トランプ米大統領がトルコのエルドアン大統領と会談、難民収容のための「安全保障地帯」、ラッカ市、バーブ市でのダーイシュとの「テロとの戦い」などについて意見を交わす(2017年2月7日)

ドナルド・トランプ米大統領は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と大統領就任後初となる電話会談を行い、シリアやイラクでのダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」への対応などについて意見を交わした。

トルコ大統領府によると、45分間にわたる両首脳の会談では、トルコ軍によるバーブ市(アレッポ県)一帯での戦闘、米国が支援する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が進めるラッカ市一帯での戦闘における協力態勢、シリア人難民を収容するための「安全保障地帯」を設置するというトランプ大統領の構想などについて意見が交わされた。

これに関して、ARA News(2月8日付)は、トルコ大統領府の複数の消息筋の話として、エルドアン大統領が会談で、トランプ大統領に対して、シリア民主軍の中核をなす西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)への支援を停止するよう要請、バーブ市とラッカ市での戦闘に合同して対処することで意見が一致したと伝えた。

ARA News, February 8, 2017
ARA News, February 8, 2017

AFP, February 8, 2017、AP, February 8, 2017、ARA News, February 8, 2017、Champress, February 8, 2017、al-Hayat, February 9, 2017、Iraqi News, February 8, 2017、Kull-na Shuraka’, February 8, 2017、al-Mada Press, February 8, 2017、Naharnet, February 8, 2017、NNA, February 8, 2017、Reuters, February 8, 2017、SANA, February 8, 2017、UPI, February 8, 2017などをもとに作成。

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アサド大統領はベルギー・メディアの取材に応じる「国民を守るとき、国際刑事裁判所などの国際機関のことなど気にしてはいられない」(2017年2月7日)

アサド大統領は、ベルギー連邦議会議員団(フィリプ・ドゥウィンター議員が団長)のシリア訪問に同行した独国メディアのインタビューに英語で応じた。

映像(https://www.youtube.com/watch?v=c8S22Lpwr2Q&feature=youtu.be)、英語全文(http://sana.sy/en/?p=99676)、アラビア語全訳(http://www.sana.sy/?p=505825)はSANAが配信した。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

SANA, February 7, 2017
SANA, February 7, 2017

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「和平をどのように見るかは、アスタナ(での和平会議)だけの問題ではない。それはもっと大きな問題だ。どのようにシリアへのテロリストの流入を食い止めるのか、どのようにトルコ、湾岸諸国といった地域諸国、フランスや英国といった欧州諸国、そしてオバマ政権下の米国から(テロリストへ)の支援を食い止めるか。この問題に対処すれば、政治的な手順などその他の問題について話すことができるだろう。アスタナはシリアをめぐる戦争のなかで出てきたイニシアチブの一つで、シリア人どうしの対話にかかわるものだ。アスタナの是非を判断するのは時期尚早だ…。和平とは二つのものから成り立っている。第1に、テロリストやテロと戦うこと、テロの流れや兵站支援を食い止めること、第2に、シリア人どうしの対話を通じて国の未来を決することだ」。

「(停戦合意は)死んでいない。どの停戦にも…違反はつきものだ。それは個人レベルで行われるときもある…。だがそれは、政府、ないしはそのほかの当事者に停戦違反を行うという政策があることを意味しない」。

「(ダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いで「あらゆる手段」が許されると思うか、との問いに対して)「あらゆる手段」で何を意味しているかが分からないが…、それが軍事的手段という意味であれば、もちろん許される…。しかし、私はダーイシュだけについて話しているのではない。ダーイシュ、ヌスラ戦線(旧シャーム・ファトフ戦線、現シャーム解放機構)、そしてシリア国内にいるアル=カーイダ系の組織は、民間人を攻撃、殺害、誘拐し、公共財産、私有財産、インフラなどこの国を破壊しようとしている…。我々の憲政上の義務、政府、軍、国家としての義務はシリア国民を守ることにだる。これには別の選択肢はない。義務だ」。

「アル=カーイダ、ヌスラ戦線、ダーイシュについて話す時、この世界に彼らが対話しようとしていると信じている者などいないと考えている…。彼らは自分勝手なイデオロギー、路線を持っているだけで、市民国家に関わるすべてを受け入れようとしない…。だから、ヌスラ戦線やアル=カーイダとの対話というのは(問題解決の)手段ではない。ただ、誰かが個人レベルで自分の進路を変えたいというのであれば、政府としてそうした個人を受け入れ、恩赦を与える用意はある」。

