イスラーム国をめぐる動き:シリア軍がラッカ市を爆撃(2014年11月25日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているラッカ市工業地区などを10回にわたって空爆し、子供3人を含む住民36人が死亡、数十人が負傷した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(11月25日付)は、ダーイシュ・ラッカ州の治安局高官が何者かに暗殺されたと報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって追放されていたシュアイタート部族避難民数千人が、ダーイシュの許可を得て、ガラーニージュ市に帰宅した。

ただし同監視団によると、キシュキーヤ町、アブー・ハマーム市から避難しているシュアイタート部族住民数千人の行方は、依然として不明だという。

帰宅許可は、カリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏の命令によるもので、帰宅に際して、シュアイタート部族による集会の禁止、武器不携帯などの合意が交わされたという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市南西部の街区などで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、ダーイシュは同市に14発の迫撃砲を撃ち込んだ。

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(11月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市で住民2人を姦通罪により、石打刑に処し、殺害した。

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ヒムス県では、SANA(11月25日付)によると、ジャズル・ガス採掘所北部、シャーイル・ガス採掘所周辺、バルアース山一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(11月25日付)によると、マフルーム村、ウンム・キバル村、アブドゥルアズィーズ山サディーク分岐点で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 25, 2014、AP, November 25, 2014、ARA News, November 25, 2014、Champress, November 25, 2014、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2014、al-Hayat, November 26, 2014、Kull-na Shuraka’, November 25, 2014、al-Mada Press, November 25, 2014、Naharnet, November 25, 2014、NNA, November 25, 2014、Reuters, November 25, 2014、SANA, November 25, 2014、UPI, November 25, 2014などをもとに作成。

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