反体制系サイトはヨルダン軍がシリアとの国境付近で麻薬を積載した「ドローン」を撃墜したと報じる(2021年10月21日)

反体制系ウェブサイト「スーリーヤ・ネット」は、ヨルダン軍東部部隊がシリアを起点とする麻薬の密輸作戦を阻止したと報じた。

この密輸は「ドローン」を通じて試みられたものだという。

またこれは、ヨルダンがシリアからジャービル国境を経由して試みられた「カメの密輸」の阻止を発表してから3日後の出来事であった。

この件に関連し、ヨルダン軍・アラブ軍総司令部に属する軍事高官筋は「監視と追跡によって1台のドローンがコントロールされ、撃墜された。その後地域を捜索したところ、大量の麻薬が発見された」と明らかにした。ヨルダン国営ペトラ通信社が報じた。

ヨルダン当局は密輸の実行者や責任者について明言することは避けた。

Al-Souria.net, October 21, 2021、Petra, October 21, 2021などをもとに作成。

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アーバン米中央軍報道官は10月20日のタンフ国境通行所の米軍基地へのドローン爆撃に関して「我々は自らに固有の自衛権を有し、我々が選ぶであろう時間と場所で対応する」と述べる(2021年10月21日)

米中央軍(CENTCOM)のビル・アーバン報道官は、10月20日にヒムス県タンフ国境通行所に米軍および英軍が違法に設置している基地が所属不明の無人航空機(ドローン)の爆撃を受けたことに関して、以下の通り述べた。

意図的且つ調整された攻撃を受けた…。
最初の報告によると、攻撃には無人航空システムが使用され、間接射撃が行われたが…現時点で米国の要因への被害は確認されていない。
意図的な攻撃によって被害が出ていないかパートナーとともに確認作業を行っている。
事件については現在調査中で…、現時点でこのほかに付け加えるべき情報はない。
我々は我が軍の安全を確保するため、あらゆる適切な防衛手段を講じ続ける。
我々は自らに固有の自衛権を有し、我々が選ぶであろう時間と場所で対応する。

フォックス・ニュース(10月21日付)などが伝えた。

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Fox News, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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駐シリア米国大使館は10月20日のシリアでの戦闘激化を受けてすべての当事者に自制を求める(2021年10月21日)

駐シリア米国大使館は、首都ダマスカスでの爆弾テロ、シリア軍による「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県のアリーハー市への激しい砲撃、アレッポ県アイン・アラブ市へのトルコ軍の無人航空機(ドローン)による爆撃などでシリアでの緊張が高まっていることを受けて、ツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/USEmbassySyria/)を通じて声明を出した。

声明の内容は以下の通り。

米国はシリアでの10月20日の暴力と攻撃激化を非難する。我々はすべての当事者に現行の停戦を尊重し、緊張緩和と民間人の保護に何よりも注力するよう呼びかける。

https://twitter.com/USEmbassySyria/status/1451136229647560706

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構がイドリブ県を中心とする反体制派支配地の自治を委託しているシリア救国内閣は軍学校を設置(2021年10月21日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構がイドリブ県を中心とする反体制派支配地の自治を委託しているシリア救国内閣は軍学校を設置することを決定したと発表した。

https://www.facebook.com/SG.Syrian/posts/416997506482562

軍学校の新設は、シリア軍が最近になってシリア北西部の反体制派支配地への攻勢を強める動きを見せていることを受けたもの。

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市で住民がトルコ軍の攻撃を抑止しないロシア軍に投石し、怒りを爆発、ロシア軍は抗議を行っていた女性1人をはねる(2021年10月21日)

アレッポ県では、ANHA(10月21日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市で、前日のトルコ軍の無人航空機(ドローン)による爆撃の犠牲者2人が搬送された病院前で、住民多数がロシア軍の車列に投石するなどして、トルコ軍の攻撃を抑止しようとしないロシア軍への怒りを爆発させた。

これに対して、ロシア軍の車列は進路を変えず、女性1人をはね、負傷させた。

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍が占領下のアレッポ県バーブ市近郊でロシア軍所属の偵察用ドローンを撃墜(2021年10月21日)

アレッポ県では、ANHA(10月21日付)によると、トルコ軍がロシア軍所属の偵察用小型無人航空機(ドローン)を撃墜、ドローンはトルコ占領下のいわゆる「ユーフラテス地域」の中心都市の一つバーブ市近郊に墜落した。

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ラッカ県では、ANHA(10月21日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のアブー・ナイトゥーラ村、M4高速道路沿線一帯を砲撃した。

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県で住民とダイル・ザウル軍事評議会がロシア軍の車列の進入を阻止、シリア民主軍の仲裁不調に終わる(2021年10月21日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるジュナイナ村で、住民らが道路に土嚢を積み、タイヤを燃やすなどして、ロシア軍の車列の通行を妨害した。

これを受けて、ロシア軍の車列は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともに障害物を撤去し、通過を試みたが、シリア民主軍に所属するダイル・ザウル軍事評議会が現場に部隊を増強し、ロシア軍部隊の進行を阻止した。

