国連はイドリブ県で活動する人道活動調整事務所(HAC)にバーブ・ハワー国境通行所経由での越境(クロスボーダー)人道支援を委任することで合意(2023年9月13日)

イナブ・バラディー(9月13日付)やドゥラル・シャーミーヤ(9月13日付)は、国連とイドリブ県で活動する人道活動調整事務所(Humanitarian Action Coordination Office、HAC)がイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を経由した越境(クロスボーダー)人道支援を継続するため、HACに支援を委任することで合意したと伝えた。

合意は、国連のシリア危機地域人道調整官代理を務めるデビッド・カーデン氏が9月11日に送った書簡と、12日のHACの返信のなかで確認されたもの。

AFP, September 13, 2023、ANHA, September 13, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2023、‘Inab Baladi, September 13, 2023、Reuters, September 13, 2023、SANA, September 13, 2023、SOHR, September 13, 2023などをもとに作成。

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国連OCHAは国連安保理決議第2672号失効以降降も越境(クロスボーダー)人道支援が32回にわたり実施されたと発表(2023年9月13日)

国連人道問題調整事務所(OCHA)はシリア北西部の現状についての最新のレポート(9月13日付)を発表した。

報告書の骨子は以下の通り:

  • 国連は8月にシリア北西部に対する越境(クロスボーダー)人道支援を32回にわたり実施し、これにより2月6日のトルコ・シリア大地震発生以降200以上のミッションを終えた。
  • 国連安保理決議第2672号が失効した7月10日から8月31日現在までに国連の援助物資を積んだ貨物車輌195輌がトルコからアレッポ県のバーブ・サラーマ国境通行所を経由してシリア北西部に入り、現地でサービスや物資の提供が続けられた。
  • 毎週90~100人のガン患者がシリアからトルコに渡航するとともに、シリア北西部で放射線治療装置を設置するための取り組みが継続されている。

AFP, September 13, 2023、ANHA, September 13, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2023、‘Inab Baladi, September 13, 2023、Reuters, September 13, 2023、SANA, September 13, 2023、SOHR, September 13, 2023などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣:「トルコと米国の占領がシリア難民の帰還を妨げいている」(2023年9月13日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣はレバノンのアブドゥッラー・ブー・ハビーブ外務大臣と電話会談を行い、そのなかでシリアはすべてのシリア難民の祖国への帰還を歓迎し、そのために必要な便宜を供与すると強調、帰還を妨げているのはトルコと米国がシリア領の一部を占領し続けていることの結果だと非難した。

SANA(9月13日付)が伝えた。

AFP, September 13, 2023、ANHA, September 13, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2023、‘Inab Baladi, September 13, 2023、Reuters, September 13, 2023、SANA, September 13, 2023、SOHR, September 13, 2023などをもとに作成。

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イスラエル軍がタルトゥース県、ハマー県を2度にわたって爆撃、軍関係者複数が死傷(2023年9月13日)

国防省は13日午後7時4分にフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて声明を出し、同日午後5時22分にイスラエル軍が地中海上空からタルトゥース県内のシリア軍防空部隊の拠点複数ヵ所に向けて多数のミサイルを発射、これにより軍関係者2人が死亡、6人が負傷、若干の物的被害が出たと発表した。

国防省はまた、14日0時3分に再び声明を出し、13日午後10時40分頃に、イスラエル軍がレバノン北部を領空侵犯し、ハマー県一帯の複数ヵ所をミサイル攻撃、これによって物的被害が生じたと発表した。

SANA(9月13日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、爆撃では、ハマー県のジャマーサ村とタルトゥース県ダイル・ハジャル村を結ぶ地域にあるレバノンのヒズブッラーの武器弾薬庫、そこから約10キロ離れたタルトゥース県カルトゥー村に設置されているシリア軍の防空基地が標的となり、シリア軍兵士2人を含む軍関係者3人が死亡、国防隊の士官5人を含む8人が負傷した。

同監視団によると、その前日にヒズブッラーの車列が非正規の国境通行所を経由して、レバノンからシリアに入国し、爆撃を受けた武器弾薬庫に向かった。

この弾薬庫は、ヒズブッラーが武器をレバノン南部に輸送する際の集積所として使用していたという。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍は約2時間後に再び爆撃を行った。

爆撃は、ハマー県タクスィース村近くの山岳地帯に設置されている科学研究センターを狙ったもの。

シリア人権監視団はまた、爆撃で科学研究センターの敷地内にあるヒズブッラーの高性能兵器庫、第624防空大隊の対空ミサイル発射台が狙われたと発表した。

AFP, September 13, 2023、ANHA, September 13, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2023、‘Inab Baladi, September 13, 2023、Reuters, September 13, 2023、SANA, September 13, 2023、SOHR, September 13, 2023、September 14, 2023などをもとに作成。

