アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市周辺地域およびハルジャラ村、ダルハ村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義者を含む反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が交戦した。
『ハヤート』(8月28日付)などによると、戦闘は、ダーイシュがマーリア市周辺各所で爆弾を爆発させたことをきっかけに激化し、戦闘ではダーイシュ戦闘員12人、反体制武装集団戦闘員40人が死亡、また多くの住民がマーリア市西方に避難した。
これに関して、反体制武装集団側は、戦闘の末に、反体制武装集団はハルジャラ村、ダルハ村を制圧したと発表した。
しかし、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州は、ダフラ村、ハルジャラ村、ハルバル村、サンダフ村を制圧したと発表した。
ロイター通信(8月27日付)、ARA News(8月26日付)は、ダーイシュが同地の3カ村を制圧し、反体制武装集団の拠点であるマーリア市をほぼ完全に包囲したと発表したと伝えた。
また、複数の活動家は、国境なき医師団の25日の声明を受けるかたちで、ダーイシュがこの戦闘で有毒ガスを使用したと主張、また戦闘では有志連合と思われる戦闘機がダーイシュの拠点に対して空爆を行ったことを明らかにした。
マーリア市、ハルジャラ村、ダルハ村はいずれも、米トルコ政府が設置合意したとされる「安全地帯」内に位置し、このうちハルジャラ村、ダルハ村は、シャームの民のヌスラ戦線からスルターン・ムラード旅団などに移譲された直後に、ダーイシュによって制圧されていた。
他方、SANA(8月27日付)によると、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ハミース市近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点複数カ所に対して砲撃を行う一方、ハサカ市南西部郊外で両者が交戦した。
またARA News(8月27日付)によると、有志連合が、人民防衛隊を援護するため、シャッダーディー市近郊、フール町近郊などのダーイシュ拠点を空爆した。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がラッカ市郊外でダーイシュ(イスラーム国)の車輌に対して空爆を行い、戦闘員2人が死亡した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市郊外を空爆した。
一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がワーディー・マースィク、シューマリーヤ山東部一帯を空爆する一方、ジャズル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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米中央軍(CENTCOM)は、6月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は3回におよび、ハサカ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。
AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、August 28, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。
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