シリア民主軍はトルコ軍のドローン攻撃に対する米国の沈黙に抗議し、有志連合と行っているイスラーム国に対する軍事作戦を中止(2022年8月12日)

クルド民族主義系サイトのバスニュース(8月12日付)はクルド消息筋の話として、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、シリア北東部に対するトルコ軍による無人航空機(ドローン)での攻撃激化に対する米国の沈黙に抗議するため、米軍主導の有志連合と行っているイスラーム国に対する軍事作戦を中止した、と伝えた。

同消息筋によると、この2週間でトルコ軍の攻撃で、シリア民主軍の兵士多数が死傷している事態を受けたもの。

無所属系サイトのムジュハル(8月13日付)によると、中止は正式に発表されたものではないという。

https://www.facebook.com/Mujhar.platform/posts/pfbid0SgqjRJrSEHXWVTWsGhXSMfrZNLbRmEqMEzcdgNeXBWooTr9TYdVCfVjeMpacSz9bl

トルコを拠点とする反体制系メディアのシリア・テレビ(8月13日付)によると、作戦中止は、クルディスタン労働者党(PKK)がシリア民主軍に圧力をかけて決定された。

AFP, August 13, 2022、ANHA, August 13, 2022、Basnews, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 13, 2022、Mujhar, August 13, 2022、Reuters, August 13, 2022、SANA, August 13, 2022、SOHR, August 13, 2022、Syria TV, August 13, 2022などをもとに作成。

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トルコ占領地とシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」内の30以上の市町村でシリア政府と反体制派の和解の必要を説いたトルコのチャヴシュオール外務大臣の発言に抗議するデモが行われ、数万人が参加(2022年8月12日)

トルコの占領下にあるシリア北部とシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る同北西部各所で、8月11日のトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣の発言に抗議するデモが続けられた。

抗議デモは、チャヴシュオール外務大臣が首都アンカラで行われている第13回大使会議の最終日の演説で、シリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談していた事実を認めるとともに、「我々はシリアの反体制派と体制を何らかのかたちで和解させねばならない。そうしなければ、持続手和平はない」と述べたのを受けたもの。

発言を受けて8月11日に、トルコの占領下にあるアレッポ県のアアザーズ市、バーブ市、スーラーン町(スーラーン・アアザーズ町)、アフティームラート村、ハサカ県のラアス・アイン市、ラッカ県のタッル・アブヤド市、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県のイドリブ市などでデモが発生していた。

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シリア人権監視団、イナブ・バラディー(8月12日付)、オリエント・ニュース(8月12日付)、トルコのシリア・テレビ(8月12日付)、ザマーン・ワスル(8月12日付)などによると、トルコ占領地では、アレッポ県のバーブ市、アアザーズ市、ジャラーブルス市、ラーイー村、アフリーン市、ダービク村、ジンディールス町、ラージュー町、アフタリーン市、マアバトリー(マーバーター)町、トゥルクマーン・バーリフ村、マーリア市、スーラーン町、カルジャブリーン村、ズィヤーディーヤ村、バザーア村で、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」では、イドリブ県のイドリブ市、ハーリム市、ダーナー市、アティマ村、サルキーン市、サルマダー市、カファルヤー町、マアッラトミスリーン市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ、カフルルースィーン村、ジスル・シュグール市、マストゥーマ村、ダルクーシュ町、ハザーヌー町、タッル・カラーマ村、アレッポ県のアターリブ市、ダーラ・イッザ市、ジーナ村、イッビーン村で抗議行動が行われた。

デモが行われた市町村は30以上に上り、数万人が参加した。


https://twitter.com/JustKhalid313/status/1558063766478233603

https://twitter.com/JustKhalid313/status/1558053143824535559

 

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マストゥーマ村でのデモでは、バアス前衛基地に駐留しているトルコ軍が、基地の前で抗議行動を行う住民らを強制排除するため、催涙ガスを発射した。




また、ジャラーブルス市の国境通行所に駐留しているトルコ軍も、空に向けて銃を発砲するなどして、デモ参加者を強制排除した。

https://twitter.com/hazm_mr/status/1558067578253230082
だが、ガズィアンテップ県知事はトルコ軍の介入について否定した。

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シリア人権監視団によると、各地で行われたデモには、イスラーム解放党のメンバーや支持者も参加し、トルコ国旗を掲揚している軍・治安関連、自治関連の機関に対して、トルコ国旗を撤去する意志を示したという。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、‘Inab Baladi, August 12, 2022、Orient News, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022、August 13, 2022、Syria TV, August 12, 2022、Zaman al-Wasl, August 2022などをもとに作成。

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シリア・イスラーム評議会はトルコのチャヴシュオール外務大臣の発言を批判する一方、シリア国民連合は非難を控える(2022年8月12日)

トルコで活動するシリア・イスラーム評議会は声明を出し、トルコのチャヴシュオール外務大臣の発言を以下のように批判した。

アサド体制との和解の呼びかけは、この地域における最大のテロとの和解を意味し、近隣諸国とその国民の安全を脅かす。それは、犯罪者に報いること、正統性を付与することを意味し、犯罪行為を続けさせることになる。この問題に関して出されたすべての国際的な決議に反している。
この体制との和解は、シリア国民にとっては、この地域の諸国民を苦しめるダーイシュ(イスラーム国)、QSD(シリア国民軍)、PKK(クルディスタン労働者党)などのテロ組織と和解するに等しい。

