米国務省はシリア政府が関与しているとされるカプタゴンの生産や拡散に対抗するための戦略を記した報告書を議会に提出(2023年6月29日)

米国務省は、シリア政府が関与しているとされるカプタゴンの生産や拡散に対抗するための戦略を記した報告書を議会に提出した。

報告書は以下4点を骨子とする。

1. 法執行機関の捜査に対する外交面および諜報面の支援。
2. シリアの体制の密輸ネットワークを標的とした経済制裁やそのほかの金融措置の活用。
3. 麻薬を撲滅し、カプタゴンなどの違法薬物の製造に使用される違法合成薬物の供給を絶つのに必要な能力を構築するための協力国への支援や教練、多国間による関連機関の協力。
4. シリアの体制への外交圧力。

AFP, June 30, 2023、ANHA, June 30, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2023、Reuters, June 30, 2023、SANA, June 30, 2023、SOHR, June 30, 2023などをもとに作成。

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アサド大統領長男のハーフィズ氏がモスクワ大学で純粋数学の修士号を取得、アスマー夫人がモスクワでの修了式・学位授与式に参列(2023年6月29日)

シリアの優秀創造性機構(DCA)はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/DCA.SYRIA/)などを通じて、アサド大統領の長男のハーフィズ・バッシャール・アサド氏がロシアのM.V.ロモノーソフ・モスクワ国立総合大学(モスクワ大学、МГУ)の大学院修士課程を修了し、純粋数学の修士号を取得したと発表した。

https://www.facebook.com/DCA.SYRIA/posts/pfbid02zRkrBBJj1FiuGdCWexr2CuE58RnnXP5RfF4XxzYuwg4QaAUuKqacpbqx5ADajgC4l

ハーフィズ氏のウラジーミル・チュバリコフ教授の指導のもと、「整数の二次関数の値の合計として現れる整数」と題した修士論文を提出し、論文審査試験を優秀な成績を収めて、修了証書を受け取った。

ハーフィズ氏は、大学が優秀な学生に対して認める措置として、2年間の課程を1年で修め、修士号を取得した。

なお、ハーフィズ氏は、国際科学オリンピックへの参加経験があり、2018年に高等教育を優秀な成績で修了、応用科学テクロノジー高等研究所に就学、その後2022年にモスクワ大学の大学院に進学していた。

修了式・学位授与式には、母親で、DCCの会長を務めるアスマー・アフラス大統領夫人も参列した。

RIAノーヴォスチ通信(6月29日付)によると、アスマー夫人は、ヴィクトル・A・サドーヴニチィ総長の招待を受け、ロシアを訪問した。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、RIA Novosti, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

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イスラエル占領下のゴラン高原で巨大な爆発が発生(2023年6月29日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるハドル村に面するイスラエル占領下のゴラン高原(サヒータ地区)で巨大な爆発が発生した。

イナブ・バラディー(6月29日付)によると、爆発は、イスラエル軍が同地に敷設していた地雷を爆発させたことによるもの。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、‘Inab Baladi, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

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アレッポ県とイドリブ県の各所でシャーム解放機構の活動に反対する抗議デモ続く(2023年6月29日)

シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内に位置するアレッポ県のバーブ市、スーラーン・アアザーズ町、シャーム解放機構の支配下にあるアレッポ県のカフラ村、イドリブ県のカラーマ国内避難民(IDPs)キャンプ群、カフルタハーリーム町で、住民が、シャーム解放機構の活動やアブ・ムハンマド・ジャウラーニー指導者に抗議するデモを行い、逮捕者の釈放を求めた。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

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【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは過去24時間にマグニチュード2.1~4.9の地震が5回発生したと発表(2023年6月29日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にハマー県西部、トルコ、イラク・イラン国境地帯、シリア・トルコ国境地帯を震源とするマグニチュード2.1~4.9の地震が5回発生したと発表した。

SANA(6月29日付)が伝えた。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

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国連総会はシリアが反発するなか、同国での行方不明者の消息を調査するための独立機関の設置を決定する一方、安保理では越境(クロスボーダー)人道支援延長をめぐる審議が本格化(2023年6月29日)

国連総会(193ヵ国)は、2011年以降シリアで、当局によって拘束されるなどして失踪したとされる行方不明者約10万人の消息を調査するための独立機関(シリア・アラブ共和国における失踪者にかかる独立機関)の設置を定めた決議案を賛成多数で決定した。

決議案はルクセンブルグが提出、米英仏、日本など83ヵ国が賛成、シリア、ロシア、中国、イラン、キューバ、北朝鮮、ベネズエラなど11ヵ国が反対、インドなど62ヵ国が棄権した。

