Contents
国内の暴力
ダマスカス郊外県では、SANA(2月1日付)によると、ハラスター市郊外、ドゥーマー市、シャイフーニーヤ村、アルバイン市、ヒッラーン・アワーミード村、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷した。
一方、クッルナー・シュラカー(2月1日付)は、ハーン・シャイフーンのパレスチナ人難民キャンプを軍が数日前から包囲・砲撃している、と報じた。
**
アレッポ県では、SANA(2月1日付)によると、アズィーザ市、ハーディル村、カラースィー村、マンスーラ村、マーイル町、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷した。
またアレッポ市バニー・ザイド地区、カルム・マイサル地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷した。
**
イドリブ県では、SANA(2月1日付)によると、ナイラブ村、アリーハー市などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。
**
ヒムス県では、SANA(2月1日付)によると、ハウラ地方、ラスタン市、アイン・フサイン村、アーミリーヤ村などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。
**
ハサカ県では、クルディーヤ・ニュース(2月1日付)によると、カーミシュリー市で激しい戦闘があり、市内全域が一時停電となった。
反体制勢力の動き
シリア民主フォーラムが声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権と対話に応じる意思を示したことに関して「祖国、自由、公正、平等、市民権といった概念への近視眼によるもので、体制ではなく反体制勢力を追い込む」と非難し、議長に改めて発言の真意を説明するよう求めた。
クルド民族主義勢力の動き
民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は『サフィール』(2月1日付)のインタビューに応じ、そのなかでイラン・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領のトルコとの同盟関係がクルディスタンの弱体化を目的としていると批判した。
トルコからラアス・アイン市への自由シリア軍・サラフィー主義者と民主統一党人民防衛隊との戦闘に関して、ムスリム共同党首は、西クルディスタン(シリア)を占領しようとする戦略的枠組みのなかでの軍事行動だと指弾した。
**
ユーフラテス通信(2月1日付)がクルド最高委員会のイルハーム・アフマドの話として伝えたところによると、同委員会福祉治安税関委員会がハサカ県ダイリーク市で会合を開き、イラク・クルディスタン地域・シリア・クルド地域間のスィーマールカーに通商用の国境通行所を常設し、近く設置することを決定したと報じた。
**
クルド最高委員会のアフマド・スライマーンは、クルディーヤ・ニュース(2月1日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍に対して、ラアス・アイン市への攻撃に対して断固たる姿勢で拒否すべきだと述べた。
レバノンの動き
ナハールネット(2月1日付)が軍の発表として伝えたところによると、ベカーア県バアルベック郡の対シリア国境に位置するアルサール市郊外で、パトロール中のレバノン軍部隊が要撃され、兵士2人が死亡、多数が負傷した。
また軍部隊を要撃した武装集団の戦闘員も複数が負傷したという。
ジャディード・チャンネル(2月1日付)などは、この要撃の背景に、アルサール市でのハーリド・フマイイド誘拐・発砲事件があると報じた。
OTV(2月1日付)によると、フマイイドは、2011年のレバノンでのエストニア人拉致事件の容疑者の一人で、最近自由シリア軍に加入した、という。
またLBCI(2月1日付)は、レバノンの治安当局が、フマイイドを「テロ集団」メンバーとして監視していたと報じた。
一方、SANA(2月1日付)は、ムスタクバル潮流および自由シリア軍との交戦でレバノン軍兵士多数が死亡したと報じた。
諸外国の動き
退任を翌日に控えたヒラリー・クリントン米国務長官は、自らの任期を振り返り、そのなかで米国が「イランとヒズブッラーのシリアでの活動によって邪魔されてきた」、「ロシアはアサド支持に関して受け身の傍観者などではなく、かなり積極的だった」と述べる一方、「出来ることはやった」と自賛した。
AFP, February 1, 2013、Akhbar al-Sharq, February 1, 2013、al-Hayat, February 2, 2013、al-Jadid, February 1, 2013、Kull-na Shuraka’, February
1, 2013、al-Kurdiya News, February 1, 2013、Naharnet, February 1, 2013、OTV,
February 1, 2013、Reuters, February 1, 2013、al-Safir, February 1, 2013、SANA, February 1, 2013などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.