ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表:シリア危機を解決するには、米軍とトルコ軍の撤退、シリア民主軍の処遇、制裁といったさまざまな問題を提起することが必要(2023年12月10日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表はカタールで開幕したドーハー・フォーラムに出席し、シリア内線の解決に向けた取り組みが停滞していると私的したうえで、兵力削減や全国規模での停戦などに向けた段階的な取り組みの効果が低いと改めて強調した。

そのうえで、危機の解決には、シリア領内に違法に駐留している米軍やトルコ軍の撤退、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)の民兵である人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の処遇、経済制裁などといったさまざまな問題を提起し、取り組む必要があると述べるとともに、13年にわたってシリアを孤立させようとしてきた欧米諸国の試みは奏功していないと私的した。

その一方で、アレッポ県やイドリブ県に対するロシア軍やシリア軍の攻撃についての言及はなかった。

ACLS(12月10日付)、RIAノーヴォスチ通信(12月10日付)が伝えた。

ACLS (American Center for Levant Studies), December 11, 2023、RIA Novosti, December 10, 2023をもとに作成。

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イスラエル軍が首都ダマスカス一帯を爆撃、クナイトラ県ハドル村一帯を砲撃(2023年12月10日)

国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて声明を出し、午後11時5分、イスラエル軍が占領下のゴラン高原方面から首都ダマスカス一帯の複数ヵ所を狙って爆撃を行い、シリア軍防空部隊がこれを迎撃、一部を撃破、損害は物的なものに限定されたと発表した。

SANA(12月10日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、爆撃は空対地ミサイル6発によって行われ、レバノンのヒズブッラーをはじめとする「イランの民兵」が活動・展開するサイイダ・ザイナブ町一帯やダマスカス国際空港一帯の農場2ヵ所、ナジュハー村の陣地、スワイダー県ハールーフ丘にあるレーダー基地1ヵ所、シリア国防隊の陣地などの軍事施設複数ヵ所が狙われ、10人が負傷、うち4人がその後死亡した。

死亡したのは、レバノンのヒズブッラーのメンバー2人と、ヒズブッラーが運営する農場の守衛のシリア人民兵2人。

また負傷者はヒズブッラーのメンバー3人と住民3人。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が占領下のゴラン高原からシリア政府の支配下にあるハドル村一帯を砲撃した。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023、December 11, 2023などをもとに作成。

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米軍が違法に基地を設置しているハサカ県ハッラーブ・ジール村の農業用空港に、輸送機1機が軍装備品や兵站物資を輸送(2023年12月10日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているハッラーブ・ジール村の農業用空港に、輸送機1機が米軍のヘリコプター1機の護衛を受けて軍装備品や兵站物資を輸送した。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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ヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗はイスラエル北部を8回にわたって攻撃(2023年12月10日)

レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、以下の通り発表した。

午前10時00分、ジャル・アラーム陣地を攻撃し、直接の損害を与えた。

午前10時00分、ヤアラー入植地南でイスラエル軍の司令部を無人航空機(ドローン)複数機で攻撃し、司令部に損害を与えるとともに、兵士多数を負傷させる。

午後3時00分、シャブアー農場・カフルシューバー村近郊の丘陵地帯にあるザブディーン陣地、ルワイサート・イルム陣地を重ロケット弾で砲撃し、直接の損害を与えた。

午後3時00分、ザブディーン陣地、ルワイサート・イルム陣地を再び重ロケット弾で砲撃し、直接の損害を与えた。

午後3時00分、ザブディーン陣地・ラムサー村間に集結しているイスラエル軍部隊を攻撃し、直接の損害を与えた。

午後3時00分、アッバード陣地を攻撃し、確実な損害を与えた。

午後3時30分、フーニーン砦(フーニーン村)に集結しているイスラエル軍部隊を攻撃し、直接の損害を与えた。

午後3時35分、リーシャー池の陣地をブルカーン重ロケット砲で砲撃し、直接の損害を与えた。

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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午後2時05分、レバノンからイスラエル北部の西ガリラヤ地方に複数の飛翔体が発射されたのを確認し、イスラエル軍がうち2つを迎撃、イスラエル軍2人が中傷、多数が軽傷を負った。これを受け、先ほど、イスラエル軍のジェット戦闘機複数機がレバノン領内にあるヒズブッラーのテロ・インフラ、砲台、軍事複合施設など複数のテロ標的を爆撃、またレバノン領内からザルーリット入植地に対戦車ミサイルを発射しようとしたテロ細胞を攻撃した。

午後5時13分、数時間前にドブ山、ザーリット入植地、マナラ町(キツブ)に向けて多数の砲撃があったことを確認、イスラエル軍は発射地点を攻撃、また先ほど、Manaraに向けて砲撃があったことを確認。また、先ほど、イスラエル軍のヘリコプターと戦車がレバノン領内のヒズブッラーのテロ・インフラや陣地を攻撃、ジェット戦闘機がイフタ町(キブツ)一帯に対戦車ミサイルを発射しようとしたテロ細胞を攻撃した。

