イドリブ県ではシャーム解放機構の特攻自爆(インギマーシー)攻撃でシリア軍兵士多数死傷する一方、ロシア軍がイドリブ県を爆撃(2024年3月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構に所属すアビー・ウバイダ旅団の戦闘員らが、シリア政府の支配下にあるマアッラト・ニウマーン市近郊でシリア軍の陣地複数ヵ所に対して特攻自爆(インギマーシー)攻撃を行い、兵士2人を殺害、3人を負傷させた。

シャーム解放機構のアブドゥッラヒーム・アトゥーン最高ファトワー評議会議長はアムジャード広報機構(3月9日付)に対して、この攻撃でシリア軍兵士8人を殺傷したと発表した。

シリア人権監視団によると、アビー・ウバイダ旅団の戦闘員も、シリア軍の砲撃で3人が負傷した。

一方、ザーウィヤ山地方のバイニーン村一帯では、シリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦を行った。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ロシア当事者和解調整センターのワディム・クリット副センター長は、ロシア空軍が、イドリブ県のブサンクール村とアシュハニ・タフタニ(Ашхани-Тахтани)を爆撃し、シリア政府軍の陣地に対する挑発攻撃に関与した武装勢力の基地2ヵ所を破壊したと発表した。

AFP, March 9, 2024、ANHA, March 9, 2024、‘Inab Baladi, March 9, 2024、Reuters, March 9, 2024、RIA Novosti, March 9, 2024、SANA, March 9, 2024、SOHR, March 9, 2024などをもとに作成。

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