マナーフ・トゥラース氏は管理されていない武器の回収などを骨子とするシリア内戦の政治解決に向けたヴィジョンを披露(2023年6月9日)

ムスタファー・トゥラース元国防大臣の次男で、アサド大統領の友人とされ、2012年に共和国防衛隊(当時准将)を離反し、反体制活動家に転身、「軍事評議会」なる組織を率いているマナーフ・トゥラース氏が『クドス・アラビー』(6月9日付)のインタビューに応じた。

インタビューのなかで、トゥラース氏は、以下のように述べ、シリア内戦の政治的解決に向けたヴィジョンを語った。

我々の目的は、軍事支配に戻ることでもなければ、そうした支配を行うために活動することではない。我々は自分たちの特性、世界のすべての文明国が従っている法律に沿った役割に沿って活動する。それは、管理されていない武器の回収、愛国的な軍事機関による武器の独占、市民平和の維持、移行期における安定の保護、政治的解決にいたる復旧段階を保障する環境の拡充、国連の諸決議やシリア国民の希望に沿った信頼できる政治プロセスである。

AFP, June 9, 2023、ANHA, June 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2023、al-Quds al-‘Arabi, June 9, 2023、Reuters, June 9, 2023、SANA, June 9, 2023、SOHR, June 9, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構支配地、トルコ占領地でシャーム解放機構に反対するデモが行われ、イスラーム解放党のメンバーらの釈放、政府との和解拒否などが訴えられる(2023年6月9日)

イナブ・バラディー(6月9日付)、オガレット・ポスト(6月9日付)、NPA(6月9日付)、シリア人権監視団などによると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県アティマ村近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ(アティマ・キャンプ)、ダイル・ハッサーン村、フーア市、ダーナー市近郊のIDPsキャンプ、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県バーブ市、スーラーン・アアザーズ町で「暴君に正統性なし」と銘打ったデモが行われ、デモ参加者は、イスラーム解放党メンバーおよびそれ以外の逮捕者全員の釈放、家宅捜索反対を訴えるとともに、シャーム解放機構による「恣意的でシャッビーハ的」な逮捕に拒否の姿勢を示すとともに、「暴君どもの手法は一つ、我々の目的は革命」などと連呼し、シリア政府との和解拒否、シリア革命の原則維持を訴えた。

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イナブ・バラディー(6月9日付)、ムドン(5月16日付)などによると、イスラーム解放党のメンバーらは、シャーム解放機構が「(メンバーらの)口封じをし、抑圧体制(シリア政府のこと)の手法を真似し、同体制に対する戦線を凍結した」と非難、これに対してシャーム解放機構側は、イスラーム解放党が反体制派の隊列を分裂させ、戦闘員を裏切り、噂を拡散していると非難している。

両者の対立は、5月7日にシャーム解放機構に所属する総合治安機関がダイル・ハッサーン村でイスラーム解放党の「書記長」を含むメンバーや住民を逮捕、家宅捜索を行ったことで一気に激化した。

ダイル・ハッサーン村で活動するイスラーム解放党の「書記長」は同日晩に釈放されたが、その際、総合治安機関が要撃を受け、隊員1人が撃たれて死亡、2人が負傷した。

複数筋によると、ダイル・ハッサーン村の住民は、武器を所持しておらず、要撃には関与していないと主張しており、発砲は総合治安機関による誤射で、住民は負傷した隊員を病院に搬送するなど救命活動に参加したという。

なお、ダイル・ハッサーン村の住居に対するシャーム解放機構の総合治安機関の強襲では、女性1人が負傷したほか、別の女性1人が流産したという。

5月7日に逮捕されたメンバーや住民のうち、18歳の高校生と無所属の戦闘員の1人が5月29日に釈放された。

https://www.facebook.com/watch/?v=772840127659071

https://www.facebook.com/watch/?v=3527841560833836


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一方、シリア人権監視団によると、政府の支配下にあるダルアー県のジャースィム市とナワー市で、「アッラーは、我々のなかで彼らと和解する者を正すことはない」などと書かれたビラがばらまかれた。

AFP, June 9, 2023、ANHA, June 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2023、‘Inab Baladi, June 9, 2023、al-Mudun, May 16, 2023、NPA, June 9, 2023、Reuters, June 9, 2023、SANA, June 9, 2023、SOHR, June 9, 2023、Ugaritpost, June 9, 2023などをもとに作成。

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トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県バーブ市で、住民数がシリア国民軍によって接収された不動産の変換を求めて抗議デモ(2023年6月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内のバーブ市で、住民数十人が、トルコの支援を受けるシリア国民軍によって接収された不動産の変換を求めて抗議デモを行った。

AFP, June 9, 2023、ANHA, June 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2023、Reuters, June 9, 2023、SANA, June 9, 2023、SOHR, June 9, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構はイドリブ市などでイスラーム解放党の指導者ら3人を逮捕(2023年6月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市で、同機構に所属する総合治安機関がイスラーム解放党の指導者1人を逮捕した。

逮捕は「恣意的」なもので、理由は不明だという。

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また、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の総合治安機関が、同機構の支配下にザーウィヤ山地方のバーラ村で金曜日の集団礼拝を終えた若い男性2人を逮捕した。

AFP, June 9, 2023、ANHA, June 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2023、Reuters, June 9, 2023、SANA, June 9, 2023、SOHR, June 9, 2023、June 10, 2023などをもとに作成。

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アレッポ県、ハマー県、イドリブ県、ラタキア県でシリア軍とシャーム解放機構など「決戦」作戦司令室が交戦(2023年6月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にある県西部のカフル・アンマ村、ワサート村、カスル村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町を砲撃した。

また、灌漑計画地区、アムキーヤ町一帯でシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦を行った。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、マハッジャ町でオートバイで移動していたシリア軍の下士官1人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて、死亡した。

また、近くにいた若い男女2人も負傷した。

AFP, June 9, 2023、ANHA, June 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2023、Reuters, June 9, 2023、SANA, June 9, 2023、SOHR, June 9, 2023などをもとに作成。

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【トルコ・シリア大地震】UAEからの医療支援物資30.8トンを積んだ貨物機1機がバースィル・アサド国際空港(ラタキア県)に到着(2023年6月9日)

アラブ首長国連邦(UAE)からの支援物資を積んだ貨物機1機がバースィル・アサド国際空港(ラタキア県)に到着した。

物資は医療関連物資30.8トンでトルコ・シリア大地震の被災地の医療部門を支援するのが目的。

SANA(6月9日付)が伝えた。

AFP, June 9, 2023、ANHA, June 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2023、Reuters, June 9, 2023、SANA, June 9, 2023、SOHR, June 9, 2023などをもとに作成。

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【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは声明を出し、過去24時間にマグニチュード2.7~3.2の地震が3回発生したと発表(2023年6月9日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にハマー県北部、アレキサンドレッタ地方(ハタイ県)を震源とするマグニチュード2.7~3.2の地震が3回発生したと発表した。

SANA(6月9日付)が伝えた。

AFP, June 9, 2023、ANHA, June 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2023、Reuters, June 9, 2023、SANA, June 9, 2023、SOHR, June 9, 2023などをもとに作成。

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