「ベルギーがダーイシュに対する作戦に貢献していると言っても、実際にはダーイシュに対する作戦などなかった。うわべだけの作戦があっただけだ…。米主導の有志連合は幻想の連合に過ぎなかった。なぜならこのその作戦期間中もダーイシュは拡大したからだ。しかも、この作戦はシリア政府の許可を得ない…違法な作戦で、主権侵害だ。さらに、その作戦はシリアの市民がダーイシュに殺害されることを何ら阻止しなかった…。率直に言って、ベルギーは貢献などしていない」。

「シリア国民が(自分以外の)別の大統領を選べば、退くことを選択するまでもない。私は退き、この地位ではなくなるだけだ。それは当たり前のことだ」。

「(アサド家が行政府にいないシリアを想像できるか、との問いに対して)もちろんできる。我々はこの国を所有しているわけでなはないし、私の家族が所有しているわけでもない…。(ハーフィズ・)アサド大統領には制度上後継者はいなかった…。彼が死んで、私が選ばれただけだ。彼は私の選挙とは何の関係もなかった」。

「(EUやNATOに関して)シリアを破壊している限り、復興で役割を果たすことはできない。なぜなら、EUは、人道、穏健といった名目で当初からシリアのテロリストを支援してきた。実際に、ヌスラ戦線やダーイシュを当初から支援してきた…。何よりもまず、EUはテロリストへの支援を止め、シリアの主権についての立場を明確にさせねばならない。そうすれば、シリア人はEU諸国が役割を果たすことを受け入れるだろう」。

「トランプ新大統領は、ダーイシュなどのテロリストとの戦いを優先させると選挙期間中、そして選挙後に約束したのを耳にした…。だから私は見込みがあると考えている。だが、我々は待たねばならず、何かプラクティカルなものを期待するには時期尚早だ。米国とロシアが協力すれば、それはシリア以外の世界にとっても良いことだと思う」。

「すべての過ちが後悔すべきものだ。個人による過ちであれ…、人間として過ちであれ。私は人間として過ちを当然犯している。そうでなければ、人間ではない…。過ちというのは…状況によって変わってくるが、(現下の)危機についていうと…、我々がその当初に行った三つの決定、テロとの戦い、シリア人どうしによる対話、あらゆる政治的イニシアチブに応えること…、これらは正しかったと思っている」。

「サウジアラビア、カタール、トルコ、フランス、英国、米国といった国がシリアを不安定化させようとする悪意を持っていたがゆえ、戦争は避けられなかった。これはシリア人の問題ではない」。

「我々はみな、国連機関が偏っていない訳ないと考えている。なぜなら、米国、フランス、英国の影響下にあるからだ。国連機関のほとんどは、世界に平和をもたらしたり、真実を究明したりするために活動してはいない。それらは、各国のアジェンダを実行に移すために政治化している。私は、大統領として…国を守るという義務を果たす時、この問題を気に留めることはない。我々はあらゆる手段で国を守らねばならない。そしてあらゆる手段で国を守らねばならないとき、この法廷(国際刑事裁判所)などの国際機関のことなど気にしてはいられない」。


AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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サウジアラビアが後援するリヤド最高交渉委員会はアムネスティ・インターナショナルの報告発表を受け、「政権による犯罪にイランの指紋がないものなどない」と非難(2017年2月7日)

サウジアラビアが後援するリヤド最高交渉委員会は、2011年以降、シリアのアサド政権が1万3,000人あまりを絞首刑で殺害したとするアムネスティ・インターナショナルの報告発表を受けて声明を出し、アサド政権による「戦争犯罪と人道に対する犯罪」を国際社会は処罰すべきだと表明した。

リヤド最高交渉委員会はまた、「政権による犯罪にイランの指紋がないものなどない」と付言、サウジアラビアと対立を続けるイランにも非難の矛先を向けた。

Kull-na Shuraka', February 7, 2017
Kull-na Shuraka’, February 7, 2017


AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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アムネスティ・インターナショナルは84人の証言とHRDAGのデータをもとに、シリア政府側の刑務所で過去5年弱の間に1万7,000人が処刑されたと指摘(2017年2月7日)

