イドリブ県・ハマー県境でヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が反転攻勢、ザイズーン発電所を奪還(2015年8月5日)

シリア人権監視団によると、イドリブ県南部のジスル・シュグール市一帯、ハマー県北部のガーブ平原一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系戦闘員と、ハック旅団、シャーム軍団、スンナムン、第101歩兵師団、ジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線、山地の鷹旅団、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、第111歩兵師団、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルキスターン・イスラーム党、アンサール・シャーム、シャーム自由人イスラーム運動、ガーブの鷹などが交戦した。

Kull-na Shuraka', August 5, 2015

Kull-na Shuraka’, August 5, 2015

戦闘は、ヒズブッラー戦闘員、シリア軍、アジア系・アラブ系外国人戦闘員の作戦司令室本部が置かれているジューリーン村から2キロほど離れたバフサ村(シーア派の村)一帯で激しく行われたという。

シリア軍側の作戦司令室近くにまで、反体制武装集団が進軍し、戦闘が行われたのは、シリア人権監視団によると、これが初めてだという。

クッルナー・シュラカー(8月5日付)によると、この戦闘により、反体制武装集団は、ザイズーン発電所などガーブ平原内のシリア軍の陣地複数カ所を再制圧したという。

これに関して、シャーム軍団渉外担当者のアフマド・アフマドを名乗る活動は、ファトフ軍がシリア軍に対する反転攻勢をかけ、イドリブ県のハムカ丘、ハッターブ丘、アアワル丘、フライカ村、ハマー県のザイズーン・ダム、ザイズーン発電所を制圧するとともに、ズィヤーディヤ村でシリア軍を包囲、部隊はジューリーン村に向けて撤退している、と主張した。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団の反転攻勢に対して、シリア軍はイドリブ県のアブー・ズフール航空基地一帯に対して10回以上にわたり空爆を行ったという。

同監視団によると、このほかハマー県のジャビーン村、タッル・ミルフ村一帯でも、シリア軍と反体制武装集団が砲撃戦を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハウラ平原一帯を砲撃し、子供3人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、アレッポ市マルジャ地区などを「樽爆弾」で空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がザバダーニー市一帯でジハード主義武装集団および地元の武装集団との戦闘を続けた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフラーク市などを砲撃した。

AFP, August 5, 2015、AP, August 5, 2015、ARA News, August 5, 2015、Champress, August 5, 2015、al-Hayat, August 6, 2015、Iraqi News, August 5, 2015、Kull-na Shuraka’, August 5, 2015、al-Mada Press, August 5, 2015、Naharnet, August 5, 2015、NNA, August 5, 2015、Reuters, August 5, 2015、SANA, August 5, 2015、UPI, August 5, 2015などをもとに作成。

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