アレッポ市でシリア軍の爆撃により20人死亡、イドリブ県ジスル・シュグール市一帯でシリア軍とアル=カーイダ系組織の攻防続く(2015年5月12日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ジスル・ハッジ地区でシリア軍がマイクロバスを「樽爆弾」で攻撃し、20人が死亡、女性、子供を含む30人が負傷した。

シリア軍はまた、バーシュカウィー村近郊のタッル・ムサイビーン村、ハンダラート・キャンプ一帯、ラシャーディーヤ村で、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線と交戦、同地を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(5月12日付)によると、アレッポ市ナイラブ地区、ブスターン・カスル地区、ハナーヌー地区、ライラムーン地区、ブスターン・マイサル地区、カルム・カーティルジー地区、シャイフ・サイード地区、旧市街、ジスル・ハッジ地区、フライターン市、アナダーン市、タッル・リフアト市、マーリア、アウラム・クブラー町などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、タウヒード旅団、ファトフ旅団、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

ARA News, March 12, 2015

ARA News, March 12, 2015

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市南西部に位置するジスル・シュグール公立病院に突入したシャームの民のヌスラ戦線とトルキスターン・イスラーム党が同病院の一部の占拠を続ける一方、同病院に籠城するシリア軍兵士、国防隊隊員ら250人がヌスラ戦線らファトフ軍作戦司令室と交戦、またシリア軍が同地一帯を4回にわたり空爆を行った。

またシリア軍が、国防隊、アフガン人のファーティミーン旅団、イラク人民兵、ヒズブッラー、イラン人士官とともに、ジスル・シュグール市東部および南東部(砂糖工場近く)、ムシャイリファ村近郊、ジスル・シュグール市・アリーハー市間の高速道路一帯(ムハムバル村郊外)、ハッターブ高地、クファイル村一帯、カニーヤ村一帯でも、ファトフ軍作戦司令室と交戦した。

同監視団によると、ジスル・シュグール国立病院一帯での戦闘では、シリア軍少尉が死亡した(クッルナー・シュラカー(5月12日付)によると、シリア軍の准将と大尉が死亡したという)。

一方、アレッポ市一帯を活動拠点とするアブー・アマーラ特殊任務中隊(自由シリア軍)は声明を出し、11日にイドリブ県内のグルナール検問所やサンカラ村を襲撃し、シリア軍兵士33人を殺害したと主張した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、マナール・チャンネル(5月12日付)などによると、ヒズブッラー戦闘員カラムーン地方無人地帯でシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の掃討を続け、制圧地域を拡大する一方、シリア人権監視団は過去48時間で、ヒズブッラー戦闘員がヌスラ戦線との戦闘により8人死亡したと発表した。

またシリア人権監視団によると、シリア軍がアイン・タルマー村を2回にわたって空爆したほか、ザバダーニー市各所に対して砲撃を加えた。

一方、SANA(5月12日付)によると、クファイル村、ガーニヤ村一帯、シャイフ・スィンディヤーン村、ジスル・シュグール市一帯、バシュラームーン村、ラウダ村、ルージュ平原、アルバイーン山一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などファトフ軍作戦司令室の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(5月12日付)によると、カーヒラ村・マンスーラ村回廊、ハミーディーヤ村(ガーブ平原)で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(5月12日付)によると、アトマーン村、ウンム・アウサジュ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ムウタッズ・ビッラー旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(5月12日付)によると、ラスタン市などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 12, 2015、AP, May 12, 2015、ARA News, May 12, 2015、Champress, May 12, 2015、al-Hayat, May 13, 2015、Iraqi News, May 12, 2015、Kull-na Shuraka’, May 12, 2015、al-Mada Press, May 12, 2015、Qanat al-Manar, May 12, 2015、Naharnet, May 12, 2015、NNA, May 12, 2015、Reuters, May 12, 2015、SANA, May 12, 2015、UPI, May 12, 2015などをもとに作成。

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