ハウラーン法務局は、自由シリア軍南部戦線のヌスラ戦線との絶縁を支持、ヌスラ戦線にアル=カーイダからの離反を求める(2015年4月15日)

対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所を管理するハウラーン法務局は声明を出し、自由シリア軍南部戦線に所属する主要な武装集団がシャームの民のヌスラ戦線との「絶縁」を発表したことに関して、「絶縁」に支持を表明しつつ、ヌスラ戦線にアル=カーイダから離反したうえで共闘するよう求めた。

ハウラーン法務局は声明のなかで、「我々はハウラーン地方で活動するすべての組織に対して、法務局の傘下で発言を一つにするよう呼びかける。いかなる問題、対立の解決も、メディアを通じた批判合戦を避けて、アッラーの法のもとで裁定されるべきだということを想起してもらいたい」と発表した。

そのうえで「我々は、すべての組織が合意した我々の姿勢を示すかたちで、シリア人に対して、アル=カーイダとシャームの民のヌスラ戦線のつながりは、革命の進路と目的を逸脱させるものだ、と言いたい。我々は、シリアがジハードやバグダーディー国(ダーイシュ(イスラーム国)のこと)の影響力拡大の基地となることを望んでいない」と強調した。

なおこれに関連して、「自由シリア軍司令部付顧問」を名乗るウサーマ・アブー・ザイド氏は、「自由シリア軍は、ヌスラ戦線が過ちを正すまで、ヌスラ戦線との合同作戦司令室を閉鎖するだろう」と述べ、これまでヌスラ戦線と共闘してきたことを改めて認めた。

アブー・ザイド氏はまた「ヌスラ戦線はアル=カーイダから離反する必要がある。なぜならアル=カーイダとのつながりを保つことは、アサドを復活させようとする国の政府や機関の目的達成を促してしまう」と述べるとともに、「(各部隊による)声明の厳しい内容は(ヌスラ戦線)への戦線布告ではない。ヌスラ戦線に、革命に邁進するという選択肢を選ばせ、そのための措置を講じさせるための強い圧力をかけるものだ」と強調した。

AFP, April 15, 2015、AP, April 15, 2015、ARA News, April 15, 2015、Champress, April 15, 2015、al-Hayat, April 16, 2015、Iraqi News, April 15, 2015、Kull-na Shuraka’, April 15, 2015、al-Mada Press, April 15, 2015、Naharnet, April 15, 2015、NNA, April 15, 2015、Reuters, April 15, 2015、SANA, April 15, 2015、UPI, April 15, 2015などをもとに作成。

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