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反体制勢力の動き
自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の8月2日の演説を受けるかたちで声明を出し「ヴェラーヤテ・ファギーフは世界シオニズムの別の顔だ…。ヒズブッラーは口ではエルサレム…の解放を主張しておきながら、彼らのイラン人部隊はヤルムークなどを砲撃し、ハーメネイの召使い(ナスルッラー)はパレスチナ人やアラブ人以外の(イラン)国民のためにエルサレムを解放したがっているかのうようだ」と酷評した。
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アレッポのシャリーア委員会のアブドゥッラフマーン議長を名のる活動家が声明を出し、アレッポ市内のブスターン・カスル地区に設置された通行所経由でアサド政権の支配地域に穀物、医薬品を搬入することを禁止し、違反者に対しては通行所に駐留する戦闘員が発砲すると発表した。
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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がイスタンブールでトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。
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シリア革命反体制勢力国民連立は国連事務総長宛ての書簡で、アレッポ県ハーン・アサル村などでの調査を予定している国連の化学兵器使用に関する調査団に全面協力する旨伝えた。
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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ラッカ市で誘拐されたイタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)の釈放を呼びかけた。
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シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース書記長は、7月21日の政治委員会で、ファーイズ・サーラから「バドル・ジャースース(スパイ)」と罵倒されたとし、連立内での正式な調査を求める申し立てを行ったと発表した。
クッルナー・シュラカー(8月3日付)が報じた。
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シリア革命反体制勢力国民連立のガジアンテップ市(トルコ)代表は、フェイスブックで、トルコのハタイ県レイハンル市に戸籍事務所を開設すると綴った。
国内の暴力
ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市に近いタッル・ハルフ市周辺、トゥワイミーヤ村で、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。
またシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国はラアス・アイン市の国境通行所やマハッタ地区を手製の迫撃砲で攻撃した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。
SANA(8月3日付)によると、バルザ区、ジャウバル区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・地下トンネル、装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。
一方、SANA(8月3日付)によると、ザマルカー町、ハラスター市、シャイフーニーヤ村、バハーリーヤ農場、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市国立病院周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(8月3日付)によると、ムハッジャ村、インヒル市、サフム・ジャウラーン村、シャジャラ町、アービディーン市、タファス市、シャブラク村、ジッリーン村、アトマーン村、アイン・ズィクル村、ナワー市、ハーッラ市、ブスル・ハリール市、マアルバ町、ダルアー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルアト・ヒスン市、ヒムス市各所で、軍と反体制武装集団が交戦した。
またAFP(8月3日付)によると、カルアト・ヒスン市のアブー・ザイド検問所を反体制武装集団が襲撃、反体制武装集団に参加していたスウェーデン国籍のレバノン人2人が死亡した。
死亡したのは、ハサン・ディーブ(21歳)とムウタスィム・ディーブ(18歳)で、レバノン経由でシリアに潜入していた。
一方、SANA(8月3日付)によると、タルビーサ市、ヒムス市バーブ・フード地区、ワアル地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、ザーラ市郊外、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市郊外、サアン村周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(8月3日付)によると、反体制武装集団がサアン村襲撃を試みたが、軍が撃退した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルミーン市、バザーブール村、アリーハー市などで、軍が砲撃を加え、子供2人を含む複数の市民らが死亡した。
一方、SANA(8月3日付)によると、クーリーン市、バクファルーン市、アルバイーン山、マアッラトミスリーン市、バーラ村、カフルナブル市、ハーン・スブル村、サルジャ村、ヒーシュ村、タッル・スルターン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市、ザフラー町周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。
アレッポ市のバニー・ザイド地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(8月3日付)によると、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、アバディーン村、アレッポ中央刑務所周辺、マンナグ航空基地周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
アレッポ市ではバニー・ザイド地区、ライラームーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内の国立病院、軍事裁判所が軍の空爆を受けた。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市カナーマート地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。
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ラタキア県では、SANA(8月3日付)によると、サーキヤ・クルト村、ヤナービーウ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
レバノンの動き
NNA(8月13日付)によると、シリア軍がベカーア県バアルベック郡アルサール市東部を領空侵犯・空爆し、シリア人避難民の女性・子供など9人が死亡、9人が負傷した。
シリア軍はラアス・バアルベック市とアルサール市間の林にあるシリア人避難民の集合地を空爆した。
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AFP(8月3日付)は、レバノン治安筋の話として、シリア軍がヒムス県内の対レバノン国境近くを空爆し、6人が死亡、9人が負傷、死傷者が軽トラックでベカーア県バアルベック郡のトゥワイル国境通行所を経由してレバノン領内に搬送されたと報じた。
AFP, August 3, 2013、al-Hayat, August 4, 2013、Kull-na Shuraka’, August 3, 2013、Kurdonline, August 3,
2013、Naharnet, August 3, 2013、NNA, August 13, 2013、Reuters, August 3, 2013、SANA,
August 3, 2013、UPI, August 3, 2013などをもとに作成。
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