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フール・キャンプに収容されていたイラク難民175世帯635人が帰国(2023年9月13日)

ANHA(9月13日付)は、北・東シリア自治局の管理下にあるハサカ県のフール・キャンプに収容されていたイラク難民175世帯635人が、イラク国民議会移民避難民委員会が用意した旅客バスなどに乗ってイラクに帰国したと伝えた。

AFP, September 13, 2023、ANHA, September 13, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2023、‘Inab Baladi, September 13, 2023、Reuters, September 13, 2023、SANA, September 13, 2023、SOHR, September 13, 2023などをもとに作成。

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トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県アアザーズ市とアフタリーン市でシリア国民軍所属組織や部族による武力衝突続発(2023年9月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内の拠点都市の一つアアザーズ市で、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団と、同じくシリア国民軍に所属するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、複数が負傷した。

この武力衝突を受けて、シリア国民軍に所属する北の嵐旅団が市内に展開し、厳戒態勢を敷いた。

また、アフタリーン市では、タムルー部族とザイヌー部族が、地元評議会の議席をめぐって衝突、撃ち合いとなり、複数が負傷した。

両者を引き離すためにシリア国民軍に所属するムウタスィム旅団が介入したが、戦闘に巻き込まれ、16歳の戦闘員1人が死亡した。

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米主導の有志連合の貨物車輌など35輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2023年9月13日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など35輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)からシリア領内に新たに進入し、県内各所の米軍基地に向かった。

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スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)での抗議デモに参加する暴徒がバアス党事務所の占拠を試み、守衛の発砲を受ける:ドゥルーズ派のシャイフ・アクルはデモに理解を示しつつ、自制を求める(2023年9月13日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続けられ、参加者らは体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。



デモには前日に続いて数十人が参加、一部がシュプレヒコールを連呼しながら、就業時間が終了したバアス党スワイダー支部事務所に突入し、これを占拠しようとした。

これに対して、守衛が暴徒に向かって発砲し、強制排除を試みた。

これにより、スワイダー支部に突入しようとしたデモ参加者(暴徒)3人が負傷し、スワイダー市とシャフバー町の病院に搬送された。

その後、デモ参加者らはドゥルーズ派の宗教関係者らを伴ってバアス党スワイダー支部に改めて向かった。

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この騒動を受けて、シリアにおけるドゥルーズ派のシャイフ・アクルのトップ(精神機構(シャイフ・アクル府)議長)を務めるヒクマト・ヒジュリー師がデモ参加者と面談した。

ラースィド(9月18日付)で公開されたビデオ映像のなかで、ヒジュリー師はスワイダー県の住民は「平和的な座り込み」を支持し、公共サービス機関が守られることを欲していると述べ、自制を求める一方、シリア国民がバアス党と治安機関によって苦しめられ、それらを脅威としか見ていないと理解を示した。

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「決戦」作戦司令室はアレッポ県の第46中隊基地一帯を砲撃、シリア軍の士官1人死亡(2023年9月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にある県西部のタディール村を砲撃した。

これに対して「決戦」作戦司令室は第46中隊基地一帯を砲撃、シリア軍の士官(大佐)1人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、スフーフン村、バーラ村、アーフィス村を砲撃、アーフィス村で女性1人が負傷した。

一方、ミラージャ村近郊では、死傷者を収容しようとしていたシリア軍の車輌を「決戦」作戦司令室が攻撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市でシリア軍第5軍団所属の第8旅団のパトロール部隊が男性を拘束しようとしてもみ合いとなり、この男性と息子を射殺した。

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アレッポ県マンビジュ市北のムフスィンリー村一帯でシリア国民軍とシリア民主軍所属のマンビジュ軍事評議会が砲撃戦を行い、シリア国民軍の戦闘員1人が死亡(2023年9月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団やANHA(9月13日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市北のムフスィンリー村一帯でシリア国民軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会が砲撃戦を行い、シリア国民軍の戦闘員1人が死亡した。

AFP, September 13, 2023、ANHA, September 13, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2023、‘Inab Baladi, September 13, 2023、Reuters, September 13, 2023、SANA, September 13, 2023、SOHR, September 13, 2023などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合による「非紛争議定書」違反を15件、55キロ地帯への侵犯を7件確認したと発表(2023年9月13日)

ロシア当事者和解調整センターのワディム・クリット副センター長は、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」への米主導の有志連合所属の無人航空機(ドローン)による違反を過去24時間に15件確認したと発表した。

クリット副センター長はまた、米国が違法に占領するヒムス県タンフ国境通行所(55キロ地帯)で、F-35戦闘機2機、タイフーン戦闘機2機、MQ-1C無人航空機1機による領空侵犯を7件確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(9月13日付)が伝えた。

RIA Novosti, September 13, 2023をもとに作成。

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