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自由人弁護士組合なる組織も声明を出し、「もっとも厳しい表現」でチャヴシュオール外務大臣の発言を非難すると発表した。

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一方、シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)の広報通信局は声明を出し、「トルコの外務大臣の発言に関してトルコの公式当局と昨日から何度も連絡を取り合い、彼らはシリア国民の正統な要求と国連安保理決議第2254号の実施を支持していることを確認した」と発表、批判を控えた。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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トルコ外務省報道官は報道声明で「シリア国民との連帯は続く」と強調(2022年8月12日)

トルコ外務省報道官は報道声明(第QA-22号)を出し、国際社会のすべての当事者とともに、シリア国民の期待に沿うかたちで、紛争の持続的な解決をもたらすための努力を続けるとしたうえで、「シリア国民との連帯は続く」と強調した。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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カーミシュリー市マサーリフ地区(北・東シリア自治局支配下)で慈善団体の職員が何者かによって銃で撃たれて死亡(2022年8月12日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市のマサーリフ地区(北・東シリア自治局支配下)で慈善団体の職員が何者かによって銃で撃たれて死亡した。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はフール・キャンプに収容していたダーイシュのイラク人メンバーの家族約150人の身柄をイラク政府に引き渡す(2022年8月12日)

シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局はハサカ県のフール・キャンプに収容していたダーイシュ(イスラーム国)のイラク人メンバーの家族約150人の身柄をイラク政府に引き渡した。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がラタキア県、イドリブ県、アレッポ県で交戦(2022年8月12日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、スフーフン村を砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、シリア政府の支配下に復帰したマアッラト・ヌウマーン郡タマーニア区で「テロ」によって破壊された電力網の復旧作業が開始された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市に隣接するシリア政府支配下のターディフ市一帯で、シリア軍とシリア国民軍が交戦した。

一方、トルコ占領下のマーリア市近郊では、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地から発射された対戦車ミサイルがシリア国民軍所属のシャーム戦線の車輌を直撃し、車が炎上、乗っていた戦闘員多数が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、地元の反体制武装集団がサイダー町の陸橋近くに設置されているシリア軍第15師団の検問所を襲撃した。

地元の反体制武装集団はまた、ムサイフラ町にいたる交差点に設置されている空軍情報部の検問所を襲撃した。

これに対して、シリア軍はタファス市南の平原一帯を砲撃、地元の反体制武装集団と交戦した。

一方、ダルアー市のダルアー市ダルアー・バラド地区のウマリー・モスク前では、「イランの民兵」とレバノンのヒズブッラーのタファス市からの退去を求める抗議デモが行われた。

また、ダルアー市のブスラー広場近くで、何者かによって銃で撃たれて殺害されたと見られるシリア軍兵士の遺体が発見された。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍とがハサカ県タッル・タムル町一帯を砲撃し、シリア民主軍傘下のスィルヤーニー軍事評議会の兵士2人が死亡(2022年8月12日)

アレッポ県では、ANHA(8月12日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイナ村、グライビシュ村、ダイルカーク村、シャッアーラ村、マドユーナ村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(8月12日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村、クブール・ガラージナ村を砲撃した。

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のスィルヤーニー軍事評議会の発表によると、この砲撃で、同評議会の兵士2人が死亡した。

トルコ軍はまた、タッル・タムル町近郊のシャイフ・アリー村を砲撃し、シリア軍兵士2人(うち士官1人)が負傷した。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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統一地方選挙(議席総数19,086人)の立候補届出総数が68,178件に(2022年8月12日)

最高司法選挙委員会(選挙管理委員会)のジハード・ムラード委員長は、9月18日に投票が予定されている統一地方選挙(議席総数19,086人)の立候補届出総数が68,178件に達していることを明らかにした。

ムラード委員長によると、15日までに立候補届出の審査・受理が行われ、受理されなかった立候補希望者による異議申し立てとその審査を経て、21日に立候補者が確定する予定だという。

SANA(8月12日付)が伝えた。

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イスラエル軍が占領下のゴラン高原からクナイトラ県ハミーディーヤ村一帯を砲撃し、住民2人負傷(2022年8月12日)

クナイトラ県では、SANA(8月12日付)によると、イスラエル軍が占領下のゴラン高原からハミーディーヤ村一帯を砲撃し、住民2人が負傷した。

シリア人権監視団によると、砲撃はイスラエル軍戦車によるもの

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で21人(2022年8月12日)

保健省は政府支配地域で新たに21人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者14人が完治し、1人が死亡したと発表した。

これにより、8月12日現在のシリア国内での感染者数は計56,691人、うち死亡したのは3,157人、回復したのは52,926人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/pfbid02dWoF5RgNvQmogEXFSz5cSZBY3fh3hH2PCNC8kizsVHedxSXwQHPy43aDzW55UrKJl

AFP, August 12, 2022、ACU, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは過去24時間で緊張緩和地帯内でヌスラ戦線(シャーム解放機構)による3回の砲撃を確認したと発表(2022年8月12日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・エゴロフ副センター長は、過去24時間で緊張緩和地帯内でテロ組織のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)による3回の砲撃(アレッポ県2回、イドリブ県1回)を確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(8月12日付)が伝えた。

RIA Novosti, August 12, 2022をもとに作成。

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