ダイル・ザウル県でシリア軍・国防隊とシリア民主軍の戦闘が激化、3日間で死者数は民間人14人、負傷者数は36人に(2024年8月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、「親イランの地元民兵」が8日深夜から9日未明にかけて、シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県ユーフラテス川西岸のブーライル村から、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下東岸のダフラ村の民家を狙って迫撃砲や重火器で攻撃、子供6人と女性複数を含む住民11人が死亡した。

ANHA(8月9日付)によると、シリア軍と国防隊が午前2時30分にダフラ村に対してロケット弾と迫撃砲数十発で砲撃を行い、女児2人を含む一家4人が死亡、3人が負傷した。
シリア軍と国防隊はまた、ジュダイド・バッカーラ村に対しても砲撃を行い、民間人9人が死亡した。

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シリア人権監視団によると、これを受けるかたちで、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ブーライル村を砲撃し、「親イランの地元民兵」のメンバー2人と民間人2人が死亡した。

SANA(8月9日付)によると、シリア民主軍が発射した砲弾1発がブーライル村の民家に着弾し、女性1人と娘1が死亡、2人の家族7人が負傷した。

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シリア人権監視団によると、シリア民主軍はまた、シリア政府の支配下にあるスバイハーン市に向けて発砲し、子供1人が負傷した。

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戦闘激化を受けて、地元武装集団はブーライル村、ダイル・ザウル市南東のトゥーブ地区に増援部隊を派遣する一方、シリア軍はサーリヒーヤ山に陣地を設置した。

また、シリア民主軍も、ダフラ村、ジュダイド・ジュダイド・バッカーラ村、ジュダイド・アカイダート村、アブリーハ村に増援部隊を派遣した。

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なお、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県で7日に始まったシリア軍、国防隊、地元民兵(部族軍)とシリア民主軍との戦闘での死者数は民間人14人、負傷者数は36人となった。

AFP, August 9, 2024、ANHA, August 9, 2024、Deirezzor 24, August 9, 2024、‘Inab Baladi, August 9, 2024、Reuters, August 9, 2024、SANA, August 9, 2024、SOHR, August 9, 2024などをもとに作成。

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