ロシアを訪問中のアスマー・アフラス大統領夫人がRTのインタビューに応じる:「全世界に最大の課題は、国民アイデンティティを溶解させようとするネオリベラリスムに対処することです」(2023年6月30日)

ロシアのRTアラビア語放送(6月30日付)は、モスクワを訪問中のアスマー・アフラス大統領夫人との単独インタビューを行った。

アスマー夫人は、アサド大統領の長男のハーフィズ・バッシャール・アサド氏が修士号を取得したM.V.ロモノーソフ・モスクワ国立総合大学(モスクワ大学、МГУ)での大学院修了式・学位授与式に招待されていた。

インタビューはSANA(6月30日付)でも映像と全文が掲載された。


https://youtu.be/iIKKgdJAESY

アスマー夫人の発言は以下の通り。

(修士課程を修了したハーフィズ氏に母親としてどのような言葉をかけたのかとの問いに対して)私にとって、優等学位は、その人の性格のなかにある一連の原則を反映したものです。献身、挑戦、責任、忍耐といった一連の原則が、その人をこの学位に至らせます。今日、私が抱いているのは、誇りの気持ちで、それは、これらの資質を持つ子供たちの母親の気持ちと同じです。これらの資質は成功や優秀な成績に至る道なのです。また、満足感も抱いています。なぜなら、家族とは常にもっとも優秀な子供を国に捧げたいと考えているからです。これこそが今日、私がハーフィズの優秀さのなかに見たものです。
(完璧さという言葉をどのように理解しているかとの問いに対して)完璧さとはもちろん万世の主のものです。でも、確かなのは、私たちは優秀な成績を数字としてではなく、概念として見ているということです。優秀な成績という概念とは、人が、あらゆるものが完璧ではないからといって受け入れることはないということです。こうした念が生きるための文化となります。それは科学にかかわっているだけではなりません。仕事、スポーツ、個人の人生にかかる生きるための文化なのです。例えば、個人が祖国に半分だけ帰属する、あるいは家族に半分だけ属すということはあり得ません。私たちは自分たちの専攻を特定の段階だけ好きですと言うことはできません。それは、数字としての狭義の成績がよりも大きな思考にかかわる文化なのです。

(生きるための文化が個人にとって未来の武器になるかとの問いに対して)、優秀な生徒たちと行ったすべての懇談のなかで、彼らがいつも逆のことを言っていることだけは確かです。これは彼らにとって最大のインセンティブなのです。なぜなら、彼らが何らかの段階に至る時、彼ら自身が天井を引き上げるからです。優秀な学生が持つ野心はいつも無限の野心なのです。常により良いものをめざしています。私たちの社会にはこうした文化が必要なのです。こうした思考が必要なのです。それによって私たちは真の覚醒を生み出すことができます。

(留学が持つ二面性について)良い面と悪い面は実施のところ、それにどのように対処するかにかかっています。でも、私にとって、そのことの意義は様々な側面に潜んでいます。まず、数学の分野で世界的なレベルにあることで知られるモスクワ大学のような由緒ある大学、あるいはハーフィズが卒業したダマスカスの応用科学テクノロジー高等学院のような先進的な専門大学で研究をすれば、高い学歴を得ることができます。第2の側面は、より意義のあることですが、第2の文化への道が開かれることです。この開放それ自体がその人の地平を切り開くのに資するのです。とくに、ロシアの文化は東洋の文化です。また、それは、概念や原則などのさまざまな側面でシリア社会と交差しています。こうしたことのすべてが強力な基盤を気づく素地となり、若者たちの間で、深淵で幅広い対話が行われることになります。さらに、既存のコミュニケーションの架け橋を強固なものとしていきます。

(ロシアとシリアにとって共通の課題とは何かとの問いに対して)もちろん課題を共有しています。とくに、世界は今日、SNSの普及によって狭くなりました。また、ロシアとシリアには、社会面、政治面で、共通点、類似点がいくつもあります。両国は近代史から今日に至るまで、分割、周縁化、包囲を主たる目的とする多くの試みにさらされてきました。もちろん、両国の決定を掌握しようとするものです。これ自体は今日、そして未来において大きなものになっています。でも、全世界にとってより包括的で一般的な課題は、諸国民に課されようとしているネオリベラリスムに対処するという課題です。その目的はもちろん、国民アイデンティティを溶解させることにあります。国民アイデンティティだけでなく、人としてのアイデンティティを作り出しているすべての要素、祖国への帰属、習慣、伝統、健全な社会的概念、社会の調和を維持するための道徳をです。もちろん、家族がどの社会においても基本的な細胞をなしています。私は、こうした問題について、世界の若者、とりわけ私たち東洋の社会の若者たちの間で対話がなされなければいけないと見ています。なぜならこれらの社会は第1に、そして直接に脅威に晒されているからです。でも、これらの社会は、その文化、道徳、価値観によってこうした攻撃を退ける能力を持ってもいます。