アムネスティ・インターナショナルは、ダマスカス郊外県にあるダマスカス中央刑務所(サイドナーヤー(軍事)刑務所)での市民に対する殺戮、拷問などについての実態をまとめた報告書「Human Slaughterhouse: Mass Hangings and Extermination at Saydnaya Prison, Syria」(https://www.amnesty.org/download/Documents/MDE2454152017ENGLISH.PDF)を発表した。

48ページからなる報告書は、2015年12月から2016年12月にかけて、アムネスティ・インターナショナルが行った、サイドナーヤー刑務所での虐待行為のパターン、方法、規模に関する調査に基づくもの。

Amnesty International, February 7, 2017
Amnesty International, February 7, 2017

同刑務所で拘置されていたという31人、刑務所に勤務していたという職員・守衛4人、元判事3人、ティシュリーン軍事病院に勤務していたという医師3人、シリアでの拘置に詳しいシリア国内外の専門家17人、刑務所に収監中だとされる拘置者の家族22人、合計84人の証言をもとに作成された。

アムネスティ・インターナショナルはシリア国内のシリア政府支配地域への立ち入りを禁止されているため、上記の証言聴取は主にトルコ南部で行われるとともに、その一部はレバノン、ヨルダン、欧州諸国、米国で行われた。

アムネスティ・インターナショナルは、独自の調査結果ではなく、HRDAG(Human Rights Data Analysis Group、https://hrdag.org/)のデータを引用するかたちで、「アラブの春」がシリアに波及した2011年3月から2015年12月までの期間に、少なくとも1万7,723人が、サイドナーヤー刑務所をはじめとするシリア政府管理下の刑務所・拘置所で殺害されたと指摘した。

殺害されたのは、シリア社会のさまざまなセクターに属す人々で、その多くがデモ参加者、政治犯、人権活動家、ジャーナリスト、人道支援活動家、学生だったという。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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スワイダー県でロシア軍使節団の車に掲揚されていたロシア国旗がはぎとられる(2017年2月7日)

スワイダー県では、クッルナー・シュラカー(2月7日付)によると、県北東部のジュナイナ村を訪問したロシア軍士官らの使節団の車に掲揚されていたロシア国旗を村の青年がはぎ取るという事件が発生した。

ロシア軍使節団の訪問理由は不明。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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ハマー県でシリア政府当局と「革命家」が捕虜交換、それぞれ女性、子供約50人を解放(2017年2月7日)

ハマー県では、クッルナー・シュラカー(2月7日付)によると、シリア軍と「革命家」(反体制武装集団が捕虜交換を行い、当局が投獄していた女性55人が釈放されるとともに、「革命家」が拘置していた女性と子供54人も解放された。

Kull-na Shuraka', February 7, 2017
Kull-na Shuraka’, February 7, 2017
Kull-na Shuraka', February 7, 2017
Kull-na Shuraka’, February 7, 2017

解放された女性と子供たちは、シリア赤新月社の車両でそれぞれの家族が待つ地域に移送された。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市北東部で3カ村をダーイシュから奪取(2017年2月7日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ市郊外の大スワイディーヤ村一帯で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦した。

戦闘は、ビイル・ファウワーズ地区、ミシュラーファ地区でもっとも激しく行われたという。

また、クッルナー・シュラカー(2月7日付)、ARA News(2月7日付)によると、シリア民主軍がラッカ市北東部のビール・サイード村、ムシャイリファ村、マヒーザ村をダーイシュとの戦闘の末に制圧した。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍が、トルコ軍および同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室とアレッポ県北部で激しく交戦(2017年2月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるタッル・リフアト市東部のシャイフ・イーサー村、マンナグ村・アイン・ダクナ村回廊一帯で未明、シリア民主軍が、トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室と激しく交戦、トルコ軍がタッル・リフアト市、マルアナーズ村、マンナグ村、アイン・ダクナ村にあるシリア民主軍の拠点を砲撃し、シリア民主軍と交戦した。

戦闘は、トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局の拠点都市であるアフリーン市北部の国境地帯に侵入し、支配地域を拡大しようとしたことを受けて発生したという。

これに関して、ARA News(2月7日付)は、トルコ軍および同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が、バーブ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)に対して過去最大規模の攻撃を加えたと伝えた。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県、ハマー県などで反体制武装集団との戦闘を続ける(2017年2月7日)

