スィーマルカー国境通行所前でイラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたカリーラー部隊の若者の遺体の引き渡しを求める座り込みデモにヤアルビーヤ区の住民や活動家らが参加(2021年10月7日)

ハサカ県では、ANHA(10月6日付)によると、県北東部のティグリス川河畔に設置されているスィーマルカー国境通行所前の広場での北・東シリア自治局ジャズィーラ地域殉教者遺族機構による座り込みデモが3日目を迎え、ヤアルビーヤ(タッル・クージャル)区の住民や活動家ら(スィタール女性大会のメンバー、ジャズィーラ地方戦傷者機構のメンバーら)がテントを訪れ、イラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたクルディスタン労働者党(PKK)の民兵組織である人民防衛部隊(HPG)所属のカリーラー(カレラ)部隊のメンバー5人の遺体の引き渡しを求めた。

AFP, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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バイデン米大統領はトルコへの制裁を定めた大統領令第13894号に基づく国家緊急事態を1年延長(2021年10月7日)

ジョー・バイデン米大統領は米議会下院議長に宛てた書簡のなかで、2019年10月のトルコによるシリア北部への侵攻(「平和の泉」作戦)に際して、トルコに制裁を科するとして同年10月14日にドナルド・トランプ前大統領が施行した大統領令第13894号の有効期限を1年延長する旨伝え、これを延長した。

バイデン大統領は書簡のなかで以下の通り述べている。

シリア国内、および同国にかかる情勢、とりわけシリア北東部に軍事攻撃を行おうとするトルコ政府の動きは、ダーイシュ(イスラーム国)を打ち負かすための活動を弱体化させ、民間人を危険にさらし、地域の平和、安全、安定を奪う脅威、さらには米国の国家安全保障と外交政策への尋常ならぬ脅威をもたらし続けている。ゆえに、私は、シリア国内、および同国にかかる情勢に関して、大統領令第13894号で宣言された国家緊急事態を継続する必要があると判断した。

AFP, October 8, 2021、ANHA, October 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2021、Reuters, October 8, 2021、SANA, October 8, 2021、SOHR, October 8, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県タッル・ブラーク町近郊で電気系統装置を盗み出そうとしたシリア民主軍が抵抗する住民に発砲し多数死傷、ルマイラーン町近郊ではシリア民主軍と米軍による盗奪に対する住民の抗議デモ発生(2021年10月7日)

ハサカ県では、SANA(10月7日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・ブラーク町近郊で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住民に向けて発砲し、1人が死亡、16人が負傷した。

https://www.facebook.com/104403058595444/videos/393300929140976/

シリア人権監視団によると、発砲したのは北・東シリア自治局内部治安部隊(アサーイシュ)で、9人が負傷。

SANAによると、住民は、シリア民主軍がタッル・ブラーク町近郊のナッス・タッル村にある変電所から電気系統装置を盗み出そうとしていたのを阻止しようと集まったところを、シリア民主軍に撃たれた。


この変電所はタッル・ブラーク町に電気を供給している。

シリア人権監視団によると、死傷者が出たことを受けて、地元のブーハッターブ部族の名士がアサーイシュと会談し、事態収拾に向けて協議した。

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また、北・東シリア自治局の支配下にあるルマイラーン町近郊のサイーダ村では、住民がシリア民主軍と米軍による原油と農産物の盗奪に抗議するデモを行い、ルマイラーン町に通じる街道を封鎖し、村内のシリア民主軍の本部や検問所を襲撃、放火した。

これに対して、シリア民主軍は実弾や催涙弾を使用し、住民に無差別に発砲、デモを強制排除した。

AFP, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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ダルアー県サナマイン市で元反体制武装集団メンバー、指名手配者、兵役忌避者らが所持していた武器のシリア軍への引き渡しと社会復帰にかかる手続きが開始(2021年10月7日)