(共通の課題への解決策は何だと思うかとの問いに対して)解決策や役割はもちろん対話の結果として確定します。対話せずに決めることはできません。でも、基本的には、教育、研究、思考、文化、青少年にかかる機関などの関係機関があります。それらは、特に社会や経済といった分野で、コミュニケーションや交流関係を築くことができます。これは、深く根付いたものであり、数千もの家族がともに作り出してきました。これは、対話の基礎があることの証拠です。これが対話を成功させる追加要素となることは確かです。

(ロシア訪問直前にワグネル・グループ社創設者のエフゲニー・プリゴジン氏の反乱が起きたことに恐怖は抱かなかったのかとの問いに対して)ロシアの友人は、私たちの戦争において私たちに寄り添うに際して、躊躇しませんでした。私たちも(ロシアが直面している)この戦争においてロシアの人々と寄り添うことを躊躇しませんでしたし、躊躇はしていません。

(ロシアを学ぶことはできるかとの問いに対して)言語はコミュニケーションと文化の懸け橋です。ロシアの文化は非常に由緒があり、その歴史は非常に古いものです。仕事の負担が減り、将来、この言語(ロシア語)を学ぶ機会を持てればと願っています。

 

AFP, June 30, 2023、ANHA, June 30, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2023、Reuters, June 30, 2023、SANA, June 30, 2023、SOHR, June 30, 2023などをもとに作成。

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アサド大統領が各国首脳からイード・アル=アドハーの祝電を受け取る(2023年6月30日)

SANA(6月30日付)は、アサド大統領がイスラーム教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)の祝電をアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領、ムハンマド・ビン・ラシード・アール・マクトゥーム首相兼副大統領(ドバイ首長)、マンスール・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン副大統領、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領、オマーンのハイサム・ビン・ターリク国王、バハレーンのハマド・ビン・イーサー・アール・ハリーファ首長、サルマーン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子、イラクのアブドゥッラティーフ・ジャマール・ラシード大統領、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領、レバノンのナジーブ・ミーカーティー暫定首相から受け取ったと伝えた。

SANA(6月30日付)が伝えた。

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【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは過去24時間にマグニチュード2.4~3.5の地震が9回発生したと発表(2023年6月30日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にアレキサンドレッタ地方(トルコのハタイ県)、トルコ、アレッポ県北部のシリア・トルコ国境地帯を震源とするマグニチュード2.4~3.5の地震が9回発生したと発表した。

SANA(6月30日付)が伝えた。

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スウェーデンでコーランがイラクからの難民とされる男性によって燃やされた事件に抗議するデモがイドリブ県、アレッポ県、ラッカ県で行われる(2023年6月30日)

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県のイドリブ市、トルコ占領下の「オリーブの枝」地域内に位置するアレッポ県のアフリーン市、「平和の泉」地域内に位置するラッカ県スルーク町で、スウェーデンの首都ストックホルムのモスク前でコーランがイラクからの難民とされる男性によって燃やされた事件に抗議するデモが行われた。

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アレッポ県とイドリブ県の各所でシャーム解放機構に抗議するデモが続く(2023年6月30日)

シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内に位置するアレッポ県のアアザーズ市、スーラーン・アアザーズ町、バーブ市、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県のサルキーン市、アティマ村近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ(アティマ・キャンプ)、ダイル・ハッサーン村近郊のIDPsキャンプ、カラーマ・キャンプ群、カフルタハーリーム町、アレッポ県のカフラ村、サッハーラ村、アターリブ市で、「神聖なるものを侵犯し、和解を口にする者が戦線を開くことはない」と銘打ったデモが行われ、参加者は、「(シャーム解放)機構のムハーバラートは倒れる」、「(アブー・マーリヤー・)カフターニー(イラク人幹部)は倒れる」などと書かれた紙を掲げて、シャーム解放機構による住民の恣意的逮捕、住居への侵入、アブ・ムハンマド・ジャウラーニー指導者に抗議した。

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ダマスカス郊外県フサイニーヤ町近くで、シリア軍第4師団に協力する武装グループのリーダーが正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡(2023年6月30日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、フサイニーヤ町近くで、シリア軍第4師団の兵士募集に協力している武装グループのリーダーが正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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シリア軍事外交筋:米国の諜報員とウクライナ保安庁が、シリアにおけるロシアのプレゼンスに対抗するため、イラクで定期的に協議を行い、シリア国内でテロ組織を増員することを決定した(2023年6月30日)

RIAノーヴォスチ(6月30日付)は、シリアの軍事外交筋の話として、米国の諜報員とウクライナ保安庁が、シリアにおけるロシアのプレゼンスに対抗するため、イラクで定期的に協議を行っており、シリア国内でテロ組織を増員する決定が下されたと伝えた。

この軍事外交筋は、以下の通り述べているという。

イラクでは、米国の諜報員とウクライナ治安局の職員が、シリアにおけるロシアのプレゼンスに対抗するため定期的に協議を行っている。特に、テロ組織を増員するという決定もなされた。
過激派の募集とシリアへの移送の任務は通常は、イラク・クルドディスタン地域のファルハード・アリー・シャーキル・ウクライナ名誉領事に委ねられている。テロリストの戦闘訓練は、米軍の教練を受けたウクライナ人専門家によってイラク国内の基地で行われることになる。

RIA Novosti, June 30, 2023をもとに作成。

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