米中央軍(CENTCOM)は声明を出し、シリア北部でヘリコプターによる強襲を実施、ダーイシュのアブー・ハリール・ファドアーニー容疑者を拘束することに成功したと発表(2023年9月25日)

米中央軍(CENTCOM)は声明第20230925-01号を出し、9月23日、シリア北部でヘリコプターによる強襲を実施、ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・ハリール・ファドアーニー容疑者を拘束することに成功したと発表した。

ファドアーニー容疑者は、シリアでの作戦・促進担当者で、同地のダーイシュのネットワーク全体に関係があると見られているという。

AFP, September 26, 2023、ANHA, September 26, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 26, 2023、‘Inab Baladi, September 26, 2023、Reuters, September 26, 2023、SANA, September 26, 2023、SOHR, September 26, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

欧州議会議員で欧州緑の党のシリア問題の責任者のランゲンジーペン氏がドゥルーズ派トップのヒクマト・ヒジュリー師との電話会談でスワイダー市での抗議デモへの支持を表明(2023年9月25日)

スワイダー監視団(9月25日付)は、ドゥルーズ派の精神機構(シャイフ・アクル府)に近い複数筋の話として、ドゥルーズ派のシャイフ・アクルのトップの同機構議長を務めるヒクマト・ヒジュリー師が、欧州議会議員で欧州緑の党のシリア問題の責任者のカトリン・ランゲンジーペン氏(ドイツ人)と電話会談を行ったと伝えた。

40分に及ぶ会談で、ランゲンジーペン氏はシリア南部でのデモ参加者への支持を表明するとともに、ヒジュリー師個人とデモ参加者の安全に対する懸念を伝えた。

AFP, September 27, 2023、ANHA, September 27, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2023、‘Inab Baladi, September 27, 2023、Rasid al-Suwaida’, September 25, 2023、Reuters, September 27, 2023、SANA, September 27, 2023、SOHR, September 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

中国を訪問中のアサド大統領は李強首相、趙立傑全人代常務委員長と会談:「今日のシリアがさらに「東に向かう」ことが、政治的、文化的、経済的な保証となる」(2023年9月25日)

中国を訪問中のアサド大統領は、首都北京で、同行している閣僚らとともに李強首相と会談し、今日のシリアがさらに「東に向かう」ことが、政治的、文化的、経済的な保証となり、それががシリア政策の原則であると述べた。







https://youtu.be/geNztuMZbZQ

 

会談でのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

杭州での習近平国家主席との会談が成功したことを受けて、あなた方とお会いできて光栄です…。この会談での最大の成果は、両国戦略パートナーシップ関係構築を発表したことだった。
あなた方の政府が戦争中にシリアを全般的に支援してくれたこと、そして今年初めにシリアを地震が襲った際に個別に支援してくれたことに謝意を示したい。この支援は、人道的なものであれ、政治的なものであれ、国際社会における中国の先進的な姿勢によるもので、シリアの戦災を軽減し、テロ、一方的な再生への戦いを支えるうえで大きな影響力を持っていた。
中国は確実に国際社会において大きな役割を担っている。あなた方が言及してくれた友好や古くからの関係は、数千年、そして最近の数十年を通じて構築されたもので、両国間の大いなる信頼を築いてきた。なぜなら、それは共通の歴史、そしてより重要なこととして確固たる諸原則のもとに築かれているからです。この諸原則こそが、未来に向かうことを可能とする。今日の世界は変化を続けている。中国はこの世界の国際的均衡を再編するうえで重要な役割を担っている。我々は、中国が掲げるイニシアチブ、すなわちグローバル文明イニシアチブ゛、グローバル安全保障イニシアチブ、グローバル開発イニシアチブ、さらにはこれらのイニシアチブを実施面を担っている一帯一路構想を通じて、この関係(両国の戦略パートナーシップ関係)が築かれるものと確信している。我々は一帯一路構想を通じて、経済、文化分野での関係、さらには二国間関係を発展させることができる…。世界のほとんどの国が、西側諸国が武器としている米ドルに代えて、人民元を国際通貨として採用することを検討している。

**

アサド大統領は続いて、全国人民代表大会の常務委員会の趙立傑委員長と会談し、力に依存する古い世界が道徳に依拠する新しい世界に移行しようとしているとしたうえで、この世界は、道徳に基づく政治や開発を追求し、世界にそのためのイニシアチブを提供している中国の役割のもとで生み出されるべきだと述べた。