午後6時32分、昨夜のヒズブッラーによるロケット弾攻撃では、レバノン南部にある国連の複合施設から20メートルの地点にロケット弾1発が着弾した。

午後11時12分、レバノンからの飛翔体を迎撃する一方、数時間前にレバノン領内から多数の砲撃があり、イスラエル軍が発射地点を攻撃した。さらに、早朝にレバノン領内のテロ細胞を攻撃した。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Qanat al-Manar, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ではユーフラテス川を挟んでシリア民主軍とシリア軍・「イランの民兵」が砲撃戦(2023年12月10日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸のスブハ村に集結している人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の陣地複数ヵ所が、シリア政府支配下の西岸からの砲撃を受けた。

これに対して、シリア民主軍はスブハ村に面するブーライル村一帯を砲撃、ダルナジュ村、ジャルズィー村、アブー・ハルドゥーブ村でも双方による砲撃戦が発生した。

シリア軍と「イランの民兵」はその後、シャアファ村を砲撃した。

一方、シリア民主軍は、シュハイル村のユーフラテス川河畔の密輸用通行所を強襲し、指名手配者多数を拘束した。

シリア民主軍はまた、タヤーナ村でも密輸業者の1人を銃殺した。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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ラッカ県で武装集団がラッカ市近郊でシリア民主軍の兵士1人を襲撃し殺害、県東部ではダーイシュが国防隊を襲撃し、民兵4人を殺害、民間人1人を処刑(2023年12月10日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市西の街道で正体不明の武装集団が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士1人を襲撃し、殺害した。

また、県東部の砂漠地帯では、ダーイシュ(イスラーム国)が国防隊の隊員らを2回にわたって襲撃、民兵4人を殺害、民間人1人を処刑、民間人1人を含む5人を負傷させた。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるアレッポ県ダーラ・イッザ市の住宅街を砲撃(2023年12月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、9日の国民解放戦線によるヌッブル市、ザフラー町への砲撃に対する報復として、シャーム解放機構の支配下にあるダーラ・イッザ市の住宅街を砲撃した。

また、シャーム解放機構の支配下にあるカフル・タアール村一帯で、シリア軍とシャーム解放機構が交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の狙撃連隊がアブー・アリー山一帯でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナマル町東を移動中の軍用車輛が正体不明の武装集団の襲撃を受け、乗っていた兵士4人が殺害された。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続くなか、サルハド市では、活動家らがバアス党支局ビルに侵入し、中にいた党員やバアス大隊のメンバーと交戦(2023年12月10日)

スワイダー県では、スワイダー24(12月10日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続けられ、参加者らは体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

一方、サルハド市では、活動家らがバアス党支局の閉鎖を求めて、同支局ビルに侵入し、中にいた党員やバアス大隊のメンバーと衝突、撃ち合いとなった。

衝突は、地元住民が仲裁に入ることで収束した。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023、Suwayda 24, December 10, 2023などをもとに作成。

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キルギスタン外務省使節団が北・東シリア自治局渉外委員会を訪れ、ダーイシュのキルギスタン人メンバーの家族96人の身柄引き渡しに合意(2023年12月10日)

キルギスタン外務省の使節団が北・東シリア自治局の渉外委員会を訪れ、ダーイシュ(イスラーム国)のカザフスタン人メンバーの家族の身柄引き渡しに合意した。

合意に基づきキルギスタン側に引き渡されるのは、子供69人と女性27人。

ANHA(12月10日付)が伝えた。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県タッル・タムル町近郊、タッル・リフアト市近郊を砲撃(2023年12月10日)

ハサカ県では、ANHA(12月10日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府の支配下にあるタッル・タムル町近郊のタウィーラ村を砲撃した。

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アレッポでは、ANHA(12月10日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイルーニーヤ村、シャワーリガ村、タナブ村を砲撃した。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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イランを訪問中のフサイン・アルヌース首相はホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣と会談(2023年12月10日)

経済使節団を率いてイランを訪問中のフサイン・アルヌース首相は、ホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣と会談し、二国間関係、両国共通の関心事などについて意見を交わした。

SANA(12月10日付)が伝えた。

AFP, December 10, 2023、ANHA, December 10, 2023、‘Inab Baladi, December 10, 2023、Reuters, December 10, 2023、SANA, December 10, 2023、SOHR, December 10, 2023などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合による55キロ地帯への侵犯を6件確認したと発表(2023年12月10日)

ロシア当事者和解調整センターのワディム・クリット副センター長は、米国が違法に占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、F-15戦闘機2機、A-10攻撃機1機、F/A-18ホーネット戦闘機1機、MQ-9無人航空機(ドローン)1機による領空侵犯を9件確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(12月10日付)が伝えた。

RIA Novosti, December 10, 2023をもとに作成。

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