Netflix「ホワイト・ヘルメット」がアカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞を受賞(2017年2月27日)

Netflixの「ホワイト・ヘルメット:シリアの民間防衛隊」が第89回アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。

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映画の題材となったホワイト・ヘルメットは、ラーイド・サーリフ代表と映画カメラマンのハーリド・ハティーブ氏が受賞式への出席を計画し、米国入国のためのビザを取得していた。

だが、米国土安全保障省は、ハティーブ氏に関する「不名誉情報」を理由に入国を拒否し、ハティーブ氏、サーリフ代表はシリア国内でのシリア・ロシア軍の空爆への対応を理由に訪米を中止した。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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シャーム解放機構のジャウラーニー指導者がビデオ声明でジュネーブ4会議に参加する反体制武装集団を「敗北した政治家ども」と批判(2017年2月27日)

シャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線、旧シャーム・ファトフ戦線)の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏はテレグラムを通じてビデオ声明(https://youtu.be/b5bEDxNmivo)を出し、25日にヒムス市内の治安機関本部2カ所を標的として行われた自爆テロに関して「ジュネーブとアスタナにいる敗北した政治家どもへの教訓」と述べ、シリア政府との交渉に応じている反体制武装集団を批判、「民に戦争を委ね、身を引く」よう呼びかけた。

Youtube, February 27, 2017
Youtube, February 27, 2017

4分強の声明のなかで、ジャウラーニー氏は、ヒムス市での連続自爆テロに関して「シャーム解放機構の5人の勇敢な英雄を派遣し…、軍事治安施設内外の激しい防御を突破し…、軍事情報局支部長のハサン・ダアブール、そして国家治安局支部長ら50人近くを殺害した」と述べ、改めて犯行を認めた。

また「この作戦は、この二つの支部(軍事情報局、総合情報部)でさまざまな拷問と暴行に晒されている我らが民による復讐」と位置づけ、自爆テロを実行した「英雄5人」が戦死したことを明らかにした。

そのうえで、ジャウラーニー氏は「冒険者どもがこの戦争を民に委ね、身を引く時が来た…。諸外国が彼らを弄び、政権とデミストゥラがそれに喝采を送っていることが明らかだ…。一帯彼らはどのようにして、政権に王冠を授け、ロシアを和平の呼びかけ人、保証人とするような解決策をめざしているのか」などと述べ、ジュネーブ4会議に参加する反体制派を批判した。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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ダルアー県でダーイシュ系組織と反体制武装集団が交戦(2017年2月27日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ビン・ワリード軍が、ハイト村、タッル・アシュタラー、ジュライン村、アドワーン・ダム一帯で反体制武装集団と交戦した。

クッルナー・シュラカー(2月28日付)によると、この戦闘で反体制武装集団戦闘員13人が死亡した。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、February 28, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室はシリア軍の進軍に対抗するかたちでバーブ市東部の7ヵ村をダーイシュから奪取(2017年2月27日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、トルコ軍と同軍の全面支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が、シリア軍の進軍に対抗するかたちで、バーブ市東部でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、大フィーハ村、小フィーハ村、ジュッブ・ナアサーン村、ザンマール村、ウンム・シュカイフ村、大スッカリーヤ村、小スッカリーヤ村を制圧した。

Kull-na Shuraka', February 27, 2017
Kull-na Shuraka’, February 27, 2017

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一方、ARA News(2月27日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)が西クルディスタン移行期民政局支配下のアフリーン市郊外のカトマ村、カフルジャンア村を砲撃した。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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シリア軍は、トルコ軍、ハワール・キリス作戦司令室の南下を阻止するかたちでバーブ市東部のダーイシュ支配地域を制圧(2017年2月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がバーブ市南東部のジュッブ・スルターン村・アブー・ミンディール村間の地域に点在する23カ村から西方に撤退、シリア軍が同地に進駐した。

これにより、シリア軍はアレッポ市とハサカ市を結ぶ街道の南側を制圧、バーブ市を掌握したトルコ軍および同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室のラッカ市方面への南下を阻止するかたちで、マンビジュ市一帯に展開する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の制圧地域と初めて支配地域を接した。

シリア軍が制圧したのは、ジュッブ・スルターン村、ジュッブ・ハンマーム村、ザアルーラ村、ジュッブ・ハフィー村、ウンム・ハルザ村、フータ村など。

Kull-na Shuraka', February 27, 2017
Kull-na Shuraka’, February 27, 2017

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市西部郊外の砂漠地帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦するとともに、同地一帯を空爆、タドムル市西方6~7キロ地点、南方12キロの地点にまで進軍、またジャズル油田、マフル油田、ジャハール油田を射程圏内に収めた。

一方、SANA(2月27日付)によると、ジュッブ・ジャッラーフ町をダーイシュ(イスラーム国)が砲撃し、住民複数人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月27日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、サルダ山一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」と目されるイッザ軍がハマー県で、ダーイシュ、ヌスラ戦線と同様の特攻自爆攻撃(2017年2月27日)

