米主導の有志連合は少女4人が犠牲となったハサカ県シャンムーカ村の女児教育センターに対するトルコ軍のドローン攻撃を非難(2022年8月19日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は声明(第20200819-01)を出し、少女4人が犠牲となったハサカ県シャンムーカ村の女児教育センターに対するトルコ軍の無人航空機(ドローン)による攻撃を非難した。

声明の内容は以下の通り。

8 月 18 日晩、武装した無人航空機システムが、ハサカ県で国連の教育支援プログラムに参加し、バレーボールをしていた 10 代の少女たちを攻撃した。 初期報告によると、攻撃によって、4 人が死亡し、数人が負傷した。 有志連合を代表して、私(広報)はこの攻撃、そして民間人を殺害し、負傷させるその他の攻撃を非難する。 こうした行為は、民間人の保護を必要とする武力紛争の法律に反している。亡くなられた方々にはお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々には心よりお見舞いを申し上げる。
シリア北部での軍事的敵対行為の増加は、ISIS(ダーイシュ(イスラーム国))の脅威が存在する脆弱な地域に混乱を引き起こしている。我々は、すべての関係者に即時の緊張緩和と、有志連合がISISとの戦いで獲得した重要な戦果を危険に晒す活動の停止を求める。

AFP, August 20, 2022、ANHA, August 20, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2022、Reuters, August 20, 2022、SANA, August 20, 2022、SOHR, August 20, 2022などをもとに作成。

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シリア政府はトルコとの和解に向けてイドリブ県の支配回復などを5つの条件を示す(2022年8月19日)

トルコ日刊紙『テュルキイェ』(8月19日付)は、シリア、トルコ両政府が双方に示している関係改善に向けた条件の詳細を明らかにした。

同紙によると、シリア政府側は、①イドリブ県の支配回復、②ラタキア県カサブ、の国境通行所に加えて、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所の税関設備の移管、③バーブ・ハワー通行所から首都ダマスカスに至る地域の回復、④M4高速道路の完全再開、⑤欧米諸国の対シリア制裁へのトルコの不参加、を関係改善の条件として示している。

これに対して、トルコ側は、①クルディスタン労働者党(PKK)および同組織につながりのある民兵の根絶、②その後のシリア政府と反体制派の和解プロセスの貫徹、を条件としているという。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022、Turkiye, August 19, 2022などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領:「我が国は、アサド体制に勝利することではなく、シリア北部、ユーフラテス川東岸でテロを撲滅することが目的だ」(2022年8月19日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、シリア政府との関係改善について改めて前向きな姿勢を示した。

エルドアン大統領は、イスタンブール再開発プロジェクトの一環として再建された住宅の引き渡し式展で演説し、次のように述べた。

我々はシリアの体制と歩を前に進め、それによって我々の地域における多くの計略を反故にしなければならない。
アサド体制との対話はより高度なレベルに移行しなければならない。我々にはアサドが負けようが負けまいが関係ない。
我が国は、アサド体制に勝利することではなく、シリア北部、ユーフラテス川東岸でテロを撲滅することが目的だ。
米国とその同盟国は、シリアにおけるテロの主要な支援者だ。

 

アナトリア通信(8月19日付)などが伝えた。

AFP, August 19, 2022、Anadolu Ajansı, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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駐シリアEU代表:「政治プロセスに先行した関係正常化も、制裁解除も、復興もない」(2022年8月19日)

駐シリア欧州連合(EU)代表部のダン・ストエネスク代表は、シリア政府との関係改善に関して改めて消極的な姿勢を示した。

ストエネスク代表は以下のように述べた。

シリアの体制との関係正常化に対するEUの姿勢は今も確固として変わらない。
同体制への我々の姿勢は明白だ。政治プロセスに先行した関係正常化も、制裁解除も、復興もない。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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ハサカ県カスラク村に違法に駐留する米軍(有志連合)がトルコ占領下のハサカ県「平和の泉」地域近くで、実弾を用いた軍事演習を行い、戦闘機複数機も参加(2022年8月19日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町南東に位置するカスラク村の基地に駐留する米軍(有志連合)部隊が、トルコ占領下の「平和の泉」地域近くで、実弾を用いた軍事演習を行い、戦闘機複数機も参加した。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県各所、トルコ占領下のアレッポ県各所で、シリア政府との和解、チャヴシュオール外務大臣の発言を拒否するデモ(2022年8月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市、サルマダー市、カフル・アルーク村、カフルルースィーン村で「我々は革命家であり、反体制派ではない」と銘打ったデモが行われ、シリア政府との和解と、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣の発言への拒否の意思を表明した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるマーリア市、アフタリーン市、シャマーリフ村の国内避難民(IDPs)キャンプで、イドリブ県と同様の抗議デモが行われた。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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米主導の有志連合が基地(グリーン・ヴィレッジ)を設置しているダイル・ザウル県ウマル油田一帯にロケット弾複数発が着弾(2022年8月19日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が基地(グリーン・ヴィレッジ)を設置しているダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)支配下のユーフラテス川東岸地域内のウマル油田一帯にロケット弾複数発が着弾した。

ロケット弾はシリア政府の支配下にある「イランの民兵」活動地域から発射されたものと見られる。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアレッポ県、イドリブ県を砲撃(2022年8月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・アンマ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にある不ザーウィヤ山地方のファッティーラ村、ルワイハ村、フライフィル村、スフーフン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がガーブ平原の灌漑計画地区一帯で砲撃戦を行った。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がクルド山地方のカッバーナ村一帯で砲撃戦を行った。

