アレッポ県、ヒムス県、ハサカ県でシリア軍、YPGがダーイシュ(イスラーム国)と交戦(2015年3月3日)

ラッカ県では、ARA News(3月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ市住民に対して、同市のアミールからの許可を得ないかたちでの市外への移動を禁止すると発表、違反者に対しては、その親族を処罰すると脅迫した。

この決定は、ラッカ市に居住する数十世帯が市外に避難したことを受けたもので、救急事態以外の市外への移動にはアミールの許可が必要となるという。

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アレッポ県では、ARA News(3月3日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ユーフラテス火山作戦司令室などの支援を受け、ユーフラテス河畔のズール・マガール村、ズィヤーラ村、フルバト・アトウ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

人民防衛隊または、シャイフ・タフターニー町も完全制圧した。

一方、米国など有志連合はトルコ国境に位置するジャラーブルス市を空爆、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガも同市を砲撃した。

こうした動きを受け、ジャラーブルス市内では住民が人民防衛隊とダーイシュの戦闘を逃れるため、市外への避難を始めたという。

このほか、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町で、ダーイシュ(イスラーム国)が撃った迫撃砲が民家に着弾し、子供2人が死亡した。

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ヒムス県では、ヒムス県では、シリア人権監視団、SANA(3月3日付)によると、シャーイル山(ハマー県)西部の第101ガス採掘所一帯、および第111高地で、シリア軍、国防隊が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

なお両者の戦闘は第105ガス採掘所一帯でも続いているという。

またSANAによると、シリア軍はラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(3月3日付)によると、ダーイシュは、下ムハッラム村近郊のシリア軍哨所4カ所を襲撃、制圧した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル町郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、またハサカ市南部郊外ではシリア軍、国防隊がダーイシュと交戦した。

またARA News(3月3日付)によると、タッル・ハミース市での人民防衛隊とダーイシュの戦闘では、欧州人(英国人ないしはギリシャ人)の戦闘員が死亡したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がブサイラ市に居住するシリア軍退役士官らに対して、家財道具を残したまま自宅を明け渡すよう要請した。

同監視団によると、ダーイシュはマヤーディーン市でも同様の要請を行い、市内の離反士官、バアス党員、シャームの民のヌスラ戦線メンバーの自宅を没収したという。

AFP, March 3, 2015、AP, March 3, 2015、ARA News, March 3, 2015、Champress, March 3, 2015、al-Hayat, March 4, 2015、Iraqi News, March 3, 2015、Kull-na Shuraka’, March 3, 2015、al-Mada Press, March 3, 2015、Naharnet, March 3, 2015、NNA, March 3, 2015、Reuters, March 3, 2015、SANA, March 3, 2015、UPI, March 3, 2015などをもとに作成。

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