事態を受けて、シリア民主軍が、ロシア軍の車列とダイル・ザウル軍事評議会の仲裁を試みたが、ダイル・ザウル軍事評議会と住民はロシア軍の車列の進入を拒否した。

ヒサーン村では、ロシア軍の車列の進入を拒否する住民が集まり、対するロシア軍はシリア政府の支配下にあるフサイニーヤ町に集結した。

一方、ANHA(10月21日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会の支配下にあるズィーバーン町では、オートバイに乗った正体不明の武装集団が若い男性2人に発砲、1人が死亡、1人が負傷した。

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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ダルアー県ブスル・ハリール市に設置された和解センターで元反体制武装集団メンバー、指名手配者、兵役忌避者らが所持していた武器のシリア軍への引き渡しと社会復帰にかかる手続きが開始(2021年10月21日)

ダルアー県では、SANA(10月21日付)によると、ブスル・ハリール市に設置された和解センターで、同市および周辺の村々の元反体制武装集団メンバー、指名手配者、兵役忌避者らが所持していた武器のシリア軍への引き渡しと社会復帰にかかる手続きが開始された。

また、和解プロセスが完了した東ムライハ町、西ムライハ村にシリア軍部隊が展開し、爆発性戦争残存物(ERW)の撤去を行った。

一方、シリア人権監視団によると、ジッリーン村とサフム・ジャウラーン村を結ぶ街道で、住民1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

またサイダー町でも、軍事治安部に協力する地元の商店主が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県ムウタリム村、同村とアリーハー市を結ぶM4高速道路の沿線一帯、ザーウィヤ山地方のシャンナーン村を砲撃、トルコ軍がこれに応戦(2021年10月21日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるムウタリム村、同村とアリーハー市を結ぶM4高速道路の沿線一帯、ザーウィヤ山地方のシャンナーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、ザーウィヤ山地方に展開するトルコ軍が、シリア政府の支配下にあるハーミディーヤ村を砲撃した。

一方、SANA(10月21日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍がカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所から兵員輸送車、武器を積んだ貨物車輌など30輌からなる車列をシリア領内に新たに進入させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(イドリブ県2件、ラタキア県1件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3071258026450266

AFP, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で336人、北・東シリア自治局支配地域で262人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で550人(2021年10月21日)

保健省は政府支配地域で新たに336人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者100人が完治し、10人が死亡したと発表した。

これにより、10月21日現在の支配地内での感染者数は計40,630人、うち死亡したのは2,467人、回復したのは25,390人となった。

SANA(10月21日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/627415685308179

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに262人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、11人が完治し、17人が死亡したと発表した。

これにより、10月21日現在の支配地内での感染者数は計33,265人、うち死亡したのは1,175人、回復したのは2,349人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性165人、女性97人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市35人、カーミシュリー市25人、マーリキーヤ(ダイリーク)市23人、アームーダー市13人、ルマイラーン町1人、シャッダーディー市2人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村4人、アリーシャ・キャンプ2人、アブー・ハシャブ・キャンプ5人、アレッポ県のマンビジュ市31人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)10人、アイン・アラブ(コバネ)市50人、ラッカ県のラッカ市46人、タブカ市15人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1710042719185658

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月21日に新たに550人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、332人が完治し、10人が死亡したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡153人、ハーリム郡166人、アリーハー郡7人、アレッポ県スィムアーン山郡27人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡39人、アフリーン郡77人、アアザーズ郡77人。

これにより、同地での感染者数は計84,908人、うち死亡したのは1,667人、回復したのは48,920人となった。
https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1693049264233291

AFP, October 21, 2021、ACU, October 21, 2021、ANHA, October 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2021、Reuters, October 21, 2021、SANA, October 21, 2021、SOHR, October 21, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民301人と国内避難民(IDPs)184人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は714,342人、2019年以降帰還したIDPsは103,361人に(2021年10月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、10月20日に難民301人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民289人(うち女性87人、子供147人)、ヨルダンから帰国したのは12人(うち女性4人、子供6人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は714,961人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者318,847人(うち女性95,820人、子ども162,329人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,114人(うち女性118,881人、子ども202,012人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,808,246人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は944,241人(うち女性283,359人、子供481,263人)となった。

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一方、国内避難民184人が新たに帰宅した。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は103,361人(うち女性40,143人、子供33,758人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,371,957人(うち女性422,702人、子供677,524人)となった。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3071256059783796

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 21, 2021をもとに作成。

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インターポールはシリアからサミール・ジャアジャア氏に対する逮捕状を受理したとの報道を否定(2021年10月21日)

親体制派ウェブサイト「スナック・スーリー」などによると、インターポール(国際刑事警察機構)は、「(同機構が)レバノン軍団のサミール・ジャアジャア党首に対する逮捕状を受領した」とのニュースを否定した。

レバノン・ニュースなどが10月19日に報じていた内容によると、ジャアジャア氏は「レバノンに暮らす何百人ものシリア住民への攻撃を行い」、「テロ組織と共謀しシリア政府の転覆を試みた」容疑により、シリア当局から逮捕状が出され、それがインターポールに受理されたとされる。

今日の報道により、これが誤報であったことが明らかになったかたちである。

Snack Suri.com, October 21, 2021、National News.com, October 20, 2020、Lebanon News Online, October 19, 2021などをもとに作成。

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