ダマスカス郊外県では、ARA News(2月7日付)によると、シリア軍がアルバイン市を砲撃した。

一方、SANA(2月7日付)によると、地下トンネルを通じてハラスター市一帯に侵攻しようとしたシャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)とシリア軍が交戦し、これを撃退した。

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ハマー県では、ARA News(2月7日付)によると、シリア軍が県北部のアイドゥーン村一帯を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(2月7日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、イッズッディーン村でシャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)と交戦した。

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ラタキア県では、SANA(2月7日付)によると、シリア軍がカッバーナ町一帯でシャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)などからなる反体制武装集団を要撃した。

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シリア革命家戦線は声明を出し、カースィム・ナジュム大佐を司令官から解任し、アブー・ザイン・ハーリディー氏そ新司令官に任命したと発表した。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュがシリア国内での戦闘で初めて無人航空機による爆撃を実施(2017年2月7日)

ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局が、タドムル市郊外のタイフール航空基地(T4)一帯でのシリア軍との戦闘で初めて無人航空機を投入し、爆撃を行ったと発表、その画像を公開した。

一方、SANA(2月7日付)によると、シリア軍がタドムル市郊外の柑橘農園一帯、ヒヤーン・ガス社一帯、ジャハール油田一帯、ジャズル油田一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月7日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、ダイル・ザウル24(2月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がスブハ村で拘束中の「新シリア軍」(米英が教練支援していた「穏健な反体制派」)の戦闘員4人を処刑した。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、DeirEzzor 24, February 8, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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ヒズブッラー、ロシア軍機甲戦車大隊の支援を受けるシリア軍がバーブ市南部のハワーラ丘などを制圧(2017年2月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、ヒズブッラーなどからなる親政権武装勢力、ロシア軍の機甲戦車大隊が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市バーブ市に対する包囲を強化するため、同地一帯での進攻作戦を継続した。

ARA News(2月7日付)、SANA(2月7日付)によると、シリア軍はこれにより、バーブ市南部のマジュバル村、ハワーラ丘を制圧するとともに、ウワイシーヤ丘およびウワイシーヤ村一帯でダーイシュと激しく戦闘を続けたという。

また、シリア軍はマンビジュ市(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍支配地域)とターディフ市を結ぶ街道を制圧、ターディフ市とバザーア村(トルコ軍制圧下)方面を結ぶダーイシュの兵站路を寸断したという。

シリア軍はバーブ市とラッカ市、ダイル・ザウル県を結ぶ幹線道路の封鎖をめざしている。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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有志連合の爆撃が頻発化するイドリブ県で、所属不明の戦闘機がイドリブ市にあるシャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)の拠点を爆撃し、少なくとも26人が死亡、ロシアは関与を否定(2017年2月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、所属不明の戦闘機複数機が、イドリブ市およびその周辺にあるシャーム解放機構(旧ヌスラ戦線)の拠点複数カ所に対して激しい空爆を加え、26人が死亡した。

死亡した26人のうち、10人が民間人だったという。

この空爆に関して、イドリブ報道センター(EMS、2月7日付)は、ロシア軍による空爆だと断じる一方、オリエント・ニュース(2月7日付)は、ロシア軍と有志連合の合同空爆だと伝えた。

しかし、ロシア国防省は空爆への関与を否定する声明を出した。

なお、バラク・オバマ米政権再末期の1月前半、そしてドナルド・トランプ新政権に移行した1月下旬以降、米主導の有志連合によるシャーム解放機構への空爆(イドリブ県、アレッポ県)が頻発化しており、これまでに戦闘員150人以上が死亡している。

Orient News, February 7, 2017
Orient News, February 7, 2017
Orient News, February 7, 2017
Orient News, February 7, 2017

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、EMC, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Orient News Net, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は2月6日、シリア軍が反転攻勢をかけるタドムル市(パルミラ)近郊などに対して31回の爆撃を実施(2017年2月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月6日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(6回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、タドムル市近郊(9回)に対して攻撃が行われた。

AFP, February 7, 2017、AP, February 7, 2017、ARA News, February 7, 2017、Champress, February 7, 2017、al-Hayat, February 8, 2017、Iraqi News, February 7, 2017、Kull-na Shuraka’, February 7, 2017、al-Mada Press, February 7, 2017、Naharnet, February 7, 2017、NNA, February 7, 2017、Reuters, February 7, 2017、SANA, February 7, 2017、UPI, February 7, 2017などをもとに作成。

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