フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ロシア軍がシリア国内での戦闘に参加したとのロイター通信などの報道に関して、フランスのBFM TV(9月11日付)で、「この問題が武器供与について言っているのであれば、ロシアは従来からシリア軍に武器を供与してきた。だが、地上部隊について言っているのであれば、彼らが駐留している理由を知らしめるべきだ…。タルトゥース基地の防衛がその目的だというのであれば、それは違う。かといって、紛争への介入が目的だというのであれば、それこそ受け入れられない」と述べた。
また、「フランスは、正当な自衛権に基づき、シリア領内に部隊は派遣しない。シリア領空での偵察作戦を2度実施した。なぜなら、ダーイシュ(イスラーム国)はシリア領からフランスに脅威を与えているからだ…。フランスは偵察作戦の結果を踏まえた上で適切な措置を講じるだろう」と述べた。
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一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモンゴル外相と会談後の共同記者会見で、シリア情勢に触れ、そのなかで「我々は改めて有志連合に、シリア政府およびシリア軍と協力するよう呼びかける…。ダーイシュ(イスラーム国)との戦いにおいてもっとも強力で効果的な戦闘を行っているのはシリア軍だ」と述べた。
ラブロフ外務大臣はしかし、過激派への対応が「国際法の基準に沿った集団的行為」であるべきだと述べ、米国とのチャンネルの再活性化が必要だとの見方を示し、「こうしたことは予期せぬ事態の発生を回避するために重要なことだ」と付言した。
そのうえで、「ロシアは引き続き、シリア政府に必要な設備を供与し、テロの脅威に対して自衛可能なようにする」と協調した。
AFP, September 11, 2015、AP, September 11, 2015、ARA News, September 11, 2015、Champress, September 11, 2015、al-Hayat, September 12, 2015、Iraqi News, September 11, 2015、Kull-na Shuraka’, September 11, 2015、al-Mada Press, September 11, 2015、Naharnet, September 11, 2015、NNA, September 11, 2015、Reuters, September 11, 2015、SANA, September 11, 2015、UPI, September 11, 2015などをもとに作成。
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