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ヒムス県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月19日付)によると、スフナ市とタドムル市を結ぶ街道で、シリア軍兵士10人ほどを乗せたバスが正体不明の武装集団の要撃を受け、多数が死傷した。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍がダイル・ザウル県ズィーバーン町で逮捕した10人を釈放(2022年8月19日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)のズィーバーン町で逮捕した10人を釈放した。

10人の釈放は、17日にウマル油田に設置されている米軍(有志連合)の基地(グリーン・ヴィレッジ)で行われたシリア民主軍の代表と地元の部族長・名士の会合を受けたもの。

会合では、シリア民主軍が8月15日から続けているズィーバーン町ラトゥーワ地区包囲への対応を協議され、地元の部族長・名士の要請に従い、解囲が合意された。

ズィーバーン町の包囲は、ラトゥーワ地区の水上通行所近くで密輸業者とシリア民主軍の部隊が交戦し、シリア民主軍兵士1人を含む3人が負傷したことに端を発しており、内務治安部隊(アサーイシュ)は10人を逮捕していた。

一方、ダイル・ザウル民政評議会の支配下にあるシャンナーン村では、シリア民主軍の活動や生活苦に抗議してデモを行った。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県バーブ市の市街地や大衆市場が砲撃を受け、17人が死亡、35人以上が負傷:トルコの爆撃に対するシリア軍の報復(2022年8月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域の中心都市の一つバーブ市の市街地や大衆市場が砲撃を受け、子ども6人と身元不明者4人を含む17人が死亡、35人以上が負傷した(ホワイト・ヘルメットによると、子ども5人を含む14人が死亡、子ども11人を含む30人以上が負傷)。

https://twitter.com/SyriaCivilDef/status/1560564618635972608

砲撃は、バーブ市西のシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地域から発射された。

https://t.me/ALMAREKK/11034

反体制組織のシリア対応調整者は声明を出し、砲撃が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によるものだと断じ、非難した。

https://www.facebook.com/humanitarianresponse1/posts/pfbid02m8EFHj5KwqooE3XYqGdcCLwUR4pjNRFTWwtEx1gM8h7yLs9KBUZckyZ4wTzE8eqTl

シリア・イスラーム評議会も声明を出し、砲撃を「支配者アサドの悪党」によるものと断じ、「いかなる状況下においても和解は不可能だ」と表明した。

これに対して、シリア民主軍広報センター長のファルハード・シャーミー氏は報道声明を出し、砲撃への関与を否定した。

ANHA(8月19日付)が伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月19日付)によると、砲撃は多連装ロケット砲によるもの。

シリア民主軍は多連装ロケット・システムは保有していない。

砲撃は17日に、トルコ軍の戦闘機がアイン・アラブ市西の国境に近いジャールカリー村一帯を爆撃し、シリア軍兵士多数が死傷したことへの報復と見られる。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、バーブ市近郊とシリア政府の支配下にあるターディフ市近郊でシリア国民軍と砲撃戦を行った。

一方、ANHA(8月19日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市と同市近郊のバイルーニーヤ村、バイナ村、カラーミル村、ハースィーン村、アイン・ダクナ村、シャッアーラ村、ナイラビーヤ村、スムーキーヤ村を砲撃した。

一連の砲撃で、女性1人と子ども1人が負傷した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍によるガルナータ村に対する砲撃で、タッル・ダマーン村からの国内避難民(IDPs)の少女が重傷を負い、20日に死亡した。

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ハサカ県では、ANHA(8月19日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村を砲撃し、シリア軍兵士2人が負傷した。

https://hawarnews.com/ar/uploads//2022/08/19/060400_e2808fe2808fmnashyt-nskhh-copy.jpg

トルコ軍はまたダルバースィーヤ市近郊のジャトラ村とカルマーニーヤ村の間に位置する農地を砲撃した。

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022、August 20, 2022などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市のウスター地区でタクシーに仕掛けられていた爆弾が爆発(2022年8月19日)

ハサカ県では、SANA(8月19日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市のウスター地区でタクシーに仕掛けられていた爆弾が爆発した。
中に人は乗っておらず、死傷者はなかった。

ANHA(8月19日付)によると、爆弾を仕掛けたのは2人組。

 

AFP, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で12人(2022年8月19日)

保健省は政府支配地域で新たに12人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者20人が完治したと発表した。

これにより、8月19日現在のシリア国内での感染者数は計56,831人、うち死亡したのは3,160人、回復したのは53,049人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/pfbid0MHxWbnJ31Let8WDq9dv2PZSvnsXzKZWdA4hfuBNgtEh7DuM5idW2HxHwf9DRQzRRl

AFP, August 19, 2022、ACU, August 19, 2022、ANHA, August 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2022、Reuters, August 19, 2022、SANA, August 19, 2022、SOHR, August 19, 2022などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターはホワイト・ヘルメットがヌスラ戦線(シャーム解放機構)とともにロシア軍とシリア軍の無差別攻撃を偽装するための映像撮影を計画していると発表(2022年8月19日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・エゴロフ副センター長は、イドリブ県のアリーハー市とジスル・シュグール市で活動するホワイト・ヘルメットの代表らがテロ組織のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)とともに、ロシア軍とシリア軍の市民インフラや住宅地への無差別攻撃を偽装するための映像の撮影を計画していると発表した。

RIAノーヴォスチ通信(8月19日付)が伝えた。

RIA Novosti, August 19, 2022をもとに作成。

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