アサド大統領いわく「シリア・トルコ国境地帯の25%を民主統一党が、75%をアル=カーイダが制圧」、民主的変革諸勢力国民調整委員会は政府の呼びかけに対し「アサド政権との対話を行う準備は十分でない」と返答(2013年3月9日)

SANA, March 9, 2013

SANA, March 9, 2013

SANA, March 9, 2013

SANA, March 9, 2013

Contents

国内の動き(シリア政府の動き)

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てた書簡で、反体制武装集団が誘拐したUNDOF要員21人の釈放にシリア政府が全面協力してきたと強調する一方、国連に対して兵力引き離し地域の住民およびUNDOFに対するテロ集団への敵対行為を非難するよう求めた。

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SANA(3月9日付)はアレッポ県アレッポ市ハムダーニーヤ地区で、住民がデモ行進を行い、軍支持、武装テロ集団の退去を求めたと報じた。

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『ジュムフリイェト』(3月9日付)は、共和人民党(CHP)のハサン・アクギョル議員を団長とするトルコ国会使節団とのダマスカスでの会談(7日)で、アサド大統領が、対シリア国境地帯の25%を民主統一党が、75%をアル=カーイダが制圧していると述べた、と報じた。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、複数の反体制活動家によると、使徒末裔大隊が、第113旅団との1ヶ月にわたる戦闘の末、同旅団本部を制圧した。

シリア人権監視団によると、第113旅団の本部にいた士官は逃走し、残った兵士は殺害されるか、捕捉されたという。

同旅団が保有していたミサイルのほとんどは戦闘で使用されていたという。

また同監視団によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ジュバイラ地区などで軍が反体制武装集団と交戦、対イラク国境地帯でも、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(3月9日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、旧空港地区、労働者住宅地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ航空基地と第17師団本部の周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、ラッカ市郊外のブーハミード村に対する軍の空爆で多数の犠牲者が出た。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のハーリディーヤ地区などに対して、軍が砲撃を加えた。

また、ヒムス市郊外のサムイール市では、軍が「アドナーン・ウクラ大隊」を名乗る反体制武装集団が交戦した。

アドナーン・ウクラは1980年代にシリア国内での武装闘争を主導したシリア・ムスリム同胞団戦闘前衛隊司令官の一人。

一方、SANA(3月9日付)によると、レバノン領内からジュースィーヤ村方面に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハフィール市に対して、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(3月9日付)によると、ドゥーマー市周辺、アドラー市郊外、ダーライヤー市、ザバダーニー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(3月9日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月9日付)によると、ハーン・アサル村、マンナグ村、カフルハーシル村、マッルアナーズ市、シャワーリガート市、ラスム・アッブード村、ブシャークティーン市、ナイラブ村、ドゥワイリーナ市、マンスーラ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、旧市街のウマイヤ・モスク、アレッポ城周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、アリーハ市郊外の煉瓦工場、ザーウィヤ山が軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、SANA(3月9日付)によると、ナイラブ村、サラーキブ市、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール市、タッル・サラムー市、シャビーバ軍事基地、マジュダリヤー村などで、軍が反体制武装集団の追撃・攻撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ロイター通信(3月9日付)は、ベイルート在住のシリア人反体制活動家の話として、反体制武装集団が拉致していたUNDOF要員(フィリピン軍兵士)21人が、ヨルダン領内に入ったと報じた。

ヤルムーク殉教者旅団のアブー・マフムードを名乗る活動家は3月6日に、UNDOF要員が「ヨルダン領内におり、健康状態は良好だ」と述べていた。

ヨルダンのサミーフ・マアーイタ内閣報道官は『ハヤート』(3月9日付)に、UNDF要員が「9日晩にヨルダン領内に入り、アンマンへの途上にある。彼らは国連に引き渡されるだろう」と述べた。

ヨルダン軍国境警備隊のフサイン・ズユード司令官によると、「(ヨルダン軍は)自由シリア軍司令部と数時間にわたり連絡を行い、国際社会の要請に添って、拉致された要員の身柄を引き取った」。

UNDOF要員の引き渡しについては、8日に国連が、ダルアー県ジャムラ村に移送用の車列を派遣することで反体制武装集団と合意していたが、軍と反体制武装集団の戦闘で車列の派遣は中止されていた。

反体制勢力の動き

ハサカ県の複数の活動家は、ザマーン・ワスル(3月9日付)に対して、自由シリア軍がシャッダーディー市、ハサカ市周辺および県北部・東部の農村を、民主統一党人民防衛隊がアームーダー市、ダルバースィーヤ市、カフターニーヤ市、マアブダ市、ルマイラーン町などを制圧したことで、同県の80%が政府の支配下を事実上脱した(未確認情報)と語った。

政府はハサカ県、カーミシュリー市の支配を維持しているのみ(未確認情報)だという。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は訪問先のロシアでイタルタス通信(3月9日付)に対して、「バッシャール・アサド政権と対話を行う環境はまだ充分でない」と述べた。

またアサド大統領の進退については「シリアで代議制共和政体が樹立されれば、バッシャール・アサドが残るか去るかはまったく重要ではない」と述べた。

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パリで活動するシリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立の最近の活動の迷走、反体制武装集団への順軍事支援の公言を通じた西側諸国の姿勢の過激化を非難した。

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ユーチューブ(3月9日付)に、シャームの民のヌスラ戦線の、「シャリーア委員会」警察部隊の車列多数がダイル・ザウル県ダイル・ザウル市の東部郊外を行軍する映像がアップされた。

http://www.youtube.com/watch?v=6Zo7IW9EPK8

諸外国の動き

ヨルダンのインマール・ハムード・シリア避難民問題担当報道官によると、ザアタリー避難民キャンプで火災が発生し、40歳の男性1人が死亡、子供2人が重傷を負った。

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国連の潘基文事務総長は、オーストリア『プロフィル』誌(3月9日付)に対して「シリアでのおそるべき人権侵害は、戦争犯罪、人道に対する罪とみなし得る」と述べた。

またシリアの反体制武装集団への武器供与に関して、「紛争当事者に武器がもたらされれば、戦闘の長期化と犠牲者の増大以外の何にも資さない」と警鐘を鳴らした。

さらに「ナバネセム・ピレイ人権高等弁務官は、こうした事態が国際刑事裁判所に付託されなければならないと述べた。私もこの問題を議論することを支持している」と付言した。

AFP, March 9, 2013、Akhbar al-Sharq, March 9, 2013、Cumhuriyet, March 9, 2013、al-Hayat, March 10, 2013, March 11, 2013、Kull-na Shuraka’, March 9, 2013, March
11, 2013、al-Kurdiya News, March 9, 2013、Naharnet, March 9, 2013、Reuters,
March 9, 2013、SANA, March 9, 2013、Youtube, March 9, 2013、Zaman al-Wasl,
March 10, 2013などをもとに作成。

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