ダルアー県では、SANA(10月7日付)によると、サナマイン市に和解センターが設置され、同市と周辺の村々の元反体制武装集団メンバー、指名手配者、兵役忌避者らが所持していた武器のシリア軍への引き渡しと社会復帰にかかる手続きが開始され、数十人が手続きを済ませた。

また、和解プロセスが完了したジャースィム市にシリア軍部隊が進駐した。

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一方、シリア人権監視団によると、サナマイン市で正体不明の武装集団が住民を自宅前で銃で撃ち殺害した。

AFP, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県北部をトルコ軍基地をシリア民主軍が砲撃し、トルコ軍兵士1人死亡、ロシア軍も同地を爆撃(2021年10月7日)

トルコ国防省はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)を通じて声明を出し、シリア北部での作戦実施中にトルコ軍兵士1人が死亡したと発表した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍兵士は、いわゆる「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県マーリア市東のトゥワイス村近郊に設置されているトルコ軍の基地に対する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の砲撃により敷地内で死亡した。

ロシア軍戦闘機1機も、シリア民主軍の砲撃の直後に基地周辺を3回にわたって爆撃した。

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ハサカ県では、ANHA(8月12日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊にあるアッシリア教徒のタッル・シャンナーン村を砲撃した。

AFP, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がハマー県とヒムス県の砂漠地帯でダーイシュに40回以上の爆撃を実施(2021年10月7日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機5機がハマー県イスリヤー村近郊の砂漠地帯とヒムス県東部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対して40回以上の爆撃を実施した。

AFP, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターはイドリブ県でシャーム解放機構がホワイト・ヘルメットや現地メディアとともに、化学兵器使用を準備していると発表(2021年10月7日)

ロシア当事者和解調整センターは、イドリブ県の緊張緩和地帯南部に位置するザーウィヤ山地方のカンスフラ村とクドゥーラ村を結ぶ地域で、シャーム解放機構が、ホワイト・ヘルメットや現地のメディアと連携し、住民に対して化学兵器を使用し、シリア軍による攻撃を偽装する準備を進めているとの情報を得たと発表した。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3060262674216468

AFP, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ブサンクール村にあるシャーム解放機構の精鋭部隊の本部を爆撃し、1人を殺害(2021年10月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にある県西部のブサンクール村を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

この爆撃で、シャーム解放機構の精鋭部隊アサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊の本部が狙われ、1人が死亡、7人が負傷した。

ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配地を爆撃するのは4日ぶり。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(イドリブ県6件、ラタキア県1件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は3件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3059867714255964

AFP, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で262人、北・東シリア自治局支配地域で254人(2021年10月7日)

保健省は政府支配地域で新たに262人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者65人が完治し、8人が死亡したと発表した。

これにより、10月7日現在の支配地内での感染者数は計36,160人、うち死亡したのは2,314人、回復したのは24,299人となった。

SANA(10月7日付)が伝えた。
https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/617789779604103

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに254人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者6人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、10月7日現在の支配地内での感染者数は計29,619人、うち死亡したのは988人、回復したのは2,219人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性145人、女性109人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市62人、カーミシュリー市29人、マーリキーヤ(ダイリーク)市29人、ルマイラーン町2人、アリーシャ・キャンプ4人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村5人、ラッカ県のラッカ市52人、タブカ市1人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市35人、マンビジュ市20人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)3人、ダイル・ザウル県11人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1699967986859798

AFP, October 7, 2021、ACU, October 7, 2021、ANHA, October 7, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2021、Reuters, October 7, 2021、SANA, October 7, 2021、SOHR, October 7, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民363人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は710,297人に(2021年10月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、10月6日に難民363人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民324人(うち女性97人、子供65人)、ヨルダンから帰国したのは39人(うち女性12人、子供20人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は710,297人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者314,531人(うち女性94,525人、子ども160,128人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,766人(うち女性118,774人、子ども201,834人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,800,865人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は939,577人(うち女性281,957人、子供478,884人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は101,792人(うち女性39,394人、子供33,547人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,370,388人(うち女性421,953人、子供677,313人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3059865517589517

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 7, 2021をもとに作成。

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