ダマスカス郊外県でヌスラ戦線のアミールを名のるアブー・ムハンマド・ジャウラーニーが負傷、シリア革命反体制勢力国民連立や自由シリア軍参謀委員会は米・露による「ジュネーブ2」イニシアチブを拒否(2013年5月8日)

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国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団(駐英)が、シャームの民のヌスラ戦線のアミールを名のるアブー・ムハンマド・ジャウラーニーが首都ダマスカスでの爆発で脚を負傷したと発表した。

ダマスカス郊外県南部の活動家の情報によると、軍の砲撃で、ジャウラーニーを含むメンバー多数が負傷したのだという。

また、シリア人権監視団によると、フジャイラ村で、政権を支持するアブー・ファドル・アッバース旅団の車輌を反体制武装集団が攻撃、司令官2人と含む複数名が死亡、多数が負傷したという。

このほか、ズィヤービーヤ町、ザマルカー町、ダーライヤー市などが、軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、SANA(5月8日付)によると、アドラー市、ナブク市、リーマー市、ランシュース市、アッサール・ワルド町、カラムーン山地一帯、ヤブルード市、フーシュ・アラブ村、ダーライヤー市などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線を追撃し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(5月9日付)などによると、反体制武装集団の援軍がヒルバト・ガザーラ町一帯に派遣され、再制圧をめざして軍と激しく交戦した。

また、ダーイル町、ヌアイマ村などに対して、軍が砲撃を行い、反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、トゥライスィーヤ村などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月8日付)によると、クサイル市南部のラフムーニーヤ村、ラブラーウィー村、ズウビー村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またヒムス市ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、タッル・ザハブ町、ウンム・シャルシューフ村、アルカム市、ダール・カビーラ村、アーミリーヤ市、ガッサーニーヤ村、ハイダリーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(5月8日付)は、ヒムス県クサイル市周辺一帯(タッル・ハンシュ村、ダイル・マール・イリヤース村近郊)で、ヒズブッラーの部隊が検問所を設置、民家を破壊、農地を焼き討ちにしている、と報じた。

またヒズブッラーの部隊は対レバノン国境のジュースィーヤ村のサファー・モスクに党旗を掲げている、と加えて報じた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ジュバイン村などが、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(5月8日付)によると、ハマー市北部のマイダーン・ガザール地方、カルカード地方で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルミーン市、ラーミー村、イフスィム町などが、軍の砲撃を受けた。

一方は、SANA(5月8日付)によると、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サラーキブ市、タフタナーズ市、ファイルーン市、ビダーマー町、マッルアンド市、ズルズール市、タッル・サラムー村、トゥルア村、アブー・ズフール航空基地周辺、ブワイティー村などで、軍が反体制武装集団の拠点・アジトを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィール市、マンナグ航空基地などが、軍の砲撃・空爆を受けた。

またアレッポ市旧市街、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月8日付)によると、ムスリミーヤ村、マンナグ村、ハーン・アサル村、タッラ・シャルファ市、カフルハムラ村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市、ムーハサン市などが軍の砲撃を受けた。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月8日付)によると、ハサカ市カッラーサ地区にある農学部を何者かが襲撃し、学生3人を殺害した。

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ラタキア県では、SANA(5月8日付)によると、ズワイク村、サーキヤ・カルト村、グナイミーヤ村、バイト・アワーン村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線のアジトを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

国内の動き

クッルナー・シュラカー(3月8日付)などによると、シリア全土でインターネット回線が約20時間にわたって不通となった。

イマード・サーブーニー通信技術大臣は、晩までにインターネット回線が復旧したと発表したうえで、回線不通が光ケーブルの切断が原因だったと明らかにした。

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クッルナー・シュラカー(5月15日付)によると、民事控訴裁判所は、内務大臣の申し立てに従い、野党のアンサール等の解党を決定した(2013年判決第810号)。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」に関して、2012年6月のジュネーブ合意における「曖昧な2つの点」を明確にする必要があると述べ、全権を有する移行期統治機関の発足、アサド大統領から移行期統治機関への権限移譲について具体的な行程を示す必要があるとの見解を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想に関して、「民主国家を求めるシリア国民の意思と希望を実現するための政治的解決」を呼びかける国際社会の努力を支持すると述べつつ、政治的解決が「バッシャール・アサドと政権幹部の退任をもって始められる」べきと強調し、両国の姿勢を事実上拒否した。

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シリア革命反体制勢力国民連立議長を辞任したアフマド・ムアーッズ・ハティーブはフェイスブック(5月8日付)で、「(政権との)交渉に先だって…16万人の逮捕者の釈放を条件として示したとき、複数の勢力が私を裏切り、私が提示したアイデアを破壊した」と述べ、政治的解決を拒否する連立内の勢力を暗に批判した。

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カイロを拠点とする反体制政治連合、シリア国民民主同盟はフェイスブック(5月8日付)で声明を出し、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想に関して、「アサド、彼の体制、その幹部の退任・退陣、そして移行期挙国一致政府への政権移譲を主要な議題、目標としないいかなる政権との対話も拒否する」との意思を示した。

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自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)のカースィム・サアドッディーン大佐は、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想を通じて政治的解決が強調されたことに「遺憾」の意を示し、「軍事評議会は対話を行うために政権と席をともにすることない」と拒否の姿勢を示した。

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アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、アルジェリア紙『シュルーク』(5月8日付)に対して、アサド政権との交渉は「国家反逆」にあたると述べ、政権との断行を主唱した。

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人民自由潮流(シリア国民評議会)は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、アサド政権との交渉を前提条件とすると批判、「失望」の意を示した。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は声明を出し、ケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」に関して、「モスクワでの発表は非常に重要な第一歩」と高く評価した。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長はケリー米国務長官とプーチン露大統領による「ジュネーブ2」構想に関して、「EUは紛争の解決策が包括的な政治的関係正常化のなかにあると繰り返してきた」と述べ、歓迎の意を示した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、『ヒュッリイェト』(5月9日付)に対して、ジョン・ケリー米国務長官との最近の電話会談で、「バーニヤースで我々が懸念しているのは、(アサド)政権が国全体に対する支配を失うなかで、一部の地域で民族浄化の戦略へと移行しつつあることだ」と述べたことを明らかにした。

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ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相は『ハヤート』(5月9日付)のインタビューで、シリア情勢に関して「最近のイスラエルによるダマスカスへの攻撃によって、情勢はさらに複雑になった」としたうえで、シリアの紛争が国際問題化することを懸念するとともに、シリアに対する軍事的介入や、宗派に基づく小国家群への分裂に改めて反対の意を示した。

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オリエント・ネット(5月8日付)は、イスタンブールの反体制活動家が滞在するホテルでトルコの当局者がシリアのムハーバラート工作員と思われる男性1人を逮捕した、と報じた。

AFP, May 8, 2013、al-Hayat, May 9, 2013、Kull-na Shuraka’, May 8, 2013, May 9, 2013, May 15 2013、Kurdonline,
May 8, 2013、Naharnet, May 8, 2013、Orient Net, May 8, 2013、Reuters, May
8, 2013、SANA, May 8, 2013、al-Shuruq, May 8, 2013、Umbrella Security Lab, March 7, 2013、UPI, May 8, 2013などをもとに作成。

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