釈放した。

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ハマー県では、SANA(8月25日付)によると、バフサ村、マシーク村一帯でシリア軍が特殊作戦を行い、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、マンスーラ村、ヒルバト・ナークース村、タッル・ワースィト村、ズィヤーラ町、穀物サイロ地区、農業開発地区で、反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月25日付)によると、ラスム・ラワーディー村、マスハラ村、マスハラ丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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イスラーム軍は首都ダマスカスへの無差別砲撃への関与を否定、政府の自作自演だと主張(2015年8月25日)

イスラーム軍は声明を出し、24、25日にダマスカス県各所に対して行われた迫撃砲による無差別攻撃に関して、「ロケット弾や迫撃砲弾が、カシオン山、ダマスカス西方のサッブーラ村(ダマスカス郊外県)から発射されている」と述べ、関与を否定、シリア政府による自作自演だと主張した。

Kull-na Shuraka', August 25, 2015
Kull-na Shuraka’, August 25, 2015

 

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)が、爆破したパルミラ遺跡バール・シャミーン神殿の写真を公開(2015年8月25日)

ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州の広報局は、23日に破壊されたとされるパルミラ遺跡(ヒムス県タドムル市)のバール・シャミーン神殿に爆弾を仕掛け、爆破する写真複数点をインターネットを通じて公開した。

CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015

 

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市・サダド市間、マヒーン町で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、シリア軍兵士4人が死亡した。

シリア軍はまたタドムル市、カルヤタイン市を砲撃した。

一方、SANA(8月25日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月25日付)によると、サフィーラ市東部、シャイフ・ルトフィー村、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団とダーイシュ(イスラーム国)し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(8月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊はハサカ市西部のアブドゥルアズィーズ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、人民防衛隊隊員1人が死亡した。

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、August 26, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が「正規軍」創設準備を開始すると発表(2015年8月25日)

シャーム自由人イスラーム運動は、ハーシム・シャイフ総司令官兼軍事評議会議長の名で声明(告知)を出し、組織の軍事部門を再編し、「正規軍」を設立する準備を開始した、と発表した。

スィーフ司令官の声明によると、この「正規軍」は「シャームの鷹旅団」の名を冠した中央軍として設立されるという。

「シャームの鷹旅団」の隊員は、入隊希望者を募り、隊員資格の有無を審査したうえで面談を行って採用するという。

隊員資格は、戦闘員は年齢が30歳未満であること、司令官は35歳未満であることで、宗教的に熱心で、優れた経歴を有することが条件になるという。

また採用された隊員には月額で150米ドルの給与が支給されるという。

Kull-na Shuraka', August 25, 2015
Kull-na Shuraka’, August 25, 2015

 

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団、米政府ともにシャーム自由人イスラーム運動への接近に慎重姿勢(2015年8月25日)

シリア・ムスリム同胞団の広報局は声明を出し、シャーム自由人イスラーム運動との連携を主唱した24日のムハンマド・ヒクマト・ワリード最高監督者の声明に関して、シャーム自由人イスラーム運動と「政治と軍事の統合」を行う意思はないと否定した。

広報局はまた、イドリブ県内の反体制武装集団支配地域で、シリア・ムスリム同胞団が運営する「アフド放送」(ラジオ放送局)がラジオ放送を開始すると発表した。

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『ニューヨーク・タイムズ』(8月25日付)は、米政府内でシャーム自由人イスラーム運動との関係を「再検討」しようとする動きがあると伝えた(http://www.nytimes.com/2015/08/26/world/middleeast/ahrar-al-sham-rebel-force-in-syrias-gray-zone-poses-challenge-to-us.html?_r=0)。

同紙によると、例えば、ロバート・フォード元駐シリア米大使が、「シャーム自由人イスラーム運動はグレー・ゾーンにおり…内戦下でグレー・ゾーンにいる当事者と対話しなければ、対話できる人はほとんどない」としたうえで、兵站支援を行わずともシャーム自由人イスラーム運動との接触のチャンネルは確保すべきだと主張しており、また欧米諸国の複数の外交官も最近になって、シャーム自由人イスラーム運動の幹部らとの会談を持つようになっているという。

しかし、ある米高官は同紙に対して、同組織がシャームの民のヌスラ戦線に近い関係にある限りは接触できないと述べ、こうした姿勢に異議を唱えている。

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米軍の軍事教練を受けた「穏健な反体制派」の第30師団が、シリア軍の爆撃を受けたと主張(2015年8月25日)

トルコ領内で米軍の軍事教練を受けシリア北部に派遣された第30(歩兵)師団は声明を出し、シリア軍戦闘機がアレッポ県北部にある師団の拠点複数カ所を空爆し、1人が負傷したと主張した。

シリア軍の空爆を受けたとされる拠点の所在地など詳細については明らかにしなかった。

第30師団はまた、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府に対する反体制派の圧力を軽減するために攻撃を行っているとしたうえで、両者の間で「協力」がなされていると主張した。

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タッル・アブヤド市(ラッカ県)が正式に西クルディスタン移行期文民局コバネに編入(2015年8月25日)

西クルディスタン移行期文民局ジャズィーラ地区のハミーディー・ダッハーム・ハーディー・ジャルバー共同執政官が、ラッカ県のタッル・アブヤド市を訪問し、同市の西クルディスタン移行期文民局コバネへの編入を定めた合意文書に署名した。

クッルナー・シュラカー(8月25日付)によると、これを受け、タッル・アブヤド市内には、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、サナーディード軍、ラッカ革命家旅団が展開し、厳戒態勢を敷いたという。

なお、これに先立ち、民主統一党系の社会組織「民主連合運動(TEV-DEM)」のメンバーの一人で、ラッカ県タッル・アブヤド市の自治運営のために地元活動家が結成した「タッル・アブヤド市自治地元行政評議委員会」のメンバーでもあるウマル・アッルーシュ氏は、クッルナー・シュラカー(8月24日付)に対し、タッル・アブヤド市自治地元行政評議委員会は、タッル・アブヤド市を西クルディスタン移行期民政局コバネ(アイン・アラブ市)地区に編入することを決定した、と述べていた。
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一方、クッルナー・シュラカー(8月25日付)によると、タッル・アブヤド市の西クルディスタン移行期民政局コバネへの編入に先立ち、ラッカ革命家旅団の司令官がタッル・アブヤド市一帯の部族の代表と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)からラッカ市を解放するためのアラブ軍創設やタッル・アブヤド国境通行所の管理などについて意見を交わしたという。

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シリア与党使節団がロシアを訪問し、「ジュネーブ3」に向けて協議(2015年8月25日)

シリア民族社会党インティファーダ派(与党)の使節団がロシアを訪問し、ミハイル・ボグダノフ外務副大臣らロシア外務省高官らと会談し、シリア政府と反体制派の和平交渉「ジュネーブ3」に向けて意見を交わした。

使節団を率いたターリク・アフマド政治局員は会談後、「非常に満足している…。会談は非常に実り多いもので、すばらしかった」と述べた。

アフマド政治局員によると、会談では、シリアの紛争当事者の対話開始の「最善の方法」をどのように作り出すかについて集中的に意見が交わされ、国内外の反体制派の参加、さらには市民社会の代表や無所属の活動家も「ジュネーブ3」に招聘する必要がある点で意見が一致したという。

AFP(8月25日付)が伝えた。

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