2013年8月12日のシリア情勢

反体制勢力の動き

チュニジアのアンサール・シャリーア機構は声明を出し、ラタキア県山岳地帯での軍とシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国などとの戦闘で、メンバーの青年1人が戦死したと発表した。

声明は「2013年8月、「信者の母アーイシャの末裔の戦い」(海岸解放作戦)でヤースィーン・シューシャーン、通称アブー・アイユーブ・トゥーニスィーが死亡した」と発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、「祖国を打ち砕き、狭量なイデオロギーを押し付け、強制移住、誘拐、アラブ人・クルド人の内乱を助長するような行き過ぎたあらゆる計画」を拒否すると発表、アレッポ県北部での自由シリア軍とクルド最高委員会の停戦合意への支持を表明した。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区のムマイイズィーン検問所などで軍と反体制武装集団が交戦する一方、軍は同地区、ハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、アルディー地区、ヒサーラート地区、工業地区を砲撃した。これに対して、反体制武装集団もジュバイラ地区の軍拠点を砲撃した。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(8月12日付)に対し、ダイル・ザウル市での戦闘で、軍兵士25人と、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国の戦闘員33人が少なくとも死亡したと述べた。

このほか、軍はハトラ村を砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、アラディー地区、シネマ・フアード通り、シュハイル村などで、軍が反体制武装集団と交戦、イスラーム旅団の外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・ザウル市の裁判所近くで、車に仕掛けられた爆弾が誤爆し、アッバース大隊の戦闘員多数が死亡した。

さらに同市ムワッザフィーン地区、クスール地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人、子供1人を含む複数の市民が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ市イスカンダリーヤ地区が軍の砲撃を受け、女性7人を含む8人が死亡、またラッカ市も砲撃を受けた。

またシリア人権監視団は、ラッカ市で2週間前からほぼ毎日、イラク・シャーム・イスラーム国やシャームの民のヌスラ戦線が拉致・拘束する市民数百人の釈放と、イタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサ-修道院修道長)の解放を求める抗議デモが発生し、数百人が参加している、と発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がダイル・ハーフィル市郊外のアイン・ジャマージマ村を空爆し、女性1人、子供6人を含む10人が死亡した。

またアクラブ村周辺の軍検問所を反体制武装集団が制圧した。

このほか、アレッポ市ではラーシディーン地区、サイフ・ダウラ地区で軍と反体制武装集団が交戦し、複数の戦闘員が死亡、アレッポ国際空港に近いカラム・カスル地区、カラム・トゥラーブ地区が軍の砲撃を受け、サラーフッディーン地区では反体制武装集団が軍の拠点に爆弾で攻撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、クワイリス村、アイン・ジャマージマ村、ナスルッラー村、バーブ市、マーイル町、アナダーン市、フライターン市、ライラムーン地区・カフルハムラ村街道、ダフラト・アブドゥラッブフ地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、ブスターン・バーシャー地区、ハーリディーヤ地区、バニー・ザイド地区、アシュラフィーヤ地区、マイダーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がサラミーヤ市を迫撃砲で攻撃し、市民12人が死亡、また市内での軍との戦闘で戦闘員3人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ムファッキル村で、軍は反体制武装集団の掃討を完了、同村の治安を回復した。

また軍は、アトシャーン村、ジスル・ムーリク軍検問所、ターウーナ軍検問所で、反体制武装集団と交戦、戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がタルビーサ市、ラスタン市を砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、タッルドゥー市、キースィーン市、アイン・フサイン村、マシュラファ村、ダイルフール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またナースィラ市、ハワーシュ町間の街道のホテル近くで、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民8人が負傷した。

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ハマー県、SANA(8月12日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

 

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、ハムザ大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

『ジュムフーリーヤ』(8月13日付)は、タダームン区で、サハーバ大隊に属すイッズ・ブン・アブドゥッサラーム旅団が、軍が拘束していた女性13人を釈放したことの見返りとして、兵士の遺体13体を軍に引き渡したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ムライハ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、アドラー市、ムライハ市、スバイナ町、シャイフーニーヤ村、アルバイン市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、軍がシュクーヒー村、サルマー町などに空爆を行った。

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ハサカ県では、SANA(8月12日付)によると、ハサカ県畜産農場地区、サッド・ガルビー地区、ラーイフ・ストーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月12日付)によると、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、サラーキブ市、アルバイーン山、マールティーン市、ハーッジ・ハンムード農場、バラーギースィー市、タマーニア町、マアッラト・ヌウマーン市、タッル・ダマーン村、タイフ・キヤーリー農場で、軍が反体制武装集団と交戦、タウヒード旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

AFP(8月12日付)は、複数の外交筋の話として、化学兵器使用に関する国連調査団のシリア訪問が延期になったと報じた。

延期の理由は、調査方法に関して調査団とシリア政府が最終合意に達しなかったためだという。

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UPI(8月12日付)によると、ヨルダン治安当局は、イルビド市でシリア人1人を逮捕し、高性能通信機器10器以上を押収した。

AFP, August 12, 2013、al-Hayat, August 12, 2013、August 13, 2013、al-Jumhuriya, August 13, 2013、Kull-na Shuraka’, August 12, 2013、Kurdonline, August 12, 2013、Naharnet, August 12, 2013、Reuters, August 12, 2013、SANA, August 12, 2013、UPI, August 12, 2013などをもとに作成。

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