イドリブ県では、ファトフ軍がイドリブ市内に突入し、同市中心部に位置する中央郵便局、市東部のミフラーブ交差点、国立博物館、農学部、福祉関連ビル、マアッラトミスリーン交差点、シャムラ・ガソリン・スタンド、ハール市場などを制圧したと発表した。
複数の活動家によると、イドリブ市解放に向けた作戦に参加している武装集団はまた、北東部の入り口に位置するバーブ・ハワー検問所を制圧し、カファルヤー町、フーア市に至る兵站路を遮断、シリア軍の進軍を阻止するための防御を固めたという。
シリア人権監視団によると、イドリブ市周辺のシリア軍検問所一帯および市内で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地一帯を砲撃した。
この戦闘で、ヌスラ戦線のアミール(司令官)1人を含む11人が死亡、シリア軍側も6人の兵士が死亡した。
また、クッルナー・シュラカー(3月28日付)によると、ファトフ軍ミフラーブ交差点近くの国防隊拠点ビルを攻撃し、国防隊隊員30人以上(指揮官1人を含む)を殲滅した。
『ハヤート』(3月28日付)によると、反体制武装集団がイドリブ市一帯の軍検問所20カ所を制圧し、攻勢を強めているが、これに先だってシリア政府はイドリブ市内の行政機能をジスル・シュグール市に移転したとの情報が流れているという。
イドリブ市一帯以外では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクーリーン村を空爆する一方、カヌルニブル町では爆弾が仕掛けられた車が爆発した。
一方、クッルナー・シュラカー(3月27日付)は、イドリブ県のハイルッディーン・サイイド県知事が軍服姿でシリア軍部隊を視察したと伝え、その写真を掲載した。
写真は27日未明にイドリブ市内で撮影されたものと思われるという。
他方、SANA(3月27日付)によると、イドリブ市周辺、ブカフルーン村、ファイルーン村、マルティーン村、ビンニシュ市、トゥウーム村、マアッラトミスリーン市、サルジャ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー協会地区の大預言者モスク一帯、アーミリーヤ地区一帯で、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線と交戦した。
一方、SANA(3月27日付)によると、ドゥワイル・ザイトゥーン村、アルド・マッラーフ地区一帯、ハンダラート・キャンプ周辺、ハーン・アサル村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、タッル・ミルフ検問所一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦、またシリア軍はサラミーヤ市西方のハムル丘一帯を「樽爆弾」で空爆した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン山地一帯郊外無人地帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が交戦し、ヒズブッラー戦闘員5人が死亡する一方、ジャイルード市では、治安当局の拷問によって青年1人が死亡した。
一方、SANA(3月27日付)によると、ザバダーニー市東西の山岳地帯、マシュラファ村無人地帯、アーリヤ農場、アイン・タルマー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
他方、ARA News(3月28日付)によると、カフルバトナー町でファトフ軍などによるイドリブ市攻略を支持するデモが発生した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジャウバル区で交戦、シリア軍が同地を砲撃した。
一方、SANA(3月27日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市などを空爆し、子供4人、女性2人、離反兵1人を含む25人が死亡した。
またシリア軍がダルアー市ダム街道地区、サムリーン村、カフルシャムス町、ヤードゥーダ村などを「樽爆弾」で空爆した。
一方、SANA(3月27日付)によると、ダルアー市Syriatelビル一帯、ブスラー・シャーム市、アトマーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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クナイトラ県では、SANA(3月27日付)によると、マスハラ丘、ナブア・サフル交差点一帯、ウンム・バーディナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(3月27日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、ガントゥー市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、ARA News(3月27日付)によると、ハサカ市アズィーズィーヤ地区で国防隊の戦闘員とハーリド・ユースフ・ハンムー氏の民兵(工場警備などを担当)が、口論の末撃ち合いになった。
国防隊戦闘員の一人が老人に暴行を加え、金銭を奪ったのが口論・衝突の理由だったとい。
また、ARA News(3月28日付)によると、ハサカ市西ダム地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所を狙った自爆テロが発生し、隊員2人が負傷した。
AFP, March 27, 2015、AP, March 27, 2015、ARA News, March 27, 2015、March 28, 2015、Champress, March 27, 2015、al-Hayat, March 28, 2015、Iraqi News, March 27, 2015、Kull-na Shuraka’, March 27, 2015、al-Mada Press, March 27, 2015、Naharnet, March 27, 2015、NNA, March 27, 2015、Reuters, March 27, 2015、SANA, March 27, 2015、UPI, March 27, 2015などをもとに作成。
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