アレッポ国際空港が「反体制武装勢力による民間機攻撃」に備え一時閉鎖される、民主統一党がハサカ県ダイリーク市に党事務所を開設(2013年1月1日)

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国内の暴力

アレッポ県では、AFP(1月1日付)が匿名筋の話として、アレッポ国際空港が「反体制武装勢力が民間機を攻撃しようとしている」ため、一時閉鎖されたと報じた。

Kull-na Shuraka', January 1, 2013

Kull-na Shuraka’, January 1, 2013

同報道によると、「閉鎖期間は明確ではないが、反体制武装勢力が展開している空港周辺の地区を軍が制圧し、航空機の安全が確保され次第、再開されるだろう」という。

シリア人権監視団によると、反体制武装勢力は政府によるアレッポ市への人道物資、兵站の搬入を阻止するべく、アレッポ国際空港を防衛する第80旅団の基地への攻撃を強化している、という、

これに関して、アレッポ国際空港は、「一日設備やゲートの修復のため、一時閉鎖措置をとった」と発表した。

一方、SANA(1月1日付)によると、サフィール市、マーリア市、アアザーズ市、カフルダーイル村、ナッカーリーン村、アレッポ市マルジャ地区などで、軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市スィルヤーン地区では、反体制武装勢力が学校を迫撃砲で攻撃し、市民3人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市などが軍の砲撃・空爆を受けた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区での砲撃で、男性1人が死亡した。

『ディヤール』(1月1日付)は、ビラード・シャーム・ウラマー連合代表のムハンマド・サイイド・ラマダーン・ブーティーの自宅に自爆ベルトを装着した戦闘員が接近しようとして、警備員に逮捕された、と報じた。

また、SANA(1月1日付)によると、ドゥーマー市および同郊外、ダーライヤー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ザバダーニー市、バフダリーヤ村、フサイニーヤ町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月1日付)によると、サアン地方のフーシュ・アーガー村、フーシュ・ディーワーニーヤ村などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅した。

またヒムス市では反体制武装勢力が建設公社職員の技師をワアル地区で殺害した。

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ハマー県では、SANA(1月1日付)によると、ガーブ地方のジューサ市で、略奪品の分配をめぐって、反体制武装勢力内で衝突があり、戦闘員3人が死亡した。

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イドリブ県では、SANA(1月1日付)によると、トゥウーム村、ビンニシュ市、タフタナーズ市周辺、カフルタハーリーム町、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(1月1日付)によると、ブスル・ハリール市で、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)がハサカ県ダイリーク市に党事務所を開設した。クッルナー・シュラカー(1月1日付)が報じた。

Kull-na Shuraka', January 1, 2013

Kull-na Shuraka’, January 1, 2013

諸外国の動き

NTV Turk(1月1日付)は、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相がシリア情勢混乱に伴うクルド民族主義勢力の活性化に対処するため、数ヶ月前からPKKの指導者で無期懲役刑で服役中のアブドゥッラ・オジャランとの交渉を行っている、と報じた。

同報道によると、交渉の「主な目的は(クルド人戦闘員の)武装解除」。

AFP, January 1, 2013、Akhbar al-Sharq, January 1, 2013、al-Diyar, January 1, 2013、al-Hayat, January 2, 2013、Kull-na Shuraka’, January 1, 2013、al-Kurdiya News, January
1, 2013、Naharnet, January 1, 2013、Reuters, January 1, 2013、SANA, January
1, 2013などをもとに作成。

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