決議採択を受けて、シリアのバッサーム・サッバーグ国連代表は、この機関設置を定めて決議について、「シリアを標的とした、政治利用された新たな決議で、シリアの内政にあからさまに干渉しようとする姿勢を明らかに反映しており、米国を筆頭とする一部西側諸国がシリアに対して敵対的な手法を継続しようとするさらなる証拠だ」と非難した。

賛成した83ヵ国は、アルバニア、アンドラ、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バハマ、ベルギー、ベニン、ボスニアヘルツェゴビナ、ブラジル、ブルガリア、カーボベルデ、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、キプロス、コートジボワール、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、ドミニカ、エクアドル、エストニア、フィジー、フィンランド、フランス、ガンビア、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、グアテマラ、ホンジュラス、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、キリバス、クウェート、ラトビア、リベリア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、マーシャル諸島、メキシコ、ミクロネシア、モナコ、モンテネグロ、ミャンマー、オランダ、ニュージーランド、北マケドニア、ノルウェー、パラオ、パナマ、パプアニューギニア、ペルー、ポーランド、ポルトガル、カタール、韓国、モルドバ、ルーマニア、サモア、サンマリノ、スロバキア、スロベニア、スペイン、スリナム、スウェーデン、スイス、トンガ、トルコ、ウクライナ、英国、米国、ウルグアイ、バツアツ。

反対した11ヵ国、バラルーシ、ボリビア、中国、キューバ、北朝鮮、エリトリア、イラン、ニカラグア、ロシア、シリア、ザンビア。

棄権した62ヵ国は、アルジェリア、アンゴラ、アルメニア、アゼルバイジャン、バーレーン、バングラデシュ、ベリーズ、ブルネイ、ブルンジ、カンボジア、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ、ジプチ、エジプト、エルサルバドル、エチオピア、ガボン、ガーナ、ガイアナ、インド、インドネシア、イラク、ヨルダン、カザフスタン、ケニヤ、キルギスタン、ラオス、レバノン、マダガスカル、マレーシア、モーリタニア、モーリシャス、モンゴル、モロッコ、ネパール、ナイジェリア、オマーン、パキスタン、フィリピン、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、サウジアラビア、セネガル、セルビア、シンガポール、ソロモン諸島、南アフリカ、スリランカ、タジキスタン、タイ、東チモール、トーゴ―、トリニダード・トバゴ、チュニジア、ウガンダ、アラブ首長国連邦、タンザニア、ウズベキスタン、ベトナム、イエメン。

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国連安保では、シリアの人道・政治情勢にかかる会合が開かれた。

会合では、マーティン・グリフィス国連人道問題担当事務次長とナジャート・ルシュディー国連シリア担当副特使が、7月10日に失効するシリアへの越境(クロスボーダー)での人道支援の期間を12ヵ月再延長するよう訴えた。

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これに対して、シリアのバッサーム・サッバーグ国連代表は、シリアにおける人道状況の改善には、シリアへの持続的な支援を充実させることが必要だとしたうえで、早期復旧プロジェクトへの支援を求めた。

また、難民の帰還をめぐる問題を政治利用すべきでないと主張するとともに、境界経由(クロスライン)による人道支援の輸送に何らの進展が見られず、越境支援では物資を届けることができない要支援者への支援が、テロ組織による境界経由支援への妨害によって行えていないと訴えた。


イナブ・バラディー(6月29日付)、SANA(6月29日付)などが伝えた。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

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外務在外居住者省はスウェーデンでイスラーム教の聖典コーランが燃やされた事件をもっともも厳しい表現で非難(2023年6月29日)

外務在外居住者省の公式筋は声明を出し、スウェーデンでイスラーム教の聖典コーランがイラクからの難民とされる男性によって燃やされた事件について「もっともも厳しい表現で非難する」と発表した。

また、アラブ作家連合、ビラード・シャーム・ウラマー連合も声明を出し、これを非難した。

SANA(6月29日付)が伝えた。

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スウェーデンでは、首都ストックホルムで28日、コーランを燃やす抗議行動があった。

ロイター通信(6月29日付)などによると、モスクの前で行われた抗議行動は2人の男性による小規模なもので、2人のうちの1人がモスクの外でコーランを破き、それで自分の靴を拭いた後に燃やした。

火をつけた男性は、イラクから数年前に逃れてきたという難民で、コーランの内容を批判していたとされる。

周囲にいた約200人がこの様子を目撃し、「(コーランを)燃やせ」などと叫ぶ賛同者もいたという。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合がシリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に10回違反したと発表(2023年6月29日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、米主導の有志連合がシリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」への違反を続けているとしたうえで、29日の1日間で10回の違反を確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(6月29日付)が伝えた。

RIA Novosti, June 29, 2023をもとに作成。

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