トルコ占領下のシリア北部とシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る同北西部各所で、トルコのチャヴシュオール外務大臣の発言に抗議するデモ発生(2022年8月11日)

トルコの占領下にあるシリア北部とシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る同北西部各所で、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣の発言に抗議するデモが発生した。

シリア人権監視団、MMC(8月11日付)、反体制系のシリア・テレビ(8月11日付)などによると、デモが行われたのは、トルコの占領下にあるアレッポ県のアアザーズ市、バーブ市、スーラーン町(スーラーン・アアザーズ町)、アフティームラート村、ハサカ県のラアス・アイン市、ラッカ県のタッル・アブヤド市、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県のイドリブ市など。

このうち、アアザーズ市では、デモ参加者が地元評議会や治安局の建物に押し入り放火、トルコ軍の車列の通行を妨害したほか、トルコ国旗を引きずり下ろすなどして抗議の意思を示した。


https://www.facebook.com/watch/?v=457742352891853

https://www.facebook.com/watch/?v=438215318228906

https://www.facebook.com/watch/?v=392897856299988

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チャヴシュオール外務大臣の発言を受け、アレッポ北部郊外革命運動を名乗るグループが声明を出し、「自由シリア人数十万人を強制移住させ、殺戮、逮捕した者との和解はない」、「我々は自由と尊厳の革命の要求の何一つも撤回せず、第1の要求は体制とその支援者の打倒だ」と訴え、抗議デモを呼びかけていた。

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また、シャーム解放機構に近い解放区政治問題局を名乗る組織(2022年5月発足)は声明を出し、チャヴシュオール外務大臣の発言に拒否の姿勢を示した。

AFP, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、MMC, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022、Syria TV, August 11, 2022などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣はシリアのミクダード外務在外居住者大臣と会談していた事実を認めるとともに、シリア政府と反体制派の和解の必要を訴える(2022年8月11日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、首都アンカラで行われている第13回大使会議の最終日の演説で、シリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談していた事実を認めるとともに、シリア政府と反体制派の和解の必要を訴えた。

チャヴシュオール外務大臣は、セルビアの首都ベルグラードで昨年10月に開催された非同盟諸国会議の場でミクダード外務在外居住者大臣と短い時間ではあったが会談したことを明らかにしたうえで、次のように述べた。

我々はシリアの反体制派と体制を何らかのかたちで和解させねばならない。そうしなければ、持続的和平はない。
シリア分割を避けるため、シリアには強力な行政府、国土全体を掌握できる行政府がなければならない。それは、統合と団結を通じてしか実現し得ない。
ロシアは我々がシリアの体制と連絡をとることを望んでおり、現時点で実現はしていないが、(レジェップ・タイイップ・)エルドアン大統領とアサド大統領の会談を提案してくれた。
シリアが危機から脱却する唯一の道は、政治的和解と、テロリストたちがいかなる名前を名乗ろうと、彼らを浄化することである。

アナトリア通信(8月11日付)が伝えた。

AFP, August 11, 2022、Anadolu Ajansı, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022などをもとに作成。

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バイデン米大統領は米国人ジャーナリストのオースティン・タイス氏の帰宅に向けて取り組むようシリア政府に改めて呼びかける(2022年8月11日)

ジョー・バイデン米大統領は、米国人ジャーナリストのオースティン・タイス氏がシリア国内で失踪してから10年が経ったのに合わせて声明を出し、この問題を決着させ、同氏を帰宅させるために米国とともに取り組むようシリア政府に改めて呼びかけた。

AFP, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022などをもとに作成。

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ロシア軍オルラン10ドローンが「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県カフルシャラーヤー村近くに墜落(2022年8月11日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月11日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、ロシア軍の無人航空機(ドローン)オルラン10が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフルシャラーヤー村近くに墜落した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、バイニーン村、スフーフン村、ファッティーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原の灌漑計画地区一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市一帯でシリア軍が地元の反体制武装集団が交戦、同地を砲撃した。