ハマー県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、「穏健な反体制派」と目されるイッザ軍の戦闘員3人がトゥライムサ村にあるシリア軍拠点に対して、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構と同様の特攻自爆(インギマースィー)攻撃を仕掛け、シリア軍兵士11人を殺害、9人を負傷させた。

Kull-na Shuraka', February 27, 2017
Kull-na Shuraka’, February 27, 2017

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団の攻撃を受けるダルアー市各所を「樽爆弾」で空爆した。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、シリア軍がバルザ区、カーブーン区一帯で、反体制武装集団と激しく交戦、同地を空爆・砲撃した。

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ヒムス県では、SANA(2月27日付)によると、カニーヤト・アースィー村をシャーム解放機構が砲撃し、1人が負傷した。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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ロシアのガティロフ外務次官はジュネーブ4会議へのクルド人(PYD)の参加を呼びかける(2017年2月27日)

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、ジュネーブ4会議での交渉に向け、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の仲介のもと、シリア政府と反体制派の各代表団の折衝が継続されているスイス入りした。

スプートニク・ニュース(2月27日付)が伝えたところによると、ガティロフ外務次官は記者団に対して、「我々は反体制派の統一代表団が結成されることを支援している。なぜなら、国連安保理決議第2254号を実施するため、みながついにここに集まったからだ。共通の目標は明白だが…、各代表団には決議の解釈に関して若干の意見の相違が見られると理解している…。我々はそのほかの代表者の参加も呼びかけている。今のところ、クルド人の参加をめぐって、問題が生じているが、我々はクルド人の参加を呼びかけている」と述べた。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はジュネーブに滞在中のバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表らシリア政府代表団と会談し、ジュネーブ4会議の議事進行などについて協議を継続した。

SANA(2月27日付)が伝えた。

一方、シリア政府代表団に近い消息筋は、政府代表団がデミストゥラ氏との協議を中止したと報じたアラビーヤ・チャンネル、ジャズィーラ・チャンネルなど湾岸諸国のメディアに関して、カタールとサウジアラビアの姿勢に囚われたものと批判、事実無根とこれを否定した。

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また『ハヤート』(2月28日付)によると、デミストゥラ氏は午後、最高交渉委員会の代表団と会談した。

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なお、デミストゥラ氏は、シリア政府代表団、最高交渉委員会代表団、カイロ・プラットフォーム、モスクワ・プラットフォームに対して、①移行期統治機関(移行政府)、②憲法、③選挙の3項目からなる議案を回付し、ジュネーブ4会議の議事進行の調整を続けている。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、Sputnik News, Feruary 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は2月24~26日の3日間で、YPG主体のシリア民主軍、シリア軍がダーイシュと戦うラッカ県、ダイル・ザウル県、ヒムス県東部を重点的に爆撃(2017年2月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月24~26日の3日間のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

2月24日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して21回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、シャッダーディー市近郊(5回)、ラッカ市近郊(5回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

2月25日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して41回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は18回で、シャッダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(7回)、タドムル市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

2月26日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して24回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は14回で、ラッカ市近郊(8回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、タドムル市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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米CIAは「穏健な反体制派」に統合しなければ軍事・資金援助を停止すると最後通告、一部武装集団は米国を見限り、トルコ軍が支援するハワール・キリス作戦司令室に合流(2017年2月27日)

『ハヤート』(2月27日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、シリア北部で活動する「穏健な反体制派」諸派が、トルコ軍の全面支援を受けて「ユーフラテスの盾」作戦を続行する反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)に合流することを決断したと伝えた。

この決断は、米CIAが、反体制武装集団が統合しない限りは軍事・資金援助を停止することを決定したのを受けた動きだという。

反体制武装集団の司令官2人が『ハヤート』に明らかにしたところによると、トルコ南部で先週、CIAなど反対西部祖集団を支援する各国諜報機関の代表が参加するかたちで「軍事作戦司令室」幹部会合が開催された。

この会合には、CIAが軍事・資金援助してきた武装集団の司令官が出席していたが、彼らは、反体制派が統合しない限り、支援は中断される旨通告され、2週間の猶予を与えられたという。

会合に参加したのは、ハマー県で活動するナスル軍、イッザ軍、中部師団、ラタキア県の沿岸地方で活動する二個師団、イドリブ県で活動するイドリブ自由軍、自由旅団、そしてシャーム軍団、ムジャーヒディーン軍、「命じられるまま正しく進め」連合、シャーム戦線で、その兵力は2万5,000人に達するという。

CIAからの支援中止の通達を受け、一部の武装集団は会場をあとにし、残った武装集団は統合に向けた協議を継続したが、今のところ協議に具体的な進展は見られていないという。

またCIAの支援通達と前後して、米国製のTOW対戦車ミサイルの供与も停止したという。

会合に参加した武装集団のうち、「命じられるまま正しく進め」連合、イスラーム軍、シャームの鷹旅団、イドリブ自由軍は、米国を見限って、「ユーフラテスの盾」作戦を続行するハワール・キリス作戦司令室への合流を決定したという。

al-Hayat, February 27, 2017をもとに作成。

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