2013年1月24日のシリア情勢

国内の動き(シリア政府の動き)

シリア内務省は声明を出し、1月6日のアサド大統領の演説で示された危機解決政治プログラムに基づき、最近の事件を理由に国を去ったすべての市民に対して、その出国の適法性にかかわらず、国境の通関で帰国に必要なすべての措置を講じる、と発表した。

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

またシリア内務省はこれとは別に声明を発表し、危機解決政治プログラムに基づき、「国民対話への参加を望むすべての在外の反体制政治勢力に…ダマスカス国際空港、ジュダイダト・ヤーブース、ナスィーブ、カサブ、タンフの国境通行所経由でのシリアへの帰国を認める」と発表した。

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アサド大統領はダマスカス県ムハージルーン地区にあるアクラム・モスクで預言者聖誕祭を祝して、午後の集団礼拝に参加した。

集団礼拝は宗教関係省が企画し、ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣、アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティー、ワーイル・ハルキー首相をはじめとする政府・党幹部、イスラーム教宗教関係者、市民が参加した。

SANA(1月24日付)が報じた。

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ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣は、「モスクで行われる金曜日(1月25日)の礼拝後に、各地での治安と安全の回復への意志を示す礼拝(サラート・ハージャ)を行う」よう呼びかけた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月24日付)が慈善団体の話として伝えたところによると、ドゥーマー市中心部で、テロリストの退去を求める市民の大規模な集会が行われた。

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

SANA, January 24, 2013

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウバル区、旧市街、ハーリディーヤ地区などで、軍と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(1月24日付)によると、ハウラ地方、ラスタン市などで、軍が反体制武装勢力を追撃、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、自由シリア軍が、ナイーマ村、ダルアー市アブー・バクル・スィッディーク検問所、ブスラー・シャーム市イブン・カスィール検問所を制圧した。またブスラー・シャーム市が空爆を受けた。

一方、ザマーン・ワスル(1月24日付)は、占領下ゴラン高原に近いダルアー県のアービディーン村近くに展開する軍大隊と自由シリア軍ヤルムーク大隊の戦闘を、イスラエル軍戦闘機が上空から旋回・監視していた、と報じた。同報道によると、この戦闘でヤルムーク大隊は軍大隊を制圧したという。

これに対してSANA(1月24日付)は、ブスル・ハリール市、ブスラー・シャーム市などで、軍が反体制武装勢力を追撃、複数の戦闘員を殺傷したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アクラバー村などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(1月24日付)によると、ザマルカー町・アルバイン市間の街道で、軍が反体制武装勢力を浄化し、治安を回復した。またダーライヤー市、ハラスター市郊外、ドゥーマー市、アービディーン村、ハイフーン市で、軍が反体制武装勢力を追撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市、フライターン市、バヤーヌーン町、カフルハムラ村、アンダーン市、カール・ジブリーン村、アレッポ市のカーティルジー地区、ナイラブ地区などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(1月24日付)によると、カフルダーイル村、アッサーン村、アンダーン市、マンナグ市、タッル・アアジャール市、アイン・ダクナ村、カフル・アントゥーン市、マンスーラ村などで、軍が反体制武装勢力の拠点を破壊した。

またアレッポ市では、シャッアール地区、バニー・ザイド地区、シャイフ・サイード地区、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、アーミリーヤ地区、タッル・ザラーズィール地区などで、軍が反体制武装勢力の拠点・アジトを攻撃、破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区が軍の砲撃を受け、市内各所で軍と反体制武装勢力が交戦した。

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ハサカ県では、SANA(1月24日付)によると、ハサカ市北部で軍が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は、声明を出し、軍がヒムス市および同市郊外での「野蛮な攻撃」を激化させていると非難し、「シリア全土の自由シリア軍に、ヒムス同胞への軍事支援」を呼びかけた。

諸外国の動き

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は記者団に対して、「最近の情報は、事態が膠着状態にあることを示している…。アサド打倒とシリア革命反体制勢力国民連立による権力掌握という我々が望んでいる解決策…に向かうような良い兆候はない」と述べた。

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ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、「シリアにおける紛争を政治プロセスへと変化させるうえでイランは積極的役割を果たすことができるし、そうする義務がある」と述べ、紛争解決へのイランの積極関与の必要を強調した。イタルタス通信(1月24日付)が報じた。

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サウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・ヤフヤー・ムアッリミー国連常駐代表は、安保理の定例会合で、シリア情勢に関して、国連憲章第7章に基づく介入を改めて求めた。

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ロバート・フォード在シリア米大使は、CNN(1月24日付)に、ジハード・マクディスィー外務在外居住者省報道官が、米国に滞在している、と述べた。真偽は定かでない。

AFP, January 24, 2013、Akhbār al-Sharq, January 24, 2013、al-Ḥayāt, January 25, 2013、Kull-nā Shurakā’, January 24, 2013、al-Kurdīya News,
January 24, 2013、Naharnet, January 24, 2013、Reuters, January 24, 2013、SANA,
January 24, 2013、Zamān al-Waṣl, January 24, 2013などをもとに作成。

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