シャーム解放機構の支配地とトルコ占領地各所で女性がシャーム解放機構に抗議するデモ(2023年6月23日)

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県アティマ村の国内避難民(IDPs)キャンプ(アティマ・キャンプ)、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県のバーブ市、アアザース市、カフラ村、バービカ村、スーラーン・アアザーズ町で、「暴君を引きずり下ろすまで声を大きくせよ」と銘打ったデモが行われ、参加した女性らはシャーム解放機構による住民の恣意的逮捕、住居への侵入に抗議した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の総合治安機関が同機構の支配下にあるイドリブ市でエジプト人ジハード主義者とその妻を逮捕した。

このエジプト人ジハード主義者は2年前にも逮捕され、その後釈放されていた。

AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国連OCHAは地震発生後初めて境界経由(クロスライン)で政府支配地からシャーム解放支配下のシリア北西部に支援物資を輸送(2023年6月23日)

国連人道問題調整事務所(OCHA)のシリア事務所は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/OCHA_Syria/)を通じて、シリア政府の支配下にあるアレッポ県から、シャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部に人道支援物資を輸送したと発表した。

物資の輸送は、国連安保理決議第2672号に沿った越境(クロスボーダー)および境界経由(クロスライン)による支援の一環。

シリア北西部で支援活動にあたっている反体制組織のシリア対応調整者はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/humanitarianresponse1/)で、物資は貨物車輛10輛に積まれ、M4高速道路沿線のサラーキブ市(シリア政府支配下)とタルナバ村(シャーム解放機構支配下)を隔てる通行所を経由して、シリア北西部に入ったことを明らかにした。

同組織によると、サラーキブ市・タルナバ村の通行所を経由した今回の境界経由での物資の輸送は、国連安保理決議第2672号採択(2023年)後初めてとなる輸送で、境界経由での支援を定めた国連安保理決議第2585号採択(2021年)以降では11回目、車輛総数は163輛となる。

なお、国連安保理決議第2585号採択を受けて、シリア北西部に物資を輸送した貨物車輛は71輛、同決議の失効に伴って2022年に国連安保理決議第2642号が採択されて以降、物資を輸送した貨物車輛は82輛。

2月6日にトルコ・シリア大地震が発生して以降は、サラーキブ市・タルナバ村の通行所を経由した支援は行われこなかった。

その一方で、トルコからの越境支援では、これまでに3,045輛が支援物資を輸送したが、うち2,556輛がトルコとシャーム解放機構の支配地を結ぶイドリブ県バーブ・ハワー国境通行所を経由してシリア領内に物資を輸送しているという。


一方、イナブ・バラディー(6月23日付)によると、トルコ・シリア大地震発生以降にバーブ・ハワー国境通行所を越境した貨物車輛は2,591輛、トルコ占領地とを結ぶアレッポ県バーブ・サラーマ国境通行所を越境したのは428輛、ラーイー村北の通行所を越境したのは79輛。

AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、‘Inab Baladi, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのMİTがハサカ県カーミシュリー市でPKK幹部を無力化(2023年6月23日)

アナトリア通信(6月23日付)は、トルコの国家諜報機構(MİT)が22日、ハサカ県カーミシュリー市で、インタポールによって指名手配されていたクルディスタン労働者党(PKK)執行評議会メンバーのアブドゥッラフマン・チャドルジュ容疑者を無力化したと伝えた。

AFP, June 23, 2023、Anadolu Ajansı, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプにタンフ国境通行所の基地から農産物や文房具などの人道物資が輸送される(2023年6月23日)

イナブ・バラディー(6月23日付)は、米国が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプで活動するハーリド・アリーなる活動家らの話として、タンフ国境通行所の基地から農産物や文房具などの人道物資が輸送されたと伝えた。

物資を提供したのは、シリア緊急タスク・フォース(SETF)なる在米反体制組織。

AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SETF, June 20, 2023、SOHR, June 23, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2023年6月23日)

