シリア軍事作戦総司令部は、ヌスラ戦線時代からの幹部アスアド・ハサン・シーバーニーをシリアの新政府の外務大臣に任命すると発表(2024年12月21日)

シリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)がシリア情勢の進捗についての情報を発信するために開設した専門のプラットフォーム「自由シリア」(https://t.me/syriafree25/)は、以下の通り発表した。

午後2時21分、総司令部(シリア軍事作戦総司令部)は、アスアド・ハサン・シーバーニーをシリアの新政府の外務大臣に任命すると発表。

午後4時4分、シーバーニー外務大臣の経歴を発表。発表された経歴は以下の通り:

  • 1987年、ハサカ県で生まれ、ダマスカス県で育ち、2009年に同地の大学の文学部人文学科の英語・文学専攻を卒業。
  • 2022年にトルコのサバフディン・ザイム大学で政治学と国際関係の修士号を取得し、同分野で博士課程を就学中。現在、MBA(経営学修士)の最終課程を履修中。
  • 2011年のシリア革命に開始当初から参加し、すべての段階に立ち会う。2017年にはシリア救済内閣の設立に参加。
  • 救済内閣の政治問題局を設立し、当初から現在に至るまでその責任者を務める。

イナブ・バラディー(12月21日付)によると、シーバーニー氏は、「ザイド・アッタール」を名乗ったシャーム解放機構の幹部の1人。

同機構がシャームの民のヌスラ戦線の名で活動していた時は、「アブー・アーイシャ」、シャーム・ファトフ戦線に名称をした際には、「フサーム・シャーフィイー」の名で活動、政治問題局の局長への就任とともに、「ザイド・アッタール」を名乗るようになった。

シーバーニー氏は、政治問題局長として、イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所などで諸外国の使節団との折衝を担当してきた。

2017年には、カタールの仲介のもと、シャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動とアサド政権が交わした「5市合意」に幹部の1人として調印した。

この合意において、シャーム解放機構側は、ダマスカス郊外県のザバダーニー市、マダーヤー町、ブルーダーン村をアサド政権に引き渡す一方、アサド政権はイドリブ県のフーア市、カファルヤー町を蜂起、また当時イラクで拉致されていたカタール人多数が釈放された。

また、2018年以降激化したシリア北西部での戦闘では、ロシアとトルコによる停戦に異議を唱えていた。

なお、シーバーニー氏は、米国務省使節団との会談に同席していた。

午後7時37分、シャルア司令官は、軍事諸派と会談し、新生シリアにおける軍機関の設立について議論したと発表

午後11時5分、ガソリン、灯油、プロパンガスの価格を発表。

**

またアフマド・シャルア司令官(シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者)が率いるシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)はテレグラムのアカウント(https://t.me/aleamaliaat_aleaskaria/)を通じて以下の通り発表した。

午後11時5分、クナイトラ県に旧体制の構成員のための和解センターを設置、12月22日までに一時保護カードを取得するよう発表。

**

内務省はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/syrianmoi/)で、ダマスカス県ウマウィーイーン広場で内務治安局(内務治安機構)が治安維持にあたる写真を公開。

**

一方、国営のシリア・アラブ通信(SANA)はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/syrianarabnews/)で、以下の通り伝えた。

アレッポ市ジュマイリーヤ警察署が市民の苦情を受け付ける写真を公開。

総合治安局(総合治安機関)がヒムス市内で治安維持にあたる写真を公開。

内務省がヒムス県で大麻密売人を逮捕したと報じる。

**

さらに、『ワタン』はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/AlWatanNewspaper.sy/)で以下の通り伝えた。

軍事教練機構が教練性の募集を開始したと報じる。

総司令部(シリア軍事作戦総司令部)が、ダマスカス郊外県に旧体制の構成員のための和解センターを設置、12月22日までに一時保護カードを取得するよう発表したと伝える。

カタール大使館が国旗を掲揚したと報じる。

このほか、AFP, December 21, 2024、ANHA, December 21, 2024、‘Inab Baladi, December 21, 2024、Reuters, December 21, 2024、Sham FM, December 21, 2024、SOHR, December 21, 2024などを参照。

(C)青山弘之 All rights reserved.