会談でのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

中国は世界的に大きな地位を占め、経済分野、技術分野、そしてもちろん今日果たしている政治的役割など、さまざまな分野で、重要な一歩を踏み出している。まず、中国の国民、そして国家機関が、シリア国民を飢餓に追い込もうとする経済封鎖、テロ支援、そしてそれに伴う破壊など、13年に及ぶ過酷な戦争においてシリアに寄り添ってくれたことに感謝したい。
中国は内政干渉を拒否し、諸外国の政策を尊重し、テロを撲滅しようとするというその政策に基づいて我々を支持してくれた。また経済、人道面でもシリア国民を支援し、封鎖の影響を軽減するために我々に寄り添ってくれた。
我々は現在、そして未来における中国の役割に期待している。シリア、そして世界の多くの国々が、グローバル文明イニシアチブ、グローバル安全保障イニシアチブ、グローバル開発イニシアチブという三つのイニシアチブを通じて明示されているこの役割に期待している。これらは、他者を犠牲にせずに利益を交わすことを意味するものだ。

**

SANA(9月25日付)が伝えた。

 

AFP, September 25, 2023、ANHA, September 25, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2023、‘Inab Baladi, September 25, 2023、Reuters, September 25, 2023、SANA, September 25, 2023、SOHR, September 25, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸でアラブ系部族が再び蜂起、シリア政府支配地からも砲撃が行われるなか、シリア民主軍との間で激しく交戦(2023年9月25日)

ダイル・ザウル県では、イナブ・バラディー(9月25日付)によると、アラブ系部族の民兵が、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるズィーバーン町一帯に設置されている人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の陣地3ヵ所を同時に襲撃した。

この襲撃の数時間前、シリア民主軍の特殊部隊の増援部隊が派遣され、その一部がジュダイド・アカイダート村に集結していた。

東部特派員(ムラースィル・シャルキーヤ)ネットで活動するアレッポ県東部在住のメディア活動家のハイラート・ハラフ氏によると、カルアーン部族の民兵が、23日にアレッポ県ジャラーブルス市近郊で、シリア民主軍の狙撃手によって部族のメンバー1人を殺害されたことへの報復として、ダイル・ザウル県内のシリア民主軍の陣地を襲撃、デイル・アウル・ナウはX(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/DeirEzzorNow/)で、部族の民兵がズィーバーン町一帯に設置されているシリア民主軍の陣地14ヵ所のうち10ヵ所を制圧したと発表した。

これに対して、シリア民主軍はスブハ村、ダフラ村、アブリーハ村、ブサイラ市、タヤーナ村で外出禁止令を発出、モスクのミナレットから拡声器を通じて、外出禁止令に違反した者は狙撃手が標的とすると住民に対して警告した。

シリア民主軍に所属するハジーン軍事評議会もテレグラム(https://t.me/hajeendeeealzoor/)を通じてシュハイル村からバーグーズ村に至る地域で外出禁止令を発出したとする声明を発表した。

なお、アカイダード部族の部族長の1人でシリア民主軍に対する蜂起を指導するイブラーヒーム・ハフル氏は音声声明を出し、シリア民主軍によって奪われた地域を奪還するためにズィーバーン町への攻撃を開始すると宣言した。

シリア人権監視団によると、ハワーイジュ・ズィーバーン町、タヤーナ村、ズィーバーン町、マフカーン町、ハワーイジュ・マフカーン村、ハワーイジュ村でシリア民主軍と地元の武装集団が交戦した。

このうち、タヤーナ村では、地元の武装集団がシリア民主軍の拠点を襲撃、シリア民主軍の兵士が死傷、ズィーバーン町では地元の戦闘員2人が死亡、2人が負傷した。

またハワーイジュ村では、女性1人が流れ弾を受けて死亡した。

一方、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸からズィーバーン町に向かって砲撃が行われ、砲弾複数発が民家に着弾、住民4人が負傷した。

これに対して、シリア民主軍はユーフラテス川西岸のマヤーディーン市一帯などに配置されているシリア軍の陣地複数ヵ所を砲撃するとともに、無人航空機(ドローン)で爆撃を行った。

この戦闘に関して、ANHA(9月25日付)が伝えたところによると、シリア民主軍の広報センターは声明を出し、シリア軍に所属する二つの武装グループが、ユーフラテス川西岸のマヤーディーン市からの無差別砲撃に紛れるかたちで、東岸のズィーバーン町一帯に潜入、シリア民主軍が即日に安全と安定を確保するために必要な措置を講じ、住民を近隣の安全な地域に誘導、武装グループの攻撃を阻止、メンバーらを殲滅、投降させたと発表した。