ラッカ県では、ANHA(6月23日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ(アイン・イーサー・キャンプ)、M4高速道路沿線のナヒール休憩所を砲撃した。

AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装集団がラタキア県とハマー県をドローンで爆撃し住民2人が死傷、ロシア軍が対抗措置としてラタキア県、イドリブ県を爆撃(2023年6月23日)

ラタキア県では、SANA(6月23日付)によると、同県およびイドリブ県の農村地帯に展開する「テロ組織」が無人航空機(ドローン)でカルダーハ市一帯を爆撃した。

ドローンは2発の爆弾を投下、うち1発はカルダーハ総合病院脇の農地に着弾、エンジニアのムハンマド・ハーニー・スルターナさん(25歳)が死亡、住民1人が負傷、建物1棟が軽い損傷を受けた。

シリア人権監視団によると、ラタキア県とハマー県での反体制武装集団によるドローン攻撃を受け、ロシア軍戦闘機1機がシャーム解放機構の支配下にあるトルコマン山地方のシャフルーラ村一帯を2回にわたって爆撃した。

**

ハマー県では、SANA(6月23日付)によると、ラタキア県およびイドリブ県の農村地帯に展開する「テロ組織」が無人航空機(ドローン)でダイル・シャミール村一帯を爆撃した。

ドローンは砲弾多数を放ち、女性1人が負傷、物的被害が生じた( シリア人権監視団によると、この女性は25日に死亡した)。

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村一帯を砲撃し、同機構に所属するタルハト・ブン・ウバイドッラー旅団の戦闘員1人が死亡した。

トルコを拠点とする反体制系メディアのシリア・テレビ(6月26日付)が、複数の匿名兵器製造専門家の話として伝えたところによると、SANAが写真を公開したドローンの機種は、中国が所有するオーストリアのダイヤモンド・エアクラフト・インダストリーズ社製の有人航空機ダイヤモンドDA42Tで、2021年からシリア駐留ロシア軍の司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地で運用されている機種だという。

同専門家らによると、航空機は、自爆攻撃を行わずに済むように設計されており、軽量の爆弾複数発を装填し、ラタキア県やハマー県を爆撃したという。

また、イドリブ県の複数の軍事筋の話によると、一部の「ジハード主義」グループは数年前から、ウズベク人をはじめ、さまざまな国籍のドローン製造の専門家を呼び寄せ、ドローン製造の技術を発展させてきたという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ村一帯を砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ラタキア県とハマー県での反体制武装集団によるドローン攻撃を受け、ロシア軍戦闘機1機がシャーム解放機構の支配下にあるジスル・シュグール市近郊のガッサーニーヤ村一帯を爆撃した。

また、シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、スフーフン村、ダール・カビーラ村を砲撃した。

一方、シャーム解放機構に所属するアブー・バクル・スィッディーク旅団は、県南部のカフルナブル市近郊でシリア軍を狙撃、2人を負傷させた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が県西部のバスラトゥーン村一帯でシリア軍兵士1人を狙撃し殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるタカード村、バフフィース村を砲撃した。

AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023、June 25, 2023、Syria TV, June 26, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは過去24時間にマグニチュード1.8~3.4の地震が16回発生したと発表(2023年6月23日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にハマー県ハマー市近郊、アレキサンドレッタ地方(トルコのハタイ県)、トルコ、地中海を震源とするマグニチュード1.8~3.4の地震が16回発生したと発表した。

SANA(6月23日付)が伝えた。

AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア当事者和解調整センターは米軍がロシアの航空機に接近する際に2回にわたって兵器システムを作動させるなど10回の違反を行ったと発表(2023年6月23日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、米軍の戦闘機が23日、ロシアの航空機に接近する際に2回にわたって兵器システムを作動させたとしたうえで、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」への重大な違反が続いていると非難した。

グリノフ副センター長はまた、この2回の違反を含め、米国主導の有志連合が23日に同合意を10回にわたって違反したことを確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(6月23日付)が伝えた。

RIA Novosti, June 23, 2023をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.