また、イブタア町南にある軍事情報局の検問所が地元の反体制武装集団の襲撃を受けた。

一方、ダルアー市ダルアー・バラド地区では、密輸業者とされる男性が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍とアフリーン軍団はアレッポ県でトルコ軍兵士30人あまりを殺害したと発表する一方、トルコのソイル内務大臣は同県でPKKメンバーを拘束したと発表(2022年8月11日)

ラッカ県では、SANA(8月11日付)、ANHA(8月11日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のヒーシャ村、マアラク村、ジャディーダ村、アイン・イーサー・キャンプ、M4高速道路沿線を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(8月11日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイナ村一帯、タッル・カッラーフ村一帯、ウンム・フーシュ村、ハルバル村を砲撃した。

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ハサカ県では、トルコ軍が、カーミシュリー国際空港に駐留するロシア軍部隊と行っている定例の国境での合同パトロールを、同地一帯への攻撃を理由に中止することをロシア側に申し入れた。

 

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アフリーン解放軍団は声明を出し、トルコの占領下にあるアレッポ県シャッラー村一帯、バーブ市一帯およびアアザーズ市一帯で8月5日、6日、7日の3日間でトルコ軍基地などを攻撃し、
トルコ軍兵士6人を殺害、17人を負傷させたと発表した。

また、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、トルコ軍による連日の砲撃や無人航空機(ドローン)による爆撃で、多数の民間人や兵士が犠牲となっていることへの報復として、8月8日にトルコのマルディン県に面する国境地帯で3回の特殊作戦を実施し、トルコ軍兵士23人を殺害、2人を負傷させたと発表した。

ANHA(8月11日付)が伝えた。

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トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、占領下のアレッポ県のマーリア市一帯で、ハタイ警察の諜報機関と軍特殊部隊が合同治安作戦を行い、クルディスタン労働者党(PKK)のメンバーの1人でアアザーズ市に対するテロ攻撃を計画していたハサン・ナッジャール容疑者(アブー・アリー)を拘束したと発表した。

AFP, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022などをもとに作成。

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シリア国内で盗奪した石油を積んだタンクローリー144輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラク領内に移動(2022年8月11日)

ハサカ県では、SANA(8月11日付)によると、シリア国内の油田から不正に採掘し、盗奪した石油を積んだタンクローリー144輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラク領内に移動した。

 

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるムサッラブ村近郊に設置された国防隊の拠点の一つで、国防隊の隊員1人が遺体で発見された。

AFP, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022などをもとに作成。

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シリア学生国民総連合は「第1の隣人」第2段階の一環として各地で若者に選挙参加を呼びかける対話集会を開催(2022年8月11日)

シリア学生国民総連合は、地方行政環境省の協力のもとに2日に各地で開始した「第1の隣人」第2段階の一環として、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市、タルトゥース県バイト・カンムーナ村、ヒムス県マズィーナ村、アレッポ県マスカナ村、ダイル・ハーフィル市、ヌッブル市、ラタキア県カンジャラ町で、若者に統一地方選挙への参加を呼びかける対話集会を開催した。

SANA(8月11日付)が伝えた。

AFP, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で36人(2022年8月11日)

保健省は政府支配地域で新たに36人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者10人が完治したと発表した。

これにより、8月11日現在のシリア国内での感染者数は計56,670人、うち死亡したのは3,156人、回復したのは52,912人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/pfbid02hf4QNppMf4LcGMqkyPLGayMfF1h8vSMuQHAb1Fj4nYPdo34ANtMJmc9XmEpq2iwLl

AFP, August 11, 2022、ACU, August 11, 2022、ANHA, August 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2022、Reuters, August 11, 2022、SANA, August 11, 2022、SOHR, August 11, 2022などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは過去24時間で緊張緩和地帯内でヌスラ戦線(シャーム解放機構)による7回の砲撃を確認したと発表(2022年8月11日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・エゴロフ副センター長は、過去24時間で緊張緩和地帯内でテロ組織のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)による7回の砲撃(すべてイドリブ県)を確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(8月11日付)が伝えた。

RIA Novosti, August 1, 2022をもとに作成。

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