国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、2025年11月に開始された自主帰還プログラムの一環としてシリア難民829人がこれまでにリビアからシリアへ自主的に帰還したと発表

イナブ・バラディーによると、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、2025年11月に開始された自主帰還プログラムの一環としてシリア難民829人がこれまでにリビアからシリアへ自主的に帰還したと発表した。
リビア・レビューによると、
UNHCR、リビアからシリアへの自主帰還プログラムを拡大
2026年7月17日
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、2025年11月に開始した自主帰還プログラムの下で、これまでに合計829人のシリア難民がリビアからシリアへ自主帰還したと発表した。
UNHCRリビア事務所が『Migrant News』に提供した情報によると、最新の帰還便は6月6日にトリポリからダマスカスへ向けて出発し、52人のシリア人を輸送した。
UNHCRの対外関係担当上級顧問アンヌ=マリー・ケリガン・デリシュ氏は、この最新の帰還によって、2026年中に自主帰還したシリア人の総数は390人となったと述べた。また、2025年11月に同プログラムが開始されて以降、リビアから帰国したシリア人の累計は829人に達したと説明した。
UNHCRは、すべての帰還は、安全に母国へ帰国できる条件が整ったと本人が判断したうえで行われる、自由意思に基づき、十分な情報を得た上での自主的な決定に基づくものであることを強調した。
また、UNHCRは、自主帰還プログラムは、難民がこれまでにたどった移動経路や欧州への渡航未遂について体系的に情報を収集することを目的としていないと説明した。その代わりに、帰還前に各参加者が帰国の意味や影響について十分理解していることを確認することに重点を置いているとしている。
UNHCRは、リビアに居住するシリア難民の間では、自主帰還への関心が依然として高いと指摘した。2025年半ばに実施した調査では、約217世帯に当たる約1,300人のシリア難民がシリアへの帰還を希望していることが確認された。
その後も、難民本人からの直接申請を含む複数の経路を通じて、新たな帰還希望の申請が引き続き寄せられているという。
一方でUNHCRは、需要が高まっているにもかかわらず、プログラムは依然として運営上の課題に直面しており、それが出発の遅れにつながっていると説明した。具体的には、有効な渡航書類の不足や、必要な手続きを完了するための領事サービスへのアクセスが限られていることなどが挙げられる。
リビアは現在も、複数の国から来た数千人の難民・移民にとって、通過国であると同時に受け入れ国でもある。国際機関は引き続き、リビア当局および人道支援団体と協力し、保護、人道支援、そして帰国を希望する人々に対する自主帰還を含む恒久的な解決策の提供に取り組んでいる。
UNHCRは、すべての帰還案件について個別に審査を行い、本人が利用可能な選択肢を十分理解したうえで、自らの自由意思によって帰還を決定したことを確認した場合にのみ、帰還手続きを進めていることを改めて強調した。

(C)青山弘之 All rights reserved.