シリア人権監視団によると、このほか、米主導の有志連合の航空機がダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸に飛来、音速で旋回を続けた。

なお、シリア人権監視団によると、一連の戦闘での死者は23人(うち地元の戦闘員18人、シリア民主軍兵士5人、女性1人)、負傷者は42人(うちシリア軍の砲撃による民間人負傷者4人、地元の戦闘員26人、シリア民主軍兵士12人)に達した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ市で、同自治局傘下のラッカ民政評議会が両替商に営業保証金の支払いを求めてことに抗議して、両替商らがデモを行った。

AFP, September 25, 2023、ANHA, September 25, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2023、‘Inab Baladi, September 25, 2023、Murasil al-Sharqiya, September 25, 2023、Reuters, September 25, 2023、SANA, September 25, 2023、SOHR, September 25, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国防省は兵役義務を課されている在外居住者の滞在許可延長、兵役免除にかかる保証金の支払いなどにかかる手続きを外務在外居住者省オンライン領事局のウェブサイトを通じて開始すると発表(2023年9月25日)

国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて声明を出し、国営シリア通信社(シリア・テレコム社)が9月4日付で、国防省徴兵総局、外務在外居住者省領事局、通信技術省の協力のもと、兵役義務を課されている在外居住者の滞在許可延長、兵役免除にかかる保証金の支払いなどにかかる手続きを外務在外居住者省オンライン領事局のウェブサイト(http://www.ecsc-expat.sy)を通じて開始すると発表した。

SANA(9月25日付)が伝えた。

AFP, September 25, 2023、ANHA, September 25, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2023、‘Inab Baladi, September 25, 2023、Reuters, September 25, 2023、SANA, September 25, 2023、SOHR, September 25, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構のドローンでの攻撃を受け、ロシア軍がハマー県、イドリブ県を爆撃(2023年9月25日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が保有すると見られる所属不明の航空機1機がシリア政府の支配下にあるスカイラビーヤ市近郊のジャラーブ村を爆撃、複数の負傷者が出た。

これに対して、ロシア軍戦闘機複数機がシャーム解放機構の支配下にあるアンカーウィー村を複数回にわたって爆撃した。

一方、シャーム解放機構もシリア政府の支配下にあるジューリーン村一帯を砲撃とドローンで攻撃し、ドローンがナーウール・シャトハ村に投下したと見られる爆発物の爆発で、若い男性1人が死亡した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がハマー県に対する爆撃を受けるかたちで、シャーム解放機構の支配下にあるハルーバ村一帯に対して3回の爆撃を実施した。

ハマー県とイドリブ県に対する爆撃は合計8回におよび、シャーム解放機構、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒード、中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党の陣地などが標的となった。

シリア軍も、シャーム解放機構の支配下にあるジスル・シュグール市各所を砲撃し、子供2人と女性2人(うち妊婦1人)を含む7人が負傷した。

これに対して、シャーム解放機構はシリア政府の支配下にあるミラージャ村近郊でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害、1人を負傷させた。

AFP, September 25, 2023、ANHA, September 25, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2023、‘Inab Baladi, September 25, 2023、Reuters, September 25, 2023、SANA, September 25, 2023、SOHR, September 25, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県タッル・タムル町近郊を砲撃し、変電所が損害を受け、同町一帯で停電が発生(2023年9月25日)

ハサカ県では、ANHA(9月25日付)、SANA(9月25日付)、シリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のタッル・タウィール村、タッル・アッターシュ村、ウンム・カイフ村、タッル・カラービート村を砲撃した。

ウンム・カイフ村一帯に対する砲撃で、66KWの変電所が損害を受け、タッル・タムル町一帯が停電となった。

SANA(9月26日付)によると、ハサカ県電力公社は26日に復旧作業を完了したと発表した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会がトルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のサイヤード丘一帯に潜入、シリア国民軍と激しく交戦した。

この戦闘で、シリア国民軍の戦闘員3人が死亡、4人が負傷した。

一方、ANHA(9月25日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のザイワーン村、タッル・アナブ村を砲撃した。

AFP, September 25, 2023、ANHA, September 25, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2023、‘Inab Baladi, September 25, 2023、Reuters, September 25, 2023、SANA, September 25, 2023、September 26, 2023、SOHR, September 25, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続く(2023年9月25日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続けられ、参加者らは体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

AFP, September 25, 2023、ANHA, September 25, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2023、‘Inab Baladi, September 25, 2023、Reuters, September 25, 2023、SANA, September 25, 2023、SOHR, September 25, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.